不動産の営業戦略|反響を媒介・成約につなげる集客と営業の見直し方

不動産の営業戦略|反響を媒介・成約につなげる集客と営業の見直し方

物件への問い合わせは届いているのに、内見や成約につながらない。売却査定の依頼は増えても、媒介契約を獲得できない。不動産営業では、反響の数と売上が同じように伸びるとは限りません。

営業戦略を見直すには、増やしたい取引を決め、集客から初回対応、面談・内見、媒介・成約までのどこに課題があるかを分けて考えることが必要です。売却を相談したい所有者と、購入・賃貸物件を探している人では、求める情報も相談先を選ぶ基準も異なります。

この記事では、売買・賃貸仲介を中心に、不動産会社の営業戦略の立て方を解説します。集客手段の使い分け、会社への相談につながる情報発信、顧客管理と成果の確認まで、現在の営業活動を見直すポイントを整理しました。

不動産の営業戦略は、増やしたい取引から決める

不動産の営業戦略にデジタルマーケティングが重要な理由

「問い合わせを増やしたい」という目標だけでは、集客施策を選びにくくなります。購入希望者からの物件問い合わせが増えても、売却物件の媒介獲得を優先している会社では、目指す成果に直結しないためです。

まずは、どの地域で、どの取引を、どのような顧客から増やしたいかを決めましょう。売買・賃貸仲介でも、売主、買主、入居希望者では営業の入口が異なります。

増やしたい取引 主な相談者 相談前に伝えたい情報
売却物件の媒介獲得 不動産の所有者、売却を検討している人 対応地域、取り扱いに強い物件、査定の考え方、販売活動の内容、売却相談からの流れ
購入希望者の相談・成約 住まいの購入や住み替えを検討している人 物件情報、地域の特徴、条件整理の支援、物件探しから引き渡しまでのサポート
賃貸仲介の相談・成約 引っ越し先や賃貸物件を探している人 募集状況、初期費用の目安、周辺環境、内見方法、入居までの流れ

管理受託を増やしたい場合は、所有者に向けて管理業務や報告体制、入居募集の支援内容を伝える必要があります。入居希望者向けの物件集客とは、目標も訴求内容も分けて設計しましょう。

「地域密着」を、顧客が判断できる情報にする

対象を絞ったら、その顧客に提供できる価値を整理します。「地域密着」「実績豊富」といった表現だけでは、相談先を比較する材料が不足します。

例えば、得意な地域や物件種別、過去に対応した相談、販売活動で重視していることを具体的に示すと、顧客は自分の希望に合う会社かを判断しやすくなります。実績を掲載する際は、対象地域や物件の条件、対応内容も添えましょう。

自社の得意分野は、担当者の感覚だけで決めず、過去の相談・契約記録から確認します。どの相談で自社の対応が評価され、契約につながったかを振り返ることが、営業戦略の土台になります。

不動産の営業戦略を、反響から媒介・成約まで分けて見直す

反響が少ない場合と、反響後の相談が進まない場合では、必要な対策が違います。広告費を増やす前に、顧客との接点がどこで途切れているかを確認しましょう。

売却相談では、反響から面談、媒介契約、売買契約へと進みます。購入・賃貸相談では、条件の確認、物件提案、内見、申込み・契約という流れが中心です。媒介契約と物件の成約を同じ成果として扱わず、それぞれの段階を確認することが大切です。

停滞している段階 確認すること 見直す内容
反響が発生しない 対象地域・顧客に情報が届いているか、掲載情報が相談目的と合っているか 集客媒体、掲載内容、検索広告のキーワード、遷移先ページ
反響後に連絡が取れない 初回対応の状況、希望する連絡手段、担当者の割り当て、重複対応の有無 対応担当と手順の明確化、連絡方法の確認、対応履歴の共有
面談・内見に進まない 顧客の希望や時期を把握しているか、次の相談で何が分かるかを伝えているか 条件の聞き取り、提案内容、日程調整、オンライン相談の案内
売却相談から媒介契約に進まない 査定の説明、販売活動の提案、他社との比較時に選ばれた・選ばれなかった理由 価格の根拠や販売方針の説明、自社の対応内容を示す資料
媒介契約・内見後に成約が進まない 物件条件、顧客の判断材料、内見後の反応、次回対応の予定 販売活動や物件提案の見直し、不安・疑問への回答、継続的な情報提供

初回対応では、回答と次の案内をセットにする

物件の空き状況や査定依頼への回答だけで対応が終わると、次の行動が顧客任せになります。質問に答えたうえで、面談や内見で確認できること、事前に整理しておくとよい条件を案内しましょう。

購入希望者なら、希望エリアや予算、入居時期などを確認し、候補物件を提案します。売却相談なら、売却の理由や希望時期を把握し、査定や販売方針の説明につなげます。

検討時期に合わせて、追客の内容を変える

すぐに取引を進めたい人と、数か月後の住み替えを検討している人に、同じ頻度・内容で連絡する必要はありません。顧客の希望する連絡方法や検討時期を確認し、役立つ情報を届ける予定を決めます。

返答がない理由を、見込みの低さだけで判断しないことも必要です。提案が希望条件と合っていない、日程調整が難しい、判断材料が不足しているなど、営業側で改善できる点がないかを確認しましょう。

不動産の営業戦略に合わせて、集客手段の役割を決める

デジタルマーケティングは不動産業界でもマスト

不動産の集客には、ポータルサイト、自社サイト、広告、SNS、紹介など、複数の接点があります。それぞれ得意な役割があるため、増やしたい取引と顧客の検討状況に合わせて選びましょう。

集客手段 主な役割 運用時に確認すること
不動産ポータルサイト 購入・賃貸物件を探している人との接点をつくる 募集状況の更新、写真や物件説明の充実、反響後の対応、掲載費用と成果
不動産一括査定サイト 売却を検討する所有者から査定相談を受ける 対応地域、相談者の希望時期、他社との比較を踏まえた説明、媒介獲得までの費用
自社サイト・検索向けの情報発信 地域や取引に関する疑問に答え、会社への相談につなげる 対象地域・相談内容の明確さ、実績や支援内容、問い合わせ先への導線
検索広告 特定の地域・相談内容を検索している人に情報を届ける 広告と遷移先の内容の一致、対象地域、予算、相談から契約までの成果
SNS 地域の情報や会社の対応を継続して伝え、接点を育てる 発信対象、投稿内容、更新体制、サイト訪問や相談へのつながり
紹介・地域での活動 既存顧客や地域の関係者を通じて相談のきっかけをつくる 取引後の対応、相談しやすい窓口、紹介経路の把握

物件を探す人と、相談先を探す人の入口を分ける

物件ポータルから問い合わせる人は、掲載物件への関心が入口です。一方、地域名と「売却」「住み替え」などを組み合わせて調べる人は、取引の進め方や相談先を探している可能性があります。

前者には、物件情報と速やかな案内が欠かせません。後者には、地域や取引への理解、自社がどのように支援できるかを伝える必要があります。集客媒体だけでなく、訪問先のページと営業担当者の案内まで、相談目的に合わせてそろえましょう。

施策を増やす前に、対応できる範囲を確認する

集客手段を増やしても、掲載情報の更新や問い合わせ対応が追いつかなければ、相談の機会を逃します。現在の媒体ごとの成果と運用負担を確認し、改善する施策、新たに試す施策を選びましょう。

紹介や地域での関係づくりを続けながら、Webで会社の対応内容を確認できるようにするなど、既存の営業活動を補う使い方もできます。すべての媒体を同時に運用する必要はありません。

不動産の営業戦略を支える、会社への相談を増やす情報発信

目的別にインバウンドマーケティングを仕掛ける

物件情報は、購入・賃貸を検討している人にとって欠かせません。ただ、その物件の募集が終われば、問い合わせのきっかけも失われます。

自社サイトでは物件情報に加えて、「この地域・この取引なら、この会社に相談したい」と判断できる情報を蓄積しましょう。扱う物件が変わっても、会社への相談につながる接点をつくるためです。

地域の情報を、取引の判断に役立つ形で伝える

周辺施設の紹介だけでなく、顧客が住まいや相談先を選ぶ際に必要とする情報を考えます。購入・賃貸なら、交通手段、生活施設、街の雰囲気などを、確認した事実に基づいて伝えましょう。

売却相談では、自社が扱っている地域・物件種別、販売活動で確認する点、所有者からよく寄せられる質問が発信の材料になります。情報の更新時期を示し、将来の価格や取引結果を断定する表現は避けます。

取引の流れと、相談後に受けられる支援を示す

顧客が知りたいのは、会社の紹介だけではありません。相談すると何を確認してもらえるのか、どのように取引を進めるのかも、問い合わせの判断材料になります。

売却なら、相談から査定、販売方針の説明、販売活動、契約・引き渡しまでの流れを示します。購入・賃貸なら、条件整理、物件提案、内見、申込み以降の案内など、自社が対応する範囲を説明しましょう。

オンライン相談や内見の日程調整に対応している場合は、その利用方法も案内します。顧客が相談のために確保する時間や、準備することをイメージできる内容にすると、次の行動を選びやすくなります。

事例では、自社がどのように対応したかまで伝える

事例を掲載する際は、許可や社内ルールを確認し、個人・物件の特定につながる情報に配慮します。そのうえで、相談時の希望、検討上の課題、自社の提案や対応を整理しましょう。

「成約しました」という結果だけでは、会社の支援内容は伝わりません。どのような条件を整理し、何を提案し、顧客がどう判断したかを説明すると、同じような相談をしたい人の参考になります。

情報を読んだ人が、相談内容を選べるようにする

売却の記事からは売却相談へ、購入・賃貸の記事からはそれぞれの相談へ進めるようにします。問い合わせ先で対応地域や相談内容、連絡方法を案内し、記事と窓口の内容を一致させましょう。

自社の得意分野はあるものの、サイトや広告で何を伝えるべきか整理できていない場合は、顧客が会社を選ぶ理由から見直す必要があります。キャククルを運営するZenkenでは、ターゲットや競合との違いを整理し、Web上での訴求を設計する支援を行っています。

不動産会社の強み・訴求を相談する

不動産の営業戦略を継続して改善する顧客管理とKPI

DXは不動産の営業効率を上げるための武器となる

相談内容が担当者の記憶や個別のメモに分散していると、連絡の重複や対応漏れが起きやすくなります。担当者が変わった際にも、顧客に同じ説明を繰り返してもらうことになりかねません。

顧客管理では、氏名や連絡先だけでなく、希望条件、検討時期、これまでの対応、次に行うことを共有します。連絡方法や頻度の希望も記録し、社内の取り扱いルールに沿って管理しましょう。

ツールの導入前に、記録と対応のルールをそろえる

最初に決めたいのは、誰が反響を受け、どこに記録し、いつまでに次の対応を決めるかです。記録する項目や担当者が曖昧なままでは、新しいツールを導入しても情報がそろいません。

現在の顧客管理システムや共有表で必要な情報を扱えるなら、運用の改善から始められます。件数や担当者が増えて管理が難しくなった場合は、CRMなどの顧客管理ツールを検討しましょう。

日程予約や情報配信を自動化する場合も、顧客の状況に応じた案内ができるかを確認します。ツールの機能数より、現在の業務で対応漏れや重複を減らせるかが選定の基準になります。

問い合わせ件数と、その先の成果を分けて確認する

成果は、取引の種類と集客経路ごとに確認します。売却査定の依頼と賃貸物件への問い合わせを合算すると、どの施策を改善すべきか分かりにくくなるためです。

対象 確認する指標 分かること
売却相談 相談件数、面談・査定実施件数、媒介契約件数、売買成約件数 相談から媒介獲得までの課題と、媒介獲得後の販売活動の課題
購入・賃貸相談 問い合わせ件数、連絡成立件数、面談・内見件数、申込み・成約件数 初回対応、物件提案、内見後の対応のどこで進行が止まっているか
集客経路 媒体別の相談件数、契約件数、集客費用 どの経路が、増やしたい取引につながっているか
営業対応 未対応件数、次回対応が未設定の件数、失注・見送り理由 対応漏れや、提案・説明を改善する必要がある点

割合を算出する際は、何を分母・分子にするかをそろえます。例えば媒介獲得率なら、対象となる売却相談の範囲を定め、重複問い合わせの扱いも統一しましょう。

また、今月の問い合わせが翌月以降に契約することもあります。同じ月の件数だけを割り算するのではなく、問い合わせを受けた顧客がその後どう進んだかを追うと、施策と営業対応を評価しやすくなります。

数値は、次に何を変えるかを決めるために使います。反響が不足しているなら集客を、面談に進まないなら初回対応を、媒介獲得が伸びないなら提案内容を見直すなど、確認結果を具体的な改善につなげましょう。

不動産の営業戦略で、得意な地域・取引の相談を増やす

不動産の営業戦略まとめ

不動産の営業戦略を見直す際は、反響件数だけでなく、どの地域・取引の相談が媒介や成約につながっているかを確認しましょう。自社が十分に対応でき、顧客からも評価されている分野が、集客を強化する候補になります。

例えば、過去の記録から特定地域の中古住宅の売却相談で選ばれていることが分かれば、その地域での対応経験や販売活動の内容を伝えられます。購入希望者への条件整理が評価されている会社なら、相談から物件提案までの支援内容を示す方法があります。

こうした情報が伝わっていなければ、顧客は掲載物件や査定額など、目に入る条件を中心に比較することになります。自社が得意とする相談を明確にし、その顧客に役立つ対応を、比較できる言葉で伝えることが必要です。

自社に合う顧客へ、強みが伝わるWeb集客を設計する

キャククルを運営するZenkenでは、狙う顧客と競合との差を整理するポジショニングを起点に、Webマーケティングを支援しています。不動産会社でも、対象地域や増やしたい取引、顧客が相談先を選ぶ際の判断材料を踏まえ、訴求内容と集客方法を検討します。

施策の一つが、顧客の選定基準に沿ってサービスの違いを伝えるポジショニングメディアです。自社の強みと顧客の希望が合う場面を伝える方法ですが、対象地域や検索ニーズ、競合状況に応じて、適した施策を選ぶ必要があります。

ポジショニングメディアのコンバージョンフロー

得意な地域・取引の相談を増やしたい、現在のWeb集客が狙う顧客につながっているか見直したい場合は、ご相談ください。

不動産のWeb集客を相談する

ページトップへ