予約電話が鳴り止まず、受付スタッフの顔が日に日に疲れていく。
初診はそれなりに入っているのに、なぜか再来院にはつながらない。
動物病院を取り巻く課題は、単に「予約を取る仕組み」だけでは解決しきれないものが増えています。
重要なのは、「自院が抱えている具体的な課題に、どのシステムがどう応えられるか」を起点に選ぶこと。
本記事では、「スタッフ定着率が悪く、現場の疲弊を改善したい」「再来率を高めて、安定した診療につなげたい」という2つの課題を軸に、動物病院向け予約システムを分類・紹介しています。
「どれが自院に合っているか」を見極める判断材料として、ご活用ください。
本記事で紹介している動物病院予約システムのうち、一部の企業資料は下記より無料でダウンロードいただけます。比較検討の参考にご活用ください。
動物病院予約システムの一覧
| 会社名 | サービスの特徴 | 料金プラン | サポート体制・導入支援 | こんな課題を持つ動物病院におすすめ |
|---|---|---|---|---|
Wonder |
画面デザインがシンプルで直感的!ITに自信がなくても1週間で使いこなせる
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月額:16,000円
※税不明 |
キックオフMTG・定例MTG複数回。専任担当がチャット・電話で随時対応。
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IT導入に不安があり、最小の負荷で予約受付をDX化したい病院
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アポクル予約ペット |
スタッフも患者も使いやすいデザイン設計!動物病院のニーズに合わせて機能をカスタマイズ
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Calooペットプレミアム掲載とセットの場合
月額:11,000円~ アポクル予約ペットのみの場合 月額:22,000円~ |
キックオフMTGあり。
設定や運用を随時サポート
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複数獣医が在籍し、診療メニューや運用ルールを細かく設定したい病院
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ペット手帳 |
飼い主様との繋がりを強化し、リピート率向上を目指すなら
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7,700円~
予約・順番待ちの機能を使わない、メッセージ機能だけの利用は無料 |
キックオフMTGあり。導入後1ヶ月後・3ヶ月後にフォローミーティングで活用状況をチェック
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電話対応・診療前問診に追われ、受付スタッフが慢性的に疲弊している病院
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セゾンのペットオンライン診療 |
オンライン診療に必要な機能だけを搭載、低コストで導入するなら |
ライト:1,100円(薬リクエスト・お知らせ配信のみ)
ベーシック通院予約:5,500円 ベーシックオンライン診療:5,500円 スタンダード:9,680円 ※税不明 |
Webマニュアル、スタッフ研修付き
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低コストでオンライン診療も含めた予約システムを導入したい病院
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Animary byGMO |
LINE連携による15秒再診予約でスムーズな診療体験を実現 |
スタータープラン:月額1,980円(1予約あたり+100円)
ライトプラン:月額9,900円〜、初期費用270,000円〜。 スタンダードプラン:要問合せ ※税不明 |
専任担当が付きチャット相談可
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複数医師や機器を持つ中〜大規模病院で、リソース管理や会計業務を自動化したいケース
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ペットPASS |
アプリで飼い主さんも簡単に診察予約 |
月額:7,700円〜
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キックオフMTG、操作マニュアル冊子あり
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待合室の混雑が慢性化しており、受付・呼出対応でスタッフが疲弊している病院
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EPARKペットライフ |
カレンダー形式の操作画面で予約状況が一目瞭然 |
月額:要問合せ
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患者の操作サポートあり
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新規患者を増やしたい、地域での認知を広げたい病院
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ソトマチ |
来院目的がわかるので診察準備の効率化が図れる |
月額:要問合せ
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詳細記載なし
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過去に予約システムを導入したが、飼い主に浸透しなかった病院
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動物病院予約システムとは

動物病院予約システムとは、動物病院の予約管理や顧客管理を一元化してくれるシステムです。通常の電話予約や対面予約の他に、インターネットやアプリなどを利用して予約を行えて、予約情報はシステム上で一括管理されます。サービスの種類によっては、診察予約だけではなく予防接種やフードの販売などの予約対応も可能です。
ここでは、動物病院予約システムの基本的な機能や、選び方のポイントなどについて解説していきます。
動物病院予約システムの主な機能
動物病院向けの予約システムは、インターネットやアプリケーションを通じて、患者が24時間体制で外来予約を行えるようサポートするサービスです。主な機能は下記の通りです。
- ネット予約
- キャンセル管理
- 予約日時リマインダーなどの通知機能
- 電子カルテとの連携
- 待ち時間管理
- キャッシュレス決済のサポート
- 来院時間の分散機能
- 院外待ちのサポート
予約システムの機能を利用することで、動物病院は受付業務の負担を減らし、より多くの時間を患者ケアに充てることが可能になります。
動物病院予約システムの選び方5ステップ
動物病院に最適な予約システムを選ぶためには、単に機能が豊富であることだけでなく、自院の運用スタイル、飼い主層の特性、予算、そして長期的なサポート体制までを見極めることが重要です。ここでは、失敗しないための5つのステップをご紹介します。
- 必要な機能をリストアップしましょう(時間予約や問診、LINE連携など)
- LINE連携が必要かどうかを判断します。高齢の飼い主の比率も意識してください
- 料金体系(月額制か従量課金制か)を比較して、自院に合ったプランを選びます
- 導入サポートの内容を確認しましょう。電話や訪問サポートがあると安心です
- 無料トライアルを活用し、実際に操作性や使い勝手を確かめてみましょう
動物病院予約システムの予約方式3タイプ比較
動物病院向けの予約システムには「時間予約」「時間帯予約」「順番予約」の3つの方式があります。それぞれ特徴があり、自院のスタイルや患者層に合わせて選ぶことが大切です。
| 予約方式 | 特徴 | 主なメリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 時間予約 | 15分ごとなど、時間を決めて予約枠を設定 | 待ち時間の短縮に効果的。飼い主は予定を立てやすい | 急な診療やトラブルで枠がずれやすい |
| 時間帯予約 | 30~60分など幅を持たせた予約。複数人が同じ枠で来院 | 柔軟な運用がしやすい。来院の分散で受付がスムーズ | 待ち時間が発生する場合もある |
| 順番予約 | 来院順やWEB受付番号で管理。来院タイミングを自分で選べる | 混雑を避けて院外や車内で待機できる | 混み具合によっては順番が読めないことも |
それぞれの方式を理解し、自院の運用や飼い主のニーズに合ったものを選ぶことが、スムーズな診療と満足度向上につながります。
動物病院予約システム導入のメリット
導入メリット|病院側
動物病院が予約システムを導入すると、院内業務が効率化され、スタッフの負担も大きく軽減されます。ここでは、主なメリットをわかりやすくご紹介します。
電話応対の削減でスタッフの負担が軽くなる
予約システムを導入すると、これまで手間のかかっていた電話予約や問い合わせが大きく減ります。受付スタッフや看護師が本来の業務に集中できるようになり、仕事のストレスや疲労感の軽減にもつながります。電話が減ることで、受付の混乱も減り、全体のサービス品質が向上するでしょう。
予約データの可視化でシフト調整や残業の抑制
予約情報がシステムで一目で分かるようになるため、スタッフごとのシフト調整や人員配置がしやすくなります。忙しい時間帯や曜日が明確になり、スタッフを必要なタイミングで配置できるようになることで、無駄な残業を減らす効果も期待できます。さらに、過去のデータをもとにした働き方の見直しや、効率的な運営のヒントも得られるでしょう。
紙カルテからの転記ミス削減で情報管理がラクに
予約システムと動物病院向けの電子カルテを連携させることで、飼い主が事前に入力した情報がそのまま反映されます。これにより、紙カルテへの転記作業が減り、入力ミスや情報の抜け漏れを防ぐことができます。さらに、データのペーパーレス化が進むことで、書類の保管スペースや紙のコストも削減できます。複数施設で情報を共有したい場合にも、システム上で一元管理ができるため、よりスムーズな患者対応が可能です。
こうしたメリットが積み重なることで、院内の働きやすさや経営の安定にもつながります。 次に、飼い主側のメリットについて見ていきましょう。
導入メリット|飼い主側
予約システムの導入は、飼い主にとってもたくさんの利便性と安心をもたらします。
待合室の混雑回避でペットのストレスを軽減
事前に予約をして来院できるため、院内で長時間待つ必要がなくなります。これにより、他の動物と接触する機会や、感染症リスクが大きく減ります。飼い主とペットのストレスを軽減でき、安心して通院できる環境が整います。
LINE連携でアプリ不要、かんたん予約
多くの予約システムはLINEと連携しており、普段使い慣れているLINEから簡単に予約が可能です。アプリのダウンロードや会員登録が不要なため、誰でも手軽に予約できるのが大きなメリットです。予約完了やリマインドもLINEで通知されるため、うっかり忘れる心配もありません。もし自院でLINE連携を強化したい場合は、LINE公式アカウント構築代行を活用するのも一つの方法です。
事前問診で診療がスムーズに
来院前に自宅で問診情報を入力できるため、受付や診察がよりスムーズになります。獣医師は事前にペットの症状を把握でき、適切な準備ができるため、診療時間の短縮や伝え漏れの防止にもつながります。これにより、より質の高い診療サービスを受けることができるでしょう。
動物病院予約システム導入のデメリット
初期投資およびランニングコストの負担
システム導入には初期費用や月額利用料、院内ネットワーク整備など多様なコストがかかります。小規模な動物病院ほど費用対効果や資金繰りの課題が大きくなります。
→ コスト比較や助成金の活用、必要最小限の機能に絞ったサービス選定で負担を軽減できます。
スタッフ教育と業務フロー再構築の必要性
システム導入はスタッフへの操作研修や業務ルールの見直しが不可欠です。慣れないスタッフが負担を感じやすく、現場の運営リスクも高まります。
→ マニュアルや研修動画を整備し、段階的な導入と継続的なサポートを行うことが有効です。
一部の飼い主層にとって使いづらい
高齢者やITが苦手な飼い主はWeb予約やアプリ操作に抵抗を感じることがあります。電話・窓口予約との二重運用でスタッフの負担が増えることもあります。
→ 切り替え時には、IT操作に不安のある飼い主も安心して利用できるよう、従来の電話予約も並行して受け付けましょう。また、院内掲示やわかりやすい説明資料で、新しい予約システムの使い方を丁寧に案内することで、混乱や戸惑いを防げます。
システムトラブル・操作ミスによるリスク
通信障害やサーバートラブル、操作ミスなどで予約の抜け漏れやダブルブッキングが起こる恐れがあります。患者満足度を損なうリスクとなります。
→ 万一のトラブル時のマニュアルやバックアップ体制を用意し、定期的なシステム点検を実施しましょう。
予約枠の偏り・空き時間発生の懸念
特定の曜日や時間に予約が集中し、他の時間帯は空きが出やすくなります。急なキャンセルも空き枠の有効活用を難しくする要因です。
→ 混雑時間の分散を促す予約システム機能やリマインド通知で、バランスの良い予約を促進できます。
初診患者対応の煩雑化
初診時の詳細情報入力が負担となり、操作や確認に手間がかかります。繁忙時は既存患者対応が遅れるなど現場の混乱も招きやすくなります。
→ 初診専用の簡易フォーム導入や、受付前の事前入力案内で現場負担を減らせます。
動物病院予約システム導入に関するFAQ
Q1. 専用のソフトや端末を購入する必要がありますか?
動物病院向け予約システムの多くは、追加のソフトウェアや専用端末の購入なしで、既存のパソコンやタブレット、スマートフォンで利用開始できます。インターネット接続が可能なデバイスがあれば導入後すぐにシステムを活用し、予約管理を始めることが可能です。初期費用を抑えながら高度な機能を使える点が大きな魅力と言えます。
Q2. スタッフが操作方法を覚えられるか不安です
動物病院予約システムは直感的でわかりやすい画面で操作できるものが多く、IT知識に自信がないスタッフでも短期間で操作方法を習得できるよう設計されています。多くのサービスでは導入サポートや使い方講習も提供されており、操作に不安を感じる場合でも専門のサポートスタッフが丁寧に指導してくれます。
Q3. あれば便利な機能は何ですか?
予約システムの中でも、LINEを活用した予約機能は特に便利です。LINE予約では普段から使用しているアプリを使って手軽に予約ができ、予約状況の確認や変更も簡単に行えます。
さらに、LINEを利用することで、リマインダー通知やキャンセルの防止、問診票の提出など、予約に関連する多くの業務を効率化できます。
動物病院予約システムのまとめ
動物病院の運営においての予約システム導入は、診療の効率化、待ち時間の短縮、スタッフの業務負担軽減など、多くのメリットがあります。
現代の予約システムは、WebやLINE、アプリを通じて患者がいつでもどこからでも容易に予約できるように設計されており、電子カルテとの連携や、予約状況のリアルタイム表示など、多様な機能を備えているところが魅力です。
どのようなシステムを導入するのかによって、病院の運営効率化や患者へのサービスの質を大きく左右します。自社に合ったシステムを見極めるためにも、本記事で紹介した各システムの特徴や選択時のポイント、導入のメリット・デメリットを参考に、ぜひお役立てください。
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- 本記事は、2024年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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