海外マーケティング事例 BtoB企業が海外リード獲得に成功する施策設計
公開日:2026年05月12日
海外市場に進出する日本企業が増える一方で、英語サイト、広告、展示会、SNS、プレスリリースを実施しても、問い合わせや商談に結びつかないケースは少なくありません。海外マーケティングの成果は、施策を多く実施したかではなく、見込み顧客が自社を見つけ、比較し、信頼し、問い合わせに進む流れを作れているかで決まります。
BtoB企業の海外マーケティングでは、事例を見るときも「何を実施したか」だけでなく、「誰に、どの情報を届け、どのように商談化したか」を確認することが重要です。特に製造業、産業機器、技術サービス、専門商材では、認知施策と営業フォローが分断されると、反応は得られても受注につながりにくくなります。
海外マーケティング全体の進め方は、海外マーケティングの戦略設計で整理しています。本記事では、事例から実務に落とし込みやすいポイントを中心に解説します。
海外マーケティング事例を見るときの判断軸
海外マーケティングの事例は、成功した施策だけを見ても自社に再現できるとは限りません。国、業界、商材単価、意思決定者、販売チャネル、営業体制によって、効果が出る施策は変わります。
たとえば、BtoC商材ではSNSやインフルエンサー施策が購買に直結しやすい場合があります。一方、BtoB企業では、広告や展示会で関心を獲得した後に、技術資料、導入事例、比較表、FAQ、商談フォローを用意しなければ検討が進みません。
| 見るべき観点 | 確認すること | BtoBで重要な理由 |
|---|---|---|
| 対象市場 | 国、地域、業界、用途、企業規模 | 市場を広げすぎると訴求と営業対応がぼやける |
| 顧客課題 | 品質、コスト、納期、規格、供給安定、技術課題 | 海外顧客が比較する理由を明確にする必要がある |
| 接点 | SEO、広告、展示会、LinkedIn、専門メディア、メール | 単発施策ではなく複数接点で信頼を作る必要がある |
| 受け皿 | LP、英語サイト、資料DL、問い合わせフォーム | 興味を持った顧客が比較検討できる情報が必要になる |
| 商談化 | CRM、営業資料、メールフォロー、オンライン商談 | 問い合わせ後の対応品質が受注可能性を左右する |
事例から学ぶべきなのは、施策の流行ではなく、成果につながった構造です。どの市場を狙い、どの顧客課題を起点に情報を作り、どの接点から問い合わせに進めたのかを見れば、自社の海外マーケティングにも活かしやすくなります。
BtoB製造業の海外Webマーケティング事例
BtoB製造業では、海外顧客が製品をすぐに購入することは多くありません。技術適合、品質証明、納期、輸出対応、現地サポート、規格対応、導入後のリスクを確認しながら候補企業を比較します。そのため、Webマーケティングでは、単に製品ページを英訳するだけでなく、検討に必要な情報を段階的に用意する必要があります。
たとえば、産業機器メーカーが海外向けにWebマーケティングを行う場合、最初に作るべきなのは会社紹介ページではありません。海外顧客が調べる用途、困っている工程、求める規格、比較する代替品を整理し、それに対応するコンテンツを作ります。
海外Webマーケティングで成果につながる流れ
- 対象国と対象業界を絞る
- 海外顧客が検索する課題語、用途語、製品カテゴリ語を整理する
- 用途別ページ、技術資料、導入効果ページを作る
- 資料DLや問い合わせフォームで関心内容を把握する
- CRMに登録し、国・業界・検討段階別に営業フォローする
海外Webマーケティングの実務全体は、海外Webマーケティングの進め方でも詳しく整理しています。製造業では、広告だけで需要を作るよりも、検索、比較検討、資料請求、商談までをつなげる設計が重要です。
海外展示会とWeb導線を組み合わせた事例
海外展示会は、BtoB企業にとって有効な接点です。現地の見込み顧客、代理店候補、業界関係者と直接会えるため、短期間で市場の反応を得られます。ただし、展示会に出展するだけでは成果は安定しません。
展示会で名刺を獲得しても、会期後のフォローが遅れたり、関心内容に合わせた資料が送れなかったりすると、商談機会は競合に流れます。成果につながる企業は、展示会前からWebと連動させています。
| タイミング | 実施すること | 商談化の狙い |
|---|---|---|
| 会期前 | 出展告知、来場予約LP、広告、メール案内 | ブース訪問の目的を事前に作る |
| 会期中 | QRコード、資料DL、商談メモ、用途別資料 | 関心テーマを記録し、後追いできる状態にする |
| 会期後 | メール、オンライン商談、関連ページ案内、CRM管理 | 名刺を案件化に近づける |
海外展示会の成果は、来場者数や名刺枚数だけでは判断できません。会期後に商談化した企業数、見積依頼数、代理店候補数、次回接触の約束数まで確認する必要があります。展示会施策を強化する場合は、海外展示会出展の進め方もあわせて整理しておくと、準備すべき導線が明確になります。
資料DLと広告で海外リードを獲得した事例
海外向け広告は、短期間で市場反応を確認しやすい施策です。ただし、広告の遷移先が製品一覧や会社紹介だけでは、見込み顧客は問い合わせる理由を見つけにくくなります。BtoBでは、問い合わせの前に資料DL、技術資料請求、比較資料、ウェビナー登録などの中間CTAを用意する方が現実的です。
たとえば、新しい市場で反応を検証する場合、まず対象国と用途を絞ったLPを作ります。LPでは製品スペックだけでなく、導入によって解決できる課題、比較される代替手段、導入前に確認すべき条件を整理します。そのうえで、広告からLPへ誘導し、資料DLや相談フォームでリードを獲得します。
資料DLを商談につなげるポイント
- 資料名を「製品カタログ」だけにせず、顧客課題や用途が分かる名称にする
- フォームで国、業界、用途、導入時期、相談内容を確認する
- 資料DL後に同じメールを送らず、関心テーマ別にフォローする
- 営業が追うべきリードと、ナーチャリングすべきリードを分ける
- 広告のクリック数ではなく、商談化率と有効リード率を追う
広告は反応の入口です。資料DLや問い合わせの導線が整っていなければ、広告費を使っても営業成果が見えにくくなります。海外市場で早く反応を見たい場合こそ、LP、資料、フォーム、メール、CRMをセットで設計する必要があります。
海外SEOと多言語サイトで問い合わせを増やした事例
海外SEOは、海外顧客が自社を見つけるための中長期施策です。多言語サイトを作るだけでなく、国ごとの検索語、業界用語、比較軸、購買判断に合わせてコンテンツを設計する必要があります。
日本語サイトを英訳しただけのページでは、海外顧客が使う言葉とずれることがあります。たとえば、国内では自社独自の製品名で認知されていても、海外では用途、課題、規格、代替品名で検索される場合があります。海外SEOでは、製品名よりも、顧客が解決したい問題からページを作ることが重要です。
海外SEOを商談につなげるには、流入を集めるページと、問い合わせに進めるページを分けて考えます。課題解説ページで認知を取り、用途別ページで比較検討を進め、技術資料や問い合わせフォームへ誘導する流れを作ります。詳しくは、海外向けSEO対策でも解説しています。
フォービル社の海外プロモーション事例
建築資材メーカーの株式会社フォービルは、国内市場での成長に頭打ちを感じ、海外展開を検討していました。一方で、海外営業の経験や英語での情報発信には課題があり、いきなり現地法人を設立するにはリスクが大きい状況でした。
そこで、海外プロモーションの第一歩として、英語の専門メディアを活用した情報発信を実施しました。建築資材に関する業界用語や、海外顧客が検索しやすい疑問、導入前に確認したいポイントをコンテンツ化し、単なる製品紹介ではなく、顧客が比較検討しやすい情報接点を作りました。
その結果、北米や中東など、建築資材の需要が見込まれる地域から問い合わせが発生し、商談機会の創出につながりました。現地法人を設立する前に、Web上で市場反応を確認しながら海外からの引き合いを獲得した点が、この事例の重要なポイントです。
フォービル社の事例から分かるのは、海外プロモーションは広告費をかけて広く露出するだけではないということです。専門性の高いBtoB商材では、検索される言葉、顧客が不安に感じる点、導入前に知りたい情報を整理し、問い合わせにつながる導線を設計することが成果につながります。海外プロモーション全体の設計は、海外プロモーション事例から学ぶ商談獲得の進め方も参考になります。
事例から分かる失敗しやすいパターン
海外マーケティングで成果が出にくい企業には、共通する失敗パターンがあります。施策そのものが悪いのではなく、施策同士がつながっていないことが問題です。
| 失敗しやすい状態 | 起こりやすい問題 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| 英語サイトを作っただけ | 海外顧客が比較したい情報が不足する | 用途別、業界別、課題別の情報を追加する |
| 広告だけを運用する | クリックは増えても問い合わせにつながらない | LP、資料DL、問い合わせCTAを整える |
| 展示会で名刺を集めるだけ | 会期後のフォローが遅れ、商談化しない | メール、CRM、商談メモを事前に設計する |
| 翻訳だけで現地化しない | 海外顧客の課題や購買基準とずれる | 国、業界、用途ごとに訴求を調整する |
| リード数だけを見る | 営業対象外の問い合わせが増える | 有効リード率、商談化率、受注見込みで見る |
海外マーケティングの失敗は、実行力不足だけではありません。市場選定、訴求、Web導線、営業フォロー、KPIが分断されていると、施策を重ねても成果が見えにくくなります。
自社で再現するためのチェックリスト
海外マーケティング事例を自社に活かすには、施策名を真似るのではなく、成果につながった条件を自社に置き換える必要があります。特にBtoB企業では、次の項目を整理すると、海外向け施策の優先順位を決めやすくなります。
- 最初に狙う国、業界、用途、企業規模を絞れているか
- 海外顧客が比較する競合や代替手段を把握しているか
- 自社が選ばれる理由を、海外顧客の購買基準で説明できるか
- 英語サイトやLPに、品質、実績、規格、供給体制、導入条件が載っているか
- 広告、SEO、展示会、メールを同じ訴求軸でつなげているか
- 資料DLや問い合わせ後に、誰がどのタイミングでフォローするか決まっているか
- リード数だけでなく、有効商談数や受注見込みまで追えているか
海外販路の作り方まで整理したい場合は、海外販路開拓方法もあわせて確認しておくと、マーケティングで獲得したリードを営業活動へつなげやすくなります。
海外マーケティング事例を商談獲得に活かす
海外マーケティングの成功事例に共通するのは、施策を単発で終わらせていないことです。対象市場を絞り、海外顧客の課題に合わせて訴求を作り、Webサイトや資料で比較検討を支援し、問い合わせ後の営業フォローまでつなげています。
海外市場では、日本国内で通用してきた実績や強みが、そのまま伝わるとは限りません。海外顧客が使う言葉、比較する基準、不安に感じる点に合わせて情報を再設計することで、広告、SEO、展示会、メールの効果が商談につながりやすくなります。
キャククルでは、日本BtoB企業・製造業・専門商材の海外向けマーケティングにおいて、市場選定、訴求設計、Webサイト、SEO、広告、コンテンツ、問い合わせ導線の設計まで支援しています。海外市場で自社の強みを伝え、リード・商談獲得につなげたい場合はご相談ください。












