長年使ってきた業務システムを刷新したいものの、「今の業務機能はどこまで残せるのか」「保守や機能追加の難しさも改善できるのか」「業務を続けながら移行できるのか」と悩んでいませんか。
モダナイゼーションでは、プログラムや稼働環境を新しくするだけでなく、移行後にどのような状態で使い続けたいかを整理することが大切です。既存の業務機能を引き継ぎながらプログラムの構造を見直す方法もあれば、業務手順から設計し直す方法もあります。
本記事では、モダナイゼーションサービス18社の特徴と支援範囲を比較します。残したい業務機能と、改善したいシステムの課題を分けて考え、自社に合った刷新方法や依頼先を選ぶための判断ポイントを解説します。
目的別に選ぶモダナイゼーションサービス
モダナイゼーションサービスは、古いシステムを新しくするという目的は共通していますが、対応する課題や刷新方法はサービスによって異なります。
例えば、今の業務を変えずに古いプログラムを新しくしたい場合と、業務の進め方から見直したい場合では、適したサービスが異なります。また、既存システムを止められない場合は、移行中の業務継続や動作確認への対応も重要です。
そのため、サービスを比較する際は、「現在のシステムで何に困っているのか」「何を残し、何を変えたいのか」を明確にすることが大切です。
以下に、主な課題と、それぞれの状況で確認したいサービスの特徴を整理しました。
| 現在の課題・目的 | 検討したいサービスの特徴 |
|---|---|
| 今の業務を変えずに、古いプログラムを新しくしたい | 既存の処理を引き継ぐプログラム変換や、新旧システムの動作確認に対応 |
| 設計書がなく、システムの中身が分からない | 古いプログラムの解析や、変更による影響範囲の調査に対応 |
| 業務を止めずに、少しずつ新しい環境へ移行したい | 新旧システムの並行利用や、機能・データの段階的な移行に対応 |
| 古いシステムのデータを新しいサービスでも使いたい | データの移行・変換や、異なるシステム間の情報連携に対応 |
| システム刷新を機に、業務の無駄も見直したい | 業務手順の整理から、新しいシステムの設計・開発まで支援 |
| 古い機器や運用環境を変更したい | 既存システムの調査から、移行先の選定・環境構築まで支援 |
| 外部の開発会社に頼らず、自社で改修を続けたい | システムの構造改善や、社内の開発体制づくり・人材育成を支援 |
| 会社の統合・分離や設備の移転に合わせて移行したい | 利用者情報・権限・データなどを含む移行計画から切り替えまで支援 |
なお、これらの課題は一つだけとは限りません。例えば、古いプログラムの変換と、業務を止めずに移行するための対策の両方が必要になる場合もあります。
また、同じ課題に対応するサービスでも、既存の機能をどこまで引き継げるか、どのような方法で移行するか、移行後の保守まで対応するかには違いがあります。
なお、現在の業務機能を残すことと、古いプログラムの構造をそのまま残すことは、同じではありません。今の業務処理を引き継ぎながら、移行後に保守・改修しやすい構造へ見直す方法もあります。どの機能を残すかと、プログラムや稼働環境をどう変えるかを分けて比較しましょう。
次の比較一覧では、各社が重点的に提供しているサービスの特徴を整理しています。
モダナイゼーションサービス18社の比較表
適している課題、主な刷新方法、依頼前の確認ポイントを比較します。「適している課題」と「依頼前の確認ポイント」は、各社のサービス情報をもとにキャククルが整理した判断の目安です。確認ポイントは各社の制限事項を示すものではありません。自社のプログラムや運用条件に対応できるか、依頼前に各社へご確認ください。
| 会社名 | サービスの特徴 | 適している課題 | 主な刷新方法 | 依頼前の確認ポイント |
|---|---|---|---|---|
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業務機能を引き継ぎ、保守・改修しやすいシステムへの刷新を支援
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既存の業務機能を残しながら、古い技術への依存や保守・改修の難しさを見直したい
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Pure JavaなどへのAI変換と、業務機能の継承を確かめる現新一致テスト
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自社の言語・環境での変換範囲、移行後の保守体制、維持する処理と変更する処理の検証方法
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SHIFT|モダナイゼーションサービス |
設計書がない古いシステムの中身をAIで解明し、改修方針まで具体化 |
設計書がなく、システムの中身が分からない
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AIによるプログラム解析・設計情報の再作成から新システムの開発まで
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解析できるプログラムの種類と、作成される設計資料の範囲
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NSW|メインフレームモダナイゼーションサービス |
古いシステムを使いながら、必要なデータから新環境で活用できる段階移行 |
古い大型システムを稼働させながら、新しい環境でデータを使いたい
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既存のプログラムを活かし、データを先行移行して段階的に刷新
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現在のデータベースの移行可否と、新旧システムの並行稼働条件
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アクセンチュア|モダナイゼーションサービス |
古いシステムの刷新を機に、業務・データ・設備をまとめて見直す全社改革 |
システムの更新と同時に、業務やデータ活用も見直したい
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業務・アプリケーション・データ・クラウド環境をまとめて再設計
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既存業務を残す範囲と、刷新対象となるシステム・業務の範囲
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NSD|最適化モダナイゼーションサービス |
今の業務を変えずに旧式プログラムを変換し、保守しやすくする更新 |
既存の業務機能を維持しながら、古いプログラムを更新したい
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プログラム言語を維持する移行と、別の言語への変換に対応
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現在のプログラム言語と希望する移行先の組み合わせへの対応
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IBM|アプリケーション・モダナイゼーション・サービス |
大型システムの使える機能を残し、必要な部分だけ新環境へ移す段階刷新 |
既存の大型システムを活かしながら、必要な部分から新しくしたい
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既存環境の継続利用と、新しいクラウド環境への移行・再構築を組み合わせる
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残す機能と移行する機能の切り分け方、システム間の連携方法
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東芝デジタルエンジニアリング|モダナイゼーション支援サービス |
老朽化したシステムを調査し、残す機能を見極めながら進める段階刷新 |
統合・分離や保守終了に合わせて、期限内にシステムを移行したい
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既存環境の調査と、メール・利用者情報・業務システムなどの移行
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移行対象となる製品と、利用者情報・アクセス権限の引き継ぎ範囲
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オープンアップシステム|モダナイゼーション |
複雑な既存システムを見直し、業務変更に対応しやすくする再構築 |
複雑になった業務システムを、変更しやすい仕組みに改修したい
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既存システムを見直し、新しい技術を用いて改善・再構築
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既存機能を残す範囲と、新しく設計し直す部分の切り分け
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HPE|Application Modernization Services |
既存アプリと運用環境を評価し、移行先の選定から進めるシステム刷新 |
システムをどこで動かすべきか、移行先の判断ができない
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現状を評価し、クラウドや社内設備などから移行先を選定
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性能・費用・安全性を踏まえた移行先の選定条件
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DTS|モダナイゼーション支援サービス |
読める人が減った旧式プログラムを解読し、保守終了に備えるシステム更新 |
古いプログラムを扱える人が減り、保守や更新が難しい
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旧式プログラムの解析・再構築、開発環境の更新、保守終了への対応
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現在の言語・開発環境への対応と、保守終了までの移行計画
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デリバリーコンサルティング|Modernization |
システムの刷新と実案件を通じた社員育成で、自社で改修を続ける体制づくり |
システムを刷新し、自社で改修を続けられる体制もつくりたい
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システム診断・再設計と、実案件を通じた社員育成
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自社で担当する開発工程と、技術習得・引き継ぎの支援範囲
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ベーシック|モダナイゼーションサービス |
Azureの標準機能を活かし、日々の機器管理の負担を減らすシステム刷新 |
サーバー管理の負担を減らし、Azureでシステムを運用したい
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Azureの標準機能を活用したシステムの再設計・移行
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現行システムのAzure対応と、移行後の運用・費用
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ベル・データ|モダナイゼーションサービス |
IBM iの処理を残したまま、古い画面をスマホでも使いやすくする改修 |
IBM iを使い続けながら、画面や開発環境を改善したい
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IBM iを活かした画面改善、モバイル対応、プログラム解析
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使用中のIBM i環境と、改善したい機能・画面への対応
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SCSK|NebulaShift |
変更が多いシステムを機能ごとに整理し、自社で改善を続ける開発体制 |
複雑なシステムを整理し、機能変更を続けやすくしたい
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現状分析と改善の優先順位付けから、段階的な刷新・開発体制の整備
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段階的に変更する機能の範囲と、移行後の開発体制
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ソフトテックス|モダナイゼーション |
古い機器ごとの処理を解析し、移行に必要な資産を整理するシステム更新 |
古いシステムの移行対象や、変更による影響範囲が分からない
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既存プログラムやデータを調査・整理し、必要な資産を移行
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現在の機器・プログラムへの対応と、事前調査・動作確認の範囲
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日立ソリューションズ|ITモダナイゼーション支援ソリューション |
既存システムを活かし、プログラム・稼働環境・運用方法を見直す刷新 |
プログラムだけでなく、稼働環境や運用方法も見直したい
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アプリケーション・稼働環境・運用の3領域を組み合わせて刷新
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どの領域まで刷新するか、既存データと運用手順の引き継ぎ方
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富士通|モダナイゼーション |
AIで古い機能を調べ、不要な処理の整理から新システム開発まで支援 |
既存システムの全体像を整理し、将来の業務に合わせて刷新したい
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AIなどを活用した既存資産の分析から、新システムの設計・開発まで
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現行機能のうち残す部分と、新たに設計する部分の判断方法
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NEC|BluStellar |
データセンター閉鎖に合わせ、災害対策まで含めて移転する一貫支援 |
古い設備やデータセンターから、運用環境を移したい
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クラウドと社内設備を組み合わせた移行・運用環境の整備
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移行先の環境と、停止時間・セキュリティ・災害対策の条件
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モダナイゼーションサービス18社の詳細情報
モダナイゼーションにはどんな方法がある?違いと選び方
モダナイゼーションには、既存のプログラムを新しいものに変換する方法、システムを動かす環境だけを変更する方法、業務の仕組みから作り直す方法などがあります。
どの方法が適しているかは、システムの古さだけでは決まりません。現在の業務機能をそのまま使いたいのか、今後の変更に対応しやすくしたいのか、業務の進め方自体を見直したいのかによって、選ぶべき方法は異なります。
ここでは、代表的な刷新方法について、適している状況と選定時の注意点を解説します。
古いプログラムを新しいものに変換する方法
現在のシステムで使っている古いプログラムを、新しい言語や開発環境に対応したプログラムへ変換する方法です。一般的には「リライト」と呼ばれ、専用ツールなどを使って変換作業を自動化するサービスもあります。
例えば、長年使用してきた受発注システムの機能には問題がないものの、古いプログラム言語を扱える技術者が減り、今後の保守が難しくなっているケースが考えられます。
このような場合、既存の業務処理を引き継ぎながらプログラムを新しくすることで、従来の機能を活用しつつ、保守や改修を続けられる環境への移行を目指せます。
ただし、プログラムを変換できても、従来と同じ結果が得られるとは限りません。移行前後の計算結果やデータ処理をどのように比較・検証するのかが重要な選定ポイントです。また、既存の複雑な設計まで引き継ぐ場合は、将来の変更のしやすさが十分に改善されない可能性もあります。
プログラムを大きく変えず、動かす環境を移す方法
既存のプログラムをできるだけ変更せず、システムを動かす機器や環境を新しくする方法です。「リホスト」と呼ばれる方法が代表的で、古い専用機器から新しいサーバーやクラウド環境への移行などに用いられます。
例えば、業務システム自体は問題なく稼働しているものの、使用している機器の保守サービスが終了するため、別の環境へ移さなければならないケースです。
この方法では、プログラムの大幅な作り直しを避けられる場合があり、現在の業務を維持しながら古い機器への依存を減らしたい場合に適しています。
一方で、動かす場所が新しくなっても、プログラムの複雑さや機能追加の難しさが解消されるとは限りません。移行先で現在のプログラムが正常に動くかに加え、将来的な保守や機能追加に対応できるかも確認する必要があります。
業務の仕組みから作り直す方法
既存システムの構造や業務の進め方を見直し、新しい仕組みとして設計・開発する方法です。現在の業務に合わせてシステムを再構築するほか、市販の業務ソフトに置き換える選択肢もあります。
例えば、古いシステムに合わせて手入力や二重チェックを続けており、現在の業務に必要のない作業が残っているケースです。
このような場合、既存のプログラムをそのまま移行しても、業務上の無駄は残ってしまいます。業務手順とシステムを一緒に見直すことで、不要な処理をなくし、新しいサービスや業務変更にも対応しやすい状態を目指せます。
ただし、作り直す範囲が広くなるほど、現在の業務ルールの整理や新しい操作方法への対応が必要になります。
今の機能のうち何を残すべきか、どの業務を変えてよいのかを明確にしたうえで、開発範囲や移行方法を検討することが重要です。
古いシステムを残しながら段階的に移す方法
すべてのシステムを一度に切り替えるのではなく、機能やデータを分けて、順番に新しい環境へ移行する進め方です。
例えば、受注管理、在庫管理、会計などの機能が複雑につながっている場合、すべてを同時に入れ替えると、問題が発生した際の影響が広がるおそれがあります。
段階的な移行では、既存システムを利用しながら、一部の機能やデータを先に新しい環境へ移します。移行した部分の動作を確認しながら対象を広げることで、切り替え時の影響を抑えることを目指します。
ただし、新旧システムを並行して利用する期間には、データの更新内容が一致しなくなったり、システム間の連携が複雑になったりする可能性があります。
そのため、どの機能から移行するか、移行中のデータをどう一致させるか、問題が起きた場合にどう対応するかを確認することが大切です。
なお、段階移行はプログラム変換やシステムの再構築と対立する方法ではありません。プログラムを変換しながら段階的に移すなど、複数の方法を組み合わせることもあります。
モダナイゼーションサービスを選ぶ際は、単に対応している刷新方法を確認するだけでなく、現在の業務をどこまで引き継ぎ、何を改善したいのかを整理することが重要です。さらに、移行中の業務継続や正確性の確認、移行後の保守まで含めて比較することで、自社に適したサービスを選びやすくなります。
モダナイゼーションサービスを選ぶ際の6つの確認ポイント
モダナイゼーションサービスを比較する際は、対応している技術や移行方法だけでなく、自社のシステムで何を実現できるのかを確認することが重要です。
特に、長年使用してきた業務システムでは、独自の処理や他のシステムとの連携が複雑になっていることがあります。そのため、同じ刷新方法を採用していても、移行できる範囲や必要な作業は異なります。
「既存の機能をどこまで残せるか」「移行時の問題をどう防ぐか」「移行後も使い続けられるか」という視点から、以下の6点を確認しましょう。
1. 既存の業務処理をどこまで引き継げるか
現在のシステムで問題なく使えている機能がある場合、新しい環境でもその機能を引き継げるか確認しましょう。
例えば、受発注システムでは、取引先ごとの価格設定や例外的な注文処理など、長年の運用で追加された独自の機能が使われていることがあります。こうした処理を引き継げなければ、新しいシステムへの移行後に業務の進め方を変更する必要が生じます。
ただし、現在の機能をすべて残すことが最善とは限りません。使われていない機能や、現在では不要な業務手順まで引き継ぐと、古いシステムの複雑さが残ってしまうためです。
現在の業務に必要な機能を残せるかに加え、不要な機能を整理する支援があるかも確認しましょう。
サービス提供会社には、既存機能をそのまま引き継ぐ場合と、業務を見直して再構築する場合で、対応方法がどう変わるかを確認すると判断しやすくなります。
2. 仕様書がなくても現状を調査できるか
長年使用してきたシステムでは、開発当時の設計書が残っていなかったり、改修内容が記録されていなかったりする場合があります。
このようなシステムを刷新する際は、プログラムを調査し、現在どのような処理が行われているのかを把握する必要があります。
サービスによっては、AIや専用ツールを活用して古いプログラムを解析し、処理内容や機能同士のつながりを整理する支援を提供しています。
ここで重要なのは、単にプログラムを解析できるかどうかではありません。調査によって何が分かり、その結果を移行計画にどう活用できるかまで確認することです。
例えば、既存機能の一覧、システム同士のつながり、変更した場合の影響範囲などを資料として受け取れるか確認しましょう。調査結果が整理されていれば、移行範囲の決定や見積もりの妥当性を判断する材料になります。
3. 移行前後で処理結果が一致することをどう確認するか
古いプログラムを新しい言語へ変換したり、別の環境へ移したりした場合、見た目には正常に動いていても、特定の条件で処理結果が変わってしまう可能性があります。
例えば、会計システムの端数処理や、取引条件によって変わる料金計算などです。通常の取引では問題がなくても、例外的な条件で計算結果が異なる場合があります。
そのため、既存の業務処理を維持する刷新では、新旧システムに同じデータを入力し、計算結果や出力内容を比較する方法が有効です。
サービスを比較する際は、自動テストに対応しているかだけでなく、どの範囲を検証するのか、実際の業務データを使用できるのか、結果が異なった場合にどのように原因を特定するのかを確認しましょう。
なお、業務の仕組み自体を変更する場合は、すべての結果を一致させる必要はありません。従来と同じ結果を維持すべき処理と、変更後のルールで確認すべき処理を分けることが大切です。
4. 業務を続けながら段階的に移行できるか
受発注や在庫管理など、日常業務に欠かせないシステムでは、移行作業のために長時間停止することが難しい場合があります。
こうした場合は、現在のシステムを使いながら、新しい環境へ機能やデータを少しずつ移す方法が選択肢になります。
ただし、段階的に移行できることと、業務をまったく停止せずに切り替えられることは同じではありません。新旧システムを並行して利用する期間には、データを一致させるための仕組みや、最終的な切り替え作業が必要になる場合があります。
移行期間中に古いシステムで発生した変更を新しい環境へどう反映するのか、切り替え時にはどの程度の停止が必要なのかを確認しましょう。
また、切り替え後に問題が発生した場合、元の環境へ戻せるのか、その際に取引データをどう扱うのかも確認しておくことが重要です。
5. 対応できる旧システムや移行先に制限はあるか
モダナイゼーションサービスは、すべてのプログラム言語やシステム環境に対応しているわけではありません。
例えば、COBOLなどの古い言語でつくられたプログラムの変換を中心とするサービスもあれば、IBM iなどの既存環境を活用した改善や、特定のクラウドへの移行を中心とするサービスもあります。
自社で使用しているシステムに対応していても、利用しているバージョンや独自に追加した機能によっては、個別の調査や改修が必要になる場合があります。
そのため、現在のプログラム言語、稼働環境、データベース、外部システムとの連携について、どこまで移行対象に含まれるかを確認しましょう。
また、移行先を自由に選べるのか、特定の製品やクラウドを利用する前提なのかも重要です。将来的に別の環境へ移す可能性がある場合は、移行後の選択肢も踏まえて比較するとよいでしょう。
6. 移行後も修正や機能追加をしやすい状態になるか
モダナイゼーションは、新しい環境へ移行できれば完了というわけではありません。移行後も法改正への対応や新商品の追加など、業務に合わせたシステムの変更が必要になります。
例えば、COBOLからJavaへ変換した場合でも、COBOL由来の命令や、その動作を再現する専用基盤が残る方式では、保守に必要な知識が変わります。移行先の言語名に加え、変換後のプログラム構造と、誰が保守・改修を担当できるかを確認することが大切です。
また、移行を担当した会社しかシステムの仕組みを理解できない状態では、将来の改修先を自由に選びにくくなります。
サービスを比較する際は、移行後にどのような設計資料が残るのか、誰が保守や改修を担当できるのか、機能追加がしやすい構造になっているかを確認しましょう。
今後も外部企業に保守を委託するのか、自社で改善できる体制をつくるのかによっても、適したサービスは異なります。
モダナイゼーションサービスを選ぶ際は、移行時の費用や期間だけで判断せず、既存機能の継承、移行中の安全性、移行後の変更のしやすさまで確認することが大切です。
モダナイゼーションの費用と期間は何で変わる?
モダナイゼーションにかかる費用や期間は、既存システムの規模、複雑さ、刷新方法、移行中の業務への影響などによって大きく異なります。
例えば、古いプログラムを新しい言語に変換する場合と、業務の進め方から見直してシステムを作り直す場合では、必要な作業が異なります。また、同じ規模のシステムでも、設計書が残っているか、ほかのシステムとどの程度つながっているかによって、調査や動作確認にかかる時間が変わります。
そのため、モダナイゼーションの費用を比較する際は、見積金額だけでなく、どの作業が含まれているかを確認することが重要です。
移行するプログラムやデータの量
一般的に、移行対象となるプログラムやデータが多いほど、調査・変換・動作確認に必要な作業も増えやすくなります。
ただし、プログラムの量だけで費用や期間が決まるわけではありません。例えば、似た処理を繰り返すプログラムと、複雑な条件分岐や独自の計算処理が多いプログラムでは、同じ分量でも移行の難しさが異なります。
また、データについても、保存形式を変えるだけで済む場合と、古いデータの内容を整理・修正しなければならない場合では、必要な作業が変わります。
見積もりを依頼する際は、プログラムの量だけでなく、移行するデータの種類や、変換・修正が必要な範囲を確認しましょう。
既存システムの複雑さと設計書の有無
長年使用してきたシステムでは、改修を繰り返した結果、プログラム同士の関係が複雑になっている場合があります。
例えば、受注管理システムの一部を変更するだけでも、在庫管理や請求処理への影響を調べなければならないケースです。こうしたシステムでは、プログラムを変更する前の調査に多くの時間が必要になります。
さらに、設計書が古かったり、開発当時の担当者がいなかったりする場合は、現在の処理内容をプログラムから読み解く作業も発生します。
一方、サービスによっては、AIや専用ツールを使ってプログラムの解析や設計情報の整理を効率化する方法を提供しています。
事前調査にどこまで対応しているか、調査結果によって見積金額や移行計画が変わる可能性があるかを確認することが大切です。
特に、既存システムの全体像が把握できていない場合は、最初から総額を確定することが難しいケースもあります。事前調査と実際の移行作業を分けて見積もる方法も検討しましょう。
古い仕組みを残すか、作り直すか
モダナイゼーションでは、どの刷新方法を選ぶかによって必要な費用や期間が変わります。
既存プログラムを活かして動作環境を変更する方法では、業務機能の再開発を抑えられる場合があります。一方、古いプログラムを新しい言語へ変換する場合は、変換作業に加えて、従来と同じ結果が得られるかを確認する必要があります。
業務の進め方から見直してシステムを作り直す場合は、業務調査や新しい仕組みの設計、利用者への説明なども必要になるため、作業範囲が広がる傾向があります。
ただし、最初の移行費用が安い方法が、長期的にも安いとは限りません。
例えば、古いプログラムをそのまま残す方法では、移行後も改修の難しさや保守費用が残る可能性があります。反対に、最初に時間をかけて構造を見直すことで、その後の機能追加や保守の負担を減らせる場合もあります。
そのため、移行時の費用だけでなく、移行後の保守・改修にかかる費用も含めて比較することが重要です。
移行中の業務継続と動作確認の範囲
移行中も業務システムを止められない場合、新旧システムを並行して動かしたり、データの更新内容を両方の環境に反映したりする仕組みが必要になることがあります。
その場合、単純にシステムを移すだけでなく、並行稼働のための環境構築や、データの整合性を確認する作業が追加されます。また、新旧両方の環境を維持する期間には、それぞれの運用費用が発生する可能性もあります。
動作確認の範囲も、費用や期間に影響します。例えば、画面の表示や基本操作だけを確かめる場合と、実際の取引データを使って計算結果や大量処理まで検証する場合では、必要な作業量が異なります。
確認作業を減らせば短期間で移行できる可能性はありますが、十分に検証せずに切り替えると、移行後に問題が発生するリスクが高まります。
どの範囲まで動作確認を行うのか、移行中のシステム改修に対応できるか、切り替え時にどの程度の業務停止が必要なのかを確認しましょう。
見積もりを比較するときは、作業範囲と移行後の費用も確認する
複数のモダナイゼーションサービスから見積もりを取得した場合、見積金額の高低だけで割高・割安とは判断できません。見積もりに含まれる作業が異なる可能性があるためです。
例えば、ある会社では事前調査から動作確認まで含まれている一方、別の会社ではプログラム変換のみが対象となっている場合、提示された金額をそのまま比較することはできません。
見積もりでは、主に以下の項目を確認しましょう。
- 既存システムの調査・解析費用
- 新しいシステムの設計・開発・プログラム変換費用
- データ移行や他システムとの連携にかかる費用
- 新旧システムの動作確認や切り替え作業の費用
- 移行期間中に両方の環境を維持する費用
- 移行後の保守・運用費用やソフトウェア利用料
また、当初の調査で把握できなかった処理が見つかった場合や、移行期間中に仕様変更が発生した場合の追加費用についても確認しておくと安心です。
モダナイゼーションでは、「いくらで新しい環境へ移せるか」だけでなく、「どの状態まで完成させ、その後いくらで維持できるか」を揃えて比較することが、納得できるサービス選びにつながります。
モダナイゼーションで失敗しやすいケースと対策
モダナイゼーションでは、新しいシステムへの移行そのものが成功しても、以前より業務が複雑になったり、想定外の不具合が発生したりするケースがあります。
原因となりやすいのは、古いシステムの実態を十分に把握しないまま移行を進めることや、現在の機能を引き継ぐことだけを優先してしまうことです。
システムを新しくすることと、現在抱えている問題を解決することは必ずしも同じではありません。モダナイゼーションを成功させるには、移行前の調査から移行後の運用までを見据えた計画が必要です。
ここでは、モダナイゼーションで注意したい4つのケースと、その対策を紹介します。
古い業務の無駄までそのまま引き継いでしまう
既存のプログラムを新しい環境へ移行する際、現在の機能をすべて残そうとすると、不要になった業務手順まで引き継いでしまう可能性があります。
例えば、以前は紙の帳票を前提としていたために必要だった確認作業や、複数のシステムへ同じ情報を入力する処理などです。こうした仕組みを残したままプログラムだけを新しくしても、業務の手間は解消されません。
一方で、独自の処理の中には、取引先との約束や法律への対応など、現在も必要なものがあります。そのため、古い機能を一律に廃止することも適切ではありません。
対策としては、既存の機能を「そのまま残すもの」「変更するもの」「廃止するもの」に分け、刷新する範囲を決めることが重要です。
サービス提供会社を選ぶ際は、既存プログラムを変換できるかだけでなく、現在の業務を調査し、不要な機能の整理まで支援できるかを確認しましょう。業務を大きく変更する予定がない場合は、既存機能を維持する方法を選ぶことにも合理性があります。
既存システムの調査が不十分なまま移行を始める
長年使用してきたシステムでは、設計書に記載されていない処理や、特定の条件でしか使用されない機能が残っていることがあります。
例えば、受注管理システムを刷新する際、通常の注文処理だけを調査して移行を進めたものの、一部の取引先にだけ適用される価格計算や、月末の締め処理が見落とされてしまうケースが考えられます。
また、システム同士のつながりを把握していない場合、ひとつの機能を変更したことで、別のシステムからデータを取り込めなくなる可能性もあります。
こうした問題を防ぐには、移行前にプログラムやデータ、外部システムとの連携状況を整理する必要があります。
特に、設計書が残っていない場合は、プログラムの解析結果と実際の業務内容を照らし合わせて確認することが重要です。
サービスを比較する際は、事前調査でどこまで把握できるのか、調査結果をどのような資料として受け取れるのかを確認しましょう。また、調査で新たな問題が見つかった場合に、移行計画や見積もりを見直せるかも判断材料となります。
新旧システムの動作確認が不足している
古いプログラムを新しい言語へ変換したり、別の環境で動かしたりした場合、基本的な操作は問題なくても、一部の処理だけ結果が異なる可能性があります。
例えば、通常の料金計算は正しくても、割引条件が重なる場合や、月をまたぐ処理で異なる金額が算出されるケースです。
また、システムを段階的に移行する場合は、古い環境と新しい環境でデータの更新内容が一致しているかも確認しなければなりません。
対策としては、通常の業務だけでなく、例外的な処理や大量のデータを扱う場面も含めて、移行前後の動作を確認することが重要です。
既存の処理を引き継ぐ場合は、新旧システムに同じデータを入力し、計算結果や出力内容を比較する方法が検討できます。
ただし、業務ルールそのものを変更する場合は、すべての結果を一致させる必要はありません。従来と同じ結果を維持すべき処理と、新しいルールに従って確認する処理を分けて検証しましょう。
また、動作確認に加えて、切り替え直後に問題が発生した場合の対応も必要です。サービス提供会社には、どの範囲までテストするかだけでなく、問題発生時に元の環境へ戻せる条件や、その際のデータの扱いについても確認しておきましょう。
移行先での保守や機能追加まで考えていない
古いシステムを新しい環境へ移せても、移行後の保守や機能追加が難しいままでは、時間の経過とともに同じ問題を抱える可能性があります。
例えば、プログラム言語を新しくしたものの、機能同士の関係が複雑なまま残り、一部を修正するたびに広範囲の確認が必要になるケースです。
また、移行を担当した開発会社しか新しいシステムの仕組みを把握していなければ、将来の改修を別の会社へ依頼することが難しくなる可能性もあります。
対策としては、移行後のシステムを誰が管理し、どのように変更していくのかを、刷新計画の段階で決めておくことが重要です。
移行後の設計書や運用手順書の引き渡し、保守体制、機能追加時の対応方法まで確認しましょう。
特に、将来的に自社でシステムを改修したい場合は、開発に必要な情報や技術を引き継げるかが重要になります。反対に、外部企業へ保守を委託し続ける方針であれば、継続的な保守・改善への対応範囲を確認する必要があります。
モダナイゼーションで失敗を防ぐには、移行方法だけでなく、何を改善するための刷新なのかを明確にし、移行前の調査・移行中の検証・移行後の運用までを一つの計画として考えることが大切です。
モダナイゼーションサービスに関するよくある疑問
モダナイゼーションを検討する際は、既存システムをどこまで変更する必要があるのか、古いプログラムを引き継げるのかなど、判断に迷うことがあります。ここでは、サービスの比較・検討時によくある疑問について解説します。
モダナイゼーションとマイグレーションの違いは?
マイグレーションは、システムやデータを別の環境へ移行することです。一方、モダナイゼーションは、古いシステムを現在の技術や業務に適した状態へ改善・刷新することを指します。
例えば、古いサーバーで動いている業務システムをクラウドへ移すことは、マイグレーションの一例です。その際にプログラムの構造や業務の仕組みまで見直す場合は、モダナイゼーションにも該当します。
ただし、両者は明確に分かれるものではありません。システムを新しい環境へ移すことで、老朽化した機器への依存を解消できる場合もあります。
現在の環境から移すことが目的なのか、移行後の保守や業務の改善まで実現したいのかによって、必要な支援内容を検討しましょう。
古いシステムは全部作り直す必要がある?
古いシステムだからといって、必ずしもすべてを作り直す必要はありません。現在の業務に必要な機能を活かしながら、プログラムや稼働環境だけを変更する方法もあります。
例えば、システムの機能には問題がなく、古い機器の保守終了だけが課題であれば、動かす環境を変更する方法が候補になります。一方、既存の仕組みが複雑で、新しい機能を追加しにくい場合は、プログラムの構造や業務手順を見直す必要があるかもしれません。
「古いから作り直す」のではなく、現在のシステムで使い続けたい機能と、解消したい問題を整理してから刷新方法を決めることが重要です。
仕様書がなくてもモダナイゼーションできる?
仕様書や設計書が残っていないシステムでも、モダナイゼーションを進められる場合があります。
古いプログラムを解析し、処理内容やデータの流れ、ほかのシステムとのつながりを調査することで、現在の仕組みを把握する方法があるためです。AIや専用ツールを使って、解析や設計資料の作成を支援するサービスもあります。
ただし、プログラムを調べるだけでは、処理が設けられた理由や現在の業務で必要かどうかまで判断できない場合があります。そのため、実際の業務内容や利用状況との照合も必要です。
仕様書がない場合は、現在のプログラムを解析できるかだけでなく、調査結果をもとに移行範囲や刷新方法を判断できるかを確認しましょう。
AIによる自動変換だけで正常に動作する?
AIや専用ツールによって古いプログラムを変換できても、それだけで新しいシステムが正しく動くとは限りません。
プログラムの変換と、実際の業務に必要な処理が正しく実行されることは別の問題だからです。例えば、通常の計算は正しくても、特定の取引条件や例外的な処理で従来と異なる結果が出る可能性があります。
そのため、自動変換に対応しているかだけでなく、変換後の処理結果をどのように検証するかが重要です。
既存の業務処理を維持する場合は、新旧システムに同じデータを入力し、計算結果や出力内容を比較する方法などが考えられます。変換できるプログラムの範囲と、動作確認に含まれる作業をあわせて確認しましょう。
今の業務を止めずに移行することはできる?
現在のシステムを利用しながら、新しい環境への移行作業を進めることは可能です。ただし、最終的な切り替えまで完全に無停止で実施できるかは、システムの構成や移行方法によって異なります。
例えば、新旧システムを並行して動かし、古い環境で発生したデータの変更を新しい環境にも反映することで、通常業務を続けながら移行を進める方法があります。
一方、最終的な切り替え時には、データの不一致を防ぐために、一時的な処理停止が必要になる場合もあります。
「移行作業中も業務を継続できること」と「切り替え時にも停止が発生しないこと」は分けて確認することが大切です。
サービス提供会社には、想定される停止時間、データの同期方法、切り替え後に問題が発生した場合の対応方法を確認しましょう。
まとめ|モダナイゼーションサービスは、残すものと変えるものを明確にして選ぶ
モダナイゼーションサービスには、古いプログラムの変換、既存システムの解析、クラウドへの移行、業務の仕組みからの再構築など、さまざまな支援があります。同じシステム刷新を扱う会社でも、得意とする技術や支援範囲は異なります。
そのため、サービスを選ぶ際は、最初に「現在のシステムで何が問題になっているのか」「どの業務機能を残し、何を改善したいのか」を整理することが重要です。
例えば、現在の業務処理を維持したまま古い技術から移行したい場合と、複雑化したシステムを作り直して機能追加をしやすくしたい場合では、適した刷新方法が変わります。また、業務を止められない場合は、移行中の運用方法や切り替え時の対応も重要な判断材料になります。
候補となる会社を絞り込んだら、現在使用しているシステムの情報と、解決したい課題を共有し、対応可能な範囲や移行方法を確認しましょう。見積金額だけでなく、事前調査、動作確認、移行後の保守まで含めて比較することで、各社の違いを判断しやすくなります。
本記事で紹介した18社の特徴や比較項目を参考に、自社の課題に合った刷新方法を提案でき、移行後の運用まで見据えて相談できるサービスを検討してみてください。
- 免責事項
- 本記事は、2026年10月にリード文・基礎解説および掲載企業情報の一部を確認・更新しています。実績数や事例は、それぞれに記載した集計時点・公表時点の情報です。サービス内容、料金、保守期限や適用条件は変更される場合があるため、検討・契約の際は各提供元の最新情報をご確認ください。
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