SES企業の新規開拓営業完全ガイド|エンド開拓の手順・手法・注意点まで
最終更新日:2026年02月19日
SES企業の事業規模拡大には、自社でプロダクト開発を行なっているエンド企業の新規開拓が欠かせません。
この記事では、既存顧客フォローや人材管理など、多忙なSES営業が効率的に新規開拓できる方法や、営業活動の注意点についてまとめました。加えて、SES企業の新規開拓営業先についても紹介しています。
また、競合と差別化できるポジショニングをベースとしたWebマーケティング施策「ポジショニングメディア」についても紹介しています。
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SES企業の新規開拓営業(エンド開拓)で成果を出すには、「数を打つ」前に誰に・何を・どう届けるかを整理することが欠かせません。
本記事では、SES企業が新規開拓営業に取り組む必要性から、営業先の考え方、営業の流れ、具体的なアプローチ手法、注意点までをまとめて解説します。
この記事でわかること
- SES企業が新規・エンド開拓を進めるべき理由
- 営業先(エンド/大手SIer/パートナーSES)の選び方とアプローチの考え方
- リスト作成〜アポ獲得〜商談〜フォローの具体手順
- テレアポ/メール/フォーム/紹介/マッチングの使い分けと注意点
SES企業が新規開拓営業する必要性
通常の企業と同様に、SES企業が事業を継続的に成長していくためには新規開拓営業が必要です。
エンジニアをクライアントに労働力として提供するSES企業においては、どうしてもこれまでのクライアントとの関係性の強化を重視しがちです。しかし、安定的かつ継続的に人材の供給先を確保していくことはSES企業にとって非常に重要となります。
IT需要の高まりにより、システム開発への需要は年々高まっており、エンジニアは人材不足の状態です。新規開拓営業の工夫次第では、大きく業績を伸ばせる可能性もあるため積極的に取り組んでいきましょう。
新規開拓の前に決める3つ(ターゲット・提案軸・接点)
SES企業の新規開拓は、手法(テレアポ/メール/フォーム営業など)から入ると失敗しやすくなります。先に「誰に・何を・どう届けるか」を決めることで、少ないリソースでも再現性が出やすくなります。
1. どこを狙うか(エンド/大手SIer/パートナー)
「新規開拓」とひとことで言っても、狙う相手によって商談の進め方や評価ポイントは変わります。まずは自社の強みが最も伝わりやすい相手から優先的に狙いましょう。
- エンドクライアント:直請けに近い形を狙いやすく、条件が合えば利益確保もしやすい
- 大手SIer:案件量は期待できる一方、要件や体制の条件が厳しくなりやすい
- パートナーSES:相互補完で受注力が上がるが、ルール設計が曖昧だとトラブルになりやすい
2. 何を提案するか(提案軸を1文で言える状態にする)
初回接触で長い説明をしても伝わりません。強みは「誰の、どんな課題を、どう解決できるか」が1文で伝わる形にしましょう。
例:特定領域の開発体制、特定言語・クラウド、品質担保、立ち上がりの速さ、保守運用の強みなど。
3. どう接点を作るか(目的は「案件をください」ではない)
エンド開拓では、いきなり案件紹介を求めるよりも、まずは条件が合うときに声がかかる状態を作ることが重要です。初回は「情報交換」「体制のすり合わせ」「協力会社登録」など、相手にとって受け入れやすい目的に置き換えると商談化しやすくなります。
迷ったら:ターゲット→提案軸→接点(次の一手)を、この順番で決める
SES企業の新規開拓営業先

では具体的に、どのような先に新規開拓営業をかければ良いのでしょうか。ここからは、新規開拓営業の候補先についてご紹介します。
エンドクライアント
エンドクライアントとは自社が主導してシステム開発・ソフトウェア開発を行う上場企業のような大手企業のことを指します。
上場企業などの大手企業は、自社でITチームなどのリソースを抱え、システム開発を行っていますが、多くの企業が大規模なシステム開発時にプログラミングなどの開発リソースが不足します。
一時的なリソースの需要のために、エンジニアを採用したり育成するよりは、必要な人材を必要な分だけ調達できる外部勢力に依頼したいと考える企業も多く、SES企業が入り込みやすい状況と言えるでしょう。また、商流としても元請として受注できるため、利益が確保しやすい点もメリットです。
エンド開拓の初回接触では、「いま案件をください」よりも体制・得意領域・稼働開始時期などの条件を伝えて、必要なときに想起される状態を作ることがポイントです。
- どの部署に刺さるか(情シス/事業部/開発部門など)を想定して話を組み立てる
- 提案は「対応領域」「体制」「実績の見せ方(事例の型)」の3点を短くまとめる
- 次アクションは「15分の情報交換」など相手が受け入れやすい形にする
パートナーSES企業
SES企業でも、プロジェクトごとにさまざまなスキルを要求されるエンジニアをすべて準備することはできません。そのためSES企業では自社の弱みを補完する形で、横の連携を取ることで幅広い受注に対応しています。SES業界が横のつながりを重視すると言われている理由でもあります。
できるだけ同じような規模でお互いのリソースを補完できるようなSES企業があれば、積極的に営業をかけてみると良いでしょう。
パートナー開拓は「とりあえず繋がる」だけだと、商流や条件面で揉めやすくなります。最初に以下のすり合わせをしておくと、協業が継続しやすくなります。
- 得意領域(言語/業界/工程/体制)の棲み分け
- 商流と条件(役割分担、情報共有の範囲、守秘)
- 紹介のルール(誰が窓口か、どのタイミングで提案するか)
大手SIer
大手SIerとは、企業からのシステム開発を元請けとして請け負って、要件定義・システム構築、運用保守などを一手に請け負う企業のことです。
SIerは、システム開発そのものを生業としており、複数のプロジェクトを同時に受注することも多く、開発リソースを確保することが難しいケースも存在します。こういった場合にリソースを調達できるSES企業は、SIer企業にとっては最適な外注先となります。
ただし、SIerへの新規開拓はあくまで大手のみを対象にしましょう。中小規模のSIerでは、商流が深いため利益確保が難しく、リソースの効率が悪くなってしまいます。
大手SIer向けは、技術力だけでなく「体制の安定性」「品質担保」「情報管理」なども見られやすい傾向があります。商談では、対応範囲や体制に加えて運用・報連相の型までセットで伝えると信頼されやすくなります。
SES企業の新規開拓営業の流れ

次にSES企業の新規開拓営業の具体的な流れについて見ていきましょう。
- 新規開拓営業先のリスト作成
- アポイント取得
- 商談
- 商談後の連絡
新規開拓営業先のリスト作成
新規開拓営業を行ううえで、まず必要なのが新規開拓営業先のリストの作成です。
リスト作成で有効なのが、候補先企業の公式サイトなどのコーポレートサイトを利用する方法です。「エンドクライアント」「パートナーSES企業」「大手SIer」などを軸に、インターネットで検索し新規開拓の営業先候補をリスト化していきます。
この際、候補先の基本情報、連絡先、営業優先度などをリスト化し、営業内で共有できるようにしておきましょう。CRAやSFAなどのツールの活用もおすすめです。
アポイント取得
リストが作成できたら、営業優先度の高い先から順にアポイントの取得に向けて活動を開始します。
アポイントの取得には「メール」「電話」「公式サイトの問い合わせフォーム」などさまざまな方法がありますが、特にSES業界では「テレアポ」が有効です。
「テレアポ」でのアポイント獲得率は、一般的に上級者でも2~10%と言われており、あまり効率のよい方法では無いと言われています。しかし慢性的な人材不足が続いているSES業界において、リソース確保へのニーズは意外と高く、一旦話は聞いてくれるというケースは少なくありません。
テレアポの際には、簡単な会社紹介やエンジニアのスキル・人数、これまでの実績など、自社のアピールができるよう、トークスクリプトを作成しておけば、アポイントの成功率も上がるでしょう。
商談
アポイントに成功したら、いよいよ商談です。
商談では、主に以下のポイントを抑え、ユーザーのニーズを聞き出します
- エンジニアが必要な開発の内容
- エンジニアの調達期間
- 必要なエンジニアの数
- 必要なスキル・言語
上記のような案件に直接関わるもの以外にも、どのような性格や特性を持ったエンジニアが良いかといった、相性部分についても検討しておくと良いでしょう。
商談後の連絡
商談後の連絡・フォローもSES営業の非常に重要な役割です。
初回の商談後には必ずお礼のメールや、ヒアリングした商談内容に関する提案をできるだけ早く送付すれば、営業の成功確率を高めることにつながるでしょう。
SES企業の新規開拓営業方法

次にアポイントを取得する具体的な方法について見ていきましょう。
テレアポ
SES企業において、テレアポはアポイント取得の非常に有効な手段と言えます。
SES業界は慢性的な人材不足で、SES企業としてもエンジニアリソースを確保できるパートナー企業は必要不可欠です。そのためテレアポでも興味を持って話を聞いてもらえる可能性も、一般的なテレアポに比べて高いのが特徴です。
またテレアポでは、自社の特徴や実績などを端的にアピールする必要があるため、改めて自社の強みや実績、アピール方法などを整理できる点もメリットです。
テレアポのトークは「短く・次に繋げる」が基本
- 名乗り→用件(誰向けの何ができるか)→相手状況の確認→次アクション(15分の情報交換)
- 話す内容は「対応領域」「体制」「稼働開始」「実績(例示)」に絞る
ただし担当者になかなかつながらなかったり、説明に時間がかかったりなど、営業リソースをかなり割くことにはなります。またいくらSES業界では前向きな企業が多いとはいえ、成功率はそれほど高くなく営業効率が悪い点はデメリットでしょう。
メール問い合わせ
メール問い合わせは、電話でのコミュニケーションが苦手だという方におすすめのアポイント方法です。
あらかじめ問い合わせ内容やアピールポイント等を精査したものを作成したうえで問い合わせできるため、アポイント営業に慣れていない人でも取り組みやすい点がメリットです。
メール/フォーム営業は、長文よりも「何の連絡か」「何ができるか」「次に何をしてほしいか」を短く伝える方が反応されやすくなります。
- 件名:SES協力のご相談(◯◯領域/体制あり)など、目的が一目でわかる形にする
- 本文:対応領域→体制→稼働開始→実績(簡潔)→希望する次アクション(情報交換)
また、作成したメール内容は使い回せるため、少ない労力で多くの企業にアプローチできる点もメリットといえるでしょう。ただし、「問い合わせメールが無視されやすい」「興味があっても実際のアポイントまで時間がかかる」などのデメリットもあります。
企業マッチングサービスの活用
企業マッチングサービスとは、BtoBの企業向けに、パートナーを探している企業が案件を掲示し、それに興味がある企業が連絡できる仕組みを提供しているサービスです。
マッチングサービスを活用すれば、自社が希望する案件を募集し、多くの企業の目に触れさせることもできますし、逆に自社の強みを活かせる案件を探すことも可能です。
マッチングサービスでは、すでにニーズのある企業である前提で営業活動が可能なため、営業活動が成果につながりやすいという点で、効果的な営業方法と言えるでしょう。
既存のクライアントやパートナーに相談する
既存のクライアントやパートナーに相談するのも有効です。
既存のクライアントやパートナーであれば、自社のエンジニアのスキルなども把握しているため、商談もスムーズに進みやすいでしょう。
SES企業の新規開拓営業における注意点

最後にSES企業が新規開拓営業を行うにあたって注意すべき点について、詳しく解説します。
リストやスケジュールを効率的に管理する
1つめの注意点はリストやスケジュールを効率的に管理することです。
SES企業における営業活動、特にアポイントの獲得活動は一度に多くの企業にアプローチするケースも少なくありません。リストの管理が雑になってしまうと、同じ企業に何度もアプローチしたり、回答状況が把握できないなど、営業活動が非効率になってしまいます。
また、スケジュール管理ができていないことでアポイントが重複したり、忘れてしまったりと苦労して取った商談の機会を逃してしまう可能性もあるため、注意しましょう。
営業活動を記録して社内で共有する
営業活動を記録して社内で共有することも重要です。
リストや営業活動内容を共有しておくことで、営業担当者同士が連携して効率的に営業活動が行えますし、営業活動を記録しておくことで急な担当者の不在などでも、企業としての迅速な対応に繋がります。
複数の営業担当者が同じようなリストを作成したり、同じ企業に別の営業担当者がアプローチしたりなどのムダを防止できる点でも、社内共有は重要です。最近ではクラウド型のCRMやSFAなど、外出先でも入力・共有が容易なツールも多くありますので、導入を検討してみるのも良いでしょう。
価格競争に巻き込まれないための前提を揃える
新規開拓で焦ってしまうと、条件を詰めきれないまま価格だけで比較されやすくなります。「どんな案件なら勝てるか」を社内で揃えたうえで提案しましょう。
- 対応しない案件(商流が深い、条件が合わない等)を明確にする
- 強みが出る条件(工程/体制/期間/働き方など)を先に提示する
情報管理と契約周りは「後回し」にしない
エンド開拓や大手SIer開拓では、情報管理・体制・コミュニケーションのルールも信用の一部です。初回商談の段階から、窓口・報連相・守秘などの基本ルールを共有しておくと、ミスマッチを減らせます。
新規案件獲得後のフォローを忘れない
新規案件獲得後もフォローを忘れないようにしましょう。
SES企業のビジネスモデルは、ストック型のビジネスモデルだと言われています。つまり新たな商談を獲得するだけではなく、いかに継続させるかが事業規模拡大に非常に重要な要素です。
いくら新規顧客を開拓できても、既存顧客がどんどん離れていってしまってはいつまでも事業規模は拡大しません。一度取引ができた顧客と信頼関係を築きあげ、継続した取引へつなげるためにも、継続的に状況をヒアリングするなどの定期的なフォローを忘れないようにしましょう。
SES企業の新規開拓でよくある質問
エンド開拓とSIer開拓、どちらから始めるべき?
自社の強みが伝わりやすい方から始めるのが基本です。エンドは直請けに近い形を狙いやすい一方、信頼構築が重要です。大手SIerは案件量が期待できる反面、条件面の要求が厳しくなりやすい傾向があります。まずは受注後に継続できる条件で勝てる相手を優先しましょう。
新規開拓で最初に整えるべき資料は?
最低限「対応領域」「体制」「稼働開始」「実績の型」が一枚で伝わる資料(またはテキスト)を用意しましょう。相手は短時間で判断するため、詳しい資料よりも要点がすぐ伝わる形が重要です。
テレアポが苦手でも成果は出せる?
メール/フォーム営業、紹介、既存深耕、マッチングなど、接点の作り方は複数あります。重要なのは手法よりもターゲットと提案軸が揃っているかです。手法は自社の体制に合わせて組み合わせましょう。
営業のKPIは何を見ればいい?
まずは「リスト数」「接触数」「反応数(返信/折り返し)」「商談数」「提案数」「受注数」など、プロセスごとに分解して見ていくのがおすすめです。どこで詰まっているかが見えると、改善が早くなります。
【必読】実は間違いだらけ!最終成果に繋がるWebマーケティングの考え方
上記では「公式サイトのSEO対策」「リスティング広告」「SNS広告」といったWebマーケティング施策を紹介していますが、実はこの考え方に落とし穴があります。
というのも、SEO施策や各広告施策はあくまでも手段になります。これをやれば必ず成果に繋がるものではありません。
では、どうすれば成果に繋がるかというと、この施策の前段階として、
自社の商品やサービスは誰にとってナンバー1なのか
を考え、その市場を作り上げることに成功の秘訣があります。

私たちが普段商品を購入するときも、無意識に何かしらの条件でナンバー1の商品を選んでいます。
家電であれば、価格が安いもの、性能がいいもの、新しいモデルのものなど、ある条件の中でナンバー1の商品を選んでいる経験は誰もがあるのではないでしょうか。
大切なのは、どんなニーズを持っているユーザーに対してのナンバー1かを明確にすることです。
- 案件の質、量を確保したい…大手ナンバー1の企業
- 良質な案件を受注したい…人材派遣ナンバー1の企業
- スポットで利用したい…最短依頼ナンバー1の企業
このように、誰のためのどんな要望においてナンバー1なのかをブランディングして他社と差別化を図ることで、自社にマッチした顧客だけを獲得することができます。
これは、ニッチトップマーケティングという考え方に基づいた戦略となります。
ニッチトップマーケティングとは
自社の強みがあり、ニッチな市場で他の企業が追随できないシェアを独占していく戦略のこと。
ニッチとはもともと生物学用語。地球上の生物や植物は生息する環境の中でナンバー2やナンバー3になると生き残ることはできず、ナンバー1になる必要があります。
ナンバー1になり生き残るためには、生きる環境(市場)を変えたり、自分が変化したりすることでナンバー1を築く必要があり、この考えを基にしたマーケティング手法がニッチトップマーケティングです。

当メディア「キャククル」の運営元のZenken株式会社では、このニッチトップマーケティングを取り入れた「WEBマーケティング支援」で120業種以上の支援実績があります。

「自社も誰かのナンバー1になれるかな?」とお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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効率的なSES営業で事業拡大を目指す

SES企業の新規開拓営業の必要性や、新規開拓営業の候補先、新規開拓営業の流れや注意点などについて解説しました。
ストック型ビジネスモデルであるSES企業において最も重要なのは、安定的かつ継続的に案件を確保していくことです。
安定的に案件を獲得できる顧客を増やし、信頼関係を構築していくことで事業規模拡大も実現していきます。エンジニアの人材不足は深刻な状況にあり、ニーズに応える人材が用意できれば少しの工夫で大きく業績を伸ばすことも可能でしょう。
キャククル運営元のZenkenでは、120業種・8,000社以上のWeb集客・マーケティング支援をしてまいりました。「効率的に新規開拓営業を行いたい」「マーケティング戦略を再構築したい」などでお悩みであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。











