マクドナルドのプロモーション戦略について調査

マクドナルドのプロモーション戦略について調査
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日本に上陸して50年を迎えるハンバーガーチェーンのマクドナルド。2011年以降、業績が右肩下がりになり、2015年の年の瀬には347億円の赤字を出してしまいます。

「マクドナルドのビジネスモデルは賞味期限切れ」とまで言われていましたが、業績を立て直すべく足立光氏をマーケティング本部長として招き、「ビジネスリカバリープラン」を始動。
改革からたったの2年間で一体どのようにしてマクドナルドはV字回復を遂げたのでしょうか?

本記事では、足立氏を主導にマクドナルドが行ったマーケティングとデジタルの活用について紹介します。

デジタルを活用したマーケティング戦略に興味のある方はぜひ参考にしてください。

マクドナルドのプロモーション戦略のポイント

マクドナルド公式サイト画像
引用元:マクドナルド「https://www.mcdonalds.co.jp/」

業績が落ち続けるマクドナルドは2015年5月に「ビジネスリカバリープラン」を発表。同年10月には数々の大手企業を業績不振から救った足立光氏をマーケティング本部長として招き入れます。

これが転機となり、日本上陸からTV広告を中心にマーケティングを行ってきたマクドナルドはデジタルの活用に乗り出しました。
足立氏の本部長就任から間もなくして、マクドナルドのアプリダウンロード数は3,700万を超え、月間アクティブユーザーは1,350万人を誇るようになります。

2017年には「BurgerLove」をコンセプトとしたホームページの月間PV数も600万を超え、Twitterのフォロワー数も順調に増加。この頃には広告費用総額の約2割をデジタルに投じるようになっています。

「メディア」と「ファンの声」を最大限に活用

マーケティングにデジタルを活用し始めたことで、マクドナルドでは「マス広告」だけではなく、「メディア(PR)」と「ファンの声(SNS)」を最大限に活用することが大切であると考えられるようになりました。

ハンバーガーは生きていくうえで必ずしも必要なものではありません。ただTVでCMを流していても消費者の目に留まらなければ、商品を手に取ってもらえないのが現実です。
この状況から脱却すべく、マクドナルドはメディアで取り上げられる新商品やキャンペーンを打ち出しています。

マクドナルドの商品をメディアが取り上げれば、SNSへの共有機能で流行に敏感な層に拡散されます。そして実際に商品を食べた消費者がSNSに投稿する感想がファンの声となるのです。

メディアが取り上げた商品は「世間ゴト」として流行になり、消費者によるSNSでの発信は「身内ゴト」として、さらに小さな集団に広がっていきます。
マクドナルドが実行したマーケティングのポイントは、このようにデジタルを活用したことでしょう。

話題になる商品設計でSNSでの拡散を狙う

マクドナルドが商品設計で重視したことは、理念とする「Fun Place to Go」を商品に反映させることです。

独自の世界観を提供し消費者に楽しんでもらうために、以下のようなメニューやキャンペーンをリリースしました。

  • タツタ対タルタル
  • 正体不明の怪盗ナ「ゲッツ!」
  • ハロウィンチョコポテト
  • 名前募集バーガー
  • マクドナルド総選挙

どのメニューもキャンペーンも消費者から大いに注目されるものとなっています。
特に期間限定で販売された「ハロウィンチョコポテト」は、「絶対においしくない」というフレーズをCMで流したことで、SNSのトレンドに上がるほど話題になりました。

マクドナルド本来の理念を追求し、遊び心満載の商品を展開したことで、大きな話題を呼び業績の回復につなげることができたのです。

他社の人気商品とコラボすることでさらなる話題を呼び込む

マクドナルドでは消費者の来店率をアップさせるために、他社企業とのコラボ商品を定期的に展開しています。

有名企業同士の商品をコラボさせることで話題を呼び、新しい顧客の獲得へとつなげることに成功しました。

コラボメニューをいくつか紹介します。

  • マックシェイク カルピス
  • マックシェイク 森永キャラメル
  • マックシェイク チェルシー
  • マックフルーリー ブラックサンダー
  • マックフルーリー キットカット
  • マックフルーリー パナップ

日本人であれば誰でも一度は食べたことのある商品とのコラボを実施しているため、味が想像でき気軽に商品を注文してもらえます。

マーケティングにデジタルを活用するための3つのポイント

マクドナルドのマーケティング本部長である足立氏は、マーケティングにデジタルを活用するためのポイントとして以下の3つを挙げています。

  • 「デジタル」という言葉を使わない
  • 「デジタル」だけを考えない
  • 明確なKPI設定を行う

足立氏は「デジタル」という抽象的な言葉を使わず、「SNSの利用」「Webメディアへの掲載」など具体的な言葉で表現することが大切であると述べています。
「デジタルの活用」を目的とせず、消費者に商品を認知してもらうための手段として考えることも同じように重要です。

また、従来のKPIである売上・客数にプレバズを新しく加えました。
これにより「メディア」と「ファンの声」を意識した、商品やキャンペーンの企画を成功させられるようになったのです。

マクドナルドのプロモーション戦略のまとめ

マクドナルドでは落ち込んだ業績を回復させるために、デジタルを活用したマーケティング戦略を行いました。これが功を奏して、過去最大レベルの赤字からたったの2年でV字回復を果たしています。

理念である「Fun Place to Go」に原点回帰することで、マクドナルドらしい独自の世界観を提供することに成功し、新たな商品やキャンペーンで消費者を楽しませています。

企業が掲げる理念と新たなマーケティング戦略をバランス良く融合させるのも、ひとつの手法となるでしょう。

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