採用コストを下げる方法と採用単価を改善する自社採用の進め方

採用コストを下げる方法と採用単価を改善する自社採用の進め方

採用活動を続ける中で、「求人媒体費が高い」「人材紹介への依存が強い」「応募はあるのに採用につながらない」「内定辞退や早期離職で再募集が発生する」といった課題を抱える企業は少なくありません。

採用コストを下げたいとき、最初に考えがちなのは求人媒体や紹介会社の利用を減らすことです。しかし、単純に費用を削るだけでは、応募数が減ったり、採用したい人材に届かなくなったりする可能性があります。

採用コストを下げる本質は、採用活動全体の費用対効果を高めることです。求人媒体費、人材紹介費、採用担当者の工数、面接官の時間、辞退やミスマッチによる再募集コストまで含めて見直し、自社に合う候補者が納得して応募・入社できる導線を整える必要があります。

採用コストを抑える自社採用導線を相談する

採用コストを下げるには費用削減だけでは不十分

採用コストを下げるというと、求人広告費を減らす、人材紹介の利用を抑える、採用管理ツールを見直すといった施策が思い浮かびます。もちろん、無駄な支出を減らすことは重要です。しかし、採用活動では「安くすること」と「採用できること」は分けて考える必要があります。

たとえば求人媒体費を削って応募が減れば、採用できない期間が長引きます。人材紹介を止めた結果、採用担当者や現場面接官の工数が増えれば、内部コストが膨らむこともあります。応募数は増えてもミスマッチが多く、面接辞退や内定辞退が増えれば、再募集に追加費用がかかります。

採用コストを下げるうえで重要なのは、削れる費用を探すことだけではありません。どこで費用が膨らみ、どこで候補者が離脱し、どこで採用単価が上がっているのかを見える化することです。

採用コストと採用単価の違い

採用コストと採用単価は似ていますが、見るべき意味が異なります。採用コストは採用活動全体にかかった費用であり、採用単価は採用者1人あたりにかかった費用です。

項目 意味 確認する目的
採用コスト 採用活動にかかった費用の総額 年間・月間でどれだけ採用費を使っているかを見る
採用単価 採用者1人あたりにかかった費用 採用の費用対効果を見る

採用コストの総額だけを見ていると、採用人数との関係が分かりません。たとえば、500万円かけて5名採用した場合の採用単価は100万円です。600万円かけて10名採用できた場合は、総額は増えていますが、採用単価は60万円になります。

採用コストを下げたい場合は、単に総額を減らすのではなく、採用単価と採用の質を見ながら判断することが重要です。

採用コストが高くなる原因

採用コストが高くなる原因は、求人媒体費や紹介手数料だけではありません。応募から入社までの各段階で歩留まりが悪いと、採用単価は上がります。

原因 起きていること 見直すべき点
求人媒体依存 掲載費を増やさないと応募が集まらない 自社採用サイト、採用広報、職種理解コンテンツ
人材紹介依存 採用できるたびに紹介手数料が発生する 直接応募、リファラル、候補者接点の蓄積
応募者のミスマッチ 応募はあるが、求める人材とずれている 求人票、採用コンセプト、向いている人の明確化
面接辞退が多い 応募後に志望度が下がる 応募前情報、選考案内、面接前フォロー
内定辞退が多い 承諾前に不安や比較負けが起きる 仕事理解、社員の声、入社後イメージ
早期離職が多い 再募集が発生し採用費が積み上がる 応募前のリアルな情報、向き不向き、入社後フォロー

採用コストを下げるには、支出の多い項目だけでなく、歩留まりが悪い工程を確認する必要があります。応募数が少ないのか、面接参加率が低いのか、内定承諾率が低いのかによって、取るべき施策は変わります。

外部コストと内部コストを分けて整理する

採用コストは、大きく外部コストと内部コストに分けて考えます。外部コストは外部サービスや広告に支払う費用、内部コストは社内で発生する人件費や工数です。

分類 主な項目 見直しの視点
外部コスト 求人媒体費、人材紹介費、採用広告費、採用イベント費、制作費、ツール費 採用者につながっているか、媒体ごとの費用対効果はどうか
内部コスト 採用担当者の工数、面接官の時間、説明会準備、候補者対応、内定者フォロー 選考フローが長すぎないか、候補者対応が属人化していないか

外部コストだけを削減しても、内部コストが増えれば採用全体の効率は悪化します。たとえば媒体を減らして自社運用に切り替えても、採用担当者の工数が大幅に増え、応募管理や候補者対応が追いつかなくなることがあります。

採用コストを下げるには、外部費用と社内工数の両方を見たうえで、採用成果に対してどの支出が効いているのかを判断する必要があります。

採用単価を計算する方法

採用単価は、採用にかかった総費用を採用人数で割って算出します。式としてはシンプルですが、どの費用を含めるかを決めておくことが重要です。

採用単価 = 採用活動にかかった総費用 ÷ 採用人数

たとえば、求人媒体費、人材紹介費、採用広告費、採用サイト改修費、採用管理ツール費、面接官の工数を含めて年間600万円かかり、6名採用できた場合、採用単価は100万円です。

採用単価を改善するには、次のような中間指標もあわせて確認します。

  • 媒体ごとの応募単価
  • 応募から面接参加までの割合
  • 面接から内定までの割合
  • 内定から承諾までの割合
  • 採用者の定着状況
  • 入社後に活躍している人の流入経路

採用単価が高い場合、費用そのものが高いのか、応募後の歩留まりが悪いのかを分けて見る必要があります。

求人媒体費を見直すポイント

求人媒体費を見直すときは、掲載費の安さだけで判断しないことが重要です。媒体ごとに、応募数、応募者の質、面接参加率、採用数、採用後の定着を確認します。

確認項目 見るべきこと
応募数 媒体ごとにどれだけ応募が発生しているか
応募者の質 採用条件や人物像に合っているか
面接参加率 応募後に選考へ進んでいるか
採用数 実際に採用につながっているか
定着状況 入社後に早期離職していないか

応募数が多くても、面接辞退やミスマッチが多ければ採用単価は下がりません。反対に応募数は少なくても、採用につながる割合が高い媒体であれば、費用対効果は高い可能性があります。

人材紹介依存を下げる方法

人材紹介は、短期間で候補者に接触したい場合や、専門職・管理職を採用したい場合に有効です。一方で、採用人数が増えるほど紹介手数料が積み上がりやすく、採用単価が高くなる要因にもなります。

人材紹介依存を下げるには、自社で候補者と接点を持つ仕組みを作ることが必要です。

  • 採用サイトを強化し、直接応募を増やす
  • 職種別の仕事内容や魅力を発信する
  • 社員の声や入社理由を掲載する
  • 採用広報で潜在層との接点を作る
  • リファラル採用を仕組み化する
  • 説明会やカジュアル面談の導線を整える

人材紹介をゼロにする必要はありません。重要なのは、すべての採用を紹介会社に依存せず、自社で候補者を引きつけ、応募前の理解を深める導線を持つことです。

求人媒体に頼らない採用戦略を相談する

採用サイトを活用して自社応募を増やす

採用コストを下げるうえで、自社採用サイトは重要な受け皿になります。求人媒体やスカウトで接触した候補者も、多くの場合は応募前に企業名や採用サイトを確認します。そこで十分な情報がなければ、応募や面接参加に進みにくくなります。

採用サイトでは、次のような情報を整えます。

  • 採用メッセージ
  • 職種別の仕事内容
  • 一日の流れ
  • 社員インタビュー
  • 入社後の研修やキャリア
  • 福利厚生や働き方
  • 向いている人、向いていない人
  • 選考フローとFAQ
  • 応募フォームやカジュアル面談導線

採用サイトは、求人媒体の代替ではなく、候補者の理解と納得を深める場所です。自社で働く理由が伝われば、求人媒体からの流入も応募につながりやすくなり、結果として採用単価の改善につながります。

ミスマッチと辞退を減らして再募集コストを抑える

採用コストが高くなる原因の一つが、ミスマッチや辞退による再募集です。内定辞退や早期離職が発生すると、同じポジションを再度募集する必要があり、媒体費や面接工数が追加で発生します。

ミスマッチや辞退を減らすには、応募前から仕事のリアルを伝えることが重要です。

起きやすい問題 原因 必要な情報
応募後の辞退 仕事内容や働き方の理解不足 職種別ページ、一日の流れ、FAQ
面接辞退 志望度が上がらない 社員インタビュー、仕事の価値、選考前コンテンツ
内定辞退 入社後のイメージや比較材料が不足 キャリア、社風、入社理由、内定者フォロー
早期離職 入社前の期待値と実態がずれる 大変な点、向き不向き、支援体制

採用単価を下げるには、応募者を増やすだけでなく、選考途中の離脱や入社後のミスマッチを減らすことが欠かせません。

採用広報と社員の声で応募前の納得感を高める

採用広報は、短期的な応募獲得だけでなく、候補者が会社や仕事を理解する接点を増やすために有効です。社員の声、仕事の裏側、チームの雰囲気、入社後の成長ストーリーを発信することで、求人票だけでは伝わらない判断材料を届けられます。

特に、認知度が低い職種や不人気と見られやすい業界では、求人条件だけを並べても応募につながりにくいことがあります。仕事の価値、大変な点、成長環境、現場社員の本音を伝えることで、候補者が納得して応募しやすくなります。

採用広報は、すぐに採用数へ直結する施策とは限りません。しかし、情報接点を蓄積することで、求人媒体に依存しすぎない採用基盤を作りやすくなります。

採用コストを下げる施策一覧

採用コストを下げる方法は一つではありません。自社の採用課題がどこにあるかによって、優先すべき施策は変わります。応募数が少ない企業と、応募はあるが辞退が多い企業では、取るべき対策が異なります。

施策 向いている課題 注意点
求人媒体の見直し 媒体費が高い、応募の質が合わない 応募数だけでなく採用数と定着まで見る
採用サイト改善 流入はあるが応募につながらない デザインだけでなく仕事内容と社員の声を整える
採用広報 認知度が低い、候補者の理解が浅い 短期成果だけで判断せず継続的に発信する
リファラル採用 自社に合う候補者と接点を作りたい 社員任せにせず紹介しやすい情報を整える
選考フロー改善 面接辞退や内定辞退が多い 候補者対応を削りすぎない
職業理解コンテンツ 仕事内容が伝わらずミスマッチが多い 良い面だけでなく大変な点も伝える
採用管理の効率化 候補者対応や日程調整の工数が大きい ツール導入だけでなく運用ルールも整える

重要なのは、施策を増やすことではなく、採用単価が高くなっている原因に合った施策を選ぶことです。たとえば、応募数が足りないなら流入接点の改善が必要ですが、内定辞退が多いなら応募前から選考中にかけての情報提供を見直す必要があります。

業界・職種別に採用コストを下げる考え方

採用コストを下げる方法は、業界や職種によっても変わります。採用難度が高い職種ほど、求人媒体や人材紹介に頼るだけでは採用単価が上がりやすくなります。

建設・施工管理

建設や施工管理では、仕事内容への不安や業界イメージによって応募前に候補から外されることがあります。採用コストを下げるには、求人票だけでなく、未経験者が成長する流れ、資格取得、現場のチーム体制、街に残る仕事の価値を伝えることが重要です。

仕事の大変さを隠すのではなく、どのような支援体制があり、どのように専門職へ成長できるのかを見せることで、ミスマッチや辞退を減らしやすくなります。

物流・ドライバー

物流やドライバー職では、勤務時間、体力面、安全面への不安が応募の壁になります。採用単価を下げるには、配送エリア、勤務スケジュール、同乗研修、安全管理、無理なく働くための制度を具体的に伝える必要があります。

採用支援の実績事例では、物流業界で採用単価が40〜50万円から10〜15万円に改善したケースがあります。成果を保証するものではありませんが、仕事内容や働き方を応募前に伝えることが、採用効率の改善につながる可能性を示しています。

介護・福祉

介護・福祉では、身体的・精神的な負担への不安が応募前に強く出やすくなります。求人条件だけで比較されると、採用単価は下がりにくくなります。利用者との関わり、チームでの支援、研修制度、職員同士のフォローを具体的に伝えることが重要です。

職業の価値と現場のリアルを伝えることで、仕事理解が進み、自社に合う候補者からの応募につながりやすくなります。

IT・エンジニア

ITエンジニア採用では、採用競争が激しく、人材紹介やスカウトに依存すると採用単価が高くなりやすい領域です。技術環境、担当範囲、開発体制、レビュー文化、キャリアパスを採用サイトや採用広報で具体化する必要があります。

候補者が自分のキャリアと照らし合わせて判断できる情報を整えることで、条件だけで比較されにくくなり、選考中の志望度形成にもつながります。

警備・タクシーなど不人気と見られやすい職種

警備やタクシーなど、不人気と見られやすい職種では、業界イメージが応募前の壁になります。採用コストを下げるには、待遇だけではなく、働く人の声、収入の考え方、勤務の実態、未経験からの始め方、仕事の社会的意義を伝える必要があります。

採用支援の実績事例では、警備業界で採用単価が14万円から1万円に改善したケース、タクシー業界で採用単価が30〜40万円から14万円に改善したケースがあります。成果を保証するものではありませんが、職業理解と応募前の不安解消が採用効率に関係することが分かります。

90日で採用コストを見直す進め方

採用コストを下げるには、いきなりすべての施策を変えるのではなく、短期間で現状把握と優先順位付けを行うことが現実的です。90日を目安に、次のような流れで進めます。

  1. 媒体別の応募数、面接数、内定数、採用数を整理する
  2. 採用単価と職種別の歩留まりを計算する
  3. 面接辞退、内定辞退、早期離職の原因を確認する
  4. 採用サイトや求人票で不足している情報を洗い出す
  5. 優先度の高い職種から仕事内容と社員の声を整える
  6. 媒体や紹介会社の使い方を見直す
  7. 応募後の連絡、面接前案内、内定者フォローを改善する

採用コスト削減は、一度の見直しで完了するものではありません。媒体費、応募率、面接参加率、内定承諾率、定着状況を継続的に確認し、採用活動全体の費用対効果を改善していく必要があります。

採用コスト削減でやってはいけないこと

採用コストを下げたいときほど、削ってはいけない費用と削るべき費用を分ける必要があります。短期的に費用を減らしても、採用の質が落ちれば、結果的にコストは増える可能性があります。

採用の質を落とす

媒体費を減らした結果、求める人材に届かなくなると、採用までの期間が長引きます。採用できてもミスマッチが多ければ、早期離職や再募集につながります。採用コスト削減では、人数だけでなく入社後の定着や活躍まで見ることが重要です。

候補者対応を減らしすぎる

採用担当者の工数を削るために、候補者への連絡やフォローを減らしすぎると、面接辞退や内定辞退が増えることがあります。効率化は必要ですが、候補者が不安を感じる接点まで削ってはいけません。

採用サイトや情報発信を後回しにする

求人媒体や人材紹介への支出だけを見直し、自社の採用サイトや情報発信を後回しにすると、候補者が応募前に判断できる情報が不足します。結果として、媒体からの流入を活かしきれず、採用単価が下がりにくくなります。

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Zenkenの採用マーケティング支援でできること

Zenken株式会社のヒューマンキャピタル事業本部は、求人媒体や人材紹介だけに依存しない自社採用の仕組みづくりを支援しています。職業の価値、企業のらしさ、現職社員の声をもとに、求職者が応募前に「この会社で働く理由」を理解できるコンテンツや導線を設計します。

採用コストを下げたい企業に対しては、媒体費を単純に削るのではなく、応募前の納得形成、採用サイトの改善、職業ブランディング、社員の声の活用、選考フローでの情報提供まで含めて、自社採用導線を整える支援が可能です。

採用支援の実績事例では、物流業界で採用単価が40〜50万円から10〜15万円に改善したケース、警備業界で採用単価が14万円から1万円に改善したケース、タクシー業界で採用単価が30〜40万円から14万円に改善したケースがあります。いずれも成果を保証するものではありませんが、求人媒体に頼るだけでなく、職業価値や応募前の判断材料を整える重要性が分かります。

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よくある質問

採用コストを下げるには何から始めるべきですか

まずは採用コストと採用単価を計算し、媒体ごとの応募数、面接参加率、内定承諾率、採用数を確認します。費用が高い項目だけでなく、歩留まりが悪い工程を見つけることが重要です。

求人媒体を減らせば採用コストは下がりますか

短期的な支出は下がる可能性がありますが、応募数や採用数が減れば採用単価は上がる場合があります。媒体を減らす前に、媒体ごとの採用実績と候補者の質を確認する必要があります。

採用サイトは採用コスト削減に役立ちますか

役立ちます。採用サイトは、候補者が応募前に会社や仕事を理解するための受け皿です。仕事内容、社員の声、FAQ、選考フローが整っていると、求人媒体からの流入や紹介候補者の理解度が高まり、辞退やミスマッチを減らしやすくなります。

採用コスト削減と採用ブランディングは関係ありますか

関係があります。採用ブランディングによって会社や職業の価値が伝わると、候補者が条件だけで比較しにくくなり、自社に合う人材からの応募を増やしやすくなります。長期的には求人媒体や紹介会社への依存を下げる土台になります。

採用コストは削るのではなく採用導線全体で改善する

採用コストを下げるには、求人媒体費や人材紹介費を削るだけでは不十分です。採用単価が高くなる原因を、応募前、応募後、面接、内定、入社後まで分解して見る必要があります。

自社に合う候補者が応募前に仕事や会社を理解し、選考中に不安を解消し、内定後に納得して入社できる導線が整えば、ミスマッチや辞退による再募集コストを抑えやすくなります。

採用コスト削減は、支出を減らす活動ではなく、採用活動の費用対効果を高める活動です。求人媒体、人材紹介、採用サイト、採用広報、選考フローを一体で見直し、採用単価と採用の質を同時に改善していくことが重要です。

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