大学のブランディング戦略のメリット・進め方・成功事例を紹介

大学のブランディング戦略のメリット・進め方・成功事例を紹介

少子化が加速する中、「大学の集客・生徒募集において新たな手法を取り入れたい」「大学のブランディングについて見直したい」といった課題に直面している方も多いのではないでしょうか。
大学のブランディングは、競合大との差別化を図るためにも、未来の学生やステークホルダーから愛される大学を創っていくためにも欠かせません。
このページでは、大学のブランディング戦略の進め方・メリット・重要ポイント・成功事例をご紹介していきます。

また大学のブランディングを叶えつつ、生徒募集を実現する具体的なマーケティング施策として、キャククルのWeb集客施策ポジショニングメディアブランディングメディアを併せてご紹介しています。
これらは「県外の学生まで受験してくれるようになった」「学校の強みを理解した上で選んでくれる学生が増えた」といった成功事例もあります。

大学のブランディングの新しい打ち手・施策を検討している方は、ぜひ詳細もご覧ください。
競合大学と差別化することで
強みを明確に示す
ポジショニングメディアとは
認知度を上げて
学生に第一想起させる
ブランディングメディアとは

2025年の大学ブランディング最新事情

大学ブランディングを取り巻く環境は、ここ数年で劇的に変化しています。2025年現在、大学がブランディングに取り組む上で押さえておくべき最新トレンドを解説します。

18歳人口減少と大学淘汰の時代

2025年の18歳人口は約110万人となり、2019年の117.5万人から大きく減少しています。この減少トレンドは今後も続き、2040年には約88万人まで減少すると予測されています。

すでに私立大学の約半数が定員割れを起こしており、小規模大学を中心に統廃合や募集停止が相次いでいます。このような環境下で生き残るためには、明確なブランドポジションを確立し、選ばれる大学になることが必須です。

デジタルネイティブ世代の大学選択行動

現在の受験生はZ世代と呼ばれるデジタルネイティブ世代です。大学選びにおいても、スマートフォンでの情報収集が中心となっており、従来の紙のパンフレットや説明会だけでは不十分です。

Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSで大学の雰囲気を確認し、口コミサイトで在学生や卒業生の生の声をチェックし、オンラインオープンキャンパスに参加するなど、デジタルを駆使して大学を比較検討します。

SNSでの情報発信力、Webサイトの使いやすさ、オンラインでの体験価値が、大学ブランドの印象を大きく左右する時代となっています。

偏差値だけでは選ばれない時代へ

かつては偏差値や就職実績が大学選びの主要な基準でしたが、現在は「自分らしく学べるか」「キャンパスライフを楽しめるか」といった情緒的な価値も重視されるようになっています。

「この大学で学ぶ意味」「入学後の自分の成長イメージ」「大学の世界観や価値観への共感」など、数値化できない要素が意思決定に大きく影響します。だからこそ、ブランディングを通じて大学の世界観を伝えることが重要なのです。

大学のブランディングが必要不可欠な時代に

大学のブランディングが必要不可欠

18歳人口の減少という局面に立ち、大学にも新しい経営手法が必要となっています。

2019年には117.5万人いた18歳人口は、2031年には103.3万人に減少すると予想されており、大学全入時代を通り越して、定員割れを起こすような事態を迎えています。

そのような現代では、しっかりと学生を集め大学の経営を成り立たせるために、学生に選ばれる大学である必要があります。

多くの競合大学がひしめく大学市場のなかで、自分の大学が選ばれるために重要になってくるのが、このページのテーマである「ブランディング」です。

ブランディングとは

ブランディングとは、大学のブランドを学生に認識させ、市場内における大学の提供価値を明確にしていくことを言います。

飲食店を例にあげると「落ち着いてコーヒーを飲むならあのお店」「安いハンバーガーと言えばあのお店」と言ったように、特定のニーズを持つターゲットがいる市場で選ばれ、愛着を持ってもらうために活動していくのがブランディングです。

シャネルやヴィトンなどの高級ブランドになじみのあるアパレル業界のみならず、いまやどの業界・市場においてもブランディングが求められる時代に変わりつつあります。

事実、18歳人口の減少という問題に直面するいま、ブランディング戦略を取り入れる大学は増加。
それぞれの大学が、自身の学校が提供できる価値、つまりは学生が自校を選ぶべき理由を強く発信し始めているのです。

大学のブランド力とは

大学のブランド力の定義には諸説ありますが、一般的には知名度や評判、教育・研究の質、学生や教職員のレベル、施設・設備の充実度などに依存しているとされています。

また、国際化の度合いも考慮されるようです。これらの要素が相互に関連させながら、バランスよく向上させることでブランド力向上につながる可能性があります。

大学経営にブランディング戦略を取り入れるメリット

大学経営にブランディング戦略を取り入れるメリット

「自分の大学にブランディングを取り入れることは本当に必要か」と考えている人もいるでしょう。
そこで本項では、大学経営にブランディング戦略を取り入れるメリットを3つご紹介します。

自校の強みにマッチした入学希望者の増加

ブランディングを行うことで、「この大学は〇〇に強みががある」「この大学でしか〇〇が学べない」といった、大学が提供できる価値をターゲットである学生に認知させることができます。

学生側から見ると、自身のニーズに最も合う大学がどこなのか、選びやすくなるわけです。

そうすることで、大学が提供できる価値や強みと、学生が求めていることが一致する状態をつくりやすくなります。

学生は納得をした上で大学を選択しやすくなり、入学前と入学後のイメージのミスマッチを防ぐことができるため、大学での活動や授業へのコミットが高まったり、途中退学をしにくくなったりといった効果を期待できます。

また、大学受験は受験生のみならず、その家族や親戚、高校の教師、塾講師など、多くの人の意思が関わってくるもの。

大学のブランドイメージが広まっていくことで、関わってくる多くの人に認知してもらいやすく、かつ良いイメージを持ってもらえるため、学生を集めるためには有利な状況をつくることができます。

マーケティング戦略や広報戦略が立てやすくなる

大学のブランディング戦略を進める上で、ブランドイメージを発信するマーケティング戦略は当然欠かせません。

どのような魅力がある大学と認知してもらいたいかが明確になることで、その魅力を求めるターゲット学生も明確になります。

そしてターゲット学生に知ってもらうためには、どのようなマーケティング手法や広告媒体を活用するか…、といった形で戦略の軸ができるため考えやすくなるのです。

大学の広報活動においては、交通広告、新聞広告、テレビCM、インターネット広告などの広告媒体のほか、オープンキャンパスや説明会など多種多様。

  • YouTubeやインスタライブなどを使ってキャンパス内の様子をアピールする
  • プレスリリース配信を活用して大学の最新情報を告知する
  • Zoomなどのコミュニケーションツールを使って受験生と直接会話する

など、デジタルツールやテクノロジーの発展などにより、大学の魅力や強みを発信する手段は増え、より伝えやすくなっています。

これらの広告をターゲットにあわせて適切に活用することができれば、費用対効果もよくなっていき、学生募集にかかるコスト削減も期待できます。

大学ブランディングの3つのアプローチ

大学のブランディングには、大きく分けて3つのアプローチがあります。それぞれの目的と手法を理解し、統合的に取り組むことが重要です。

①インナーブランディング:内部から強化する

インナーブランディングとは、教職員や在学生に対して大学のブランド価値を浸透させる取り組みです。

いくら外部に素晴らしいブランドイメージを発信しても、実際に大学で働く教職員や学ぶ学生がそれを体現していなければ、ブランドは形骸化してしまいます。

具体的な施策例としては、以下のようなものがあります。

  • 大学のビジョンやミッションを共有するための研修会・ワークショップ
  • 教職員が一体感を持てる社内イベントの開催
  • 学生大使制度の導入(在学生が大学の魅力を発信)
  • 教職員向け広報ガイドラインの作成

在学生が「この大学に入学して良かった」と心から感じ、それをSNSなどで自然に発信してくれる状態が、最も強力なブランディングとなります。

②アウターブランディング:外部に訴求する

アウターブランディングとは、受験生、保護者、高校教員、地域社会など、外部のステークホルダーに対して大学のブランド価値を訴求する取り組みです。

一般的に「大学ブランディング」と言われる場合、このアウターブランディングを指すことが多いです。

具体的な施策例としては、以下のようなものがあります。

  • 採用サイト・オウンドメディアでの情報発信
  • SNS(Instagram、Twitter、YouTube、TikTok)での発信
  • プレスリリース配信による露出機会の創出
  • Web広告(リスティング広告、SNS広告)の出稿
  • オープンキャンパスや説明会の充実
  • 高校訪問・進学相談会への参加

これらの施策を通じて、「〇〇を学ぶならこの大学」というポジションを確立していきます。

③地域ブランディング:地域と共生する

地域ブランディングとは、大学が立地する地域との関係性を強化し、地域に愛される大学になる取り組みです。

特に地方の私立大学にとって、地域との共生は生存戦略として非常に重要です。地域住民や自治体、地元企業との良好な関係が、大学のブランド価値を高めます。

具体的な施策例としては、以下のようなものがあります。

  • 地域住民向けの公開講座・生涯学習プログラムの提供
  • 地元企業との産学連携プロジェクト
  • 学生ボランティアによる地域貢献活動
  • 地域イベントへの積極的な参加・協力
  • 地元メディアへの露出(新聞、テレビ、ラジオ)

地域に根ざした大学は、地元からの進学者が安定的に確保できるだけでなく、地域全体が大学の応援団となってくれます。

大学のブランディングに役立つブランド・イメージ調査

市場調査は、顧客を理解し、見識を深め、適切なマーケティング戦略を決定する上で非常に重要です。企業が成功を収めるためには、市場動向や顧客ニーズについての正確な情報が必要です。しかし、通常、調査には多くの費用と負担がかかります。そのため、市場調査や分析を専門とする企業が存在します。その企業は、市場調査だけではなくて、ブランディングに役立つブランディング・イメージの調査も行います。以下にブランド・イメージ調査について詳しく説明します。


引用元:Nikkei Meida Marketing公式ウェブサイトhttps://www.nikkeimm.co.jp/service/detail/id=236

ブランド・イメージ調査とは

ブランドイメージ調査は、商品やサービス、企業のブランドイメージを顧客に対する浸透度や忠誠度、評価、イメージなど、多角的かつ定期的に測定することで、競合市場での自社ブランドの位置を把握するための調査です。この調査を通じて、顧客が持つイメージと期待するイメージとのギャップを把握することが可能です。定量的なデータが必要な場合が多いため、主にネットリサーチが調査手法として利用されます。

日本経済新聞社グループの「大学ブランド・イメージ調査」について

「大学ブランド・イメージ調査」は、日本経済新聞社グループの日経BPコンサルティングが提供する、国内の大学の認知度やイメージ、評価を徹底的に分析する調査サービスです。このサービスは、ビジネスパーソンや父母、教育・研究機関に勤める方々を対象に、インターネットを通じて実施され、大学の評価を数値化した「ブランド力通信簿」を提供します。

2007年にスタートし、独自の指標をもとに国内を9つの地域に分けて詳細に分析しています。2023-2024年版では、全国459大学が対象となり、身近な「競合」大学との比較も容易です。この調査結果は、大学の広報活動の効果測定や、中長期的な経営戦略の企画・立案、研究分野の選択などにおいて、重要な参考データとして活用されています。

日経BPコンサルティングは、大学や研究機関の依頼に応じて、ブランドづくりを支援するコンサルティングサービスも提供しています。日経メディアマーケティングが調査リポートの販売やコンサルティング業務の取り次ぎを担当し、大学や研究機関の発展に貢献しています。

大学のブランディングの進め方

大学のブランディングの進め方
大学をブランディングしていくためには、「誰に」「何を」「どのように」の3つのポイントに沿って考えていく必要があります。

  • 「誰に」…受験生、受験生の家族、教職員、在学生、在学生の家族、卒業生、地域住民などのステークホルダー
  • 「何を」…大学の強み、市場内での価発信すべきブランドイメージや理念など
  • 「どのように」…Web広告、Webサイト、SNS、書籍、学校案内など自校とステークホルダーを繋ぐためのコミュニケーション手法

これらについて考えるためのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

市場内における自校のポジションを明確にする

まずは、市場内における自校のポジションを明確にする必要があります。
マーケティングのフレームワークとしても頻繁に用いられるSTP分析のP(ポジショニング)にあたる部分です。

競合やユーザーニーズなど含めて、自校がおかれている市場環境において確固たるポジション(立ち位置)があるでしょうか?

独自の強み、競合他校より優位性のある強みなど、「〇〇といえば自校」といえるものはなにか明確にしておきましょう。

学生のニーズを分析する

つぎに、ターゲット学生のニーズを徹底的に分析していきましょう。

どんなことに悩んでいるのか、大学に求めているものはなにか、といったニーズはもちろん、潜在ニーズを浮き彫りにしていくことも大切です。

在学生や卒業生の生の声を集めたり、学生の父母や地域住民のニーズを調査したりと、自校を取り巻く人の声も参考にするとよいでしょう。

大学のバリュープロポジションを明確にする

ブランディングを行う上では、バリュープロポジションという考え方が役立ちます。

バリュープロポジションとは、簡単にいってしまうと「独自の提供価値・強み」のことです。それはつまり「この大学を選ぶべき理由」ともいえるものです。

以下は企業視点でのバリュープロポジション図ですが、大学でも同様の考え方が可能です。

自校が置かれている市場内にある競合分析や、ターゲットユーザー(学生)のニーズ分析を鑑み、ニーズはあるのに競合が提供できていない「自校ならではの提供価値」を見直してみましょう。

ペルソナを定める

届けたいイメージが決まったら、ペルソナを明確にしていきます。

ペルソナとは、ターゲットとするユーザーのリアルな人物像のことを指し、一貫したブランディング活動の実現に役立ちます。

例えば、「名前は○○で、女性。公立高校に通う2年生。家族構成は父、母、中学生の弟の4人。勉強は苦手だが、そろそろ大学受験を意識している」といったように、細かく作り込んでいく必要があります。

これにより、大学経営陣と広報担当社の間での認識違いを防ぐとともに、学生の視点に立ったブランディングが可能になるでしょう。

どのようにアプローチするかを考える

設定したペルソナをもとに、アプローチの方法を考えていきます。

  • オウンドメディアによる情報発信
  • TwitterやFacebookなどSNSの運用
  • YouTubeなどを活用したヴィジュアル面での訴求
  • プレスリリース配信

など、各媒体を使い分け、相乗効果を高めていくことがポイントです。

また、どのような手法でコミュニケーションを取っていくかも考えなければなりません。

公式LINE、各SNS内のDM(ダイレクトメール)などから、個別相談会や見学会に繋げられるよう、メディア内の導線を考えることも忘れないようにしましょう。

効果測定と新しいサイクルづくり

実際にブランディング戦略を行うなかで、どの程度の成果が現れたかを可視化することも大切です。

「ブランド強度スコア」などを用い、市場でのロイヤリティや ブランドによる利益の将来の確実性などを明らかにしていきましょう。

そして、効果測定で明らかになった結果をもとに、新しいサイクルづくりを進めていきます。

ブランドは一朝一夕でできあがるものではありません。このように、PDCAサイクルを回していくことは基本かつ必須ですので、徹底できるようにしておきましょう。

大学のブランド力向上につながるブランディング施策

さて、自校のブランド方針を固めたのであれば、そのブランドを未来の学生に伝えなければ意味がありません。

情報発信の手段について説明をしましたが、明確に自校の魅力や特徴を学生に伝え、ブランディングと学生募集を両立したいと考えているのであれば知っていただきたい施策です。

ポジショニングメディア

ポジショニングメディアとは、その名の通り市場内でのポジション(立ち位置)を、ユーザーである学生にわかりやすく伝えるメディアです。

競合と比較しながら自校ならではの強みを見せることで、学生は「自分に合う大学はここだ」納得した上で、問い合わせや資料請求といったアクションを起こします。

以下はある商品を例とした、ポジショニングメディアによるユーザーの意思決定の流れです。
ぜひ大学と学生の関係におきかえて見てみてください。
ポジショニングメディアのコンバージョンフロー

そして自校ならではの強みを見せるということは、市場内でのブランディングも実現できます。

競合を含めた市場の全体像を客観的に見せながら、「〇〇といえば自校」というポジションを確立することで、大学のブランドイメージを強く印象付けることが可能です。

実際にポジショニングメディアの導入成果として、

  • 県内からの入学が中心で例年定員割れだったのが、
    県外からも続々願書が届き入学可能人数を2倍にしても追いつかない
  • 前年以上の学生募集に成功し、受け入れ人数を増やすために校舎の増築を決定した
  • 競合との差を明確にすることができ、大学の強み理解して希望する学生のみを募集することに成功した

というような強力な学生募集効果を実感する声もいただいています。

大学の強みとマッチする学生に興味を持ってもらえるため、ポジショニングメディアを経由した学生さんは入学率も高まる特徴があります。
ポジショニングメディアの
特徴・成功事例を見る

ブランディングメディア

より自校のブランディングを浸透させたい、大学のイメージ像や世界観を詳細に伝えたいといった場合には、ブランディングに特化したメディアをつくることをおすすめします。

Zenkenがつくるブランディングメディアでは、サイトコンセプトやデザインでブランドイメージを表現。

それだけでなく120業種を超える様々な業界でWeb集客を支援してきたノウハウを活かし、集客効果やメディア経由での成約にもこだわった設計を行います。

そのため細かくセグメントした市場だけでなく、検索数の多いキーワードでの検索上位表示も実現しており、ブランディングメディアとユーザーが接触する機会を多数創出し、ブランド浸透と定着が実現できます。

大学を慎重に検討するユーザーは、大学についてより詳細に調べるものです。大学名で検索した際に、ブランディングメディアがあることでより入学意欲を高めることも可能です。

ブランディングメディアについては、それぞれの大学の強みや市場を徹底分析した上で戦略や構成をご提案させていただきます。
興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ブランディングメディアの
特徴・成功事例を見る

大学ブランディングでよくある5つの失敗事例

大学ブランディングに取り組む際、多くの大学が陥りがちな失敗パターンがあります。これらを事前に知っておくことで、無駄な投資を避けることができます。

失敗①:実態とかけ離れたブランドイメージの発信

最も深刻な失敗が、実際の教育内容やキャンパス環境とかけ離れたブランドイメージを発信してしまうことです。

例えば、「国際的な大学」と謳いながら実際には留学プログラムがほとんどない、「少人数教育」を売りにしながら実際には大教室での講義が中心、といったケースです。

入学後にギャップを感じた学生は失望し、SNSでネガティブな口コミを発信したり、早期退学につながったりします。ブランディングは誇張や虚偽ではなく、正直な魅力の発信であるべきです。

失敗②:ターゲットが曖昧で誰にも刺さらない

「幅広い学生に来てほしい」という思いから、ターゲットを広げすぎて結果的に誰にも刺さらないメッセージになってしまうケースです。

「総合大学として多様な学びを提供」「全ての学生を歓迎」といった抽象的なメッセージでは、学生の心に響きません。むしろ、特定の強みに絞り込んだ方が、その分野に興味がある学生には強く刺さります。

失敗③:デジタル施策への投資不足

現代の受験生はデジタルネイティブ世代です。にもかかわらず、紙のパンフレットや説明会だけに頼り、デジタル施策への投資が不足している大学も少なくありません。

Webサイトが古くて見にくい、SNSの更新が滞っている、オンラインでの情報提供が不十分、といった状態では、「時代に取り残された大学」という印象を与えてしまいます。

失敗④:内部の協力体制が整っていない

ブランディングは広報部門だけの仕事ではありません。教職員全体、さらには在学生の協力が不可欠です。

しかし、経営陣だけが張り切って外部にブランドイメージを発信しても、教職員や学生が全く関与していない、あるいはブランドコンセプトすら知らないといった状態では、ブランドは定着しません。

失敗⑤:短期間で成果を求めすぎる

ブランディングは、中長期的な取り組みです。1年や2年で劇的な効果が出るものではありません。

しかし、「今年度の入学者数を増やすため」といった短期的な目標のためだけにブランディングに取り組むと、一貫性のない施策になり、結果的にブランドが確立されません。少なくとも3〜5年の計画で取り組む必要があります。

大学ブランディングの費用相場と予算の考え方

大学ブランディングにどれだけの予算を投じるべきか、多くの大学が悩むポイントです。

大学ブランディングの費用相場

大学ブランディングの費用は、取り組む内容や規模によって大きく異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • ブランド戦略策定・コンサルティング:300万円〜1,000万円
  • 大学Webサイトリニューアル:500万円〜3,000万円
  • 採用パンフレット制作:200万円〜800万円
  • ブランド動画制作:100万円〜500万円(1本あたり)
  • SNS運用支援:月額30万円〜100万円
  • ポジショニングメディア・ブランディングメディア制作:500万円〜2,000万円

総合的なブランディングプロジェクトとして取り組む場合、初年度で1,000万円〜5,000万円程度の投資が一般的です。

投資対効果(ROI)の考え方

ブランディングの効果は、短期的には測定しにくいものです。しかし、中長期的には明確な効果が現れます。

例えば、定員100名の学部で定員割れを起こしており、毎年20名不足していたとします。学生1人あたりの年間授業料が100万円とすると、年間2,000万円の機会損失が発生しています。4年間では8,000万円です。

ブランディングにより定員を充足できれば、初期投資2,000万円でも十分に回収可能です。さらに、退学率の低下、優秀な学生の獲得、卒業生の満足度向上など、副次的な効果も大きいです。

予算配分の優先順位

限られた予算の中で最大の効果を得るには、優先順位をつけることが重要です。

優先度1:デジタル基盤の整備では、Webサイトのリニューアルとスマホ対応、SNSアカウントの開設と運用体制構築が最優先です。現代の受験生はここから情報収集を始めるため、ここが弱いと他の施策も効果が限定的になります。

優先度2:ブランド戦略の策定では、自校のポジショニングとバリュープロポジションの明確化が必要です。これがないと施策に一貫性が生まれません。

優先度3:コンテンツ制作では、動画、パンフレット、記事など、ブランドを体現するコンテンツの制作に投資します。

大学のブランディング成功事例

先では、大学におけるブランディング戦略のメリット、進め方をご紹介しました。
この項目では、実際のブランディング成功事例をご紹介します。

近畿大学

大学におけるブランディングの成功事例として有名な大学に、近畿大学が挙げられます。

近畿大学は、ユニークなブランディングで志願者数を10年間で2倍にし、4年連続志願者数日本一を達成した実績を誇る大学です。

近畿大学は、世界で初めて完全養殖を実現し、「近大マグロ」の存在を世の中に知らしめました。

そして、現在でも「近大マグロ」の存在をコンテンツとして活用しており、民間企業にも劣らない宣伝活動を一貫。

スクールアイデンティティとして「近大マグロ」を存分に使い、「マグロだけじゃない。」「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や?」といった大阪流のPR企画にも注目が集まっています。

また、公式Twitterを運営するなど、ターゲット層にアプローチする手法も取り入れており、約48,000人のフォロワー数を獲得しています。(2021年5月現在)

※参照元:BRANDINGLAB「近畿大学の「おもろい」ブランディング戦略」(https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/kindai-univ

明治大学

「男っぽい大学」というイメージが定着していた明治大学は、ブランディングによって女子高生からの人気を集める大学に変化しました。

かつて「バンカラ」と呼ばれた明治大学は、その伝統的なイメージに「おしゃれ」なイメージを加味し、女子学生も増加傾向にあると言います。

また、明治大学は、それぞれのニーズに合うメディアを複数運営しています。

たとえば、時間に余裕がない受験生に向けたWebサイト「Step into Meiji University」は、全学部それぞれの魅力や特徴を伝えるためのブランドサイトとして機能。

在学生が情報収集するためのサイト「MEIJI NOW」では、「学習のコト」「留学のコト」「就職活動のコト」「先輩のコト」といったようにテーマを分類し、明大生のコンテンツとして機能。

そして、明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト「Meiji.net」は、明治大学と社会をつなげる役目を担っています。

また、部活や研究室の情報を発信するTwitterアカウントの数も豊富です。

このように、各媒体でおしゃれで堅実なイメージを発信している明治大学は、選ばれ続ける大学としてのブランディングに成功していると言えるでしょう。

※参照元:リクナビNEXTジャーナル「「明治大学」はなぜ女子高生に人気の大学になれたのか?――高校生が志願したい大学”8年連続1位”を実現した戦略」(https://next.rikunabi.com/journal/20180118_c1/

岡山大学

岡山大学は、国立大学であり、2020年から毎月30件以上のプレスリリースを出しています。

研究成果を多く発信し、さまざまな分野で活躍しています。プレスリリースは、専門的な内容でも分かりやすくするため、工夫がされています。

例えば、最初に発表内容を短くまとめたり、図や写真を使ったり、研究者のコメントも載せたりしています。また、難しそうに思われないように、キャッチーなタイトルも付けています。

地方私立大学の成功事例

地方都市に立地するある私立大学は、「地域密着型キャリア教育」を強みとしたブランディングに成功しました。

地元企業との連携による長期インターンシップ、地域課題解決型プロジェクト、地元就職率の高さを前面に打ち出し、「地元で働きたい学生が選ぶ大学」というポジションを確立しました。

その結果、地元高校からの志願者が5年間で2倍に増加。さらに、地元企業からの評判も高まり、求人数も増加するという好循環が生まれました。

SNSを活用した大学のブランディング成功事例

早稲田大学

早稲田大学のSNSを通じたブランディング戦略は、幅広いオーディエンスにアプローチし、大学の魅力を伝える上で非常に成功しています。

具体的には、Facebook、Twitter、Instagramなどの主要なSNSプラットフォームに積極的に参加し、学生、教職員、卒業生など、さまざまなターゲット層に向けて情報発信を行っています。

大学のイベントやセミナー、研究成果、学生の活動など、多岐にわたるコンテンツを提供。これにより、興味を持つ様々な人々にアピールし、ブランドの多面性を示しています。

大学ブランディングでよくある質問

Q1.大学ブランディングの効果が出るまでどれくらいかかりますか?

ブランディングは中長期的な取り組みであり、目に見える効果が出るまでには最低でも2〜3年はかかります。

ただし、SNSでの情報発信など、一部の施策は比較的早く反応が得られることもあります。重要なのは、短期的な成果だけを求めるのではなく、5〜10年スパンでのブランド確立を目指すことです。

継続的に取り組むことで、「〇〇といえばこの大学」というポジションが市場に定着していきます。

Q2.小規模な私立大学でもブランディングは必要ですか?

はい、むしろ小規模大学こそブランディングが重要です。

大規模総合大学と同じ土俵で戦うのではなく、特定分野や特定の価値観に特化したブランディングを行うことで、その分野を求める学生からの強い支持を得ることができます。

「小さいからこそできる丁寧な教育」「地域密着型のキャリアサポート」など、小規模であることをむしろ強みとして打ち出すブランディングが効果的です。

Q3.大学ブランディングで最も重要なポイントは何ですか?

最も重要なのは「一貫性」と「正直さ」です。

発信するブランドイメージと実際の教育内容やキャンパス環境が一致していなければ、入学後のミスマッチを生み、学生の失望や退学につながります。

自校の魅力を誇張するのではなく、ありのままの強みを正直に伝え、それに共感する学生を獲得することが、長期的なブランド成功の鍵となります。

Q4.国立大学でもブランディングは必要ですか?

はい、国立大学でもブランディングは重要です。

かつては「国立だから」という理由だけで学生が集まる時代もありましたが、現在は私立大学の教育内容も充実しており、国立大学といえども選ばれる努力が必要です。

特に地方の国立大学は、首都圏の有名私立大学との競争にさらされているため、研究力、地域貢献、独自の教育プログラムなどを前面に打ち出したブランディングが求められます。

Q5.ブランディングと学生募集の違いは何ですか?

ブランディングは、大学の長期的なイメージや価値を確立する活動であり、学生募集はその年度の入学者を確保するための短期的な活動です。

ブランディングがしっかり確立されていれば、学生募集活動の効率も上がります。逆に、ブランディングなしに学生募集だけを強化しても、一時的な効果しか得られません。

理想的には、ブランディングという土台の上に、毎年の学生募集活動を展開していく形です。

大学経営にはブランディングによるブランド力向上が欠かせない

大学経営にはブランディングによるブランド力向上が欠かせない

独自性をアピールして選ばれ続ける大学へ

この記事では、大学経営におけるブランディングの重要性、ブランディングのやり方、成功事例をご紹介しました。

18歳人口の減少を踏まえた激しい競争が続くなか、自校にブランディング戦略を取り入れることはもはや急務だと言えます。

多くの受験生は、長期的な比較検討をもとに、入学する大学を決定します。

そのなかで最終的に「キャンパスライフを送りたい」と思われるような大学を目指すためにも、自校の独自性やバリュープロポジションをアピールしていきましょう。

ブランディングやマーケティングにお悩みなら

WebサイトやWeb広告を活用する大学は増加しており、ブランディングにおいては、自校のメディアを育てていくことも求められます。

ホームページのUIやUXを高めることはもちろん、受験生の情報収集用のサイト、受験生の保護者に向けたサイト、在学生向けのサイトなど、それぞれのニーズに合うコンテンツを保持していくことも大切でしょう。

上で紹介した、ポジショニングメディアやブランディングメディアといったメディアを展開することもぜひ検討してみてください。

ZenkenではWebを通じた集客やマーケティング戦略の提案・実施を得意とし、教育業界をはじめ120業種以上の集客支援実績がございます。

大学の強みの分析から、適切な市場・ターゲット選定に基づいたマーケティング戦略・ブランディング戦略をご提案、メディアの制作運用までワンストップで対応可能です。

生徒募集のマーケティング戦略やブランディングでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
大学のマーケティング戦略
について相談する

ページトップへ