システム開発会社のプル型営業戦略|技術力を売上に変えるマーケティング術

システム開発会社のプル型営業戦略|技術力を売上に変えるマーケティング術

「技術力はあるのに新規顧客が増えない」「受託案件の単価が下がって利益率が圧迫されている」「営業をかけても反応が悪い」——こうした悩みを抱えるシステム開発会社の経営者・営業担当者は少なくありません。

2024年、システム開発業界は生成AIの普及、DX人材不足、クラウドネイティブ開発の加速といった大きな変化の中にあります。従来の飛び込み営業や営業リストを使ったテレアポでは、顧客の心に響かなくなってきています。

本記事では、技術力を正しく伝え、顧客が自ら問い合わせてくるプル型営業戦略を解説します。ターゲット選定からデジタルマーケティング、生成AI活用まで、実践的な手法と成功事例を紹介します。

システム開発業界の最新トレンドと課題

システム開発業界は、技術革新と市場環境の変化により、大きな転換期を迎えています。営業・マーケティング戦略を見直す前に、まず業界全体の動向を把握しましょう。

生成AIの普及と開発現場の変化

GitHub Copilot、ChatGPT、Claudeなどの生成AIツールが開発現場に急速に普及しています。IPA「DX動向2024」によると、生成AIを「導入している」「試験利用している」「検討している」企業は全体の約半数に上ります。

生成AIがもたらす営業・マーケティングへの影響

変化 営業・マーケティングへの示唆
開発効率の向上 単純な開発案件では価格競争が激化。高付加価値(設計・コンサル)を訴求する必要がある
AI活用支援需要の増加 「生成AI導入支援」「業務効率化コンサル」など新しいサービスラインの創出機会
技術差別化の困難化 技術スキルだけでなく、業界知見・顧客理解・提案力での差別化が重要に

DX人材不足と開発需要の拡大

企業のDX投資は継続的に増加しており、システム開発の需要は拡大しています。しかし、開発人材の確保が困難な状況が続いており、開発会社の受注体制が追いつかないケースも少なくありません。

この環境下では、「受注できる案件を選ぶ」ではなく「選ばれる開発会社になる」ことが重要です。安定的な受注を確保するため、自社の強みを明確に伝えるマーケティング投資が不可欠となっています。

クラウドネイティブ開発の主流化

レガシーシステムの刷新需要が増加し、クラウドネイティブ開発(AWS、Azure、GCP)への移行案件が増えています。マイクロサービス、コンテナ化、DevOpsなど、新しい技術スタックへの対応能力が顧客の選定基準に大きく影響しています。

セキュリティ対策の重要性増大

サイバー攻撃の増加に伴い、セキュア開発(DevSecOps)、脆弱性診断、セキュリティ監視などの需要が急増しています。開発会社としてのセキュリティ対応能力は、受注の必須条件となりつつあります。

ターゲット選定とペルソナ設計

「誰に」営業するかを明確にすることは、システム開発会社のマーケティングにおいて最も重要なステップです。ターゲットが不明確だと、アピールすべき強みや適切なコミュニケーション方法がわからなくなります。

業種別ターゲット分析

システム開発の需要は業種によって大きく異なります。自社の強みと市場の成長性を掛け合わせて、優先的にアプローチする業種を選定しましょう。

業種 主要な開発需要 アプローチポイント
製造業 生産管理システム、IoT連携、スマートファクトリー 現場業務の効率化、品質管理の自動化
小売・流通 ECサイト、在庫管理、POS連携、OMO 売上向上、顧客体験の向上
金融・保険 デジタル化、レガシー刷新、フィンテック セキュリティ、コンプライアンス対応
医療・福祉 電子カルテ、予約システム、オンライン診療 業務負担軽減、患者サービス向上
物流・運輸 配送管理、車両管理、倉庫管理システム 配送効率化、コスト削減

企業規模別アプローチ

企業規模によって、意思決定プロセスや予算規模、重視するポイントが異なります。

大企業向けアプローチ

  • 関係者の多さ:IT部門、経営層、現場部門など複数のステークホルダーが関与
  • 重視するポイント:セキュリティ、拡張性、長期的なサポート体制
  • 営業アプローチ:長期的な関係構築、正式な提案書、導入事例の提示
  • マーケティング:展示会、業界イベント、ホワイトペーパー

中堅・中小企業向けアプローチ

  • 意思決定の速さ:経営者や部門長が直接判断できるケースが多い
  • 重視するポイント:コストパフォーマンス、短期間での導入、手厚いサポート
  • 営業アプローチ:素早い見積もり、柔軟な対応、導入後のフォロー
  • マーケティング:Webサイト、SEO、SNS、紹介

開発領域別セグメント

自社の強みを明確にし、差別化を図るための開発領域別セグメントです。

開発領域 顧客の課題 自社のアピールポイント
Webアプリケーション UI/UXの改善、レスポンス速度、スマホ対応 フロントエンド技術力、デザインセンス
モバイルアプリ iOS/Android両対応、ストア審査、パフォーマンス ネイティブ開発力、クロスプラットフォーム対応
基幹系システム レガシー刷新、データ移行、業務継続性 業界知見、移行経験、保守体制
AI・データ分析 データ活用、業務自動化、予測分析 機械学習、生成AI活用、データサイエンス力
クラウド移行 オンプレミスからの移行、コスト削減 AWS/Azure/GCP認定、移行実績

システム開発会社の営業方法

システム開発が意識すべき営業方法

システム開発会社が適切な情報提供を心がければ、興味を持った企業から問い合わせがはいります。受託案件の受注に結び付けるため重要になるのが営業です。

プル型営業の基本(PUSHからPULLへの転換)

システム開発会社に求められるのは、顧客が自社のサービスに興味を持つように働きかけて問い合わせなどを待つプル型営業です。

受託案件の場合、正しい方法で自社のスキルや実績を発信すれば興味をもってくれる企業が見つかります。クライアント側がニーズを満たせるシステム開発会社を積極的に探しているからです。

PUSH型 vs PULL型の違い

比較項目 PUSH型営業 PULL型営業
アプローチ方法 飛び込み、テレアポ、営業リスト コンテンツ、SEO、SNS、紹介
顧客の状態 ニーズなし・不明瞭 ニーズあり・自社を認知
成約率 低い(1〜3%) 高い(10〜30%)
営業工数 商談あたり多い 商談あたり少ない
受注単価 価格競争になりやすい 適正価格で受注可能

初回アポイントメント獲得のポイント

プル型営業では、顧客が自ら問い合わせてきますが、初回のアポイントメント獲得が成否を分けます。

効果的なアポ獲得のステップ

  1. 事前リサーチ:企業の業種、規模、業界課題、競合状況を調査
  2. パーソナライズしたアプローチ:企業固有の課題に言及したメールやDM
  3. 価値提供の提示:「無料の課題ヒアリング」「業界事例の共有」など
  4. 複数チャネルの活用:メール、LinkedIn、紹介など複数の接触ポイント
  5. フォローのタイミング:3〜5回のフォローでアポ獲得率が向上

アポ獲得メールの例文

件名:【無料相談】製造業向け生産管理システムの課題解決事例をご紹介

○○株式会社 □□様

突然のメール失礼いたします。○○システムの□□と申します。

製造業向けの生産管理システム開発を専門としており、□□業界の生産効率向上に取り組んでまいりました。

貴社のWebサイトを拝見し、生産ラインの拡大に伴う管理の複雑化が課題かと推測し、ご連絡させていただきました。

同様の課題を抱えた□□株式会社様では、導入後、生産効率が20%向上された事例がございます。

ぜひ30分程度のオンライン相談で、貴社の課題をお聞かせください。

【ご希望の日時】
・○月○日(火)14:00〜
・○月○日(木)10:00〜
・○月○日(金)15:00〜

ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

要件ヒアリングの技術(顧客の本音を引き出す)

受託案件の営業では、顧客から情報を聞き出して課題を明確にすることが重要になります。顧客の課題をもとにシステムを構築していくからです。

効果的なヒアリング質問例

質問の目的 具体的な質問例
現状の課題把握 「現在の業務で最も時間がかかっている作業は何ですか?」
問題の深堀り 「その課題が解決されないと、どのような影響がありますか?」
目標の明確化 「導入後、どのような状態になっていたいですか?」
予算・体制確認 「想定されている予算規模と、プロジェクトの責任者はどなたですか?」
競合・比較情報 「他に検討されている開発会社やパッケージはありますか?」

提案書・見積もり作成のコツ

受託案件は取引額が高額になるケースが多いため、意思決定は慎重に行われる傾向があります。説得力のある提案書・見積もり作成が重要です。

提案書に含めるべき要素

  1. 課題の再定義:ヒアリングした内容を整理し、顧客の課題を明確に記載
  2. 解決策の提示:技術的アプローチ、開発手法、使用技術の説明
  3. 導入効果の数値化:「業務効率30%向上」「人件費年間200万円削減」など
  4. 類似事例の紹介:同業種・同規模の導入事例と効果
  5. 開発スケジュール:フェーズ分けした工程表とマイルストーン
  6. 費用明細:内訳を明確にした見積もり(オプション含む)
  7. リスクと対策:想定されるリスクとその軽減策
  8. 保守・サポート体制:導入後の運用サポート内容

顧客が求めるメリットを提示する

顧客の課題が明らかになったら、顧客が求めるメリットを提示します。ここでいうメリットは、顧客の課題を解決する自社の強みです。顧客が自社を選ぶ理由と言い換えてもよいでしょう。

ポイントは顧客の課題を起点に自社の強みを伝えることです。単純に自社の強みを伝えるわけではありません。顧客が知りたいのは自社の強みではなく、自社の強みが課題の解決にどのように役立つかです。

具体的には売上拡大やコスト削減などにつながるかどうかを知りたいと考えています。受託案件の営業では、自社が伝えたい情報ではなく顧客が知りたい情報を伝えることが重要です。

顧客がわからない単語は避ける

システム開発会社の営業では、顧客の知識レベルに合わせて使用する言葉を選択します。基本的には専門用語の使用を避けるべきといえるでしょう。システム開発会社で使用されている専門用語が、他の業界に浸透しているとは限らないからです。

専門用語の中には、適切な日本語訳を見つけられないものがあります。専門用語を使わざるを得ないときは、相手の反応を見つつ必要に応じて補足説明を加えると理解を促せます。

例えば「先ほど述べた○○は□□という意味です」「□□という意味で○○という専門用語を使用しました」などの補足説明が考えられます。

顧客の課題から機能を構築する

システムの機能は顧客の要望をもとに構築します。ただし要望をそのまま受け入れるわけではありません。要望の背後にある課題まで考えて、解決策にあたる機能を構築します。つまり「なぜその機能を必要としているか」まで考える必要があるのです。

システム開発の専門家ではない顧客の要望は、限られた知識の中から導き出された解決策であることが少なくありません。要望を鵜呑みにせず、営業で最適な解決策を提示するべきといえるでしょう。

リファラルマーケティングの活用

受託案件を獲得したい場合は、リファラルマーケティングも有効といえるでしょう。リファラルマーケティングとは、既存顧客やパートナー企業のネットワークを活用して新規顧客を獲得するマーケティング戦略です。

紹介を生む顧客関係の構築

リファラルが生まれる根本的な条件は、「顧客が自社に満足していること」です。満足度を高めるための取り組みを整理します。

顧客満足度を高める4つのポイント

ポイント 具体的な取り組み
期待の超過 納期前倒し、予算内完成、想定外の機能提案
コミュニケーション 進捗の定期的な共有、迅速な問い合わせ対応
導入後のフォロー 活用状況の確認、改善提案、追加サポート
関係性の深化 経営者同士の交流、業界情報の共有

パートナー企業との連携

SIer、ハードウェアメーカー、コンサルティング会社など、パートナー企業からの紹介も重要なリードソースです。

パートナー連携の形態

  • 相互紹介:互いの顧客に相手のサービスを紹介し合う
  • 協業提案:大規模案件でパートナーと共同で提案する
  • ホワイトラベル:パートナーのブランドで自社サービスを提供

紹介インセンティブの設計

紹介を促進するため、インセンティブ(報酬)を設ける方法も有効です。

インセンティブタイプ 内容 適したケース
成功報酬型 受注額の○%を紹介者に支払う 個人・法人問わず
謝礼型 紹介が確定した時点で定額の謝礼 パートナー企業向け
サービス交換型 相互にサービスを提供し合う パートナー企業間

デジタルマーケティング施策

システム開発会社のデジタルマーケティング

BtoBビジネスでも最初にWebサイトなどで情報を集めるケースが増えています。効果的なデジタルマーケティング施策を整理します。

SEO・コンテンツマーケティング(キーワード戦略)

潜在顧客が検索するキーワードで上位表示されることで、安定的な問い合わせ流入を確保できます。

効果的なキーワード戦略

キーワードタイプ 具体例 ターゲット層
業種×開発 「製造業 生産管理システム開発」「医療系アプリ開発」 業界別に開発会社を探している担当者
技術×開発 「AWS移行 開発会社」「AIシステム開発」 技術要件を明確にしている技術担当者
課題解決型 「基幹システム リプレース」「レガシー 刷新」 課題を抱えている経営層・部門長
費用・相場型 「システム開発 費用」「アプリ開発 相場」 予算を検討している初期段階の担当者

技術ブログ・技術発信の重要性

システム開発会社にとって、技術ブログは営業効率を劇的に向上させる武器になります。

技術ブログの効果

  • 技術力の証明:記事の質と量で技術的深さを示せる
  • 信頼性の向上:課題解決アプローチが理解できる
  • SEO効果:技術キーワードでの検索流入が増える
  • 営業効率化:事前に技術を理解して問い合わせる顧客が増える

書くべき技術ブログテーマ例

  1. 開発手法(アジャイル、DevOps、テスト自動化)
  2. 技術的比較(React vs Vue、AWS vs Azure)
  3. 導入事例(業種別の課題解決ストーリー)
  4. トレンド解説(生成AI活用、セキュリティ対策)
  5. 社内制度(リモートワーク、技術勉強会)

SNS活用(LinkedIn、X)でのリード獲得

BtoBマーケティングにおいて、LinkedInやX(旧Twitter)は効果的なリード獲得チャネルです。

LinkedIn活用のポイント

施策 具体的内容
会社ページ運用 事例紹介、技術ブログのシェア、採用情報
個人アカウント活用 経営者・技術責任者が業界洞察を発信
ターゲットアプローチ 業種・役職で絞り込んだInMail送信
広告活用 リード獲得フォーム、メッセージ広告

Webサイトの要件定義書化

システム開発会社のWebサイトは、「営業担当がいない時間も働く営業ツール」として機能すべきです。

Webサイトに含めるべき情報

  • 導入事例の詳細:課題→解決策→効果のストーリー形式
  • 技術スタックの明示:使用技術、開発手法、認定資格
  • 開発フローの説明:要件定義→設計→開発→テスト→保守
  • 費用目安の提示:「○○万円〜」などの目安価格
  • よくある質問(FAQ):開発期間、対応技術、保守体制など

ケーススタディの詳細化と効果的な活用

導入事例は、単なる「〇〇社様」ではなく、課題解決ストーリーとして詳細に記載することが重要です。

効果的なケーススタディの構成

  1. 顧客の背景:業種、規模、業務内容
  2. 抱えていた課題:具体的な問題とその影響
  3. 選定理由:他社と比較して自社を選んだ理由
  4. 解決アプローチ:どのようなシステムをどう開発したか
  5. 導入効果:定量的な効果(時間短減、コスト削減等)
  6. 顧客の声:担当者からのコメント

生成AIを活用した営業・マーケティング

生成AIは、システム開発会社の営業・マーケティング業務を効率化する強力なツールです。ただし、AIの限界も理解した上で活用する必要があります。

営業資料・提案書作成の効率化

ChatGPT、Claude、Geminiなどを活用して、営業資料のドラフト作成を効率化できます。

生成AIが効果的な業務

業務 AIの活用法 人間の役割
提案書ドラフト 要件を入力し、構成案・文章を生成 技術的正確性、顧客カスタマイズ
見積もりテンプレート 過去の見積もりからフォーマット生成 項目の精査、価格の検証
営業メール作成 パーソナライズされた文面を生成 最終調整、送信判断

マーケティングコンテンツ生成

技術ブログやSNS投稿の下書き作成も、生成AIで効率化できます。

  • ブログ記事の構成案作成:キーワードから見出し構成を提案
  • SNS投稿文の生成:記事内容から140文字の要約を作成
  • FAQの拡充:よくある質問と回答を自動生成

顧客対応(チャットボット、FAQ)

Webサイトに生成AIベースのチャットボットを導入することで、24時間体制の問い合わせ対応が可能になります。

注意点:AIの限界と人間の役割

生成AI活用における注意点

  • 技術的正確性の担保:AIが生成した技術情報は必ず人間が検証
  • 個別対応の必要性:顧客固有の課題は人間がヒアリング
  • 信頼関係構築:最終的な信頼は人間同士の関係で構築
  • 機密情報の管理:顧客の機密情報をAIに入力しない

問い合わせ数・成約率を高めるにはバリュープロポジションを明確に

問い合わせ数・成約率を高めるにはバリュープロポジションを明確に

システム開発会社の問い合わせ数などは、バリュープロポジションを明確にして積極的に発信することで増やせる可能性があります。

バリュープロポジションは、自社の製品やサービスが提供する価値を意味します。バリュープロポジションの明確化により問い合わせ数などを増やせる理由は、顧客が自社を選ぶ理由が明確になるからです。

バリュープロポジション図

バリュープロポジションの考え方のポイントは、顧客のニーズを満たす自社だけが提供できる価値であるということです。

競合他社が提供できていない価値であるため、ニーズを満たしたい顧客は必然的に自社を選ぶことになります。有効なバリュープロポジションは、競合他社との差別化につながります。

バリュープロポジションを明確にするときは、顧客目線から自社のサービスを見直すことが重要です。自社だけが提供している価値であっても、顧客が求めていなければ問い合わせ件数の増加などにはつながりません。

また競合他社の分析も必要といえるでしょう。顧客のニーズを満たしていても、競合他社が提供していれば有効なバリュープロポジションにはならないからです。

市場で独自のポジションを確立できれば、プッシュ型営業を行わなくても問い合わせ件数などは増えます。受託案件を獲得したいシステム開発会社は、バリュープロポジションを明確化しましょう。

バリュープロポジションの考え方を活かした成約率重視のWebマーケティング施策として、ポジショニングメディア戦略があります。

現在のWebマーケティングがなかなか成果につながっていないようでしたら、ぜひ検討してみてください。

ポジショニングメディア戦略の
特徴・事例を見る

成功事例と失敗事例

実際のシステム開発会社の事例を通じて、成功の要因と失敗のパターンを学びましょう。

成功事例1:技術ブログから年間30件の問い合わせを獲得

会社概要:従業員20名のWeb・アプリ開発会社

課題:営業リストを使ったテレアポでは反応が悪く、新規顧客獲得に苦労していた

取り組み:

  • 週1回の技術ブログ投稿を開始(React、AWS、開発手法など)
  • 開発事例を「課題→解決→効果」のストーリー形式で公開
  • 技術ブログの記事をLinkedInでシェア
  • 無料の「システム開発選び方ガイド」をダウンロードコンテンツとして提供

成果:

  • 技術ブログからの年間問い合わせ:30件(前年比3倍)
  • 成約率:40%(技術を理解して問い合わせるため)
  • 受注単価:平均300万円(価格競争を回避)

成功のポイント:

  • 技術的な深さと実用性のバランスを重視した記事作成
  • 「検索されるキーワード」を意識したSEO対策
  • ブログ読者をリードとして育成する仕組み(ダウンロードコンテンツ)

成功事例2:リファラル率50%を実現した顧客関係構築

会社概要:従業員10名の基幹系システム開発会社

課題:新規顧客獲得にコストがかかり、利益率が圧迫されていた

取り組み:

  • 既存顧客への「超過剰サービス」(納期前倒し、小さな修正無料)
  • 導入後3ヶ月・6ヶ月・1年のフォローアップを制度化
  • 顧客の経営者との定期的な情報交換の場を設置
  • 紹介成功報酬(受注額の5%)の制度導入

成果:

  • リファラル率:50%(全受注の半分が紹介)
  • 紹介案件の成約率:70%(信頼関係が構築済み)
  • 新規営業コスト:60%削減

成功のポイント:

  • 「紹介してもらえる満足度」を最優先に据えたサービス設計
  • 紹介しやすい仕組み(明確なインセンティブ、紹介用資料の提供)
  • 長期的な関係構築への投資(フォローアップ、情報交換)

失敗事例1:営業トークだけで技術力が伝わらなかった会社

会社概要:従業員15名のSIer

失敗の内容:

  • 営業担当が技術的な知見を持たず、「何でもできます」と抽象的な営業トーク
  • 技術ブログや事例公開をせず、営業資料も汎用的なもののみ
  • 見積もり段階で技術的な質問に答えられず、顧客の信頼を失う

結果:

  • 新規アポイントメントの成約率:5%(業界平均の半分以下)
  • 受注した案件も「何でもできます」という約束が原因で追加開発が発生し赤字に

改善策:

  • 営業担当と技術担当の同行営業を徹底
  • 技術ブログの執筆をエンジニアに義務化(月1回)
  • 「得意領域」と「不得意領域」を明確にし、正直に伝える文化を構築

失敗事例2:価格競争に巻き込まれ利益率を圧迫

会社概要:従業員8名のWeb開発会社

失敗の内容:

  • 「安くします」ばかりの営業トークで差別化がない
  • 他社の見積もりと比較され、価格を下げるばかり
  • 技術的な付加価値や保守サポートの価値が伝わらない

結果:

  • 利益率:5%(業界平均15%を大きく下回る)
  • 安い案件ばかりが増え、技術者のモチベーション低下
  • 顧客の期待値が低く、追加注文が発生しない

改善策:

  • 「安さ」ではなく「課題解決力」での差別化を徹底
  • 導入後のROI(投資対効果)を数値で提示する提案書に変更
  • 継続的な保守・改善サポートを付加価値として訴求

よくある質問(FAQ)

技術力はあるのに受注できません

技術力があっても、それが「顧客の課題解決にどう役立つか」が伝わらないと受注につながりません。技術スペックの羅列ではなく、「どんな課題をどう解決できるか」というストーリーで発信しましょう。技術ブログや導入事例を充実させ、営業時にも課題ヒアリングを中心に進めることが重要です。

どこに営業をかければよいかわかりません

「どこにでも」営業をかけるのは非効率です。まず自社の得意領域(業種、技術、規模)を明確にし、そのセグメントに絞ってアプローチしましょう。HML分析やSWOT分析で自社に合った市場を選定し、その市場のニーズに応える情報発信を行うことで、問い合わせが増えます。

リファラルを増やすにはどうすればよいですか

リファラルの根本は「顧客満足度」です。期待を超えるサービス、導入後の徹底したフォロー、経営層との関係構築が重要です。紹介しやすい仕組み(インセンティブ、紹介用資料)を整えることも有効ですが、まずは「紹介したくなるサービス」を提供することから始めましょう。

生成AIは営業を奪いますか

生成AIは「営業の役割を変える」ものであり、「営業をなくす」ものではありません。AIは資料作成や情報収集の効率化に役立ちますが、顧客の固有課題を理解し、信頼関係を構築し、最適な解決策を提案するのは人間の役割です。AIを使いこなす営業担当が、AIを使わない担当より圧倒的に成果を上げる時代になります。

中小SIerは大企業とどう戦えばよいですか

大企業と「同じ土俵」で戦わないことが重要です。「小回りの利く対応」「特定業界の深い知見」「経営者との直接関係」など、中小ならではの強みを活かしましょう。大企業が受注できない中小企業向け案件や、大企業の手が回らないカスタマイズ開発を得意領域にすることで、安定した受注が可能になります。

営業担当の採用ができません

システム開発業界では、技術理解と営業スキルを兼ね備えた人材は希少です。代替策として、「技術者が営業を行う体制」「マーケティングでリードを獲得し、技術者が商談する体制」を検討しましょう。技術ブログやSNSでの技術発信を行い、技術者が直接問い合わせに対応することで、技術力と信頼性を同時に伝えられます。

まとめ:明日から始められる3つのアクション

システム開発会社の営業・マーケティング戦略を改善するため、明日から始められる3つのアクションをまとめます。

アクション1:ターゲットを絞り込む

「どんな案件でも」ではなく、「この業種・この規模・この技術」のターゲットを明確にしましょう。HML分析やSWOT分析を行い、自社に最適な市場を選定します。

アクション2:技術ブログを1記事書く

技術ブログは最も効率の良いマーケティング投資です。自社の得意技術や導入事例について、1記事書いて公開しましょう。週1回の継続が理想です。

アクション3:既存顧客にフォローする

新規顧客獲得よりも、既存顧客からのリピート・紹介が効率的です。導入後の顧客にフォローメールを送り、満足度を確認し、追加ニーズや紹介の機会を探りましょう。

システム開発業界は変化の激しい市場ですが、「顧客の課題解決にフォーカスしたプル型営業」と「技術力を正しく伝えるデジタルマーケティング」を組み合わせることで、競合との差別化と安定的な受注が実現できます。

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