物流業界の課題と集客戦略|売上向上につなげるマーケティング手法を解説
最終更新日:2026年04月06日
本記事では物流業界の課題と、それを打破し売上向上に繋げるためのマーケティング戦略について解説しています。「新規のクライアントが獲得できない」「いつも競合と比較されている」という悩みのある方はぜひ参考にしてみてください。
また、「価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった」といった成果を実現した専門メディア集客施策「ポジショニングメディア」についても紹介しています。
物流業界は市場規模が拡大し続ける一方で、人手不足・価格競争・法規制の強化など多くの課題を抱えています。こうした課題を乗り越えて売上を伸ばすためには、従来の営業スタイルだけに頼るのではなく、Webを活用した集客戦略を取り入れることが不可欠です。
この記事では、物流業界が直面している課題を整理したうえで、課題を打破し売上向上につなげるための集客方法・マーケティング戦略を具体的に解説します。集客に困っている物流会社の経営者・マーケティング担当者はぜひ参考にしてください。
物流業界が抱える課題
物流業界が抱える現状の課題について理解を深めておくことは、経営難の回避や売上向上の打開策を見つけ出すことにつながります。ここでは、物流業界の主要な課題を具体的に解説します。
人手不足(特に若年層ドライバーの不足)
国土交通省のデータによると、物流業界の有効求人倍率は全職業の平均有効求人倍率よりも約2倍の数字となっています。(※1)
また道路貨物運送業の労働者の年齢構成を見てみると、40歳〜54歳の割合が44.2%、15歳〜29歳の割合が10.2%と、若年層が中高年層の約4分の1に留まっていることがわかります。(※1)
こうした問題の背景には、労働時間の長さと賃金の低さがあります。トラック運転者の労働時間は全職業の平均より約2割長く、年間所得額は全産業平均よりも約1〜2割低い水準です。(※1)
EC(インターネット上での商取引)需要の拡大により物流市場は今後も成長が見込める反面、ドライバーのなり手不足はますます深刻化しています。
※1参照:国土交通省「最近の物流政策について」
(https://www.mlit.go.jp/common/001388194.pdf)
企業間での価格競争の激化

EC市場の急成長に伴い、荷主の要望(日の出荷量を増やしたい・誤発送や梱包品質低下を改善したい・配送コストを抑えたいなど)はさらに多様化しています。
荷主の希望に応えることを狙う運送業の新規参入企業が増加し、企業間の競争が激化しています。競合が増えると自然と価格競争になりますが、単に安くするだけでは利益率が下がり、それを補うためにより多くの仕事を請ける必要が出てきます。
このために現場の労働環境がさらに厳しくなり、人手不足も加速するという負のスパイラルが生まれます。業界内での競争の激化から生まれるこの悪循環が、物流業界の事業継続・成長にとっての大きな問題となっています。
参考:日本公庫総研レポートNo.2019-1「中小トラック運送業者生き残り策」
(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/soukenrepo_19_03_22b.pdf)
物流2024年問題・2026年問題による経営環境の変化
2024年4月にはドライバーの時間外労働上限規制がスタートし、輸送力が制約される「物流2024年問題」が現実のものとなりました。1運行あたりの荷待ち時間は平均1時間45分とされ、全体の約3割が2時間を超えている状況です。
さらに2026年4月には改正物流効率化法が施行されました。年間貨物量9万トン以上の「特定荷主」には以下の義務が課されています。
- CLO(最高物流責任者)を経営層から選任
- 物流効率化に関する中長期計画の策定・定期報告
- トラック待機時間の削減や積載率向上への取り組み
この法改正は荷主企業に物流の見直しを迫るものであり、物流会社にとっては「法改正対応をサポートできるパートナー」としてのポジションを確立するチャンスでもあります。
デジタル化の遅れ
物流業界では、配車管理や在庫管理、伝票処理などでアナログ的な業務プロセスがいまだに残っている企業が少なくありません。WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)などのデジタルツール導入が進んでいる企業と、紙やFAXベースの業務が残る企業との間で、生産性に大きな差が生まれています。
デジタル化の遅れは、業務効率の低下だけでなく、荷主に対するデータ共有や在庫可視化への対応力不足にもつながり、競合他社に荷主を奪われる要因にもなります。
物流業界の課題解決につながる企業のスキル・強み
今後の物流業界においては、現在よりも他社との差別化が図れるような経営戦略が必要不可欠と言えるでしょう。ここでは、物流企業が持つべき競争力の源泉について解説します。
ワンストップサービスの提供

価格競争から脱し、サービス面で他社との差別化を図るなら、ワンストップサービスを提供するという手があります。
ワンストップサービスとは、メーカー・卸売・小売と、すべての物流プロセスを集約することにより、配送コスト削減・スピードアップを図るサービスです。
ワンストップ物流なら、一般的な物流のステップを大幅カットすることが可能です。
【一般的な物流】
仕入れ先→集荷店→流通業者→荷主→流通業者→配達店→配達先
【ワンストップ物流】
仕入れ先→物流センター→配達先
検品や包装加工、仕分けまでを一貫して行えるため、配送コストの削減や、配送時の破損・紛失などのリスクの軽減が図れます。
品質向上による差別化

コストカットを重視し過ぎたゆえにサービスの質が下がり、配送ミスが起こったり、商品を破損させてしまったりしては本末転倒です。
消費者からの荷主への信頼が揺らぐことは、物流企業への信頼や受注率の低下にも繋がります。荷主が安心して荷物の配送を任せられるようにするためには、サービスの質を高めることが重要なのです。
たとえば、運送業システムを導入することで誤配送・遅延の削減や配達状況の可視化を強化し、最終的にサービスの品質と顧客満足度を高めることが可能です。
ただし、一般的なサービスの高品質を主張するだけでは競合との差別化が難しいでしょう。自社で重点を置いているサービス内容をいくつか特定し、それを筆頭に高品質をアピールすることがおすすめです。
DX推進による業務効率化と荷主対応力の強化
近年、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は業界全体の重要テーマとなっています。具体的には以下のような取り組みが差別化につながります。
- WMS(倉庫管理システム)の導入:在庫のリアルタイム可視化、荷主へのデータ共有
- TMS(輸配送管理システム)の活用:配送ルートの最適化、車両稼働率の向上
- バース予約システム:トラックの待機時間を削減し、荷主の2026年問題対応をサポート
- AIを活用した需要予測:物量波動への先手対応が可能に
こうしたDXへの投資は、自社の業務効率化と同時に、荷主に提供できる付加価値となります。「デジタル化に対応した物流会社」であることを打ち出すことで、集客・受注において有利なポジションを築けます。
物流業界の課題を乗り越えるための集客方法
物流業界において自社の売上向上や販売促進を図るには、各種オンラインツールを有効活用することが重要です。インターネットで情報収集を行っている荷主担当者は年々増加しており、自社の情報をネット上でうまく伝えることができれば、売上に繋がりやすい集客が可能です。
ただし、ただWebサイトを立ち上げるだけでは成果に繋がりません。ここでは、物流企業が今取り組むべき集客方法を紹介します。
自社ホームページのSEO対策

オンライン集客の土台となるのが、自社ホームページのSEO対策です。荷主企業の担当者は、物流会社を探す際に「物流 アウトソーシング」「3PL 比較」「倉庫 委託 ○○(エリア名)」といったキーワードで検索します。
こうしたキーワードで自社サイトが上位表示されれば、広告費をかけずに継続的にアクセスを集めることが可能です。SEO対策のポイントは以下の通りです。
- ターゲットキーワードの選定:荷主が検索しそうなキーワードをリサーチし、コンテンツを作成
- 事例・実績ページの充実:業種別の導入事例や改善数値を具体的に掲載
- ユーザーが求める情報の網羅:対応エリア、料金体系、対応サービスの一覧
- 問い合わせ導線の整備:見込み客が問い合わせしやすいフォームや連絡手段を用意
SEO対策は上位表示まで3〜6ヶ月程度かかりますが、一度上位に表示されれば「資産型」の集客チャネルとして長期的に機能します。
リスティング広告で即効性のある集客を
SEO対策が中長期的な施策であるのに対し、リスティング広告はすぐに効果が見込める集客方法です。「物流 委託」「倉庫 業者 探し」といったキーワードで広告を表示し、検索しているまさにその瞬間の見込み客にアプローチできます。
リスティング広告の特徴は以下の通りです。
- 設定後すぐに広告が表示され、即効性が高い
- クリックされた時のみ費用が発生する成果課金型
- 地域・業種・時間帯など詳細なターゲティングが可能
- 予算の上限を設定でき、コスト管理がしやすい
SEO対策と組み合わせ、短期的にはリスティング広告で集客しながら、中長期ではSEOで安定的なアクセスを確保するという二段構えの戦略がおすすめです。
「御社だから頼みたい」という反響を獲得するポジショニングメディア
現在、ネット上には比較サイトやポータルサイトがあふれています。知名度の高い比較サイトに載せてもらえば、アクセス数が多い分、反響をとれる可能性があるのも事実です。
しかしそのようなサイトを見ているユーザーは、貴社だけを見ているとは限りません。むしろ、複数の競合他社と見比べている段階であると考えた方が自然でしょう。このため、反響が成果に繋がるかは、営業のスピード感や他社よりどれだけ勝っているかによるところが大きいのです。
それに対して、自社のサービスについてよく知ったうえで、「御社だから頼みたい」という反響がとれたならどうでしょう。こうした反響を実現する手段に、「ポジショニングメディア」という施策があります。

ユーザーがWebサイトにアクセスした時点で自社で提供できるサービスを求めているため、他社と競る必要はありません。また、このように集まってくるのは確度の高いユーザーであるため、成果に繋がらない顧客対応に費やしている時間も少なくなります。
ポジショニングメディアを導入した結果、お客様から下記のような喜びの声をいただいています。
- 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
- 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
- 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように
自社に適した成約率の高いユーザーを送ることができるポジショニングメディアについて興味がある方は、こちらより詳細をご覧ください。
BtoB向けポータルサイト・比較サイトの利用
ポータルサイト・比較サイトの最大の利点は、アクセスしているユーザーの数が大きい点です。自社の情報を優良な枠に掲載できれば、あっという間に多くの見込み客に認識してもらうことができます。
ポータル・比較サイトの掲載に必要なのは企業の基本情報と事業内容の短い原稿だけの場合が多いです。そのため準備にあまり時間がかからない・簡単に始められるというのも利点です。
一方、ポータル・比較サイトはサイトによっては商圏に偏りがあり、利用料自体が負担になるなどの懸念点もあります。それぞれのサービスの特徴を踏まえ、よく比較検討してから利用しましょう。
物流向けの比較・ポータルサイトには、下記のようなものがあります。
- ブツレボ
- 運び方.com
- 比較.jp
- 比較biz
SNSマーケティング

SNSマーケティングは、物流業界でも有効な集客手法のひとつです。総務省の調査では、すべての世代で個人のSNS利用率が高まっていることが確認されており、企業のソーシャルメディア活用も業種を問わず拡大しています。
SNSマーケティングとは、主にInstagram・X(旧Twitter)・Facebook・LinkedIn・LINEなどを活用したものです。企業のアカウントを作成し、自社について発信・ブランディングを行うものや、SNSを通じて広告を打つ・ユーザー参加型のキャンペーンを行うなど、その方法は多岐にわたります。
物流業界でのSNS活用には、特に以下のメリットがあります。
- 企業の認知度向上・ブランディング:仕事風景や社員紹介など、現場のリアルな情報発信ができる
- 業界のネガティブイメージの払拭:DX化や働き方改革への取り組みを発信し、企業姿勢をアピール
- BtoBマーケティング:LinkedInやFacebookを活用し、荷主企業の担当者にアプローチ
自社サービスのターゲットと親和性の高いSNSを使い、明確な目標設定・成果分析を行いながら運営していきましょう。
MEO対策(Googleビジネスプロフィール)
Googleビジネスプロフィールを活用したMEO対策(マップエンジン最適化)は、特に地域密着型の物流会社にとって有効な集客手法です。
「物流 倉庫 ○○市」「運送会社 ○○区」といった地域名を含む検索でGoogleマップ上に自社情報が表示されるため、近隣エリアの荷主からの問い合わせ獲得につながります。
MEO対策のポイントは以下の通りです。
- 営業時間、所在地、連絡先などの基本情報を正確かつ最新の状態に保つ
- 自社の外観・倉庫内部・車両などの写真を充実させる
- 顧客からの口コミに丁寧に返信し、信頼性を高める
Googleビジネスプロフィールは無料で利用でき、対策費用もほとんどかからないため、まだ活用していない企業は早めに取り組むべき施策です。
メールマガジン・DM営業
既存顧客や一度問い合わせがあった見込み客に対して、定期的にメールマガジンやダイレクトメールを配信する手法です。
物流業界では、すぐに取引が始まらなくても「現在の物流会社に不満が出たタイミング」で声がかかるケースが少なくありません。定期的に自社の情報を届け続けることで、そのタイミングで第一想起される存在になることが重要です。
新サービスの案内、業界動向の解説、事例紹介などのコンテンツを提供し、見込み客との関係性を中長期的に維持・向上させましょう。
物流会社が集客で成果を出すための5つのポイント
ここまで紹介した集客方法を実行する際に、成果を左右する5つの重要ポイントを整理します。
①ターゲット荷主を明確にする
「誰に届けたいのか」が曖昧な集客は、コストばかりかかって成果が出ません。自社の強みが活きる業種・企業規模・物流課題を特定し、ターゲットとなる荷主像を明確にしましょう。
例えば「EC事業を始めたばかりの中小企業で、物流を丸ごと委託したい」「食品メーカーで温度管理付きの倉庫を探している」など、具体的なペルソナを設定することで、刺さるメッセージが作れます。
②自社の強み・差別化ポイントを打ち出す
物流業界は競合がひしめき合っており、同じようなサービス内容では価格競争に陥ります。自社ならではの強みを明確にし、集客のメッセージに一貫して反映させましょう。
差別化のポイントとなり得るのは、たとえば以下のような要素です。
- 特定業種(食品・アパレル・精密機器等)への対応実績
- 短納期対応やワンストップサービス
- WMS・クラウドシステムによる在庫可視化・データ共有
- 流通加工(ラベル貼り・セット組み・ギフトラッピング等)への対応力
- 2026年問題に対応した物流効率化の提案力
③複数の集客チャネルを組み合わせる
ひとつの集客手法だけに依存するのではなく、複数の手法を組み合わせて相乗効果を狙うことが成功の鍵です。
例えば、以下のような組み合わせが考えられます。
- 短期施策:リスティング広告で今すぐの問い合わせを獲得
- 中長期施策:SEO対策で検索からの安定的なアクセスを確保
- ブランディング:SNS運用で企業の認知度と信頼性を向上
- リード育成:メルマガで見込み客との接点を維持
④集客の成果をデータで分析・改善する
集客施策を始めたら、データに基づく分析と改善を定期的に行うことが不可欠です。Googleアナリティクスなどの解析ツールを活用し、以下のような指標をモニタリングしましょう。
- Webサイトへのアクセス数・流入経路
- 問い合わせ件数・コンバージョン率
- 広告のクリック率・費用対効果
- 検索順位の推移
数値に基づいて「何が効いているか」「何が改善すべきか」を判断し、限られた予算とリソースを効果的なチャネルに集中させましょう。
⑤Webマーケティングに強いパートナーと組む
物流会社の本業は物流サービスの提供であり、Web集客の専門知識やリソースを社内に持たない企業も多いでしょう。その場合は、物流業界のマーケティングに精通した外部パートナーと組むことで、最短で成果を出せる可能性が高まります。
広告運用、SEO対策、コンテンツ制作などを丸ごと任せることで、社内リソースを本業に集中させながら、プロのノウハウを活用した集客を実現できます。
物流業界の課題を売上視点から解決するなら
物流業界の課題は「人手不足」「価格競争」「2024年・2026年問題」「デジタル化の遅れ」と多岐にわたりますが、これらの課題を乗り越えて売上を伸ばすためには、自社の強みを明確にし、それを必要としている荷主に確実に届ける集客の仕組みが不可欠です。
キャククル運営元のZenkenでは、120業種以上のWebマーケティング支援を行ってまいりました。もし現状の集客施策において「集客はできているが成果に結びつかない」「価格競争から脱却したい」「自社の強みを市場に浸透させて効率的なマーケティングをしたい」とお考えでしたら、お気軽にご相談ください。












