コーポレートブランディングの意味と進め方 成功事例から学ぶ企業価値の高め方

コーポレートブランディングの意味と進め方 成功事例から学ぶ企業価値の高め方

コーポレートブランディングとは、企業として大切にする考え方や提供価値を明確にし、事業活動や社内外への発信を通じて、企業への理解と信頼を育てる取り組みです。顧客だけでなく、従業員や求職者、取引先なども対象になります。

企業理念はあるものの、営業や採用の場面で「どのような会社なのか」「何が強みなのか」を説明すると、人や部署によって内容が変わってしまう。こうした状況がある場合は、理念と日々の仕事、相手に伝えている内容がつながっているかを確認することが出発点になります。

企業として共通して伝える価値と、相手ごとに必要な判断材料を整理することが大切です。顧客には取引先としての強みや対応体制、求職者には仕事内容や働く環境など、同じ企業についても知りたい情報は異なります。発信する内容を、実際の取り組みで裏付ける必要もあります。

この記事では、コーポレートブランディングの意味や目的、進め方、具体的な施策、効果測定を解説します。企業やブランドの事例から参考にできる点と、支援会社を検討する際の確認事項も紹介します。

コーポレートブランディングの定義と他概念との違い

コーポレートブランディングとは?

コーポレートブランディングは、企業そのものを対象にしたブランドづくりです。「何を大切にする会社なのか」「どのような価値を提供するのか」を明確にし、商品・サービスや顧客対応、働く環境、情報発信などを通じて伝えていきます。

企業理念やミッション・ビジョン・バリュー、Webサイト、営業資料、採用広報などは、その考え方を共有するための接点です。そこで伝える言葉と、実際の事業活動や対応が一致していることが、企業への信頼を支えます。

企業として何を期待できるかを伝える

初めて取引や応募を検討する人は、その企業について十分な情報を持っているとは限りません。事業内容に加え、得意な領域、仕事への姿勢、実績などが分かると、自分に合う相手かを判断しやすくなります。

例えば、技術力を強みとする製造業なら、対応できる加工や素材、設計段階での相談体制、品質を確認する工程などが判断材料になります。「技術力が高い」という言葉を、相手が確かめられる情報にすることが重要です。

こうした情報と実際の対応を積み重ねることで、企業としての特徴が伝わっていきます。認知を広げるだけでなく、取引や就職の候補として検討する理由を持ってもらうことも、コーポレートブランディングの役割です。

プロダクトブランディング・採用ブランディングとの違い

コーポレートブランディングが企業全体を対象とするのに対し、プロダクトブランディングは商品・サービス、採用ブランディングは働く場としての企業に焦点を当てます。

比較項目 コーポレートブランディング プロダクトブランディング 採用ブランディング
主な対象 企業全体の価値や姿勢 特定の商品・サービスの価値 働く場としての企業の特徴や魅力
主に伝える相手 顧客、従業員、求職者、取引先、投資家など 購入・利用を検討する人、既存顧客など 求職者、採用候補者など
伝える内容の例 企業の考え方、事業の強み、社会や顧客への向き合い方 商品の特徴、利用場面、品質、利用によって得られる価値 仕事内容、組織文化、働く環境、評価・成長の機会
主な接点の例 企業サイト、広報、営業活動、従業員の対応 商品サイト、広告、パッケージ、販売・サポート 採用サイト、求人票、説明会、面接

これらは互いに関係しています。企業が掲げる品質への姿勢は商品にも反映され、従業員を大切にするという考え方は、採用時の説明や入社後の働く環境にも関わります。

ただし、すべての接点で同じ説明を繰り返す必要はありません。企業としての考え方を共有したうえで、相手が判断するために必要な情報を伝えることが大切です。顧客には対応力の根拠を、求職者には仕事や職場の実態を示すなど、具体的な内容を変えます。

ロゴやデザインの刷新との違い

ロゴ、色、書体などを整えることは、企業を認識してもらい、接点ごとの印象を揃える手段です。コーポレートブランディングでは、それらの表現を通じて何を伝えるのか、その内容が実態に合っているかまで考えます。

現在の理念やデザインが企業の価値を適切に表しているなら、変更せずに活かせます。営業資料に強みの根拠を補う、採用ページの説明を具体化する、部署ごとに異なる案内を揃えるなど、必要な箇所から整える方法もあります。

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コーポレートブランディングの目的と期待できる効果

コーポレートブランディングの意義とメリット

コーポレートブランディングの目的は、企業の特徴や姿勢を理解してもらい、顧客・求職者・従業員・取引先との信頼関係を育てることです。何を改善したいかによって、優先して取り組む接点は変わります。

まずは、新規顧客への説明、採用時の相互理解、社内での判断基準の共有など、自社で課題になっている場面を確認しましょう。目的を具体化することで、整えるべき情報や行動、効果を確かめる指標を選びやすくなります。

顧客が取引先を選ぶ際の判断材料を増やす

顧客が企業を比較するときは、商品・サービスの機能や価格に加え、対応できる範囲、専門性、導入後の支援なども判断材料になります。自社の強みを具体的に伝えることで、どのような条件で役に立てる会社なのかを理解してもらいやすくなります。

例えば、同じ加工技術を持つ企業でも、特殊素材への対応や、設計段階から相談できる体制など、得意な領域は異なります。その違いを実績や対応条件とともに示すことが、自社に合う顧客から検討してもらうための情報になります。

既存顧客には評価されているのに、新規の相手には強みが伝わらない場合は、営業で説明している内容がWebサイトや資料にも反映されているかを確認しましょう。

求職者が会社との相性を判断しやすくする

採用では、給与や勤務地だけでなく、仕事内容、事業の方向性、働く環境なども検討されます。企業の考え方と仕事の実態を具体的に伝えることで、求職者が入社後をイメージしやすくなります。

社員インタビューや職種紹介では、やりがいに加え、担当する業務、求められる役割、仕事の難しさなども伝えると、相互理解に役立ちます。面接担当者によって説明が異なる場合は、共通して伝える内容を整理することも必要です。

応募を増やすことと、入社後の認識のずれを減らすことは、分けて確認する必要があります。採用条件や選考方法も結果に影響するため、発信内容の変更だけで採用課題を解決できるとは限りません。

従業員が日々の判断に使える共通の基準を持つ

企業理念や価値観が仕事と結び付いていると、従業員は何を優先して行動すべきかを考えやすくなります。部署をまたぐ対応や、判断に迷う場面でも、共通の基準を持つことが役立ちます。

例えば「顧客に寄り添う」という方針なら、要望をどこまで確認するか、対応できない場合にどう説明するかなど、日々の行動に落とし込みます。実際の対応事例を社内で共有することも、理解を深める方法です。

ただし、発信する言葉と評価制度やマネジメントが食い違っていると、従業員の納得は得られにくくなります。理念の周知とともに、現場で実行できる環境になっているかを確認しましょう。

問題が起きた際の説明・対応の方針を共有する

品質上の問題や顧客からの指摘があったときにも、企業として何を重視するかが問われます。日頃から対応方針や責任者、社内での情報共有の方法を整理しておくことは、説明や対応のばらつきを防ぐうえで役立ちます。

ブランドへの信頼があっても、問題そのものを防げたり、対応の不備が許容されたりするわけではありません。事実を確認し、必要な是正を行い、その内容を適切に伝えることが前提です。

コーポレートブランディングで整理した企業の姿勢を、平時の発信だけでなく、問題に向き合う際の行動にも反映させることが重要です。

コーポレートブランディングを進める初期ステップ

コーポレートブランディングの進め方

コーポレートブランディングを始める際は、現在の理念や発信内容、顧客・従業員からの評価を確認します。すでに伝わっている強みを活かしながら、認識のずれや説明の不足を整理しましょう。

1.社内外で、自社がどう認識されているかを確認する

営業資料、Webサイト、採用ページ、会社案内などを集め、自社の特徴がどのように説明されているかを確認します。経営陣や各部門が考える強みに加え、顧客の選定理由、商談での質問、失注理由、従業員の声も参考にします。

同じ会社について説明していても、相手や場面によって内容が異なること自体は問題ではありません。確認したいのは、企業として大切にする考え方や、約束している内容に矛盾がないかです。

確認する場面 確かめたいこと 手がかりになる情報
営業・顧客対応 自社が伝える強みと、顧客が評価する点が合っているか 受注・失注理由、商談での質問、顧客への聞き取り
採用 会社や仕事の説明が、入社後の実態と合っているか 面接時の質問、入社理由、入社後の振り返り
社内 理念が日々の判断や行動に結び付いているか 部門ごとの認識、顧客対応の事例、評価・運用の基準
Web・広報 強みの説明に根拠があり、必要な情報へ進めるか 企業サイト、事例、会社案内、発信内容

例えば、営業では評価されている対応力がサイトに掲載されていないなら、情報の不足が考えられます。一方、部署によって実際の対応範囲が異なるなら、文章の修正に加えて、業務上のルールを確認する必要があります。

2.優先する相手と、評価される強みを整理する

次に、今回の取り組みで誰との関係を改善したいかを決めます。新規顧客への理解促進なのか、求職者との相互理解なのか、社内での判断基準の共有なのかによって、先に取り組む内容は変わります。

顧客への伝え方を考える場合は、顧客が重視する条件、競合が示している特徴、自社の実績や対応力を照らし合わせます。競合がまだ発信していないことでも、顧客に求められていなければ、優先して伝える理由にはなりません。

相手にとって重要で、自社が根拠を持って提供できる価値を探すことが大切です。既存顧客が評価している点も、新しく届けたい顧客にとって同じように重要かを確認します。

自社の立ち位置を比較して整理する際は、【図解付き】ポジショニングマップの作り方と縦軸・横軸の決め方を解説などの解説も参考になります。比較軸には、社内で強調したい項目だけでなく、顧客が実際に選ぶ際の条件を用います。

3.既存の理念・MVVと、実際の取り組みを照合する

ミッションは企業の存在意義、ビジョンは目指す姿、バリューは行動や判断で大切にする価値観を示します。これらは、企業として共通する考え方を整理する手がかりになります。

すでに理念やMVVがある場合は、現在の事業や仕事の実態に合っているかを確認しましょう。内容が適切でも抽象的で使いにくい場合は、具体的な行動や事例を補う方法があります。

コーポレートブランディングに取り組むたびに、理念やMVVを作り直す必要はありません。事業の変化によって内容が合わなくなっているのか、説明や共有が不足しているのかを分けて考えます。

見直しが必要な場合は、経営陣に加え、営業、開発、製造、人事、サポートなどの声も確認します。掲げたい言葉と、現場で実行できることの両方から検討しましょう。

4.伝える方針をまとめ、優先する接点から反映する

整理した内容は、企業として共通して伝える考え方、相手別に伝える強み、その根拠、表現上の注意点などにまとめます。自社がどのような存在として認識されたいかという方針は、ブランドアイデンティティと呼ばれます。

方針を文書にしたら、実際に使う資料や対応へ反映します。すべてを一度に刷新せず、課題との関係が深い営業資料、Webページ、採用時の説明などから着手しましょう。

誰が内容を確認し、変更があったときにどこへ共有するかも決めておきます。現場で使った際の質問や反応を集めることで、説明の不足や実態とのずれを修正できます。

ここまで整理しても、どの相手にどの強みを伝えるべきか判断しにくい場合は、顧客・競合・自社の情報を第三者と照らし合わせる方法があります。キャククルを運営するZenken株式会社では、企業の強みと顧客への伝え方を整理し、マーケティングの方向性をご相談いただけます。

企業としての強み・ブランドの方向性を相談する

コーポレートブランディングを実践する具体的な施策

コーポレートブランディングの方法

ブランドの方針が整理できたら、日々の業務や情報発信に反映します。主な取り組みは、社内での理解・実践を支える活動、視覚表現の整備、社外への発信です。

すべての施策を同時に始める必要はありません。自社の課題が生じている接点を優先し、既存の資料や運用を活かして改善することから取り組みましょう。

社内での理解と実践を支えるインナーブランディング

インナーブランディングは、従業員が企業の考え方を理解し、日々の仕事で実践できるようにする取り組みです。社内報、研修、ワークショップ、経営陣からの発信などが方法として挙げられます。

例えば「顧客に寄り添う」という方針を共有するなら、要望の聞き取り方や、対応できない場合の説明など、具体的な場面を取り上げます。現場で判断に迷った事例を話し合うことも、方針を業務に結び付ける方法です。

新しい研修や会議を設ける前に、既存の部門会議や入社時の説明で扱えるかを検討しましょう。方針を実践しにくい制度や業務上の制約があれば、周知に加えて運用の見直しも必要です。

企業の考え方を伝えるCI・VI・ロゴの整備

CI(コーポレートアイデンティティ)は、企業の理念や特徴を整理し、行動や表現に一貫性を持たせるための考え方です。VI(ビジュアルアイデンティティ)は、そのうちロゴ、色、書体、写真などの視覚表現を扱います。

Webサイト、営業資料、展示会の掲示物、会社案内などで表現が揃っていると、同じ企業の情報だと認識しやすくなります。ロゴの使用方法や色、書体などを共有し、担当者が迷わず使える状態にします。

既存のロゴやデザインが方針に合っている場合は、そのまま活かせます。部署ごとに異なる書式を揃える、古い資料を更新するなど、現在のばらつきを整えることも施策の一つです。

Webサイト・SNS・広報などで伝えるアウターブランディング

アウターブランディングは、顧客や求職者、取引先など、社外の相手に企業の価値や姿勢を伝える取り組みです。企業サイト、営業資料、SNS、プレスリリース、導入事例、採用広報などを活用します。

顧客向けには、得意な領域や対応範囲、実績、支援体制などを示します。求職者向けには、仕事内容や組織の特徴、働く環境など、会社との相性を判断できる情報を提供します。

発信する媒体は、対象者がどこで情報を集めているかと、自社の運用体制に合わせて選びます。SNSやオウンドメディアを新設する前に、現在の企業サイトや会社案内で必要な説明ができているかを確認しましょう。

また、発信を見て関心を持った人が、詳しい事例やサービス内容、募集要項などへ進めるようにします。企業として伝える考え方から、相手が具体的に検討するための情報まで、つながりを持たせることが大切です。

コーポレートブランディングの効果測定とKPI設定

コーポレートブランディングの効果は、取り組みの目的に合わせて確認します。認知を広げたいのか、顧客の理解を深めたいのか、採用時の認識のずれを減らしたいのかによって、見るべき変化は異なります。

最初に改善したい課題を決め、その変化を確かめる指標を選ぶことが大切です。取得できる数値をすべて追うのではなく、判断に必要な項目に絞りましょう。

認知や企業への理解の変化を確認する

認知に関する手がかりとして、社名を含む検索からの流入や、企業サイトへの訪問状況などがあります。問い合わせや商談の際に、どこで会社を知ったかを聞くことも、接点を把握する方法です。

ただし、社名検索やアクセスが増えただけでは、意図した強みが伝わったとは判断できません。「どのような会社だと認識しているか」「何を期待して問い合わせたか」といった聞き取りも組み合わせます。

広告、展示会、報道なども数値に影響するため、施策の実施時期を記録し、変化の背景を確認しましょう。季節性や一時的な話題による増減も考慮します。

問い合わせや商談で、伝えたい価値が届いているかを見る

顧客への理解促進が目的なら、問い合わせ件数に加え、相談内容や商談で評価された点を確認します。自社の対応範囲に合う相談が増えたか、説明した強みが検討理由になっているかが手がかりになります。

商談化率や受注率を見る場合は、集計対象や定義を揃えます。流入経路や案件の条件が大きく変わっていると、単純な前後比較では変化を捉えにくくなります。

価格、商品力、営業対応なども結果に関わるため、受注率の増減をすべてブランディングの効果とみなさず、商談記録や失注理由と照らし合わせて評価します。

採用時の理解と、入社後の認識のずれを確認する

採用では、応募数、面接への移行率、内定承諾率などを確認します。数値とともに、候補者の志望理由や質問内容から、仕事内容や会社の特徴がどのように受け取られているかを把握します。

入社後の面談では、事前の説明と実際の仕事に違いを感じた点を聞くことも有効です。説明の不足があれば採用情報を補い、働く環境に課題がある場合は、関係部署と改善を検討します。

募集職種、採用条件、選考方法などが変わると結果も変化するため、比較する際は前提条件を確認しましょう。

従業員の理解と、業務での実践を確認する

社内浸透では、理念や方針を知っているかに加え、日々の判断で使えているかを確認します。従業員アンケートや部門での振り返りを通じて、実践できた場面と、判断に迷った場面を集めます。

従業員満足度は、待遇や業務負荷、マネジメントなどにも影響されます。総合的な満足度だけでなく、方針への理解、実態との一致、実践しやすさなど、今回の取り組みに関係する項目を分けて見ましょう。

目的 確認する情報の例 見直す際の着眼点
認知・理解を深める 社名検索からの流入、認知経路、企業への印象や理解に関する聞き取り 届けたい相手に接点があり、意図した特徴が伝わっているか
顧客の検討につなげる 問い合わせ内容、商談化率、選定・失注理由 対象顧客の判断に必要な情報と、強みの根拠が揃っているか
採用時の相互理解を深める 応募・選考の状況、志望理由、入社前後の認識の違い 仕事や職場の説明が具体的で、実態と合っているか
社内での実践を支える 方針への理解、実践例、判断に迷った事例 方針を行動に移せる基準や環境が整っているか

確認する時期は、施策の実施期間や商談・採用の進み方、集まるデータ量に合わせて決めます。件数が少ない場合は、短期間の率の変動だけで判断せず、個別の反応や一定期間の傾向も確認します。

数値を報告して終わらせず、どの説明や対応を見直すかまで決めることが効果測定の役割です。情報の不足、伝え方、実際の運用を切り分け、必要な箇所から改善しましょう。

コーポレートブランディングで失敗を避けるための注意点

コーポレートブランディングでは、発信する内容と実際の企業活動を合わせることが重要です。方針を決める段階から関係部門と確認し、現場で実行・継続できる形に整えましょう。

発信する約束と、実際の対応を一致させる

「品質を重視する」と伝えていても、不具合への対応が不十分であれば、顧客の期待とのずれが生まれます。「人を大切にする」という方針も、働き方や評価制度と結び付いていなければ、従業員や求職者に納得してもらいにくくなります。

発信前には、その内容を裏付ける実績や体制があるかを確認します。条件によって対応が変わる場合は、対象や範囲を具体的に示し、実際以上の期待を持たせないようにしましょう。

目指している姿と、現在提供できていることを分けて伝えることも大切です。実態に課題がある場合は、表現の修正とともに、商品・サービスや社内運用の改善を進めます。

デザインの刷新を、取り組みの完了としない

ロゴやWebサイト、会社案内の刷新は、企業の考え方を伝える接点を整える機会です。公開や配布の後も、意図した内容が伝わっているか、営業や採用の場で使いやすいかを確認する必要があります。

問い合わせで同じ質問が繰り返されるなら、説明が不足している可能性があります。資料ごとに対応範囲が異なっているなら、情報の管理方法を見直すことも必要です。

見た目を変更する必要がない場合もあります。事例や対応条件を補う、古い説明を更新するなど、課題に合う修正を選びましょう。

担当者だけに任せず、現場で運用できる体制をつくる

ブランド担当者が方針をまとめても、営業や人事、顧客対応を担う部署に共有されていなければ、実際の接点に反映されません。関係部門が内容を確認し、業務で使えるようにすることが必要です。

まずは、方針や表現を確認する責任者、資料を更新する担当者、変更時の共有先を決めます。既存の会議や資料管理の仕組みで対応できることは活かし、担当者が変わっても運用を続けられる状態にします。

現場で使った際の質問や困り事を、方針や資料の改善に戻せることが重要です。統一した説明を守るだけでなく、実際の顧客対応や採用活動で得た情報を共有しましょう。

反応が弱い理由を、ブランドの伝え方だけに求めない

問い合わせや応募が少ない場合、対象者への接点が不足している、価格や条件が合っていない、手続きが分かりにくいなど、複数の要因が考えられます。

相手に情報が届いているか、内容を理解できるか、条件が合うか、次の行動に進めるかを順に確認します。課題の場所を見極めることで、発信の修正が必要なのか、商品・条件・運用の見直しが必要なのかを判断しやすくなります。

コーポレートブランディングの参考事例と自社に活かすポイント

企業やブランドの事例を見る際は、掲げている考え方が、商品・サービス、従業員の行動、情報発信にどう反映されているかに注目しましょう。

ここでは、企業全体の取り組みに加え、商品・サービスブランドの伝え方や運用も紹介します。企業規模や事業が異なるため、施策をそのまま再現するのではなく、自社の課題に合う点を参考にします。

ヤッホーブルーイング:企業の考え方を商品づくりと結び付ける

ヤッホーブルーイングのコーポレートブランディング

ヤッホーブルーイングは、ビールの多様な味わいを通じて、新しいビール文化や楽しみを届けることをミッションに掲げています。公式サイトでは、その考え方とともに、個性の異なるクラフトビールや、ビールづくりへの姿勢を紹介しています。

参考になるのは、企業が目指すことと、実際に提供する商品の特徴がつながっている点です。自社でも、理念がどの商品・サービスや仕事の進め方に表れているかを確認すると、抽象的な言葉を具体的に説明する材料になります。

参照:ヤッホーブルーイング公式サイト

サイボウズ:企業理念と事業・情報発信のテーマをつなぐ

サイボウズは、チームワークのある社会づくりを存在意義に掲げ、情報共有を支える製品を提供しています。また、同社のメディア「サイボウズ式」では、チームや組織、働き方などに関する情報を発信しています。

ここから参考にできるのは、企業として取り組む課題と、事業や発信のテーマに共通する軸を持たせることです。自社で情報発信を行う場合も、顧客の関心と自社の専門性が重なるテーマを選ぶと、事業とのつながりを説明しやすくなります。

同じようにメディアを新設する必要はありません。既存の企業サイトや営業資料でも、自社がどの課題に向き合い、何を提供しているかを整理できます。

参照:サイボウズの企業理念/サイボウズ式

スターバックス:企業の価値観を人や地域との関わりに反映する

スターバックスのコーポレートブランディング

スターバックスは、ミッションや価値観に基づき、人、地域社会、環境に関わる活動を紹介しています。採用情報でも、企業として大切にすることや、従業員に期待する姿勢を伝えています。

参考にしたいのは、企業の考え方を顧客向けのメッセージにとどめず、採用や日々の活動にも結び付けている点です。自社でも、社外に伝えている価値観が、採用時の説明や社内で評価する行動と合っているかを確認できます。

参照:スターバックスのSocial Impact/スターバックスを知る

ニベア:商品を選び、使うための情報を提供する

ニベアのコーポレートブランディング

ニベアは、商品ブランドの情報提供として参考になる例です。公式サイトでは製品情報に加え、製品の使い方や日々のスキンケアに役立つ情報を案内しています。

企業全体のブランディングとは対象が異なりますが、購入前後の疑問に答える情報を用意する視点は応用できます。自社の商品・サービスでも、特徴の紹介に加え、選び方や使い方、利用時の注意点を説明できているかを確認しましょう。

参照:ニベアの製品情報

Red Bull:伝えたい価値を活動のテーマに展開する

Red Bull(レッドブル)のコーポレートブランディング

Red Bullは、人やアイデアの可能性を後押しするという方針のもと、スポーツや音楽、ダンスなどの領域で活動しています。公式サイトでも、製品情報だけでなく、選手やイベントなどに関するコンテンツを発信しています。

参考になるのは、ブランドが伝えたい価値を、継続する活動や発信のテーマに反映している点です。自社で取り入れる際は、顧客が実現したいことと、自社の事業で支えられることの接点を考えます。

イベントの規模や露出量をまねる前に、その活動を自社が行う理由を説明できるか、継続する体制があるかを確認しましょう。

参照:Red Bull Japanの活動・組織紹介

東京ディズニーリゾート:目指す体験を行動規準に落とし込む

東京ディズニーランドのコーポレートブランディング

東京ディズニーランドを含む東京ディズニーリゾートでは、キャストが判断・行動する際のよりどころとして、安全、礼儀正しさ、インクルージョン、ショー、効率の5つの行動規準を設けています。

これは、サービスブランドの体験を現場で実現する仕組みとして参考になります。目指す顧客体験を、担当者が判断できる具体的な基準にすることは、業種を問わず検討できる点です。

例えば、自社が重視する対応について、問い合わせ、提案、納品、サポートの各場面で何を確認し、どう判断するかを整理します。担当者ごとの工夫を活かしながら、共通して守る基準を共有しましょう。

参照:オリエンタルランド「The Five Keys~5つの鍵~」

これらの事例を自社に活かすには、理念が商品や行動に表れているか、発信する情報が相手の判断に役立つかを確認することが出発点になります。現在の取り組みの中から、残すべき強みと、説明・運用を補う箇所を探しましょう。

コーポレートブランディングの支援会社を選ぶポイント

Webメディアを活用したブランディング施策

社内だけでは課題を整理しにくい場合や、実行する人員・専門性が不足している場合は、外部の支援会社を活用する方法があります。まずは、どこまで社内で対応でき、何を依頼したいかを整理しましょう。

自社の課題と、依頼したい支援範囲を合わせる

コーポレートブランディングの支援には、顧客・競合の調査、企業の価値の言語化、社内浸透、デザイン、Webサイトやコンテンツの制作などがあります。会社によって対応範囲や得意分野は異なります。

現在の課題 検討する支援内容 依頼前に確認したいこと
誰に何を強みとして伝えるか決まっていない 顧客・競合・自社の分析、ブランドの方向性や訴求の整理 調査方法、社内への聞き取り、方針を決めるまでの進め方
理念や方針が現場で使われていない 社内共有、ワークショップ、行動基準への具体化 現場の課題を確認する方法、関係部門の参加範囲、実施後の運用
方針はあるが、資料やサイトで伝わっていない 情報設計、コピー・デザイン、Webサイトや営業資料の改善 既存資産を活かせるか、制作物の範囲、内容を確認する体制
発信後の反応を確認・改善できていない 計測の整備、顧客の反応の分析、改善提案 目的に合う指標、必要なデータ、改善を実行する担当者

必要な工程と成果物を明確にし、自社の課題に合う支援を選ぶことが大切です。すでに使える理念や資料、デザインがある場合は、それらを活かす前提で相談できます。

実績は、成果に至る過程と担当範囲まで確認する

支援実績を見る際は、完成したロゴやサイトに加え、どのような課題に対して何を調査し、どの方針を立てたのかを確認します。自社に近い業界や商材での経験も、相談時の判断材料になります。

成果数値が紹介されている場合は、測定期間や比較条件、同時に行った施策、支援会社が担当した範囲を聞きましょう。他社の成果が、そのまま自社でも得られるとは限りません。

費用を比較するときも、調査・制作・運用の範囲、修正対応、社内で必要になる作業を揃えて確認します。納品後に誰が更新し、方針を管理するかまで決めておくと、取り組みを継続しやすくなります。

オウンドメディアの制作を検討する場合は、オウンドメディア制作会社おすすめ10選|費用・選び方を徹底解説も参考になります。

企業の強みと顧客への伝え方を、Zenkenに相談する

ポジショニングメディアLPスクリーンショット

コーポレートブランディングを検討するなかで、「既存顧客には評価されているのに、新規の相手には強みが伝わらない」「競合と比較されたときに、選ばれる理由を説明しきれない」といった課題が見つかることがあります。

キャククルを運営するZenken株式会社では、顧客のニーズや競合の訴求、自社の強みを踏まえ、マーケティングの方向性をご相談いただけます。どの顧客に、どのような価値で選ばれたいかを整理し、Webでの情報発信や比較・相談への導線につなげることを検討します。

新しい媒体や制作物を決める前に、現在のサイトや営業資料で伝えられていること、不足している情報を確認するところから相談できます。具体的な支援範囲は、現在の取り組みや課題を伺ったうえで確認します。

企業としての強みを整理したい方や、顧客への伝え方を見直したい方は、現在お困りの場面をお聞かせください。

企業としての強み・ブランドの方向性を相談する

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