BtoBオウンドメディア戦略を成功事例と共に成功プロセスを解説【3分で理解】

BtoBオウンドメディア戦略を成功事例と共に成功プロセスを解説【3分で理解】

BtoBでオウンドメディアって、本当に効果あるの?
そう感じている方こそ、伝え方ではなく“設計そのもの”を見直すタイミングかもしれません。

実は、BtoB領域でもオウンドメディアで成果を出す企業は増えています。ただし、単に情報を発信するだけでは反響は得られません。重要なのは、誰に・何を・どう伝えるかを明確にした「選ばれる構造」をつくることです。

本記事では、実際に問い合わせ数を平均3倍に伸ばした成功事例をもとに、BtoBオウンドメディアを成果につなげるための“設計の考え方”を詳しく解説します。
自社の情報発信を“売り込まなくても選ばれる状態”へ導きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

BtoBでも導入が進むオウンドメディアとは?

BtoBオウンドメディアのイメージ画像

昨今、BtoB業界でも導入が進むオウンドメディアですが、そもそも「自社が保有する情報を発信するメディア」のことを意味します。その企業がどんな特性を持った製品(サービス)を提供しているのかを伝える、言わば「企業の顔」となる情報媒体です。

オウンドメディアと聞くと「Web媒体のことでは?」と思う方も多いかも知れません。しかし、広い意味で捉えるとWebのみならず紙媒体も含んでおり、下記に挙げる媒体はすべてオウンドメディアに該当します。

  • ホームページ
  • 企業ブログ
  • SNSアカウント
  • メールマガジン
  • 広報誌
  • 商品カタログ
  • パンフレット

このように正確には紙媒体も含んでいますが、今回はBtoB業界で特に導入が進む「Web媒体」をメインに解説します。

BtoBでオウンドメディアが役立つ8つの理由

では、なぜ今BtoB業界でもオウンドメディアの導入が進んでいるのでしょうか。BtoBでもオウンドメディアの活用が有効的な理由として、下記の8つのポイントが挙げられます。

  1. 検討期間が長い分、コンテンツ内容をチェックされやすい
  2. 運用コストを回収しやすい
  3. リード(見込み顧客)を獲得しやすい
  4. 広告に頼らなくても集客しやすい
  5. プル型の集客アプローチで“選ばれる仕組み”をつくる
  6. ニッチ市場でも競合に埋もれず、強みが伝わる
  7. 潜在ニーズの掘り起こしと認知向上にもつながる
  8. 営業・サポートの業務効率化にも貢献

BtoBとオウンドメディアの関連性を理解しやすいよう、1つずつ掘り下げていきます。

検討期間が長い分、コンテンツ内容をチェックされやすい

BtoB商材は高額であることに加え、導入の意思決定に複数人が関わるため、判断までに時間がかかるのが一般的です。
特に最近では、担当者だけでなくその上長や経営層までを巻き込み、商材を比較・検討する体制が常態化しています。

このような背景から、比較対象となる各社のコンテンツは「意思決定の材料」として非常にシビアにチェックされる傾向があります。
どれだけ自社に合っているか、根拠があるか——その情報がWeb上に存在するかどうかが、候補として残るかの分かれ道になります。

だからこそ、オウンドメディアで「検討材料となる質の高い情報」を整備することは、最終選定に残るための重要な布石になります。

運用コストを回収しやすい

オウンドメディアは構築・運用に一定のコストがかかるものの、BtoB商材の特性を踏まえれば費用対効果の見込みが立てやすい施策です。

BtoBは1件あたりの受注単価が高く、数百万〜数千万円の取引になることも珍しくありません。
そのため、コンテンツから1件でも受注につながればメディアの運用費を十分に回収できる構造です。

特に、「検討中の企業に刺さる内容」を設計できていれば、広告や営業と比較しても高い効率で利益を生み出す可能性があります。

リード(見込み顧客)を獲得しやすい

BtoB領域で成果を出すには、「認知されること」よりも「購買可能性のある企業と接点を持つこと」が重要です。
従来は広告や展示会などでの獲得が主流でしたが、時間と費用がかかるうえ、見込み度のばらつきが課題でした。

オウンドメディアは、ペルソナに合った情報を継続的に届けられる点で、リード獲得の効率化に大きく貢献します。
たとえ今すぐの検討でなくとも、「後日検討時に思い出してもらえる状態」を築けるのも強みです。

まだ接点のない企業にも価値観や強みを知ってもらえるため、これまで届かなかった層への広がりも期待できます。

広告に頼らなくても集客しやすい

広告は即効性がありますが、コストや運用負荷がネックになりがちです。
特にBtoBでは、検討期間が長いため継続的な露出が必要となり、予算消化が早くなってしまうことも。

オウンドメディアは一度設計したコンテンツが長期的に効果を発揮するため、広告のような“燃費の悪さ”を抑えることができます。

また、SEOやメール配信、SNSなどと組み合わせれば、「知る→比較→問い合わせ」までの動線を社内で完結できるため、広告に依存しないマーケティング基盤の構築にもつながります。

プル型の集客アプローチで“選ばれる仕組み”をつくる

従来のBtoB集客では、広告やアウトバウンド営業などの「プッシュ型(=企業側から情報を届けにいく)」アプローチが一般的でした。
即効性はあるものの、継続的な運用にはコストや工数がかかりやすく、見込み度の低い接触が多いという課題もあります。

一方、オウンドメディアを活用した「プル型(=顧客が自ら情報を取りに来る)」アプローチでは、有益なコンテンツによってターゲット企業側からの接点獲得を狙えます。
すぐに成果が出るとは限りませんが、運用コストを抑えながら、中長期で“選ばれる構造”をつくることができます。

ニッチ市場でも競合に埋もれず、強みが伝わる

BtoB商材の多くはニッチ市場に属しており、BtoCに比べてメディアでの情報流通も限られています。
だからこそ、自社の強みを正しく伝えられるチャネルがあるかどうかが、競合との差を生む重要な要素になります。

オウンドメディアは、限られた検索ニーズの中でもターゲットに届けられる手段です。
発信者が少ない領域ほど、SEO対策を行うことで上位表示されやすく、ニッチだからこそ“伝わる場”になり得ます。

「うちの強み、誰にも気づかれていない」と感じているなら、まずは正しく届く環境づくりから始めてみてください。

潜在ニーズの掘り起こしと認知向上にもつながる

BtoB商材は、そもそも顧客側がニーズを自覚していないケースも少なくありません。
このような場合、プッシュ型の訴求よりも、継続的な情報提供によって「気づき」を促す仕掛けが必要です。

オウンドメディアは、自社の考え方や課題の切り口を届けることで、第一想起の獲得や“この会社なら任せられそう”という印象形成に貢献します。
「比較された時ではなく、思い出してもらえる時点で優位になる」——それがブランディング型メディアの強みです。

営業・サポートの業務効率化にも貢献

オウンドメディアは集客のためだけではなく、営業支援や既存顧客との関係構築にも役立ちます。
たとえば、よくある質問や使い方ガイドなどのコンテンツを用意しておけば、問い合わせ対応の削減や提案プロセスの短縮にもつながります。

また、「この内容、あのページで説明しています」といった形で、商談や社内稟議のサポートツールとしても活用可能です。
コンテンツを通じて顧客と“継続的につながる仕組み”を持つことが、BtoBでは中長期的な競争力になります。

BtoBオウンドメディア戦略の成功プロセス

BtoBオウンドメディア戦略の成功プロセスのイメージ画像

BtoBにおけるオウンドメディア戦略を成功させたいなら、下記のポイントも重要になってきます。

専属スタッフを配置する

あらゆる業務に共通して言えることですが、良い結果が出すためにはスタッフが重要です。特にオウンドメディアの場合、サイトやコンテンツの作成はもちろん、アクセス数やターゲットの反応も随時チェックする必要があります。つまり、十分な人的リソースを用意しなければならないということです。

理想はオウンドメディア戦略の専属スタッフを配置することですが、他の業務との兼ね合いからフルコミットが難しいケースも考えられます。それでも6割以上のパワーを使ってくれる、半専属のスタッフは用意したいところです。

自社の情報資産をコンテンツとして発信する

オウンドメディアから発信するコンテンツは、必ずしもゼロから考えなければならないわけではありません。顧客に対するサポートの回答内容や社内研修の資料など、自社内で管理している情報資産もコンテンツになり得ます。

もちろん、社外秘の情報もあるので注意は必要ですが、このような情報資産は他の企業から見ると、思わぬ価値を持っている可能性もあるのです。

評価・改善を繰り返す

オウンドメディア戦略に取り組む場合、PDCAサイクルを意識することが大切です。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Act(改善)

オウンドメディアを立ち上げて、コンテンツを発信することはPlanとDoに過ぎません。良い結果を出したいなら、CheckとActが必要不可欠です。当初の目標と実状を照らし合わせた上で、コンテンツの内容や導線を繰り返し見直すことが重要になってきます。

“伝える”より“伝わる”を重視する

良いコンテンツを提供していても、ターゲット企業に伝わらなければ意味がありません。そのため、オウンドメディア戦略では、“伝える”より“伝わる”を重視して発信方法を検討することが大切です。

検索エンジン・SNS・チラシなど、どの媒体が適切なのかはターゲットによって変動するため、その辺りも踏まえてニーズを把握しましょう。

BtoBにおけるオウンドメディアの成功事例

ここでは、BtoBにおけるオウンドメディアの成功事例を紹介します。表にして分かりやすくまとめましたので、ぜひこちらもご覧ください。

オウンドメディア名 運営企業 特徴 コンテンツの種類
WORKSIGHT コクヨ株式会社 会社の悩みは環境の工夫で解決できる’をコンセプトに、企業の経営課題に役立つ情報を環境整備の視点から発信 経営課題解決、環境整備
マーキング学習塾 株式会社キーエンス レーザーマーカーに関する基礎知識や製品比較、導入事例を発信 製品知識、比較、導入事例
テレアポ職人の秘伝の技 株式会社インターパーク 営業やテレアポに役立つノウハウをブログ形式で発信。テレアポの専門知識を共有 営業ノウハウ、テレアポ技術
情報セキュリティブログ 株式会社日立ソリューションズ 情報セキュリティに関する知識とともにユニークなコンテンツを提供 セキュリティ知識、ユニークコンテンツ
経営ハッカー freee株式会社 経理・経営に役立つコラムやインタビュー、ノウハウ記事を提供 経理・経営知識
Money Foward Bizpedia 株式会社マネーフォワード バックオフィス業務効率化の情報提供。専門家監修のもとわかりやすい情報が特徴 バックオフィス効率化
LIGブログ 株式会社LIG Web制作のノウハウや社員インタビューを発信。多様なコンテンツが魅力 Web制作知識、社員インタビュー
サイボウズ式 株式会社サイボウズ 株式会社サイボウズが運営するオウンドメディア。チームワークと働き方改革に関する知識を共有。 チームワーク、働き方改革
mercan(メルカン) 株式会社メルカリ メルカリの社風や働き方、社員の生の声を伝えることで、採用ブランディングとして機能。 社風紹介、採用情報
OnLINE(オンライン) LINE株式会社 LINEの多様なチャレンジとイノベーションを紹介。社員インタビューも豊富。 イノベーション、社員インタビュー
フルスイング 株式会社ディー・エヌ・エー 社員の全力投球の姿勢や会社の挑戦を紹介。採用ブランディングにも役立つコンテンツ。 採用ブランディング、社員の挑戦
ばね探訪 東洋バネ株式会社 取引先の事業や製品への取り組みを紹介。企業間の強いつながりを築く。 取引先の事業紹介、製品紹介

コクヨ株式会社「WORKSIGHT」

BtoBオウンドメディアの事例コクヨの「WORKSIGHT」トップページ画像

画像引用元:コクヨ株式会社「WORKSIGHT」(https://www.worksight.jp/about)

文具やオフィス家具のメーカーとして知られる、コクヨ株式会社のオウンドメディアです。「会社の悩みは環境の工夫で解決できる」をコンセプトに、企業の経営課題に役立つ情報を“環境整備”という視点から発信しています。

株式会社キーエンス「マーキング学習塾」

BtoBオウンドメディアの事例株式会社キーエンスの「マーキング学習塾」トップページ画像
マーキング学習塾は株式会社キーエンスが運営しているオウンドメディアです。自社で開発、販売しているレーザーマーカーについての基礎知識や製品比較のコンテンツを掲載しています。

導入事例ではシーン別にどのような課題に対して導入し、どんな成果が得られたのかを実際のユーザー目線で詳しく解説しています。また、製品選びに悩むユーザーに対してメリット・デメリットなど複数の比較軸を提示するなど、ユーザーの製品選びの悩みに答えられるのがこのメディアの特徴です。

ページ下部には、製品ページに飛ぶリンクや資料ダウンロードボタンを設置し、自社製品の成約へユーザーを誘導させる構成になっています。

株式会社インターパーク「テレアポ職人の秘伝の技」

BtoBオウンドメディアの事例株式会社インターパーク「テレアポ職人の秘伝の技」のトップページ画像
テレアポ職人の秘伝の技は、株式会社インターパークが運営しているオウンドメディアです。営業やテレアポに役立つ内容をブログ形式で発信しています。

株式インターパークは自社で培ってきたテレアポノウハウを発信。ノウハウを伝えることと共に、テレアポが必要な企業の担当者にサービスを認知してもらうメディアとなっています。

担当者と共に会社の社風も紹介し、採用ブランディングにも役立てています。各ページには無料体験や資料請求リンクを設置し、自社サービスの顧客獲得を目指せる動線設計となっています

株式会社日立ソリューションズ「情報セキュリティブログ」

BtoBのオウンドメディアの事例日立の「情報セキュリティブログ」トップページ画像

画像引用元:株式会社日立ソリューションズ「情報セキュリティブログ」(https://securityblog.jp)

日立グループのIT分野を担っている、株式会社日立ソリューションズのオウンドメディアです。情報セキュリティに関する情報はもちろん、「セキュリティいろはかるた」や動画コンテンツ「大江戸セキュリティ戯画」など、ユニークなコンテンツを発信しています。

freee株式会社「経営ハッカー」

BtoBのオウンドメディアの事例「経営ハッカー」

画像引用元:freee株式会社「経営ハッカー」(https://keiei.freee.co.jp/)

「経営ハッカー」は、経理業務を効率化するクラウド型会計ソフトの開発・提供を行うfreee(フリー)株式会社が運営するオウンドメディアです。同メディアには、経理や経営に役立つコラムやインタビュー、ノウハウ記事などが豊富に揃っています。その他、税金に関する基礎知識、業務効率化に活用できる資料の無料ダウンロードなど、経理初心者の手助けになるコンテンツが充実しています。

株式会社マネーフォワード「Money Foward Bizpedia(ビズペディア)」

BtoB,オウンドメディアの成功事例Money Foward Bizpediaの公式サイト画像
画像引用元:Money Foward Bizpedia公式サイトキャプチャ画像 (https://biz.moneyforward.com/blog/)

株式会社マネーフォワードが運営する「Money Foward Bizpedia(ビズペディア)」は、バックオフィスの業務効率化をサポートする情報を提供するオウンドメディアです。「すべての働く人」を対象に税理士・公認会計士などの監修のもとでわかりやすい情報が提供されています

例えば会計や確定申告、給与計算、経費精算といった業務に関し、効率をアップさせるために役立つさまざまな情報を掲載することにより、同社が提供するバックオフィス向け業務効率化サービスである「Money Forwardクラウド」のサービスページへの送客とブランディングを目的としています。

もともとは「BIZ KARTE」という名称だったものの、「Money Foward Bizpedia」という名称に変更し、「Money Forwardクラウド」の認知獲得についてより強化を図っている点も同メディアの特徴となっています。

株式会社LIG「LIGブログ」

BtoB,オウンドメディアの成功事例LIGブログの公式サイト画像
画像引用元: LIGブログ公式サイトキャプチャ画像 (https://liginc.co.jp/blog)

「LIGブログ」は、Web制作を中心とした事業を手がけている「株式会社LIG」により運営されているオウンドメディアです。こちらは毎月500万PVを獲得していることから、オウンドメディアの成功例としても知られています。

非常にバラエティに富んだ内容となっており、社員へのインタビューやWebシステム紹介などを発信。レポート風の記事が多い傾向がありますが、知識系の記事やコラム系のコンテンツなども取り揃えられており、さまざまな知識を仕入れられる内容となっています。

WebやITに興味がある人をターゲットとしており、メディアの目的はそれぞれの記事によって定められています。コンテンツ全体でブランド価値を高め、さらに記事により採用・収益といったそれぞれの目的を果たしている「多目的オウンドメディア」という点が特徴です。

サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

BtoB,オウンドメディアの成功事例サイボウズ式の公式サイト画像
画像引用元:サイボウズ式公式サイトキャプチャ画像 (https://cybozushiki.cybozu.co.jp/)

株式会社サイボウズが運営する「サイボウズ式」は、「“新しい価値を生み出すチーム”のための、コラボレーションとITの情報サイト」をコンセプトにしています。そのため、記事のテーマは「チームワーク」と「働き方」に関するものであれば良い、というスタンスでスタートしました。

あえて製品の宣伝をせずに、ビジネスパーソンが知りたい・関心を持っている話題を中心としたオウンドメディアという点が大きな特徴。記事の反応により新しい企画の種が生まれることも多く、他のメディアから記事内容について取材依頼が入るなど、大きな注目を集めた記事も多くあります。

また、サイボウズ式によって同社のことを知って入社した社員もいるなど、サイボウズを認知していない層への認知の獲得、という意味でも大きな貢献をしているオウンドメディアとなっています。

株式会社メルカリ「mercan(メルカン)」

BtoBのオウンドメディアの成功事例mercanの公式サイト画像
画像引用元:mercan公式サイトキャプチャ画像 (https://mercan.mercari.com/)

「mercan(メルカン)」は、フリマアプリの運営を手掛ける株式会社メルカリによって運営されている採用オウンドメディアです。メルカリで働くことへ興味を持っているエンジニア・デザイナーをターゲットとしています。

社員によるブログ形式の記事がメインとなっており、メルカリで働く仲間や職場の雰囲気、社風などを紹介している内容から、メルカリがどのような企業なのか、という点を知れる内容となっています。

これらの記事を通し、採用にあたって応募者との認識のずれをなくすという点を目的としています。

また、採用という側面のほかにも、このオウンドメディアを通じて社内のコミュニケーションをはかるという目的もあり、同社では「mercanはみんなのメディアである」という意識作りを行っている点も特徴です。

LINE株式会社「OnLINE(オンライン)」

BtoBのオウンドメディアの成功事例OnLINEの公式サイト画像
画像引用元:OnLINE公式サイトキャプチャ画像 (https://line-online.me/)

コミュニケーションアプリ「LINE」を提供するLINE株式会社が運営するオウンドメディア「OnLINE」。こちらのメディアでは、LINE株式会社の中にある「さまざまなチャレンジ」を紹介しています。

同社の中にはコミュニケーションやAI、金融などさまざまな分野に関するプロフェッショナルがいますが、それぞれがLINEらしいやり方を用いて「WOW(ユーザーを感動させる初めての体験や思わず友達に教えたくなるような驚き)」を生み出すチャレンジをしています。

このような挑戦を多数紹介するとともに、社員へのインタビューなども多数掲載。それぞれの部署ではどのような仕事をしているのかといった、LINE株式会社について理解を深められる理由ともなっています。

株式会社ディー・エヌ・エー「フルスイング」

BtoBのオウンドメディアの成功事例フルスイングの公式サイト画像
画像引用元:フルスイング公式サイトキャプチャ画像 (https://fullswing.dena.com/)

「フルスイング」は、メディアのPRなどを手掛けるDeNAが運営する採用オウンドメディアです。仕事に全力で取り組む社員を等身大で発信したいという考えから「フルスイング」という名前が付けられています。

こちらのオウンドメディアは、求職者の転職・就職スタイルの変化をきっかけとして、企業の魅力を発信することによって優秀な人材にアプローチしたい、という考えから立ち上げられたという経緯があります。その中では、品質にこだわったコンテンツ設計が行われました。

品質を重視しながらもスピード感を大切にしたコンテンツの制作を行い、週2本・月8本程の記事を作成。キャリアや社風に関する記事を発信することで、DeNAという企業で働くという点について理解を深められる内容となっています。

東洋バネ株式会社「ばね探訪」

BtoBのオウンドメディアの成功事例ばね探訪の公式サイト画像
画像引用元:ばね探訪公式サイトキャプチャ画像 (https://tokaibane.com/bane-tanbo/)

「ばね探訪」は、運営する東海ばね工業が自社のビジネスモデルについて知ってもらうことを目的として立ち上げたオウンドメディアです。

こちらの特徴は、自社の商品を深掘りするのではなく、取引先の事業や製品に対する取り組みを取り上げて発信しているという点。1つの取引先につき1〜3回ほどに分けて連載形式での発信を行っています。

同社では、ばねを取引先のオーダーに沿って開発・製造を行う完全受注生産制をとっています。このことから「ばねで困っている顧客の課題に応える」というビジネスモデルについてオウンドメディアを通じて発信し、新規顧客の獲得につなげています。

大塚商会「CAD Japan.com」

BtoBのオウンドメディアの成功事例CAD Japan.comの公式サイト画像
画像引用元:CAD Japan.com公式サイトキャプチャ画像 (https://www.cadjapan.com/)

「CAD Japan.com」は、ソフトウェアからハードウェア、インフラ環境幅広い商品を扱っている総合商社大塚商会が運営しているオウンドメディアです。

製品情報から導入事例、スクール情報まで幅広く扱っているのが特徴です。
また製造業や建設業の方に向けて、VRや3Dプリンターなど最先端の製造技術や設計ツールの情報も発信しています。

なぜその事例が成功したのか?共通するポイントを読み解く

成功しているBtoBオウンドメディアには、いくつかの共通点があります。

  • 目的を明確に設定し、KPIと結びつけて運用されている
  • ユーザーの課題や疑問を丁寧に深掘りし、その解決策を提供
  • 専門家による執筆や監修で、情報の正確性と信頼性を担保
  • 自社独自のノウハウや一次情報を開示し、他社と差別化
  • 持続可能なチーム体制と運用フローを整備
  • アクセス解析やPDCAで改善を繰り返している

これらを複合的に組み合わせることで、BtoBオウンドメディアは単なる集客ツールを超え、資産として長期的に効果を発揮できています。

よくある失敗パターンと、その回避策

一方で、運用が途中で止まってしまう、成果が思うように出ないなど、よくある失敗パターンも存在します。

失敗パターン つまずき例 回避策
SEO知識不足 キーワード選定や内部リンク設計が甘い SEOの最新知識をキャッチアップし、必要に応じて外部パートナーを活用
短期的成果への期待 すぐに成果が出ないと運用を中断 長期視点で運営し、関係構築とブランド育成を重視
CVRの低迷 流入は増えたが問い合わせにつながらない 明確なCTA設計とユーザー体験の最適化
情報の陳腐化 公開した記事が古くなりリライトせずに放置 定期的なコンテンツ監査とアップデート

オウンドメディアは「一度作れば終わり」ではありません。継続的な改善と、ユーザーを次のアクションへ導く導線設計が、成果につながります。

失敗しないためのBtoBオウンドメディア運営ステップ

オウンドメディアを成果につなげるためには、計画的な設計と着実な運用体制づくりが大切です。ここでは、失敗を避け、持続的に運用するためのポイントを解説します。

オウンドメディア戦略立案のポイント

最初に取り組むべきは目的とKPIの設定です。「何のために運用するのか」を明確にし、認知拡大やリード獲得など、達成すべき指標を数値で定義しましょう。また、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)や、顧客が検討から購入までどんなプロセスをたどるか(カスタマージャーニー)も可視化し、それぞれの段階で求められる情報や体験を設計していくことが成果につながります。

体制づくりと役割分担の進め方

オウンドメディアの運用では、社内外のリソースを上手く組み合わせることがカギです。専門知識がある場合は社内で制作を進めることで独自性を出せますが、リソースが限られる場合は外部パートナーを活用して効率化することも検討しましょう。社内ナレッジの共有や属人化の防止も意識し、体制の持続性を確保してください。

集客だけじゃない!リード獲得・ナーチャリングの設計

オウンドメディアは、リード獲得だけでなく、その後の関係育成(ナーチャリング)までを担います。資料ダウンロードやeBook、ウェビナー登録などのCTA(コールトゥアクション)をユーザーの心理段階に合わせて配置し、見込み顧客をスムーズに次のステップへ導きましょう。

  • 記事末尾やサイドバーに資料DLボタン設置
  • メルマガやウェビナー登録フォームを記事途中に配置
  • 問い合わせや無料相談への導線を目立たせる

これらの施策を組み合わせることで、幅広い層の見込み顧客にアプローチでき、長期的な関係構築へつながります。

成果につなげるコンテンツ企画・制作のノウハウ

高品質なコンテンツがBtoBオウンドメディアの成果を左右します。ユーザーの心理や検索行動に合わせた企画・制作を心がけましょう。

検索ユーザーの心理段階とコンテンツ設計

顧客がサービスを認知してから導入に至るまで、さまざまな心理段階があります。それぞれの段階に合わせて「広く浅く」から「深く具体的に」まで、多様なコンテンツを設計することが重要です。

心理段階 主な関心 効果的なコンテンツ例
潜在層 業界の最新動向やトレンド ノウハウ記事、用語解説
準顕在層 具体的な課題や解決策の比較 比較記事、導入事例
顕在層 サービス選定・費用感・効果 価格や事例、FAQ

このようにカスタマージャーニーを意識して、各段階に合ったコンテンツを提供していくことがリード獲得と信頼形成につながります。

リード獲得に強い記事テーマの選び方

リード獲得につながる記事テーマを選定する際は、検索ボリュームの大きさだけでなく、顧客の課題に直接寄り添うことが重要です。顧客の「よくある質問」や失注理由、営業現場での会話内容などからキーワードを抽出し、競合と違いを出せる独自の切り口で発信しましょう。

事例・インタビュー・資料など多様なコンテンツ活用

成果につなげるためには、文章だけでなく、多様なコンテンツ形式を活用するのが効果的です。

  • 独自ノウハウをまとめた記事やチェックリスト
  • 導入事例・顧客インタビューによる信頼の可視化
  • 資料ダウンロードや動画コンテンツで理解促進
  • FAQでよくある疑問を先回りして解決

こうした多角的なアプローチが、複数の意思決定者を巻き込むBtoBビジネスには有効です。

“知ってもらう”だけでは不十分。製品が「選ばれる構造」まで設計されていますか?

BtoBのオウンドメディアでは、ただ情報発信するだけでは成果につながりません。
特に商談や売上への貢献を求める現場では、以下のような悩みがよく聞かれます。

  • コンテンツを出しても問い合わせにつながらない
  • 製品ページへの遷移率が低い
  • 自社の強みが比較検討の中で埋もれてしまう

こうした課題の多くは、「誰に・何を・どう伝えるか」が明確でないままメディアを運用していることが原因です。
そこで注目されているのが、製品自体を“選ばれるブランド”として設計するオウンドメディア、製品特化型ブランディングメディアです。

このメディア設計では、ユーザーが検索・比較するタイミングで「●●製品といえばこの会社」と想起される構造をつくり、
リード獲得だけでなく“指名検索で選ばれる”状態を実現します。

「コンテンツは出しているのに、なぜ選ばれないのか?」
その問いの答えが、この仕組みにあります。

ブランディングメディアの仕組みを見る

BtoBにおけるブランディングメディア導入事例

美しい窓のある暮らし

BtoBのオウンドメディア事例の美しい窓のある暮らしのサイト画像画像引用元:美しい窓のある暮らし(https://www.beautiful-woodwindow.com/)

「美しい窓のある暮らし」は、建築物に欠かせないサッシ(窓の建具)の中でも、木の風合いをそのまま生かした「木製サッシ」を専門的に紹介したメディアです。主に建築物を手掛ける設計事務所や建築会社に向けて制作されました。

サッシといえばアルミ製やプラスチック製が多いのですが、木製ならではの重厚感と温もりでパノラマビューを作り出す大開口が大きな魅力の製品です。

このメディアでは、木製サッシの魅力に焦点を当て、製品の優れた特性、導入のメリット・デメリット、木製サッシに関するQ&Aのほか、一般住宅やリゾートホテルなどの施工事例など、木製サッシの製品の魅力を余すところなく紹介。設計士や建築会社だけでなく、これから家を建てたい方にも参考になるメディアです。

プロが教える現場のためのBCP対策

BtoBのオウンドメディア事例のプロが教える現場のためのBCP対策のサイト画像画像引用元:プロが教える現場のためのBCP対策(https://www.bcp-perfect.com/)

BCPとは、Business Continuity Planningの略語で、「事業継続計画」を意味します。企業が自然災害や火災などの緊急事態に備えて、あらかじめ事業を継続するための計画を立てる取り組みのことです。

自然災害とは切り離せない日本において、災害による影響で事業継続が不可能となれば企業にとっても死活問題。そこで、今からBCP対策をして緊急事態に備えるべきと事業をブランド化(BCP対策のプロといえばこの企業)させ、認知拡大を図るために制作されました。

「プロが教える現場のためのBCP対策」では、BCP対策の基礎情報から想定されるリスク、BCP対策の進め方、業界別・施設別(工場・病院・学校・避難所など)、具体的な対策事例まで、BCP対策に関する情報が分かりやすく紹介されています。

このように製品(サービス)ブランド化を図ったメディアは他にも、まだまだたくさんあります。BtoB企業にとっても、今後の自社製品のブランディングや競合他社との差別化を狙う上でも効果的です。

実際に導入していただいた企業さまより、

  • 1ケタ分受注単価が増える売上を獲得できた
  • 求人広告に依存することなく、自社サイトから今までの10倍の採用応募が来るようになった

といった自社のブランディング効果を実感していただいております。

「当社も製品をブランド化して新規開拓や売上拡大を図りたい」

という方には、ブランディングメディア施策をご覧ください。

「コンテンツを出しても反響がない…」そんなお悩みは“設計力”で変わります

「オウンドメディアを始めたけれど、問合せにつながらない」「何を伝えれば刺さるのかわからない」
そんなモヤモヤ、感じていませんか?
実はそれ、“誰に・何を伝えるか”の設計が曖昧なまま、発信を始めてしまっていることが原因かもしれません。

私たちが支援する「ニッチトップ戦略メディア」では、ペルソナ設計から逆算したコンテンツ構成により、問い合わせ数が月平均3倍・狙った業種からの受注獲得など、着実な成果につながっています。
しかも、広告なし・営業人員ゼロでも、競合が対応できなかった高難易度案件の相談が増加しています。

「自社も本当に狙いたい相手に届くメディアを作りたい」
そう思った方は、まずは設計の考え方を整理することから始めてみませんか?

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