ドライバーの待機時間が長い、配送ミスが発生する、安全管理や事務処理が煩雑。そんな運送現場のムダに悩んでいませんか。
本記事では、独自調査で厳選した22の運送業向けシステムを比較して紹介します。運行管理の効率化から事故リスクの低減、コスト削減まで、現場課題をまるごと解決するヒントをお届けします。ぜひシステム選定の参考にしてください。
目的別・運送業システム
毎月の請求処理が大変!配車と請求を自動連携し
事務作業をなくしたい
事故で信頼失墜は避けたいリアルタイム運行管理で
事故リスクをなくしたい
改善点がわからない…輸送の見える化で
ムダなコストをなくしたい
TCloud for SCM

導入メリット
- スマホで運行をリアルタイム把握し、待機・燃料コスト削減
- 食品・医薬品の品質管理をデータ化し、温度・納品ミスを防ぐ
- 作業時間・車載率などデータを分析し、配送のムリムダムラを最適化
ロジックス

導入メリット
- 受注・配車・請求・支払・労務を統合し、作業負担を削減
- 経営指標をリアルタイムで分析し、業務の非効率をなくす
- 労務管理の見える化で法令違反を防ぎ、働きやすい環境を構築
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
Comtruck System |
配車から請求までを一元管理。業務効率と正確性を両立
|
Cariot |
リアルタイムで車両位置を把握!見える化で業務を効率化
|
TCloud for SCM |
配送品質と効率を同時に。スマホで始める可視化の第一歩 |
ロジックス |
配車・請求・労務をまとめて管理、業務のムダを見直せる |
シュウカン |
現場のスピードに応える、請求連携の即戦力 |
Good Truck |
全業務一元管理 × 中継輸送対応で現場の労務負担を軽減 |
そらうど |
低コストでオールインワン管理 × インボイス対応、請求処理も安心 |
Disynapse |
情報一元化 × 勤怠管理強化でドライバーの長時間労働を抑制 |
SmaRyu |
運行状況の可視化 × ペーパーレスで現場の業務効率を向上 |
INFO-Logi |
安全管理強化 × 業務効率化でドライバーの安心と現場効率を両立 |
HAKOBO NET 運送 |
運送・倉庫一元管理 × 経営分析で物流業務をトータル改善支援 |
運びま専科 |
日報入力一つで請求・経費まで一括管理 × 事務作業を効率化 |
車楽クラウド |
配車管理から会計まで一元化 × デジタコ連携で事務負担を軽減 |
AEGISAPP運送業 |
受注から請求まで一気通貫 × 日報・運賃自動化で事務作業を効率化 |
Transport |
配車・勤怠一括管理 × データ分析で経営判断を強力サポート |
ODIN |
配送計画自動最適化 × 動態把握で配送業務の負担を軽減 |
トラックメイトPro |
高機能 × 優れた操作性で煩雑な運送業務の効率化をサポート |
轟~TODOROKI~ |
日次収支管理 × 経営データ可視化で戦略決定を強力支援 |
トラッカーズマネージャー |
配車・請求・収支管理を一元化 × 判断と処理のスピードを両立 |
トラDON |
日報入力だけで請求・経費まで完結 × 煩雑な事務処理を大幅効率化 |
軽貨物PRO |
軽貨物業界専用 × 距離運賃自動計算でチャーター便の事務を効率化 |
一番星 |
請求から車両・給与まで一括管理 × 経営分析で経営力アップに貢献 |
運送業システムとは?

運送業システムとは、運送業務における配車、運行管理、請求処理などを一元管理・自動化することで、業務の効率化・安全性向上・コスト削減を支援するITシステムです。
近年は、「2024年 働き方改革関連法」(厚生労働省)により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されるなど、法規制への対応も急務となっており、IT導入の重要性が増しています。
加えて、経済産業省や国土交通省が「物流の2024年問題」への対応策として、運送業界全体のデジタル化促進を推進していることから、その一環として、輸送管理システム(TMS)や動態管理システム、バース予約システムなど、業務ごとの課題を解決する物流ITソリューションが注目されています。
2024年2月に経済産業省が公表した調査(※)によれば、実際に30種類以上の物流関連システムが開発・提供されており、多くの事業者がその導入を通じて、配車計画の最適化や荷待ち時間の削減、車両稼働率の向上など、具体的な成果を挙げています。
特に中小規模の運送事業者にとっては、人手不足や長時間労働といった慢性的な課題を解消するための有効な手段として、クラウド型の運送業システムが支持されつつあります。
クラウド型であれば、初期投資を抑えながら導入できるほか、リアルタイムでの情報共有やドライバーとの連携強化が図れる点でも、労働環境の改善や顧客対応力の強化に貢献します。
このように、法制度・社会課題・技術革新という複数の要因が重なる中、運送業システムは今や「導入すべきツール」から「事業継続に不可欠なインフラ」へと変わりつつあります。
※参照元:経済産業省「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業調査報告書」(https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000436.pdf)2024年問題と運送業システム
2024年4月、運送業界は大きな転機を迎えました。
働き方改革関連法が本格的に適用され、ドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されるなど、厳しいルールが導入されたのです。
これは運送会社にとって、従来のやり方では通用しない「新しい経営環境」が始まったことを意味しています。
今やITシステムを活用した運行管理が、会社を守り、成長するために欠かせない戦略となっています。
時間外960時間規制、待ったなし
これまでドライバーの時間外労働に明確な上限はありませんでしたが、年間960時間までに制限されました。
このルールに違反すると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があり、経営に大きなリスクが生まれます。
一般の働く人に比べて緩やかな制限とはいえ、運送業の実態を考えると非常に厳しい規制といえます。
また、2023年からは中小企業も「月60時間超の残業は賃金50%増し」というルールの対象となりました。残業が増えるほど人件費が跳ね上がる構造です。
さらに、ドライバーの拘束時間や休憩時間に関するルールも厳格化され、すべてを手作業で管理するのはほぼ不可能になってきています。
システム連携で残業抑制
新たな規制に対応できない場合、売上や利益が減るだけでなく、ドライバーが収入減で離職し、さらに運賃が上昇するという負の連鎖に陥りかねません。この状況を防ぐには、ITシステムの導入が効果的な手段です。
たとえば、デジタルタコグラフやGPSを活用した運行管理システムを導入すると、ドライバーの運転時間や休憩時間をリアルタイムで把握できます。
また、法的な上限に近づくとアラートが出る仕組みもあり、超過前に対策できるのです。
ERP?TMS?運送業システム2つのタイプ
運送業システムを導入する際、どのシステムが自社に合うかは大きなポイントです。ここでは「ERP型」と「TMS型」、2つの代表的なタイプについて説明します。
ERP型:受注から会計まで一気通貫
ERP(企業資源計画)型システムは、受注や会計、人事・給与計算など会社の基幹業務をすべて一つのシステムで管理します。
全社の情報が素早く共有でき、経営判断も迅速になります。
TMS型:配車・進捗に特化
TMS(輸送管理システム)は、配車計画や運行管理など、現場の「運ぶ」に特化したシステムです。
GPSと連動して車両の位置をリアルタイムで確認でき、配送計画の自動作成や進捗管理、日報や請求業務にも役立ちます。
自社フェーズ別の適合度
どちらが自社に合うかは、企業の成長段階で異なります。創業期や中小企業の場合はTMSから始めるのが効果的です。現場の効率化やコスト削減がすぐに実感できます。
逆に成長期や大企業では、複数拠点や部門の情報共有が課題となるため、ERPの導入が欠かせません。さらに進んだ企業では、TMSとERPを連携させ、現場と経営をつなげる取り組みも増えています。
型 | 主な目的 | 主な利用者 | 導入効果 | 適合フェーズ |
---|---|---|---|---|
ERP型 | 経営情報の一元化 業務の標準化 |
・経営層 ・管理部門 |
全社の情報共有と効率化 | ・成長期 ・大企業 |
TMS型 | 運送業務の効率化 コスト削減 |
・配車担当 ・運行管理者 |
現場の生産性向上 | ・創業期 ・中小企業 |
人手不足に頼らない!AIとデジタコで変わる運送の今
最近の運送業界では、AI(人工知能)やデジタルタコグラフ(デジタコ)が現場で具体的な成果を出しています。
これらのテクノロジーを連携させることで、配車の自動化や燃料管理、ドライバー評価の透明化など、従来では考えられなかったレベルの業務改善が実現できるようになっています。
自動配車の仕組み
AIを使った自動配車システムは、これまで担当者の経験や勘に頼っていた配車業務を効率的なものに変えます。
車両の積載量や届け先の指定時間、交通状況など多くの情報をもとに、最適な配車計画を瞬時に作成できます。
新人スタッフでも質の高い配車ができるため、業務の属人化がなくなり、事業の安定性が増します。
走行データ活用で燃料管理
デジタコは走行距離や速度だけでなく、エンジン回転数やアイドリング時間など、燃費に関わるデータもリアルタイムで収集します。このデータを分析することで、無駄な燃料消費を見つけ出し、改善につなげることができます。
ドライバー評価の透明化
デジタコのデータを使うことで、ドライバーの運転評価も客観的にできるようになります。
安全運転や燃費運転の度合いを点数化し、公表や表彰に活用する企業も増えています。ドライバー自身の意識が高まり、自主的な改善を促す文化づくりにもつながっています。
運送業システムを活用するメリット

運送業システムを活用するメリットには、以下のようなことが挙げられます。
運送業務を効率化できる
運送業システムを導入する一番のメリットとして、運送業務の効率化が挙げられます。
例えば、法令で毎日作成が必要とされる運転日報を紙ベースでの運用からシステム化する、データベースに基づいた最適な配送ルートや所要時間をシステム上で管理・確認できるようにするなど、運送業システムの導入によって、ドライバーの負担を軽減できます。
労働環境の改善に繋がる
冒頭で記述した通り、現在、運送業界では人材不足に伴って、ドライバーの長時間労働が問題となっています。長時間労働が深刻化する中、2024年4月からは「働き方改革関連法」によってドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることも決定してしました。
運送業システムによって業務を効率化することで、配送時間の短縮や配送業務の属人化解消など、ドライバーの労働環境改善が期待できます。
コストを抑えられる
運行データを管理する運行管理システムによって、配送時間をデータで記録し、所要時間を短縮することで人件費の削減に繋がります。また、車両別にデータで燃料を管理することによって、燃料費も改善することが可能です。
ドライバーの安全意識を高められる
運送業システムによって、スピード超過や急発進といった、運転状況をデータとして可視化することができます。必要に応じて、安全指導を実施することで、ドライバーの安全意識が高まり、事故を未然に防ぐことに繋がります。
運送業システムに関するよくある質問

Q1.運送業システムの費用相場とは?
運送業システムの費用は、システムを導入する際に初期費用が発生し、その後は月額で運用費を支払う形式が一般的です。初期費用は無料のものから10万円以上かかるものもあり、月額費用は3,000円~50,000円と、利用するサービスによって大きく異なります。
運送業システムを選定する際には、コストがかかりすぎないように、必要な機能を見極めてシステムを選ぶこと重要です。初期費用と運用費用を合わせて、事前に決定した予算におさまるか検討しましょう。
Q2.運送業システムはどのような種類がありますか?
運送業システムは大きく分けて、「クラウド型」と「インストール型」にわけることができます。インストール型はパッケージ化されたソフトウェアを購入するため、パッケージ型・オンプレミス型とも呼ばれます。また、自社のニーズに合わせてシステムを自由にカスタマイズして0から作る「スクラッチ型」もあります。
この3つのうち、クラウド型は初期費用がかからず、月額利用料金だけで利用できるため、運送業システムを初めて導入する企業におすすめです。
運送業システムまとめ

今回は、運送業システムについて解説しました。現在、運送業は人材不足やドライバーの長時間労働など、課題をいくつも抱えています。そこで多岐に渡る運送業の業務を効率化するのに役立つのが、運送業システムです。システム化によって運送業に必要な業務を一括管理することで、作業者の業務負担を大幅に削減し、人件費などのコスト削減も期待できます。
クラウド型の運送業システムであれば、システム上で各業務の情報を一元管理して、社員間でスムーズに共有が可能です。人手不足や業務の属人化などの課題を抱えている運送業者の方は、システムの導入を検討してみましょう。