ISMS管理ツールとは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を「構築・運用・維持」するためのツールのこと。
ISMS管理ツール導入のメリットには、ISMS文書を自動作成できるだけでなく、「リスクアセスメント・従業員教育・セキュリティチェックシートの配布/集計・改善・インシデント対応」などを自動化できる点などが挙げられます。
キャククルでは、ISMS管理ツールを取り扱う企業の特徴や選ぶべき理由、導入事例などを解説しています。ISMS管理ツール導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ISMS管理ツールで自動化できる業務7選

ISMSの運用には多くの作業が発生しますが、これらを手作業で行うと時間も労力もかかり、ヒューマンエラーが起きやすくなります。ISMS管理ツールを導入することで、主な7つの業務が自動化・効率化され、担当者の負担が大幅に軽減されます。これにより、より重要なセキュリティ対策に集中きるようになるでしょう。
- リスク洗い出し:情報資産のリスクを自動で抽出・分析し、リスクの優先順位付けや対策提案を行います。
- 文書生成:テンプレートに入力するだけで、認証に必要な文書を自動で作成できます。
- 教育配信:eラーニング教材を自動で配信し、受講状況もダッシュボードで可視化されます。
- チェックシート回収:セキュリティチェックシートの配布や集計を自動化し、現場の状況を正確に把握できます。
- 内部監査:監査項目の作成、結果の集計・分析、報告書作成まで自動で実施できます。
- インシデント管理:異常検知や初動対応、再発防止策まで一元管理され、迅速な対応が可能です。
- 改善追跡:改善活動の進捗や効果を自動で追跡し、PDCAサイクルの運用を支援します。
文書生成
ISMS認証には多くの文書が必要ですが、ツールを使えば、ガイドに沿って情報を入力するだけで、必要な文書が自動生成されます。これにより、作成や管理の手間が大きく減り、誰でも品質の高い文書を作成できるため、属人化の防止にもつながります。
教育配信
従業員教育はISMS運用の要です。ツールなら、必要な教材の自動配信や受講状況の可視化が可能です。ダッシュボードで進捗を管理できるため、教育の抜け漏れを防ぎ、全体のセキュリティ意識を高められるでしょう。
ISMS管理ツールの一覧表
下記にてISMS管理ツールをご紹介します。それぞれの特徴をまとめていますので、ツールを選ぶ際のご参考にご覧ください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
ISMSアシスト |
知識ゼロから始められるISMS運用!自社運用の課題をワンツールで解決
|
SecureNavi |
アナログな運用を削減、必要最低限の工数・リソースで無駄なく認証取得・運用 |
ISMS.online |
監査人が承認したオールインワンのツール、需要の高い100以上の規格に準拠 |
Seculio |
担当者の負担を削減、情報セキュリティ教育の「実施・確認・見直し」を効率よく実施 |
AMRI.ASP |
DCAサイクルを中心としたISOの運用・管理を実施、手間とコストを軽減 |
M@gicPolicyCoSMO |
担当者の負担を軽減、ISMSやPMSを効率よく構築・運用するためのサポートを実施 |
Enterprise Risk MT |
リスクマネジメントの高度化をサポート、リスクを多角的に分析して一元管理 |
ISMS管理ツールとは
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理ツールは、企業や組織が情報セキュリティを管理・運用するためのソフトウェアです。
これらのツールは、情報セキュリティのリスク管理、セキュリティポリシーの策定、インシデント対応、内部監査など、ISMSの要求事項を満たすための機能を提供します。
ISMS管理ツールを導入するメリット
信頼性と信用の向上
ISMS管理ツールを導入し、適切に運用することで、組織が情報セキュリティに対して真剣に取り組んでいることを示すことができます。これは、顧客や取引先などのステークホルダーからの信頼を向上させ、ビジネス機会の拡大に繋がります。
セキュリティレベルの向上
ISMS管理ツールは、リスク管理プロセスやセキュリティポリシーの策定、インシデント対応などを効率的にサポートします。これにより、組織全体のセキュリティレベルを向上させ、セキュリティインシデントの発生を減少させる効果が期待できます。
業務効率の向上
ISMS管理ツールは、以下のような機能を提供することで業務効率を向上させます:
- 文書管理:セキュリティポリシーや手順書などの文書を一元管理し、簡単にアクセス・更新が可能です。
- リスクアセスメント:リスクの識別、評価、対応を自動化し、効率的なリスク管理を実現します。
- インシデント管理:セキュリティインシデントの報告、対応、分析を支援し、迅速な対応を可能にします。
コンプライアンス遵守の支援
ISMS管理ツールは、法規制や業界標準の要求事項を満たすためのプロセスをサポートします。これにより、コンプライアンス違反のリスクを低減し、監査準備を効率化することができます。
コスト削減
ISMS管理ツールを導入することで、情報セキュリティ管理にかかるコストを削減できます。例えば、文書管理やリスクアセスメントの自動化により、人手による作業が減少し、効率的な運用が可能になります。また、セキュリティインシデントの発生を未然に防ぐことで、インシデント対応にかかるコストも削減できます。
ISMS管理ツールの選び方について
ISMS管理ツールを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。具体的な選定基準を以下に示します。
目的別の機能要件
ツールを選ぶ際には、まず導入の目的に応じた機能要件を明確にする必要があります。以下に、目的別の選び方を示します。
新規取得を効率的に進めたい場合:
- ISMSの新規取得を支援する機能(規格に準拠した文書作成、リスクアセスメントの自動化など)
- ISMSの監査に対応したツール。
運用の属人化をなくしたい場合:
- ISMSの規格に準拠した文書管理機能
- 業務ナレッジの埋め込み機能
- 自動通知とリマインダー
運用を効率化したい場合:
- ISMSの規格に準拠した文書管理機能
- リスクアセスメント結果の管理機能
- インシデント管理機能
リスクアセスメント業務を効率化したい場合:
- リスクの識別、評価、対応を支援する機能
グローバル拠点をまとめたい場合:
- 多言語対応・ローカライズ機能
- タイムゾーンとカレンダー調整
- 国別法令・規格対応
コンプライアンス対応
ツールが法規制や業界標準の要件を満たしているか確認することが重要です。例えば、ISO/IEC27001やJISQ27001などの規格に準拠しているツールを選びましょう。
使いやすさとユーザーインターフェース
ツールの使いやすさは、導入後の運用効率に大きく影響します。直感的なユーザーインターフェースを持ち、必要な情報に迅速にアクセスできるツールを選びましょう。試用版やデモを利用して、実際の操作感を確認することをお勧めします。
サポート体制
導入後のサポート体制も重要な選定基準です。トレーニングやカスタマーサポートが充実しているツールを選びましょう。また、トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制が整っているか確認することも重要です。
コスト
ツールの導入コストや運用コストも重要な要素です。初期導入費用だけでなく、年間のライセンス費用やサポート費用も含めて総合的にコストを評価しましょう。また、コストパフォーマンスを考慮し、必要な機能が過不足なく提供されているツールを選ぶことが重要です。
ISMS認証取得までの5ステップとツールの役割
ISMS認証取得には、計画的なステップとそれぞれの段階を支えるツールの機能が重要です。以下の5つのステップをツールがどのようにサポートするか紹介します。
- 準備:認証取得までの進め方や進捗状況を可視化し、「何から始めれば良いか分からない」状態を解消します。
- 情報資産登録:クラウドで一元管理することで、資産台帳作成やデータ移行もスムーズです。
- リスク評価:自動計算機能で複雑なリスク評価を効率化し、最適な対応策を提案します。
- 内部監査:監査項目の自動作成、結果集計、報告書まで一括で管理できます。
- 審査対応:文書や監査の一元管理により、審査準備の負担を大きく減らせます。
ISMS管理ツールに関するよくある質問
Q1. 料金体系はどうなっていますか?
Q2. サポート範囲はどこまで対応していますか?
Q3. データはどこに保管されますか?
Q4. セキュリティ基準は?
Q5. 導入期間はどれくらいですか?
Q6. 既存システムと連携できますか?
Q7. 中小企業でも導入できますか?
Q8. 導入事例やユーザーの声は見られますか?
Q9. 無料トライアルはありますか?
Q10. 認証取得後も使い続けられますか?
ISMS管理ツールまとめ
ISMS管理ツールについてご紹介してきました。さまざまなサービスがあるため、依頼先を検討する場合にはそれぞれの会社の対応内容や料金についてあらかじめ確認した上で比較することがおすすめです。気になる会社のサービスを検討し、自社に合ったサービスを見つけてください。
- 免責事項
- 本記事は、2024年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。