調剤事故が薬局に与えるダメージは大きく、万が一事故が起きてしまうと、人的・財的・イメージ的に大きくダメージを与えます。そこで、ヒューマンエラーを防ぐために導入したいのが「ピッキング監査システム」です。
ピッキング監査システムは、薬剤の種類や数量を自動で記録し、履歴も保存できます。新人スタッフによるミスを抑制する仕組みとしても有効です。
ここでは、「ピッキング監査システム」を比較し、特徴や費用についてまとめました。リスク対策として導入をお考えの方は、ぜひお役立てください。
ピッキング監査システムはどんな場面で役立つ?
- 錠剤の取り違えや用量の違いを自動検知し、ミスの防止に直結します。
- 経験の浅いスタッフでもシステムのナビゲーションで正確にピッキングできます。
- 調剤記録が残るため、クレーム時も証拠をもとに円滑な対応が可能です。
ピッキング監査システム一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
EveryPick(エブリピック) |
コードをカメラで読み取るだけの簡単操作!システムに不慣れでも使いこなせる
|
Pharmy(ファーミー) |
電子薬歴一体型レセコンシステムでありオプション機能の追加が不要 |
PICKING GO(ピッキングゴー) |
iPhoneやiPadで簡単に導入可。複数台同時利用で大規模なピッキングにも対応できる |
Tadashi(正) |
バーコードを用いた調剤過誤防止機能に特化。統計化した監査データでミス防止へ |
NEW PORIMS |
長年の実績あり!ピッキングから在庫管理、業務効率化までを一元管理 |
missnon - ミスノン |
直感的でシンプルな操作性。充実したサポート体制で導入後も安心 |
投薬監査システム 薬袋ピッピ! |
小規模薬局でも手軽に導入できるシンプルさと低コストが魅力 |
KUSUDAMA |
AI搭載のシステムで、画像判別やデータ分析が可能。高機能かつ拡張性が高いシステム |
ピッキング監査システムとは?利用するメリット
調剤事故の発生を防ぐ
ピッキング監査システムは、医薬品の数や種類が正しく合っているかを確かめるシステムです。ピッキング監査システムを使うことで、ヒューマンエラーを回避して、調剤事故の発生を防ぐことができます。データはシステムに記録され、なかには写真で履歴を残せるものもあります。記録が残ることで患者からの問い合わせにもスムーズに回答でき、精神的な負担も軽減できます。
新人の薬剤師や薬剤師でない人でも、システムを使えばピッキング業務も効率的です。調剤ミスや入力ミスを防ぐのに役立つでしょう。
業務の効率化を図れる
ピッキングと監査は、バーコードを読み取るだけで瞬時に行えます。ピッキングにかかる時間を大幅に削減、作業の効率化を図れるでしょう。薬剤師以外の人に業務を任せれば、薬剤師は本来の業務に集中することもできます。
投薬ミスの確認時間の短縮や、棚卸の時間短縮にもつながります。
ピッキング監査システム選び方
クラウド型かオンプレミス型
ピッキング監査システムを選ぶときは、クラウド型かオンプレミス型かを選択します。クラウド型はサーバー管理が必要なく、月額料金で始められるので、初期費用を抑えて導入できます。オンプレミス型は初期費用がかかりますが、社内環境が整っていれば、長く使う程コストを抑えることができます。
どちらにも良い面と注意しなければならない面がありコストも異なるので、自社の運用に合ったものを選びましょう。
薬剤の判別方法で選ぶ
ピッキング監査システムには、いくつかの方式があり、それぞれ特長とコストが異なります。自社の運用に合う方式を知ることが大切です。
バーコード方式
バーコードを読み取って確認する方式です。導入コストが低く、市販のバーコードリーダーでも対応できます。ただし、バーコードが印字されていない薬剤や数量チェックは不得意なため、補助的な目視が必要な場面もあります。
画像識別方式
カメラで薬剤を認識し、刻印や形状、包装で判別します。バーコードがない薬剤にも対応でき、画像で調剤記録も残せますが、初期費用は比較的高めです。設置スペースや運用フローとの相性も確認しましょう。
数量監査方式
薬剤の重量を測って錠数をチェックする方式です。ピッキング時の数え間違いを防ぎ、入力ミスの検知にも役立ちますが、大型で高価な機器が必要になります。薬の種類によっては判別が難しいケースもあります。
導入費用と保守費用のバランス
ピッキング監査システムを選ぶ際は、最初にかかる導入費用と、毎月かかる保守費用のバランスをしっかり確認しましょう。クラウド型システムは、導入時の費用を抑えやすいですが、毎月のランニングコストが発生します。一方、オンプレ型の場合は導入時の費用が高くなりますが、長期的に見ると維持費が安くなる傾向もあります。どちらが自社に合うか、総コストで比較することが大切です。
同時利用台数の上限と追加費用
複数のスタッフが同時にシステムを使う場合は、利用できる端末数や追加費用にも注意が必要です。ライセンスの形態によって、1店舗あたり台数無制限で使えるものもあれば、端末ごとに追加費用がかかるものもあります。大人数体制の薬局や、将来的に端末を増やす予定がある場合は、追加コストも含めて検討することをおすすめします。台数制限のないタイプなら、コストを気にせず運用できます。
既存のレセコンや電子薬歴システムとの連携可否
今使っているレセコンや電子薬歴システムとスムーズに連携できるかも重要なポイントです。処方データを自動で取り込めれば、入力の手間が減り、作業が効率化します。多くの監査システムは主要レセコンに対応していますが、念のため事前に対応状況を確認しましょう。また、クラウド型では後から照合できる「後照合モード」など便利な機能も用意されています。自社の業務フローに合った連携方法があるか、チェックしておくと安心です。
ピッキング監査システムの世代比較
ピッキング監査システムは、進化とともに3つの世代に分けられます。それぞれの特徴を理解しましょう。
- 第一世代(ハンディ):専用端末を使い、堅牢性を重視
- 第二世代(据え置き):数量監査も対応した大型機器
- 第三世代(スマホ):クラウド連携によりデータ活用や店舗横断管理が可能
各世代の進化で業務効率や安全性が向上しています。
ピッキング監査システムに関するよくある質問
Q1. ピッキング監査システムとはどんなシステム?導入するメリットは?
ピッキング監査システムは、薬局などで医薬品を調剤する際に、ヒューマンエラーによる調剤ミスや事故を防止するために導入されるシステムです。バーコードやカメラ、AI画像認識などで医薬品の種類や数量をチェックし、ミスを未然に防ぎます。導入することで調剤事故や精神的負担の軽減といったメリットがあります。
Q2. ピッキング監査システムを選ぶときのポイントは?
ピッキング監査システムを選ぶ際はコストの他に提供形態(クラウド型・オンプレミス型)、薬剤の判別方法(バーコード読み取り型か画像認識型か)、サポート体制や保険加入、操作性などが比較ポイントとなります。
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- 本記事は、2024年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。