一般客に扮した調査員が、正体を隠したまま従業員の接客態度や店舗の雰囲気を調査するミステリーショッピング。利用客のリアルな声を集めたり、自社の課題を明確化したり、競合店の強みを分析したり…といった目的で、業種を問わず幅広く行われる調査です。
ミステリーショッピングを行う企業をミステリーショッパーと呼びますが、このページでは、おすすめの覆面調査会社(ミステリーショッパー)を紹介しています。自社のニーズに合ったミステリーショッパー選びに是非お役立て下さい。
また、ページ後半では、覆面調査を実施するメリットや、覆面調査を実施する際の注意点などについても解説しています。
覆面調査会社(ミステリーショッパー)の一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
クリエイティブアルファ |
売上と相関性が強い顧客体験価値(CX)にフォーカスした覆面調査なら
|
RJCリサーチ |
流通のノウハウを土台とした質の高いミステリーショッパー |
mitoriz |
主婦を中心に約10万人のショッパーが在籍 |
インパクトホールディングス |
独自の「店頭スペシャリスト人材制度」を活用したサービスを提供 |
MS&Consulting |
高品質で見やすいレポート!現場の従業のモチベーションにも配慮 |
クロス・マーケティング |
調査結果に応じて研修やワークショップ、システム導入支援も提供 |
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング |
グローバルスタンダードな基準を採用し、調査の客観性・透明性を確保 |
Tree of Gems |
スタッフ研修やエグゼクティブコーチングなど、各種研修サービスが充実 |
フィールドマーケティングシステムズ |
調剤薬局や産婦人科、小児科といった医療施設での調査実績も豊富 |
アスマーク |
大規模のモニターパネルを保有しているため難易度の高い案件にも対応可能 |
エクスクリエ |
ポジティブデータの提供にもこだわったサービス |
プライムコンセプト |
宿泊施設に特化したミステリーショッパー |
メイクブイ・ホールディングス |
営業代行やアンケートといった各種マーケティングサポートも可能 |
ナビット |
複雑なシナリオのミステリーショッピングにも対応できる |
YOLO JAPAN |
在日外国人向け所品・サービスに特化したミステリーショッパー |
ファンくる |
調査結果を特許出願済みの独自手法で分析 |
インテージ |
購入を決めた決定要因を分析できるアンケートなども提供 |
キャリア・マム |
その店舗・施設がある地域に住んでいるショッパーで調査を実施 |
エルアイズ |
北海道内の企業に特化したミステリーショッパー |
パック・エックス イノベーション |
5000店舗など、大規模一斉調査の対応実績もあり |
セオン |
ショッパー年齢や職業だけでなく、性格や価値観で選定できる |
NTTマーケティングアクトProCX |
オンラインサービスに特化したミステリーショッパー |
リサーチ・アンド・イノベーション |
再来店ポイント発見型調査など、企業ニーズにカスタマイズされた調査が得意 |
マザーリーフ |
医療機関・介護施設向けのミステリーショッパー |
覆面調査(ミステリーショッピング)とは
覆面調査(ミステリーショッピング)とは、調査員であることを隠した覆面の調査員が、従業員の接客態度や売り場の衛生状態、店舗の雰囲気などを調査することです。覆面調査を行う調査員ないし覆面調査を提供する企業は、ミステリーショッパーと呼ばれます。
身元を隠した調査員による調査によって、顧客目線でサービス品質を確認することができるのがミステリーショッピングの大きな特徴です。BtoCかBtoBかを問わず、業種の違いを超えてさまざまなニーズに応えることができる調査として、飲食店や小売店、メーカー、宿泊施設、学習塾、金融業、交通機関などでミステリーショッピングは幅広く実施されています。
「覆面調査会社(ミステリーショッパー)に調査を委託するメリット
覆面調査会社(ミステリーショッパー)に調査を委託するメリットとしては、主に以下の3点があります。
課題の明確化・顧客満足度の向上
従業員の接客対応や店舗の雰囲気などについて、顧客の目線から把握するのは簡単ではありません。例えば、飲食店であれば「料理を良いタイミングで提供できただろうか」、アパレルメーカーであれば「お客様に似合うコーディネートを提案できているだろうか」、宿泊施設であれば「アメニティは十分だろうか」といった疑問について、顧客がどう思うかを企業・店舗は想像することしかできません。
そうした「顧客のリアルな声」を把握することができるのは、ミステリーショッパーに調査を依頼する大きなメリットの一つです。接客対応や店舗の状態・雰囲気のどこに問題があるのかを把握することで、顧客満足度や顧客体験価値の向上につなげることができます。
現場の従業員の意識向上・ロイヤリティ向上
ミステリーショッパーに調査を依頼することで、従業員は自身の接客態度の課題を把握することができるようになります。また、定期的に調査を依頼すれば、従業員はより緊張感をもって業務にのぞむようになります。
言い換えれば、ミステリーショッパーに調査を依頼することで、現場の従業員の意識向上につなげることができます。
また他方で、ミステリーショッピングは問題点を指摘するだけの調査ではありません。例えば、従業員の取り組みや店舗の雰囲気で良い点があれば、それらについても顧客目線で評価を行います。
第三者による客観的な評価は従業員のモチベーションやロイヤリティの向上につながりますし、また、ミステリーショッピングの結果を人事評価に活かすことで、より公平な判断が可能になります。
自社対応が難しいエリアの調査ないし大規模調査ができる
例えば、本部から遠方のエリアにある店舗の調査や全国にある店舗の一斉調査の場合、自社で対応するには限界があります。そういった自社では対応できない調査をアウトソーシングすることができるという点も、ミステリーショッパーに調査を委託する大きなメリットです。
覆面調査(ミステリーショッピング)の流れ
ミステリーショッピングの具体的な手順や機関は調査の規模や対象によって異なるものの、基本的には以下の手順に沿って行います。
01. 調査企画・設計
3日~1週間をかけて、調査項目や調査基準、回数、調査員の数などを決めていきます。
漠然とした企画・設計の調査では、漠然とした情報しか集まりません。調査にあたっては、
・どんな課題を抱えているのか
・調査によって何を明らかにしたいのか
を明確にした上で、企画・設計を行うようにしましょう。
02. 調査員選定・研修
調査目的に応じて、条件に当てはまる調査員を選定します。例えば、20代~30代の主婦の意見を集めることが目的の調査であれば、この基準に当てはまる調査員を選定します。
その後、調査項目などに応じて研修を行います。研修にかかる期間としては、2週間程度が一般的です。
03. 調査
実際に調査を行います。調査に必要な期間としては、調査項目や調査回数、調査規模によって異なるものの、最低でも2週間~という調査会社がほとんどです。
04. 分析・レポート
調査結果を分析し、レポート作成します。また、調査会社によっては、分析結果を踏まえた上で具体的な改善案の作成・提案も行います。分析・レポートにかかる期間としては、2週間が目安となります。
覆面調査の種類
覆面調査には、大きく分けて以下の3種類があります。接客調査
接客調査では、一般客に扮した調査員が店舗を訪れ、実際に接客・サービスを受けながら、従業員の接客態度や店舗の清潔度などを調査します。なお、接客調査は自社の店舗に加えて、競合他社の店舗でも行うことがあります。競合他社の強みを分析することで、自社の強み・弱みをより明確に把握することが可能です。店頭調査
店舗調査では、一般客に扮した調査員が店舗を訪れ、商品の陳列状態や販売価格、POPの設置状況などを調査します。主に、店舗での自社製品の売られ方・扱われ方や、希望価格どおりに販売されているかどうかを把握する目的で、メーカーが依頼することが多い調査です。ミステリーコール・電話調査
ミステリーコールは、一般客に扮した調査員がコールセンターなどに実際に電話を掛けて行う調査です。オペレーターの接客態度やマナーの実態、オペレーターごとの接客品質の差などを把握する目的で行われます。覆面調査会社(ミステリーショッパー)に関するよくある質問
Q1. 覆面調査(ミステリーショッピング)の費用相場は?
ミステリーショッピングの相場としては、1店舗あたり2万円~5万円程ですが、調査規模や調査項目の多さ、オプションの有無などによって、具体的な金額は変わってきます。一般的には、調査規模が大きければ大きいほど・調査項目が多ければ多いほど調査費用は高くなります。
また、「店舗を訪れる50代の独身男性」の声が知りたい場合など、使える調査員に制限がある場合も同様に調査費用は高くなります。
Q2.覆面調査(ミステリーショッピング)を依頼するときの注意点は?
ミステリーショッピングは、現場スタッフから本部による「粗探し」のように思われがちです。また、たまたま新人スタッフの研修を行っていたことを知らないショッパーが新人スタッフに対して辛口のコメントを残し、新人スタッフのモチベーションが下がってしまう、といったリスクもあります。
そのため、ミステリーショッピングを依頼する際には、ミステリーショッピングを実施する理由について現場スタッフにきちんと説明する必要がありますし、場合によっては、ネガティブな調査結果をできるだけポジティブな表現で現場スタッフに伝える、といった工夫も必要です。
また、ミステリーショッピングを実施したことで満足し、やりっぱなしになってしまわないように注意しましょう。
せっかくコストを払って調査をしたのであれば、その結果を有効に活かしたいもの。調査の結果明らかになった課題について、その課題を改善するためにはどうすればいいのかについて検討し・必要な対策を実行するという一連のプロセスを行ってこそ、ミステリーショッピングを実施する意味があります。
さらに、ミステリーショッピングのレポートの扱い方についても注意が必要です。例えば、調査の結果顧客満足度が高いことが分かった店舗が、実は売り上げや従業員満足度は他の店舗よりも低かったなど、ミステリーショッピングの結果と店舗の実態に乖離があるケースは珍しくありません。
また、ミステリーショッピングの結果顧客満足度が低いことが分かったが、その原因は従業員の接客品質や店舗の雰囲気ではなく周辺環境の変化だった、というケースもあります。
ミステリーショッピングを行う際には、調査結果を鵜のみにせず、従業員の声や周辺環境の変化といった他のファクターを加味した上で総合的に判断する必要があります。
覆面調査会社(ミステリーショッパー)の利用を考えている方は、本ページに掲載している「覆面調査会社(ミステリーショッパー)の早見表」をご覧ください。
覆面調査会社(ミステリーショッパー)のまとめ
利用客のリアルな声を集めたり、競合店の強みを分析したり…といった、さまざまな目的で行われるミステリーショッピング。自社の課題やニーズに合った仕方で実施すれば高い効果が得られるミステリーショッピングですが、他方で、「とにかくやればいい」という調査ではありません。目的や動機が漠然としたまま実施しても、漠然とした情報しか集まらないからです。
ミステリーショッピングによって自社の課題を整理し、具体的なアクションに繋げるためには、自社のニーズにあったミステリーショッパーを選ぶことが不可欠であると言えるでしょう。 ミステリーショッパー選びで迷ったら、ぜひこのページを役立てて下さい。
- 免責事項
- 本記事は、2023年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。