ターゲティングとは?STP分析での決め方・手法と成功事例をわかりやすく解説
最終更新日:2026年03月11日
ここでは、マーケティングの基礎となるSTP分析の「ターゲティング」について説明していきます。ターゲティングの重要性や考え方への理解を深めると、効率的なWeb集客を実施できるようになるでしょう。
STP分析の中でターゲティングがどのような意味を持つか、その重要性や考え方への理解を深めることにより、マーケティング戦略の立案と実行に役立ちます。
また、「対面営業の機会が減って新規リードの獲得が難しい」「自社にマッチした広告媒体がわからない」「BtoB向けのマーケティング手法が知りたい」という方にキャククルが推奨したい、「ポジショニングメディア」という反響重視の集客施策も紹介します。この施策はSTP分析の「P」にあたるポジショニングに則したマーケティング施策です。
ポジショニングメディアを導入した企業では、「商談率の8割超え」や「受注単価の2.5倍アップ」という成果が上がっています。従来のマーケティング施策で効果が得られなかった方はぜひこちらもご覧ください。
ターゲティングとは、マーケティングにおいて自社の商品やサービスを届けるべき市場・顧客層を絞り込む戦略プロセスです。STP分析ではセグメンテーション(S)で市場を細分化した後、ターゲティング(T)で最も成果が見込める市場を選び、ポジショニング(P)で競合との立ち位置を決めます。本記事では、ターゲティングの基本から6Rフレームワーク、3つの手法、実践手順、成功事例まで、実務で活かせる知識を体系的に解説します。
STP分析におけるターゲティングとは

ターゲティングとは、「狙う市場を決める」「商品を売り込む対象を絞り込む」ことを指しています。消費者ニーズの多様化やデジタル化が進む現在、これまで以上にターゲティングの重要度が増しています。
例えば、健康志向の高まりとともに拡大した微アルコール飲料市場は、「飲酒の習慣が少ない層」というターゲットを明確にしたことで急成長を遂げました。
ターゲティングで商品を売り込む対象を明確にすれば、マーケティング施策の方向性がぶれません。いくら優れた商品でも、ターゲットのニーズに合致していなければ、利益を出すのは難しいものです。
STP分析ではセグメンテーション(S)で市場を細分化した後、ターゲティング(T)で狙うべき市場を選定します。マーケティング施策を打つ前には、このターゲティングを適切に行う必要があります。
ターゲティングの重要性とそのメリット
仮に、ターゲティングを行わないでプロダクトを市場に出した場合を考えてみましょう。
誰に・どんな商品やサービスを届けたいかが明確でないため、不要と判断されてしまったり、ニーズのある場所に届かなかったりします。そうなれば、その商品・サービスは利益を出せずに失敗に終わってしまうことになります。
BtoBにしても、BtoCにしても、製品や情報があふれている現在、消費者も顧客も比較検討することが当たり前になっています。ターゲティングを行うことで、市場のどこにニーズがあるのかを発掘して絞り込むことが可能になります。
例えば、ノンアルコール飲料を普段から飲酒の習慣がある人に向けて販売したとしたらどうでしょうか。「お酒」を飲みたいニーズに適っていないので売れないはずです。
しかし、飲酒はしないけどお酒の席で楽しみたい・お酒を控えるためのステップとして利用したいニーズであれば、ジュースとはまた違うノンアルコール飲料が求められるはずです。健康志向の高まりによってノンアルコールや微アルコール飲料の市場は飲食店でも広がりを見せています。
このように、ターゲティングすることで市場のニーズを把握すれば、売りたいものやサービスを、それを欲しいと思っているユーザーに適切に届けられます。また、ニーズに合わせたプロダクト開発が的外れになるリスクも軽減できます。
既存の市場でシェアを獲得するのは簡単ではありませんが、後発企業でもターゲティングがうまくいけば、成功の可能性が高まります。さらに新規市場を開拓することも可能な点からも、ターゲティングの重要性や効果といったものがわかっていただけるのではないでしょうか。
ターゲティングのメリット
ターゲティングのメリットは、投資回収や市場の拡大が、無差別式のマーケティングに比べて容易になる点があげられます。
仮に、ターゲティングを一切しない無差別型マーケティングを行うと、全消費者に向けて商品やサービスを販売することになります。そうなると、あまたの競合がひしめく中では、自社の情報がピンポイントで消費者に届くとは考えにくく、良いものなのに売れないといった状況に陥ってしまうでしょう。
いくら大企業で資本が多くても、買手がつかなければ市場を拡大させるのは至難の業です。ニーズのあるところに売らない、ニーズを考慮しない平均的な商品を売り出すようなことがないように、ターゲティングをしっかり行うことが重要です。
売れるものを売れる市場に上市するわけですから、投入した資金の回収や市場開拓・拡大などが図れます。
なお、STP分析全体の進め方や基礎知識については以下の記事で体系的に解説しています。
ターゲティングの3つの手法
ターゲティングには大きく分けて3つのアプローチがあります。STP分析でセグメンテーションを行った後、どの手法で市場にアプローチするかを決めることが重要です。自社のリソースや商品特性に合わせて最適な手法を選びましょう。
無差別型マーケティング
セグメントの違いを無視し、全市場に同一の商品・メッセージで展開する手法です。大量生産・大量販売でコストメリットを活かせる反面、競合との差別化が難しくなります。
日用品や食品など、ほぼすべての消費者が対象となる商品に適しています。ただし、莫大な広告予算と販売網が必要なため、大企業向きの戦略といえます。
差別型マーケティング
複数のセグメントそれぞれに合わせた商品やメッセージを展開する手法です。各セグメントのニーズに細かく対応できるため顧客満足度が高まりやすく、中〜大企業が複数ブランドを展開する際によく採用されます。
例えば、自動車メーカーがファミリー向け・若者向け・高級志向向けと複数の車種ラインナップを持つのは、差別型マーケティングの典型です。
集中型マーケティング
特定の1つまたは少数のセグメントに経営資源を集中させる手法です。限られた予算でもニッチ市場で高いシェアと利益率を確保できるため、中小企業やスタートアップに適しています。
ただし、狙ったセグメントの市場が縮小した場合のリスクが大きい点は考慮が必要です。特定の業種や用途に特化したBtoB企業が、この手法で成功している例は多くあります。
ターゲティングは「6Rのフレームワーク」で考える

ターゲティングの重要性がわかったところで、早速ターゲティングの方法を学んでいきましょう。
ターゲティングを行う際は、「6Rのフレームワーク」を活用するのがおすすめです。
6Rとは何かを以下にそれぞれ解説していきます。
1. 市場規模:Realistic scale
狙う市場を決めるうえで、市場規模を考慮するのは大切なポイントです。特に、ニッチな市場を狙う際は、利益につながる市場かどうか、投資回収ができる市場かどうかを見極めなければなりません。採算が取れない市場は、リスクが高いので注意が必要です。
具体的には、政府統計や業界レポート、競合他社の売上規模などから、ターゲット市場のTAM(Total Addressable Market)を概算しておくと良いでしょう。
2. 市場の成長性:Rate of Growth
市場が成長する見込みがなければ、シェアの拡大は見込めないでしょう。また、今市場が大きくても、これから市場が縮小していく見通しなら、将来的に赤字になるリスクもあります。投資するだけの価値がある市場か見極めたうえで、狙う市場を絞り込みましょう。
3. 優位性:Rank
優位性を見極めて、狙う市場を決めなければ、自社の強みを活かしきれません。自社の力を発揮できる市場を狙ったり、広告やSNSでの集客効果が大きい市場に照準を定めたりすると良いでしょう。
4. 到達可能性:Reach
その市場を狙って、商品やサービスが顧客にきちんと到達するかどうかを見極めます。商品やサービスが届かないなど、物理的に到達しない場合は、マーケティングに力を入れても利益率を上げるのは難しいでしょう。
BtoBであれば、ターゲット企業がどのチャネルで情報収集しているか(展示会・業界メディア・Web検索など)を把握し、そのチャネルで自社情報を届けられるかがポイントです。
5. 競合状況:Rival
狙う市場を決める際は、競合が少ないほど利益の向上が見込めます。競合が多いほど価格競争が激化し、投資回収が難しくなります。市場や競合を調査し、競合と差別化を図れるかどうかを検討しましょう。
6. 測定可能性:Response
市場を狙う際は、マーケティング施策の効果を測定できる市場だと、効率的に販売や集客を行えるようになります。集客施策の効果測定ができない市場だと、どんなマーケティングに力を入れて良いかが不明瞭なため、事業の継続やシェアの拡大を図るのは至難の業です。
WebマーケティングであればGoogle Analyticsや広告管理ツールで反応を可視化できますが、オフライン施策が中心の市場では測定方法を事前に設計しておく必要があります。
6Rを使うときのポイント
6Rの6つの要素はすべてが同じ重要度とは限りません。自社の事業特性に応じて、どのRを重視するかの優先順位を決めておくと、スムーズにターゲット市場を選定できます。
ターゲティングの実践手順3ステップ
6Rの考え方を踏まえ、STP分析の中でターゲティングを実際に進める手順を解説します。
Step1:セグメンテーション結果を整理する
まず、セグメンテーションで分類した各セグメントを一覧化します。各セグメントの特徴・規模感・成長性をるべく定量的に整理したうえで、次のステップに進みましょう。この段階が曖昧だと、ターゲティングの判断基準がぶれてしまいます。
Step2:6Rで評価・優先度を付ける
各セグメントを6Rの観点でスコアリングし、優先度を可視化します。たとえば、各Rを5段階で評価し、合計スコアが高いセグメントを優先ターゲットとする方法が効果的です。感覚ではなく、数値で比較することで社内合意も得やすくなります。
Step3:ターゲット像をペルソナ化する
選定したセグメントの代表的な顧客像を、年齢・役職・課題・情報収集行動などを具体的に記述したペルソナに落とし込みます。ペルソナがあると、商品開発・広告クリエイティブ・営業トークのすべてで「誰に届けるか」の共通認識が生まれ、マーケティング施策の精度が大きく向上します。
ターゲティングでよくある3つの失敗と対策
ターゲティングは正しく行えばマーケティングの精度を大幅に高めますが、以下のような失敗パターンに陥るケースもあります。STP分析を行う際の注意点として押さえておきましょう。
1. ターゲットが広すぎて誰にも刺さらない
「できるだけ多くの人に売りたい」という思いからターゲットを広く取りすぎると、メッセージが薄まり、どの顧客層にも響かないという結果になります。STP分析のセグメンテーションで細分化した意味がなくなってしまうため、勇気を持って絞り込むことが大切です。
2. 自社の強みと合わないターゲットを選ぶ
市場が大きい・成長性が高いという理由だけでターゲットを選ぶと、自社のリソースや強みが活かせない市場で戦うことになります。6Rの「優位性(Rank)」を重視し、自社が競合に対して勝てる市場かどうかを慎重に見極めましょう。
3. 一度決めたターゲットを見直さない
市場環境や消費者ニーズは常に変化します。発売時のターゲティングが数年後も有効とは限りません。定期的に市場データを確認し、ターゲットの妥当性を検証することで、マーケティング施策の陳腐化を防げます。
ターゲティングで成功した好例
ターゲティングの事例を見ると、よりイメージがとらえやすいかもしれません。異なる業界・異なるアプローチで3つの成功事例を紹介します。
アサヒビール株式会社「アサヒ ビアリー」

アサヒビール株式会社は、アルコール度数0.5%の「アサヒ ビアリー」を2021年3月に発売しています。アサヒビールでは、市場を「お酒を飲む人・飲まない人・飲める人・飲めない人・飲みたい時・飲めない時・あえて飲まない時」と細分化。
飲み方の選択肢の幅を広げることで、多様性を受容できる社会を目指しています。
そこで、選択肢の幅を広げる取り組みの1つとして販売されたのが、微アルコール商品です。体質や気分によってあえてお酒を飲まない人が増える中、あえて飲まない人・少量しか飲まない人向けの商品を販売しています。
従来はお酒を飲むか飲まないかの2択しかなく、ノンアルコールでは物足りなく感じていた人達が一定数存在しました。そこで、アルコール特有の旨味を感じられる商品を売り出すことで、飲みたいけれど気分や体調によって飲めない人達の需要を満たすのに成功しています。
発売以降、微アルコールカテゴリーは飲食店でも広がりを見せ、級が提供できない場面での代替需要も取り込み、市場は着実に拡大しています。ターゲティングで適切な市場を狙うことで、シェアの拡大が図れるという好例です。
参照元:ニュースイッチ(https://newswitch.jp/p/29356)
ワークマン — 「アウトドア×低価格」で新市場を開拓
ワークマンはもともと作業服専門店でしたが、STP分析により「高機能だが低価格のアウトドアウェアを求める層」という未開拓のセグメントを発見しました。
アウトドアブランドは高価格帯、ファストファッションは機能性が低いという市場の空きに着目し、作業服で培った耐久性・機能性の技術をアウトドア市場に転用しました。「ワークマンプラス」として店舗をリブランディングし、一般消費者向けの集客に成功。ターゲティングの変更によって新市場を切り拓いた好例です。
Slack — 「チーム単位の導入」で急成長
BtoBのターゲティング成功例として注目すべきは、ビジネスチャットツールのSlackです。Slackは「全社導入」ではなく「チーム単位での導入」をターゲットにしました。
大企業のIT部門に売り込むのではなく、現場の小規模チームが無料で使い始め、便利さを実感してから全社に広がるというボトムアップ型の普及戦略を採用。「意思決定が早い小規模チーム」というセグメントにターゲティングを絞ったことが、急速な成長の鍵となりました。
ターゲティングとポジショニング
ターゲティングで狙う市場を決めるのも重要ですが、市場の細分化や市場内でのポジションを確立することも考える必要があります。STP分析ではターゲティングの後にポジショニングを行い、競合との立ち位置を明確にします。ポジショニングの詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
ここで製品やサービスのポジションを確立させられる集客施策を紹介していきます。
自社にマッチするターゲットだけを狙える集客戦略「ポジショニングメディア」
詳細についてはお問い合わせください
Zenkenが提供するポジショニングメディアは、まさにSTP分析のPに当たる部分で、狙う市場のどの位置に自社がいるのか明確にする手法です。
自社にマッチングしたターゲットだけを狙えるポジショニングメディアは、自社と相性の良い顧客を集中的に集客できるため、客単価や受注率のアップが期待できます。
ここが凄い!ポジショニングメディアの特徴
ユーザーが何らかのサービスや商品の購入を検討している時、ホームページやポータルサイトなどで情報を収集します。しかし、ある程度の知識がないと、どの商品が良いかピンと来ないという人は少なくありません。
ポジショニングメディアの良いところは、ユーザーが自分に合った商品やサービスを比較検討している中で見つけられる点にあります。自社の商品・サービスを魅力的に感じた顧客が問い合わせをしてくれるので、成約や購買につながりやすくなるという特徴があります。

実際にポジショニングメディアを導入した企業からは、
- 自社の強みに惹かれた顧客から問い合わせが来るので、商談率が8割を超えた
- 自社製品にマッチするユーザーを集客できるようになり、受注率が2.5倍に増えた
- 自社サービスの特徴を理解してくれている顧客が増え、契約までのリードタイムが3分の1まで短縮できた
といった反響が寄せられています。
対象者を限定しない無差別型マーケティングを行っていて効果が実感できない、ターゲティングを行っているけど成果が出ない場合などは、ぜひ差別化戦略型マーケティング施策である「ポジショニングメディア」の導入を検討してみてください。
このポジショニングメディアの成功事例が多数紹介されている資料が下記よりダウンロードできます。
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BtoBマーケティングにおけるターゲティングのポイント
BtoBでは、BtoCとは異なる観点でのターゲティングが求められます。購買意思決定に複数人が関わり、検討期間も長くなるため、STP分析でターゲットを決める際は以下の点を意識しましょう。
- セグメンテーションの軸:業種・企業規模・決裁フロー・導入課題などが中心となる
- 決裁者と利用者の両方を想定:導入提案する現場担当者と、最終承認する経営層では訴求ポイントが異なる
- アカウントベースド・マーケティング(ABM)の活用:特定の企業リストに集中する手法も有効
BtoB領域でのSTP分析の詳しい進め方については、以下の記事で解説しています。
BtoB STP分析の実践手順と
リード獲得への活かし方を見る
ターゲティングでよくある質問(FAQ)
Q. ターゲティングとセグメンテーションの違いは何ですか?
セグメンテーションは市場を分類する作業であり、ターゲティングは分類した中から狙う市場を選ぶ作業です。STP分析ではセグメンテーションが先、ターゲティングが後という順序で進めます。
Q. ターゲットを絞りすぎると売上が減りませんか?
絞りすぎによる市場縮小のリスクはありますが、絞り込まないことによる「誰にも刺さらない」リスクのほうが大きいのが現実です。6Rで市場規模(Realistic Scale)を確認し、採算が取れる規模かどうかを見極めましょう。
Q. STP分析のターゲティングはどのタイミングで見直すべきですか?
新規競合の参入・市場環境の変化・既存施策の効果低下が見られたときが見直しのシグナルです。少なくとも年に1回はターゲット市場の獦当性を検証し、必要に応じてターゲットを再設定しましょう。
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