BtoB企業を3C分析する際のポイント!分析で見えるものとは
最終更新日:2025年06月14日
3C分析とは
マーケティング戦略における環境分析のフレームワークを指し、主に戦略構築に活用されます。
3Cとは?
3つのCはアルファベットの頭文字を取っています。
市場や顧客を意味する「Customer」、競合を意味する「Competitor」、自社を意味する「Company」を意味します。
3つを戦略的に分析していくことで、マーケティングにおける戦略立案が可能です。これはマッキンゼーの戦略コンサルトだった大前研一氏が、自著『The Mind of Strategist』内で提唱しています。
3C分析の目的とは?
3C分析を行うことで、サービスの差別化ポイントや事業の方向性を導き出すことができます。
3C分析を用いることで自社の強みを再確認できるほか、勝つために必要な要素を導き出すことが可能です。
BtoBのサービスで3C分析を行なう際のポイント
顧客の分析が鍵
BtoBの場合、自社の顧客となる会社の3C分析を行うことが重要。なぜなら、自社売上を上げるためには、顧客に対する価値提供が必要だからです。
そして顧客にとってなにが価値ある商品・サービスなのかを考える際には、その顧客の顧客にとって価値のあるものがなにか、という点まで分析しなければわかりません。
BtoB商材の場合、顧客の顧客に対する価値を向上できるかによって、売り上げが大きく変わってきます。ただ何となく顧客の顧客を判断するのではなく、3C分析を用いてきちんと分析を行ないましょう。
3C分析を顧客の顧客まで行なう
顧客の顧客の「Customer」「Competitor」「Company」をきちんと分析することで、単なる価格競争や知名度競争ではなく、自社にとって本当に必要なサービスとして選択してもらうことが可能です。
また、顧客の顧客の現状を把握することで、付加価値を付けた提案を行うことが可能になります。やや手間が掛かると感じるかもしれませんが、自社の売上拡大のために重要な方法と理解し3C分析を実施しましょう。
3C分析の負荷<自社の利益
自社の3C分析だけでも大変にもかかわらず、他社の3C分析を実施するのは大変だと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし3Cのひとつである顧客(Customer)をしっかり理解することがBtoB分野では特に必要です。
BtoBに関わる3C分析は、自社・顧客・顧客の顧客と何重にも分析をすることで、より精度の高く、本当に価値のある分析が可能になります。
顧客の顧客を分析するためのフレームワークとテンプレート
BtoBビジネスで「顧客の顧客」までしっかり分析するには、構造的なフレームワークと具体的な質問が役立ちます。
【質問例】顧客の顧客を分析する際のヒアリング項目
- 顧客の顧客が現在抱えている課題・悩みは何か?
- 顧客の顧客が重視している評価軸・意思決定基準は?
- 顧客の顧客にとって自社・競合サービスの差はどこか?
- 顧客の顧客が今後直面する環境変化やトレンドは?
【フレームワーク図解】
自社 → 顧客 → 顧客の顧客、各階層でCustomer・Competitor・Companyを分析をする過程をイメージすると下記のような図解になります。

【テンプレートDL】
図解だけでなく、適切な3C分析をするには、テンプレートの活用が近道。顧客の顧客まで分析できる3C分析用ワークシートもご活用ください。
【業界別】BtoB 3C分析の注目ポイント早見表
| 業界 | Customer(顧客) | Competitor(競合) | Company(自社) |
|---|---|---|---|
| IT/システム | ユーザー企業の業務フロー・DX化要件 | 機能面・価格・サポート体制 | カスタマイズ力・開発スピード・導入実績 |
| 製造業 | 品質・納期・調達リスク | 国内外サプライヤー・価格競争 | 技術力・小ロット対応・安定供給 |
| コンサル | 経営課題・業界知見・費用対効果 | 大手/専門コンサル・実績・ブランド | 業界特化力・独自メソッド・スピード |
| 建設/設備 | 現場対応力・安全・納期 | 地域密着業者・大手ゼネコン | 柔軟対応・過去実績・コスト管理 |
主要BtoB業界ごとに、3C分析で重視すべきポイントを一覧でまとめました。自社業界の欄を重点的にご確認ください。
顧客の顧客を3C分析するメリット
営業活動を推進しやすくなる
BtoBの営業活動は関係者が多いだけでなく、継続的な営業活動を狙って実施される場合がほとんどです。そのため顧客の顧客にとって重要な付加価値をつけた営業活動をしやすくなったり、ソリューション営業を行いやすくなったりします。
結果的に顧客が価値を感じやすくなるため、自社にとっても有益な施策を提案できる可能性が高いのです。
顧客の競合を知ることができる
3C分析でしか意識をしにくいポイントとして、顧客の競合となる企業を洗い出すことができます。顧客がおかれている市場環境を明確に把握することで、より戦略性が高い提案を実現することが可能でしょう。
また、これらを図で表現するなどすれば、顧客の社内で営業の幅を拡大できる可能性が高くなります。このような工夫を重ねていくことで、顧客との良好な関係性を築いていけるようにしましょう。
BtoBならではの3C分析の注意点を活かす
BtoB領域で3C分析を行う場合は、顧客の顧客まで分析の必要があるということを理解している人はあまり多くありません。
一歩踏み込んだ分析を行うことで、他社との差別化や、顧客にとって本当に価値のある商品・サービスの提供が可能になります。
BtoB 3C分析でよくある失敗と注意点
BtoBでの3C分析は複雑化しやすく、以下のような失敗例が多く見受けられます。
【失敗例1】顧客ヒアリングが浅いまま戦略を策定
「顧客の顧客」や現場担当者までヒアリングせず、机上の空論になってしまい、提案が現場ニーズとずれてしまう。
【失敗例2】意思決定者・関与者を見誤る
BtoBでは購買決定に複数の部署や役職者が関わることが多く、カバー範囲が狭いと見当違いな分析になることも。
【失敗例3】競合調査が表面的
顧客が本当に比較・検討している競合を調査せず、一般的な大手企業だけを調べてしまうミス。
【チェックリスト】BtoB 3C分析の精度を高めるポイント
- 顧客だけでなく「顧客の顧客」の意見もヒアリングしたか
- 意思決定者・現場担当者・経営層の視点を分けて分析したか
- 顧客が実際に比較検討している競合を特定できているか
- 分析結果が施策・提案内容に具体的に落とし込まれているか
このミスを続けないためにも3C分析の手法をしっかりおさらいして、正しい3C分析を実行しましょう。
もし市場環境の分析行いたいとお考えでしたら、こちらのワークシートもご活用ください。
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