露光装置は、半導体前工程のEUV・DUV露光装置だけでなく、MEMS、化合物半導体、先端パッケージ、プリント基板、研究開発向けのマスクアライナーやマスクレス露光装置まで幅広い装置を含みます。
メーカーを比較するときは、対象ワーク、露光方式、必要な線幅、重ね合わせ精度、量産性、前後工程との接続条件を分けて確認することが重要です。
露光装置メーカー20選の比較表
対応用途・対象ワーク、露光方式・装置領域、向いている導入目的をもとに比較しています。実際の対応可否や装置仕様は、対象サンプルや工程条件によって変わるため、各社へ確認してください。
| 会社名 | サービスの特徴 | 対応用途・対象ワーク | 露光方式・装置領域 | 向いている導入目的 |
|---|---|---|---|---|
|
ASML |
EUV・DUV露光装置を中心に前工程リソグラフィを支える大手メーカー |
半導体前工程、EUV露光、DUV露光、量産ライン向けリソグラフィ
|
EUVスキャナー、DUVスキャナー、ArF液浸、KrF、i線、計測・検査との連携
|
先端ロジック、メモリ、量産前工程で露光工程を構築したい企業
|
|
ニコン |
DUV・i線・MEMS・先端パッケージ向けまで幅広い半導体露光装置を展開 |
半導体露光装置、DUV、i線、MEMS、LED、パッケージング
|
ステッパー、スキャナー、デジタルリソグラフィ、アライメント・計測関連
|
前工程だけでなくMEMS・LED・パッケージング用途の露光装置も比較したい企業
|
|
キヤノン |
ウェーハ・パネル向けの半導体露光装置を展開 |
半導体露光装置、ウェーハプロセス、パネルプロセス、FEOL・BEOL
|
ステッパー、スキャナー、ナノインプリント、ウェーハ・パネル対応
|
半導体ウェーハ、パネル、後工程を含めて露光方式を比較したい企業
|
|
ウシオ電機 |
光源・光学技術を活かした大面積・パッケージ向け露光装置を展開 |
プロキシミティ露光、プロジェクション露光、ロールtoロール、先端パッケージ
|
UVランプ、UV-LED、光学系、大面積投影、フレキシブル基板向け露光
|
パッケージ、FPC、フィルム基板、大面積ワークの露光工程を検討したい企業
|
|
オーク製作所 |
電子回路基板・フレキシブル基板向けダイレクト露光装置を展開 |
電子回路基板、フレキシブル基板、ダイレクト露光、先端パッケージ
|
ダイレクト露光、ロールtoロール、マスクレス露光、基板露光データ編集
|
基板・FPC・先端パッケージの試作や量産でマスクレス化を検討したい企業
|
|
SCREENセミコンダクターソリューションズ |
先端パッケージリソグラフィと露光前後工程の装置群を展開 |
先端パッケージリソグラフィ、塗布・現像、洗浄、計測・検査
|
Coat/Develop Track、Advanced Packaging Lithography、表面処理装置群
|
露光単体ではなく、塗布・現像・洗浄・検査まで工程単位で検討したい企業
|
|
SUSS MicroTec |
研究開発から量産まで対応するマスクアライナーを展開 |
マスクアライナー、MEMS、先端パッケージ、研究開発
|
コンタクト露光、プロキシミティ露光、両面アライメント、300mm基板対応
|
MEMS、パワーデバイス、先端パッケージのマスクアライメントを検討したい企業
|
|
EV Group |
マスクアライナーとマスクレス露光を組み合わせたリソグラフィ装置を展開 |
マスクアライナー、マスクレス露光、MEMS、先端パッケージ、研究開発
|
コンタクト露光、プロキシミティ露光、光リソグラフィ、UV-LED、300mm基板対応
|
研究開発から自動化ラインまで、柔軟な光リソグラフィ装置を検討したい企業
|
|
Heidelberg Instruments |
マスクレスレーザーリソグラフィとダイレクト描画装置を展開 |
マスクレスリソグラフィ、レーザーダイレクト描画、ナノ・マイクロ加工
|
Maskless Aligner、Direct Write Lithography、レーザー描画、グレースケール露光
|
フォトマスクなしで試作・研究開発・微細加工を進めたい企業や研究機関
|
|
Raith |
高精度な電子ビームリソグラフィ装置を展開 |
電子ビームリソグラフィ、ナノ加工、研究開発、先端デバイス試作
|
電子ビーム描画、ナノパターニング、自動化、SEM/FIB-SEM連携
|
光リソグラフィでは難しい微細パターンを研究開発で形成したい企業や研究機関
|
|
ニューフレアテクノロジー |
フォトマスク製造を支える電子ビームマスク描画装置を展開 |
電子ビームマスク描画装置、フォトマスク、先端半導体
|
マルチ電子ビーム、可変成形電子ビーム、マスク描画、データ処理
|
先端半導体向けフォトマスクの描画工程を検討したい企業
|
|
日本電子 |
研究開発・マスク描画向けの電子ビーム描画装置を展開 |
電子ビーム描画装置、半導体研究開発、マスク・レチクル描画
|
可変成形電子ビーム、スポットビーム、ウェーハ直接描画、マスク描画
|
研究開発や微細パターン形成で電子ビーム描画を検討したい企業・研究機関
|
|
Veeco |
先端パッケージ向けリソグラフィシステムを展開 |
先端パッケージ、TSV、シリコンインターポーザー、LED、MEMS、パワーデバイス
|
AP200/300 Lithography Systems、ステッパー、アライメント、量産対応
|
銅ピラー、ファンアウト、TSVなど後工程・パッケージ用途の露光を検討したい企業
|
|
大日本科研 |
化合物半導体・MEMS・フィルム・FPD向け露光装置を幅広く展開 |
化合物半導体、MEMS、フィルム、FPD、研究開発、200mm・300mm対応
|
マスクアライナー、マスクレス露光、プロキシミティ露光、Roll to Roll
|
研究開発から量産まで、用途別に露光装置を相談したい企業
|
|
ピーエムティー |
半導体ウェーハ向けのマスクレス露光装置を展開 |
マスクレス露光、半導体ウェーハ、ミニマルウェーハ、試作・研究開発
|
DMD、LED光、グレースケール露光、三次元加工、全自動焦点・アライメント
|
フォトマスクを作らずに試作や少量多品種のパターン形成を行いたい企業
|
|
ナノシステムソリューションズ |
LED・半導体レーザーを用いたマスクレス露光装置を展開 |
マスクレス露光、半導体デバイス、マイクロ流路、発光素子、研究開発
|
ステップ&リピート、スキャニング、LED、半導体レーザー、TTLアライメント
|
デバイス開発や少量多品種ラインでマスクレス露光を検討したい企業
|
|
Kloe |
マスクアライナーからダイレクトレーザー描画まで幅広いフォトリソグラフィ装置を展開 |
マスクアライナー、マスクレス露光、ダイレクトレーザー描画、3Dマイクロ加工
|
UV-LEDマスクアライナー、レーザーダイレクト描画、マスクレスリソグラフィ
|
研究開発、マイクロ流体、MEMS、フォトニクスで柔軟な微細加工を行いたい企業・研究機関
|
|
Neutronix Quintel |
研究開発・生産用途のマスクアライナーを展開 |
マスクアライナー、MEMS、先端パッケージ、研究開発、生産用途
|
UV-LED露光、マスクアライメント、コンタクト露光、各種基板対応
|
R&Dから量産まで、価格帯や機能別にマスクアライナーを比較したい企業
|
|
OAI |
卓上型から大型光源までUV露光・マスクアライナーを展開 |
マスクアライナー、UV露光システム、研究開発、パイロット生産
|
卓上型マスクアライナー、UV光源、近紫外・深紫外、LED光源対応
|
研究開発や限定生産で扱いやすいマスクアライナーを導入したい企業・研究機関
|
|
ABM-USA |
マスクアライナーと露光システムを扱うフォトリソグラフィ装置メーカー |
マスクアライナー、露光システム、研究開発、小規模生産
|
マニュアル・セミオート・フルオート、コンタクト露光、UV露光
|
研究開発や小規模生産でシンプルなマスクアライナーを比較したい企業・研究機関
|
露光装置メーカー20選の詳細
露光装置メーカーの選び方
露光装置は、半導体前工程のステッパーやスキャナーだけを指すとは限りません。先端パッケージ、MEMS、化合物半導体、プリント基板、フレキシブル基板、研究開発では、マスクアライナー、マスクレス露光、電子ビーム描画、ダイレクト描画などが候補になります。
メーカーを比較するときは、まず「どのワークに、どの線幅で、どの生産量で、どの方式で露光するのか」を整理する必要があります。会社名だけで候補を並べると、前工程の量産装置、基板向け露光装置、研究開発用のマスクアライナーが混在し、導入判断がしにくくなります。
露光装置の主な種類
| 装置の種類 | 主な用途 | 候補になる工程 |
|---|---|---|
| ステッパー・スキャナー | マスクパターンをウェーハへ高精度に転写 | 半導体前工程、量産ライン、MEMS、LED |
| EUV・DUV露光装置 | 微細な回路パターン形成 | 先端ロジック、メモリ、前工程量産 |
| マスクアライナー | マスクと基板を位置合わせして露光 | MEMS、化合物半導体、研究開発、少量生産 |
| マスクレス露光装置 | フォトマスクを使わず、データから直接パターン形成 | 試作、少量多品種、先端パッケージ、マイクロ流路 |
| ダイレクト露光装置 | 基板やフィルムへ直接描画 | プリント基板、FPC、パッケージ基板、Roll to Roll |
| 電子ビーム描画装置 | 電子ビームで微細パターンを描画 | フォトマスク製造、ナノ加工、研究開発 |
対象ワーク別に候補メーカーを分ける
| 対象ワーク | 候補になりやすい装置 | 候補メーカー例 |
|---|---|---|
| 先端半導体ウェーハ | EUV・DUVスキャナー、ステッパー | ASML、ニコン、キヤノン |
| MEMS・LED・化合物半導体 | i線ステッパー、マスクアライナー、マスクレス露光 | ニコン、SUSS MicroTec、EV Group、大日本科研 |
| 先端パッケージ・TSV・インターポーザー | パッケージ向けリソグラフィ、大面積露光、ダイレクト露光 | ウシオ電機、オーク製作所、Veeco、SCREENセミコンダクターソリューションズ |
| プリント基板・FPC・フィルム | ダイレクト露光、Roll to Roll露光、プロキシミティ露光 | オーク製作所、ウシオ電機、大日本科研 |
| 研究開発・試作 | マスクアライナー、マスクレス露光、電子ビーム描画 | Heidelberg Instruments、Raith、日本電子、ピーエムティー、ナノシステムソリューションズ |
| フォトマスク製造 | 電子ビームマスク描画装置 | ニューフレアテクノロジー、日本電子、Raith |
半導体前工程向け露光装置の選び方
半導体前工程では、解像度、オーバーレイ精度、スループット、既存ラインとの互換性、レジスト・プロセス条件、計測・検査との連携が重要です。先端ロジックやメモリではEUV・DUV露光装置が中心になりますが、すべての工程で高精度な露光装置が必要になるわけではありません。
成熟ノード、MEMS、パワーデバイス、センサーでは、i線ステッパーや既存プロセスに適した装置が候補になります。露光方式を決める前に、線幅、重ね合わせ精度、ウェーハサイズ、量産枚数、既存装置との工程互換性を整理しましょう。
先端パッケージ・基板向け露光装置の選び方
先端パッケージや基板向けでは、前工程と同じ評価軸だけでは判断できません。ワークサイズ、反り、厚み、材料、露光面積、アライメント方法、配線の微細化、設計変更への対応が重要になります。
フォトマスクを使う方式は量産時の安定性に強みがあります。一方で、マスクレス露光やダイレクト露光は、設計変更や試作サイクルを短縮しやすく、少量多品種や開発用途に向きます。導入目的が量産なのか、試作・開発なのかで候補メーカーを分けるべきです。
マスクアライナーとマスクレス露光装置の違い
マスクアライナーは、フォトマスクと基板を位置合わせして露光する装置です。MEMS、化合物半導体、研究開発、小ロット生産などで使われます。装置構成は比較的シンプルですが、マスク作製が必要になるため、設計変更が多い開発フェーズではリードタイムが課題になることがあります。
マスクレス露光装置は、フォトマスクを使わず、CADデータや描画データから直接パターンを形成します。試作や少量多品種では柔軟ですが、量産スループット、描画エリア、解像度、重ね合わせ精度は装置ごとに差があります。フォトマスク費用だけでなく、描画時間と量産性も含めて比較しましょう。
電子ビーム描画装置・マスク描画装置の位置づけ
電子ビーム描画装置は、光リソグラフィ装置とは役割が異なります。ウェーハへ直接描画する研究開発用途と、露光工程で使うフォトマスクを製造するマスク描画用途があります。
フォトマスク製造では、描画精度、データ処理能力、位置精度、長期安定性が重要です。研究開発では、対応線幅、描画面積、ステージ精度、装置予約・運用体制まで含めて判断する必要があります。
露光装置メーカーを比較するポイント
| 比較項目 | 見るべき内容 |
|---|---|
| 対象ワーク | ウェーハ、パネル、パッケージ基板、FPC、MEMS、化合物半導体、研究用サンプルに対応するか |
| 露光方式 | EUV、DUV、i線、コンタクト、プロキシミティ、マスクレス、電子ビームのどれか |
| 解像度・重ね合わせ精度 | 必要な線幅、位置合わせ精度、基板の反りや厚みに対応できるか |
| スループット | 研究開発向けか量産向けか、必要な処理枚数を満たせるか |
| データ対応 | GDSII、DXF、Gerberなど必要なフォーマットに対応するか |
| 前後工程との連携 | 塗布、現像、洗浄、検査、計測、搬送、MESとの接続を考慮できるか |
| サポート体制 | 国内保守、海外サポート、部品供給、立ち上げ支援、プロセスサポートの範囲 |
導入前に整理すべき仕様
露光装置は、問い合わせ時点で仕様が曖昧だと、メーカーごとの比較が難しくなります。候補メーカーに相談する前に、対象ワーク、線幅、重ね合わせ精度、露光面積、生産量、既存工程、前後工程との接続条件を整理しておきましょう。
- 対象ワークの種類、サイズ、厚み、材質、反りの有無
- 必要な線幅、解像度、重ね合わせ精度
- 研究開発、試作、小ロット、量産のどの用途か
- フォトマスクを使うか、マスクレスで進めるか
- 使用するレジスト、露光波長、現像条件
- CAD・描画データ形式、データ変換の有無
- 塗布・現像・洗浄・検査・計測との工程接続
- クリーンルーム、搬入経路、ユーティリティ、保守体制
- サンプルテストで確認する良品条件とNG条件
露光装置メーカーに関するFAQ
露光装置メーカーは半導体前工程向けだけを比較すればよいですか?
いいえ。半導体前工程向けのEUV・DUV装置と、MEMS・化合物半導体向けのマスクアライナー、基板向けのダイレクト露光、研究開発向けのマスクレス露光では候補メーカーが変わります。まず対象ワークと工程を分けて比較しましょう。
マスクレス露光装置は量産にも使えますか?
用途によります。試作や少量多品種では、フォトマスク作製を省けるため有効です。一方で、量産では描画速度、露光面積、位置合わせ精度、歩留まり、前後工程との接続が重要になります。量産利用を前提にする場合は、サンプルテストだけでなく実運用時のスループットを確認しましょう。
露光装置と描画装置は同じですか?
同じ文脈で使われることもありますが、厳密には役割が異なります。露光装置はマスクパターンや描画データを基板に転写する装置です。電子ビーム描画装置は、フォトマスクを作る工程や研究開発で微細パターンを直接描く用途で使われます。
露光装置の費用はどこで変わりますか?
露光方式、対応ワークサイズ、解像度、アライメント精度、自動化レベル、搬送機構、光源、データ処理、前後工程との連携、保守契約で変わります。装置本体だけでなく、設置環境、フォトマスク費用、レジスト条件、評価用サンプル、立ち上げ支援費も含めて比較する必要があります。
関連する製造業向け記事
露光工程は、検査・計測工程や製造装置選定とも密接に関わります。半導体検査装置や表面欠陥検査、製造業向け展示会の記事もあわせて確認すると、導入候補を整理しやすくなります。
露光装置メーカーのまとめ
露光装置メーカーを比較するときは、会社規模や知名度よりも、対象ワーク、露光方式、必要な線幅、重ね合わせ精度、量産性、前後工程との接続条件を先に整理することが重要です。
半導体前工程ではEUV・DUV露光装置、MEMSや化合物半導体ではマスクアライナー、試作や少量多品種ではマスクレス露光、フォトマスク製造やナノ加工では電子ビーム描画装置が候補になります。自社の工程と用途を分けたうえで、サンプルテストと導入後の運用条件まで含めて比較しましょう。
- 免責事項
掲載内容は2026年6月時点で確認した公式サイト、製品ページ、メーカー情報をもとにしています。装置仕様、対応ワーク、露光方式、対応サイズ、サンプルテスト、保守範囲は変更される場合があります。詳細は各社公式サイトまたは問い合わせで確認してください。
