健康管理システムとは、従業員の健康管理やそれに伴う事務作業を効率化するためのITシステムです。健康診断の予約や未受診者へのリマインド、産業医との面談記録など…様々な事務作業をデジタル化することで、健康状況を把握・管理しやすくなります。
このページでは、おすすめの健康管理システムについて、特徴や機能性、費用などを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
会社名 | サービスの特徴 |
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HoPEヘルスケア |
健康課題を解決へと導く!保健師や臨床心理士等160名の専門家による支援
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WellGo |
多数の導入実績で培われた強固なセキュリティと対応力
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ハピネスパートナーズ |
医療DX推進の大手が提供!健康経営の本質的な改善を支援
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FiNC for BUSINESS |
在宅ワークでもアプリで手軽に健康増進 |
WELSA |
健康改善プログラムまでワンストップで提供 |
HealthCare iris |
健康管理の効率化で業務負担を軽減 |
健診クラウド |
シンプルな機能で使いやすさと低価格を実現 |
Dr.CHECK |
オンライン対応で支社や営業所も一括管理 |
Beatfit for Biz |
従業員の運動不足を解決した導入実績あり |
OHME |
従業員自らチャットで健康相談できるアプリ |
newbie |
データ化と分析により健康経営のPDCAサイクルを確立 |
Carely |
健康経営の専門家がシステム導入・運用をアドバイス |
Growbase |
アナログからの移行サポートが充実 |
ヘルス×ライフ |
人事データと組み合わせて生産性向上をサポート |
HM-neo |
豊富な機能によりスタッフの業務負担を軽減 |
mediment |
年度別・部署別のあらゆる角度から健康課題を分析 |
Be Health |
直感的な「かんたん・やさしい」システム設計 |
健康管理システムとは

健康管理システムとは、従業員の健康診断結果やストレスチェック、さらには勤怠情報など、健康に関するさまざまな情報を一つにまとめて管理・分析できるITツールです。
主な目的は、健康に関する煩雑な事務作業を効率化すること、法令をしっかり守ること、そしてデータに基づいて従業員の健康リスクを早期に発見・低減することです。
従来は、健康管理は労働安全衛生法など法令の遵守や労災防止を中心とした守りの面が強く、事後的な対応が主流でした。しかし、健康管理システムを活用することで、企業は従業員の健康を積極的に守り育てる戦略的な健康管理へと進化しています。
導入が注目される背景
経済産業省が推進する健康経営の広がりと、ESG投資・人的資本開示への対応が後押しとなり、健康管理システムは急速に普及しています。
健康経営は従業員への投資が企業価値を高めるという考え方で、健康経営優良法人認定の取得を目指す企業が増加中です。
さらにESGの「S(社会)」評価では従業員の健康と安全が重視され、投資家は健康関連データの開示を求めています。こうした潮流の中、正確なデータを蓄積・報告できる基盤としてシステム導入が不可欠になっているのです。
有害業務を行う企業は「特殊健診管理」の機能もチェック!
高気圧業務や放射線業務、特定化学物質業務、有機溶剤業務など、特殊健康診断に指定されている業務を行う企業は、特殊健診管理機能が備わっているか確認してください。
健康管理システムによっては、特殊健診管理機能が備わっていない場合があるので注意しましょう。「特殊業務歴の登録」「特殊健康診断の検査結果の管理機能」「特殊健診労基報告書の作成」などの機能があるので、自社の導入目的に応じて選択してみてください。
主な機能と得られるメリット
ここでは代表的な6つの機能と、管理者・従業員双方が得られるメリットを整理します。
機能 | 概要 | 担当者メリット | 従業員メリット |
---|---|---|---|
従業員健康データ管理 | 健診結果・ストレスチェック・長時間労働状況などをデジタルカルテ化 | 紙・Excel管理から解放、検索性向上 | 自身の健康推移を簡単に確認 |
健診予約・リマインド | Web上で予約、未受診者へ自動督促 | 予約調整工数を最大80%削減 | スマホから好きな時間に予約可能 |
データ分析・可視化 | 部門別・年代別の健康傾向をグラフ表示 | 高リスク者や課題部門を即把握 | 組織課題の改善がストレス軽減に直結 |
産業医・保健師連携 | 面談対象抽出~日程調整~記録を一貫管理 | 面談準備がスムーズ | 必要なサポートへ迅速アクセス |
報告書自動作成 | 労基署提出用の健康診断結果報告書を自動生成 | 書類作成時間を大幅短縮 | — |
コンディション管理 | 日次アンケートで心身の状態を把握 | リモート勤務者の状況を早期把握 | 不調のサインに自ら気づける |
タイプ別に見る選び方
健康管理システムには、それぞれ得意分野や特徴があります。企業の目的や状況に合わせて、最適なタイプを選ぶことが大切です。主に3つのタイプがあり、それぞれ次のような企業に向いています。
タイプ | 特徴 | 適した企業例 |
---|---|---|
健康リスク解消重視タイプ | データ管理にとどまらず、健康課題の分析やリスク解消、個別フォローに注力。産業医・保健師によるオンライン面談やパーソナライズされた健康改善プログラムなど、積極的なサポート機能が充実。 | すでに健康管理のデジタル化を終え、健康経営を本格推進したい企業 |
データ一元管理重視タイプ | 多様な健康情報を一つにまとめて管理。予約・リマインド・報告書作成などの自動化機能が強みで、事務作業の効率化を実現。 | 紙や Excel 管理から脱却し、業務負担を減らしたい企業 |
コンディション管理特化タイプ | 日々の体調や気分をきめ細かく把握。リモートワークや外勤の多い職場で活躍。 | 在宅勤務が多い、またはフィールドスタッフが多い企業 |
自社ニーズチェックリスト
システムを選ぶ前に、社内で何を求めているかを整理しましょう。下記のような項目を関係者で確認してみてください。
- 予算:初期費用やランニングコストの想定額は?
- 従業員規模:対象人数や企業規模に合っているか?
- 複数拠点やグループ会社を一括管理したいか?
- 現在の課題:手作業が多い、コンプライアンスが不安、健康リスクの把握が難しいなど
- 必須機能・希望機能:例:ストレスチェックや報告書自動作成、システム連携など
- セキュリティ要件:どこまで情報保護が必要か?
このように、ニーズを具体的に整理することで、システム選びがスムーズになります。
トレンドと法改正への対応
健康管理システムの分野は、法改正やテクノロジーの進化によって常に変化しています。ここでは特に注目されている3つの動向を紹介します。
化学物質の自律的管理への対応
労働安全衛生法の改正により、企業は化学物質の管理方法を大きく見直す必要が出てきました。これまでは「国が定めたルール」に従う形式でしたが、今後は事業者自らがリスクを評価し、従業員の健康を守るための管理を積極的に行うことが求められています。
この変化に合わせて健康管理システムも、有害物質を扱う従業員向けの「特殊健康診断」管理や、業務歴の記録機能を強化。対象者の抽出から報告書作成まで、一括してサポートできるようになっています。
今後は化学物質の安全性データやリスクアセスメントとも連携し、さらに高度なリスク管理が期待されます。法改正への対応だけでなく、従業員の健康リスク予防の基盤としても役立つでしょう。
アルコールチェック義務化への対応
2022年の道路交通法改正によって、一定台数以上の白ナンバー車両を保有・運用する事業者は、運転前後にアルコールチェックを行い、その結果を1年間保存することが義務付けられました。この新たな義務に対して、多くの健康管理システムが専用の連携機能を提供し始めています。
管理者は全社のチェック状況をリアルタイムで把握でき、安全運転管理がより徹底できるようになりました。
生成AIの活用
生成AIの進化により、健康管理システムも一歩先のサポートが可能になりました。AIが健康診断結果やストレス状態を分析し、個人ごとにアドバイスやリスク予測を自動で提供します。
また、産業医との面談記録の要約なども自動化でき、管理業務の負担軽減につながります。 健康管理システムは単なる記録ツールから、従業員の健康を積極的に支えるパートナーへと進化しています。
導入事例から学ぶ成功パターン
味の素株式会社の導入事例
グループ全体で数万人規模の従業員を抱える、日本を代表する食品・バイオテクノロジー企業
導入前の課題
健康増進への意識は高かったものの、従業員の健康情報はすべて紙ベースで管理されていました。そのため、情報の検索性が悪く、他拠点からのアクセスも不可能。戦略的なデータ分析は困難で、産業保健スタッフの事務負担は膨大なものとなっていました。
導入後の効果
健康管理システム「HM-neo」を導入。全健康データをデジタル化し、面談前の問診から日程調整、記録までをシステム上で完結させました。その結果、産業保健スタッフ一人当たり年間151時間もの業務時間削減を達成。ペーパーレス化はもちろんのこと、集約されたデータを分析し、特定の部署や職域に合わせた健康施策を立案できるようになるなど、より戦略的で付加価値の高い活動に時間を充てられるようになりました。
参照元:NTTテクノクロス公式HP (https://www.n-healthcare.jp/check/case/case-24/)
よくある質問(FAQ)
健康管理システムの導入を考える際、多くの企業担当者の方が共通して気になるポイントをまとめました。ここでは代表的な質問と回答をご紹介します。
Q1. 料金体系はどうなっていますか?
A: 多くのシステムは、導入時にかかる初期費用と、月額または年額の利用料で構成されています。
料金は従業員数や必要な機能によって変動し、従量課金型やプラン制が一般的です。
クラウド型サービスの場合はサーバー運用費が不要なため、初期費用を抑えられるのが特徴です。基本機能とオプション機能の範囲も事前に確認しましょう
Q2. これまでの健康診断データも新しいシステムに移せますか
A: ほとんどのシステムで既存のデータ移行に対応しています。
ExcelやCSVファイルからのインポートが可能で、ベンダーによっては移行作業のサポートもあります。移行手順や費用については導入前にしっかり確認するのがおすすめです。
Q3. 導入後のサポートはどこまで対応してもらえますか?
A: システムの操作方法の案内やトラブル対応はもちろん、導入後の活用方法の相談までカバーしている場合が多いです。専任のカスタマーサクセス担当が付くこともあり、社内定着や活用度アップも手厚くサポートされます。
サポートの受付時間や手段(電話・メール・チャットなど)、費用が基本料金に含まれているかも確認しておくと安心です。
Q3. セキュリティ面は大丈夫ですか?
A: 健康情報は個人情報の中でも特にセンシティブなデータです。多くのシステムはISMS(ISO27001)やプライバシーマークなどの第三者認証を取得しており、アクセス権限の細かい設定やデータ暗号化にも対応しています。
具体的な対策内容はベンダーごとに異なるので、導入前に確認しましょう。
健康管理システムのまとめ
健康管理システムは、企業の成長や健康経営に欠かせない存在となりました。自社に最適なシステムを選ぶためには、なぜ導入するのかを明確にし、関係者を巻き込んで議論し、長く付き合える信頼できるベンダーを選ぶことが大切です。
本記事のチェックリストや比較ポイントを活用し、未来のための健康投資を始めましょう。企業の健康づくりは、今日の決断から始まります。ぜひ行動に移してみてください。
- 免責事項
- 本記事は、2023年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。