ホテル業界では、深刻化する人手不足や顧客ニーズの多様化に対応するため、チェックイン業務の効率化が急務となっています。特にコロナ禍を経て「非接触・スピーディーな手続き」を求める声は年々高まり、各施設で自動チェックイン機の導入が進んでいます。
本記事では、注目を集めるホテル向け自動チェックイン機について、その仕組みやメリット、導入事例を交えながらわかりやすく解説します。
また、紹介している企業の一部資料は下記より無料でダウンロード可能です。比較検討にお役立てください。
ホテル自動チェックイン機の一覧表
| 会社名 | サービスの特徴 | こんなホテルにおすすめ | 向いている施設規模 | 設置タイプ |
|---|---|---|---|---|
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セルフチェックインから客室、清掃状況の把握まで!シームレスなデータ連携で省人化を実現
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無人・省人運営したい
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小〜中規模
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タブレット・端末レス
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ニーズに合わせてフルカスタマイズが可能!⾼機能なフロント業務システムを搭載
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チェックインも他の業務も
まとめて一元管理したい |
中〜大規模
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総合PMS
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DYNA PMS |
自動チェックインシステムと連携して施設の運用を最適化! |
待ち時間の短縮
スタッフ削減を図りたい |
小〜中規模
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総合PMS
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日本NCRビジネスソリューション株式会社 |
最新性能を搭載!ホテルの運用に合わせ柔軟にカスタマイズもOK |
現在使っているPMSを変えずに
自動チェックインを導入したい |
大規模ホテルチェーン
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卓上・自立・組込
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株式会社アルメックス(KIOSK) |
多機能と多様なデザインでホテル運営を支えるセルフチェックインシステム |
景観を損ねずに雰囲気にあった
機械を導入したい高級宿 |
中~大規模
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自立・卓上・組込
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システムギア株式会社 |
多言語対応と柔軟性で効率化を支える自動チェックインシステム |
外国人旅行者が多く訪れる
ゲストハウスや観光地ホテル |
中規模
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自立・卓上
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株式会社POSSIBLE |
多機能連携とカスタマイズで運用を支える自動精算機 |
宿泊以外の支払いも
まとめて処理したい |
小~中規模
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自立・卓上
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日本リテイルシステム株式会社 |
多機能搭載でホテル運営を支えるセルフチェックイン精算機 |
旅館やリゾートホテルの
業務を丸ごとDX化したい |
中〜大規模
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自立・組込
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オムロン ソーシャルソリューションズ |
駅券売機のノウハウを活かした多機能自動チェックイン機 |
サービス品質が最重視の
大規模チェーンホテル |
大規模
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自立
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ホテル自動チェックイン機おすすめ9選の詳細情報
ホテルの自動チェックイン機とは

ホテル自動チェックイン機とは、これまでフロントスタッフが対面で行っていたチェックイン手続きを、専用端末やタブレットを使って宿泊客自身が進められるようにした仕組みです。
予約情報の確認から、宿泊者名簿への入力、本人確認(身分証・パスポートの読み取り)、宿泊代金の精算、そしてルームキーの受け渡しまで、チェックイン前後の一連の流れをデジタル化できます。
自動チェックイン機の役割は、単に「無人化すること」だけではありません。混雑時の行列を解消するための補助として導入したり、小規模な施設や民泊で無人運営の柱として活用したりと、施設のスタイルに合わせた使い方が可能です。
自動精算機・セルフチェックインシステムとの違い
「自動精算機」や「セルフチェックインシステム」という言葉もよく耳にしますが、これらは役割や機能の範囲が異なります。自社の課題に合ったものを選ぶために、違いを整理しておきましょう。
| 分類 | 主な役割 | 決済機能の重要性 | 鍵の受け渡し | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 自動精算機 | 宿泊代金の支払いに特化 | 非常に高い(現金・カード対応) | 基本的に非対応 | フロントで手続き後、精算のみを機械で行う運用に適しやすい |
| 自動チェックイン機 | チェックイン手続き全般の自動化 | 高い(キャッシュレス主流) | カードキー発行に対応しやすい | 端末1つで予約照会〜鍵の受け取りまで完結させる発想 |
| セルフチェックインシステム | 体験全体のデジタル化 | 事前決済が中心になりやすい | スマートロック連携など | スマホやタブレット、事前チェックインなど仕組み全体を含む概念 |
「自動精算機」は、主にお釣りのミスや不正を防ぎ、会計を正確にすることに特化しています。一方、「自動チェックイン機」はフロント業務そのものの代行を目指しています。さらに広い概念である「セルフチェックインシステム」は、スマホを使ったモバイルチェックインなども含めた、非接触な体験全体を指すことが多い言葉です。
どんなホテルで検討されやすいか
自動チェックイン機は、施設規模やタイプによって優先度が変わります。特に検討が進みやすいのは、次のような状況です。
- 夕方〜夜にチェックインが集中し、行列ができる
- 定型的な説明や確認作業が多く、標準化したい
- インバウンド比率が高く、外国語対応が日常的に発生する
- 人手不足を背景に、受付体制そのものを見直したい
チェックインが集中するビジネスホテルなどでは、端末による分散処理が効きやすく、ロビーの滞留を抑える効果が期待できます。
外国語対応が多い施設では、多言語表示が「翻訳」以上の役割を果たし、本人確認や利用規約の同意などを正確に進めることができます。
自動チェックイン機を導入するホテルが増えている背景
宿泊業界で自動チェックイン機の導入が進んでいる最大の理由は、チェックイン業務における時間帯による負荷の大きさにあります。ピーク時には、スタッフが本来注力すべき「おもてなし」に十分な時間を割けないほど、対応に追われてしまうケースも少なくありません。
加えて、近年は非対面手続きへの需要も高まりました。公衆衛生意識の変化に加え、デジタル技術に慣れた層が増えていることも、導入検討を後押ししています。
ホテルの現場で起きやすい困りごと
導入を検討するきっかけとして、現場では次のような課題がよく挙がります。
- 予約照会のタイムラグ:ゲストが提示した氏名・予約番号が、ホテルの管理システム(PMS)で即座に見つからない
- 氏名の表記ゆれ:海外ゲストのミドルネーム有無、漢字・かな・ローマ字の入力違いなどで確認に手間取る
- 本人確認の手戻り:宿泊者名簿の記入漏れ、パスポートコピーの不鮮明などで後から客室へ確認に行く手間が発生する
- 対応スピードの個人差:新人とベテランで操作・説明の要領が変わり、列の進み方に差が出る
こうした場面で重要なのは、「忙しいから仕方ない」で終わらせないことです。自動チェックイン機は、手続きをシステム主導に切り替えることで、誰が対応しても一定の速度と精度で進められる状態を作ることができます。
自動チェックイン機でできること

最近の自動チェックイン機は、単なる支払い機ではなく、フロント業務を包括的にカバーする多機能なプラットフォームになっています。
予約照会
チェックインの最初の工程である「予約情報の呼び出し」を端末で行います。宿泊客は、氏名・予約番号・電話番号などを入力する、または予約確認メールのQRコードをかざすことで予約情報を呼び出せます。
ここで大切なのは、検索手段を複数用意しておくことです。たとえば名前入力で見つからない場合でも、QRコードや電話番号で補完できる設計であれば、スタッフの呼び戻しが減り、混雑がおこりにくくなります。新しい機種では、自社会員アプリと連携し、BluetoothやNFCでよりスムーズに照会できるものも増えています。
宿泊者情報の入力・署名
旅館業法に基づき、氏名・住所・連絡先などを宿泊者名簿(宿帳)に記録する工程です。端末のタッチパネルで入力し、必要に応じて画面上で電子署名を行います。
端末入力の良さは、入力順序や必須項目を設定できるので、記入漏れを物理的に防ぐことができます。
本人確認とパスポート読取
本人確認は、安全管理と法令遵守の観点で必要な工程です。自動チェックイン機にはスキャナーを内蔵し、運転免許証やパスポートの読み取りに対応しています。
特にインバウンド対応では、OCR(光学文字認識)でパスポート情報を読み取り、画像データとして保存するだけでなく、名簿情報へ自動反映できる仕組みもあります。
新しい機種ではAI顔認証が搭載され、事前登録写真やパスポートの顔写真と現場撮影画像を照合し、なりすましを防ぐ厳格な確認も行えます。また、2025年4月からの改正ルールでは、顔認証や録画による代替措置も認められるようになり、この新基準への対応可否もチェックが必要です。
支払いと領収書発行
宿泊料金や追加オプションの精算に対応しており、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などキャッシュレスに加え、機種によっては現金も扱えます。
また、2023年10月からの「インボイス制度」に対応するものもあり、登録番号や税率が正しく印字された領収書を発行できます。
OTA経由で事前決済の予約の場合、領収書をホテル側が発行すべきかOTA側かを自動判定し、二重発行を防ぐ制御が求められる場面もあります。「支払いができるか」だけでなく、「領収書の運用が崩れないか」まで含めて確認しておくと安心です。
ルームキーの受け渡し
手続き完了後、その場で客室鍵を発行する機能です。磁気カードやICカードキーのエンコード(書き込み)と発行を自動化できる機種が多く、チェックアウト時の鍵回収に対応するものもあります。
近年はスマートロック連携も進み、カードキーの代わりに暗証番号をレシートに印字したり、ゲストのスマホへ送信したりする運用も一般的になっています。
多言語表示
日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語などを標準搭載し、ゲストが母国語で操作できる機能です。
多言語表示の価値は、単に翻訳できることだけではありません。旅館業法に関わる案内や施設の利用規約など、スタッフが話せない言語であっても正確に表示し、同意取得を可能にします。
システム連携
自動チェックイン機は、単体でも活躍しますが、周辺システムとの連携が整って大きな効果を発揮します。連携が不十分な場合、転記作業や二重管理が残ってしまい、かえって業務負担が増えることもあります。
- PMS連携:予約情報・客室状況・会計情報をリアルタイム同期し、チェックイン完了と同時に客室ステータス更新などを行う
- 予約取り込み:楽天トラベル、じゃらん、Booking.comなどの予約情報を自動取り込みし、確認漏れや手入力ミスを抑える
- 鍵システム連携:カードキー発行機やスマートロックと通信し、該当客室の鍵情報を生成する
- 決済端末連携:決済結果を会計情報へ正確に反映させる
各システム間の情報連携が整っている現場ほど、導入による改善効果を実感しやすくなります。比較時は機能の多さだけでなく、連携の実績と範囲を丁寧に確認してみてください。
自動チェックイン機の導入メリット
自動チェックイン機のメリットは、コスト削減だけではありません。現場のストレスが減り、サービス品質を安定させるなど複数のメリットがあります。ここでは「運用がどう変わるか」を軸にメリットを整理していきます。
混雑の緩和につながる
ピーク時間帯に手続きの一部を端末へ寄せることで、1組あたりの処理時間を短縮でき、ロビーの滞留を抑えられます。
行列が伸びている状況ではスタッフも焦りやすく、丁寧な対応が困難に。端末で分散処理できれば、スタッフは「お困りの方がいないか」「特別な要望がないか」など、より高度な対応へ意識を向けられるようになります。
繰り返し業務の負担が減りやすい
フロントには「同じ説明」を何度も繰り返す定型作業が多くあります。館内施設の案内、チェックアウト時間、朝食会場の場所などを端末画面や動画で提供できれば、説明負担が下がり、スタッフの疲労も軽減します。
確認漏れの抑制に役立ちやすい
忙しいほど起きやすいのが確認漏れです。本人確認の忘れ、住所の記入漏れ、料金収受のミスなどは、後からのリカバーが難しいことも。
自動チェックイン機は手順を固定し、必須項目が完了するまで次のステップへ進ませない制御が可能です。新人・ベテランの差に左右されず、チェックインをすませることができます。
外国語対応の負担を軽くしやすい
語学堪能なスタッフを24時間配置するのは、多くの施設で負担が大きいものです。
多言語表示を活用すれば、スタッフが話せない言語でも、必要情報の収集や案内が可能に。外国人ゲストの不安が減るだけでなく、スタッフ側の「言葉が通じないストレス」も減らしてくれます。
自動チェックイン機導入のデメリットと注意点
便利な仕組みでも、導入の前提が整っていないと「止まる」「混乱する」につながります。ここでは起こりやすい課題を、対策とセットで整理します。
機械に慣れていない利用者へのフォローが必要
すべての宿泊客がIT機器に慣れているわけではありません。高齢層や不慣れなゲストにとっては、端末がストレスや不便に感じる可能性があります。
対策としては、画面をできるだけシンプルにし、直感的に操作できる設計に寄せることです。また、完全な放置ではなく、ピーク時に案内員を配置したり、呼び出しボタンですぐスタッフが駆けつけられる導線を作ったりするなど「最終的には人が支える設計」を前提に進める方が現実的です。
トラブル時の運用が決まっていないと止まりやすい
機械である以上、故障やネットワーク不調、紙詰まりといったトラブルの可能性を完全になくすことはできません。特に無人運営に近いホテルでは、万が一の際に「誰が・いつ・どのように対応するのか」をあらかじめ定めておかないと、現場の対応が滞り、運営全体に混乱が生じてしまうおそれがあります。
対策としては、端末不具合時のアナログ切り替え手順をマニュアル化し、スタッフ全員が把握しておく必要があります。保守契約についても、夜間連絡先、駆け付けサポート範囲、復旧までの目安などを比較し、実際に運用するにあったって無理のない体制を作ることが欠かせません。
費用の内訳が見えにくい
端末本体価格だけでなく、設置工事費、初期設定費、既存システム連携費などがかかります。導入後も月額利用料、保守費用、決済手数料、消耗品費(レシート用紙など)が発生します。
見積もり時は、初期費用だけで判断せず、5年程度のトータルコストで比較し、連携費用や決済関連費が大きくならないかを確認すると、導入後の想定外を減らせます。
連携できないシステムが残ることがある
「導入したのにPMSと連携できず、結局手入力している」といった状況は本末転倒です。カードキーシステムが古く、自動発行に対応しないケースもあります。
導入前に、予約・名簿・鍵・会計など稼働中のシステムを洗い出し、連携する可能性があるものをリストにしておきましょう。連携できない部分が残る場合は、そこが新たなボトルネックになる前提で運用を設計しておく必要があります。
自動チェックイン機の種類と選び方
市場には多様な製品がありますが、「設置形状」と「運用目的」の2軸で整理すると、自社に合うモデルが見えてきます。先に自社の前提(フロントの広さ、導線、現金対応の要否、人員体制)を整理しておくと、比較がスムーズになります。
設置形状で選ぶ

| 形状 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 自立型 | 床に直接置く大型タイプ | 存在感があり案内しやすい/現金対応機が多い | 設置スペースを占有しやすい/導入コストが高い傾向 |
| 卓上型 | 既存カウンターに置くタイプ | 導線を大きく変えずに導入しやすい | カウンター上のスペースを圧迫しやすい |
| タブレット型 | 非常にコンパクト | 導入が容易で安価/台数の増減が柔軟 | 現金精算ができないものが多い/安定性に課題が出る場合 |
| 家具組込型 | 内装に埋め込むタイプ | 高級感を損なわず導線を作り込みやすい | 導入後の移動や構成変更が困難になりやすい |
高級感を重視するホテルでは家具組込型が選ばれる一方、利便性とコストのバランスを重視するビジネスホテルでは自立型・卓上型が主流になってくるでしょう。
民泊や小規模施設では、省スペースで始めやすいタブレット型が選ばれることが多いです。
運用目的で選ぶ
同じ「自動チェックイン機」でも、狙う成果が違うと、重視すべき機能が変わります。次のように目的から逆算すると迷わず選択できます。
- 混雑対策を中心にしたい:処理スピード、QR読み取り感度、ピーク時の分散運用が組めるかを重視
- 本人確認や名簿の手順を整えたい:パスポートスキャン、AI顔認証の精度、名簿データの保存・管理機能を重視
- 予約〜鍵〜会計の分断を減らしたい:PMSやスマートロックとの連携実績、情報同期の設計を重視
- 人手不足前提で受付の形を変えたい:24時間サポート、遠隔支援、トラブル対応の仕組みを重視
ここでのポイントは、「多機能だから良い」ではなく、自社の困りごとに直結する機能が強いかで比較することです。
ホテル自動チェックイン機の費用
価格は構成や機能で大きく変わるため、断定的な金額よりも「見積もりで比較できる項目」を揃えることが重要です。見積もり依頼の段階で項目を統一すると、後から判断しやすくなります。
初期費用で見ておきたい項目
初期費用は「本体」以外が乗りやすいため、項目ごとに把握しておくと安心です。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 端末本体 | キャッシュレスタイプは数十万円から、現金対応タイプは150万〜200万円程度が目安 |
| 設置・配線 | LAN工事・電源工事などフロント周りの工事費 |
| 初期設定 | 施設情報登録、操作画面のカスタマイズ費用など |
| 既存システム連携 | PMSやスマートロックとのAPI接続料 |
| 追加開発 | 特殊な宿泊税計算などの特殊状況のカスタマイズ |
運用費で見ておきたい項目
導入後は、固定費と変動費が混在します。どこまでが基本料金に含まれるかを確認しておくと、運用後のギャップを減らせます。
- 保守(メンテナンス):オンサイト修理、24時間コールセンターなど(年額・月額)
- 消耗品:領収書用の感熱ロール紙、カードキー補充など
- 決済関連費用:月額手数料+決済額の3〜4%程度の手数料がかかるケース
- 障害時の対応範囲:リモート支援のみか、出動まで含むかの条件
導入する台数の考え方
台数は「ピーク時の到着組数」と「平均処理時間」から考えます。たとえば、17時〜18時の1時間に40組が集中し、1組あたり平均2分かかる場合、1台で1時間に対応できる最大は30組となり、1台では行列が発生する可能性が高くなります。この場合は少なくとも2台、余裕を見るなら3台が必要になるでしょう。
また、完全無人化を前提にする場合、1台故障時のリスクが大きいので、最低でも2台以上の設置を推奨します。台数はコストに直結するため、ピークの実態を把握してから検討すると決めやすくなります。
ホテル自動チェックイン機の失敗しない比較ポイント
自動チェックイン機の選定は、端末を買うというより、運営フローを設計する作業に近いです。導入後の「こんなはずではなかった」を防ぐには、現場の困りごとに直結する比較軸を持つことが大切です。
本人確認と宿泊者名簿の運用
旅館業法で求められる本人確認を、どのように実現するかは最重要ポイントです。スキャナーの読み取り精度だけでなく、取得データをPMSへどう受け渡すか、個人情報の保護(暗号化など)はどう担保されるかまで確認しておくと安心です。
さらに、2025年4月からの改正ルールで顔認証や録画による代替措置が認められるため、導入予定のホテルでは新基準への対応状況も確認しておきましょう。
予約照会の強さ
ゲスト側の「予約番号を忘れた」「入力表記がわからない」といった不備に対して、どれだけ柔軟に対応できるかが重要です。表記ゆれを許容する曖昧検索や、電話番号・QRコードなど複数の検索キーが用意されているほど、スタッフの呼び出し回数が減ります。ここが弱いと、結局フロントへ戻ってきて有人対応が増え、端末導入の効果が薄れてしまいます。
鍵の方式と連携範囲
既存のカードキー発行機を流用したい場合は、メーカーとの連携実績があるかを確認します。スマートロックを新規導入する場合は、取り付け可否だけでなく、電池切れ通知や暗証番号の有効期限設定などをシステム側で一括管理できるかも確認が必要です。
鍵は運用に直結するため、「できる/できない」だけでなく、現場の流れに無理が出ないかまで見ておきましょう。
支払いの対応範囲
現金を扱うかどうかは、導入コストと運用負荷を左右します。キャッシュレスに一本化できれば、紙幣詰まりやレジ締め作業を減らしやすい一方、現金派ゲストへの配慮が課題になります。宿泊客の属性(国内ビジネス客か海外観光客かなど)を見て判断する必要があります。
また、インボイス対応領収書のフォーマットが自社の会計ルールに合うかも確認ポイントです。
サポート体制
特に夜間トラブルへの対応力は、運営に直結します。「24時間電話がつながるか」だけでなく、リモートで操作代行できるか、復旧までの目安、どうしても直らない場合の駆け付け対応など、SLA(サービス品質保証)に相当する条件を比較の中心に置くことが有効です。 導入後に困りやすい領域だからこそ、契約前に確認しておくと安心です。
将来の拡張
導入時はチェックイン中心でも、将来的にチェックアウトのセルフ化、客室の清掃ステータス連携、周辺観光案内の表示、AIチャットボットによる問い合わせ対応などへ拡張できる余地があるかを確認します。情報が分断されている現場ほど、一つのプラットフォームで完結するメリットが大きくなります。
将来的には、チェックイン後の体験まで含めてデジタル化することで、さらなる省人化が可能です。たとえば、館内案内や問い合わせ対応を担う客室タブレットと連携すれば、フロント業務の負担を一段と軽くできます。
ホテル自動チェックイン機に関するよくある質問
Q1. 既存のPMSや鍵システムとつながるか
ベンダーによって連携実績は大きく異なります。最新システムはAPIによる柔軟な連携が可能な一方、旧式システムでは買い替えや改修が必要になり、多額の費用が発生することもあります。まずはベンダーから「連携可能リスト」を取り寄せ、現状の構成でどこまでつながるかを確認しておきましょう。
Q2. 外国人対応はどこまでできるか
多言語表示による案内に加え、重要なのは「パスポート情報の正確な保存」と「本人確認の運用」です。一部の高度なシステムでは、24時間対応の多言語コールセンターへワンタッチでつながる仕組みや、ビデオ通話等を組み合わせた本人確認も含めて提供されています。運用とセットで検討すると、現場での実用性が高まります。
Q3. 夜間のトラブルが不安
夜間の不安は、ハードとソフトの両面で対策してください。ハード面では予備機設置や定期点検、ソフト面では24時間のリモート監視や保守契約の内容確認があれば安心です。あわせて、ホテル側でも夜間非常時の連絡フローをフロントへ掲示するなど、アナログな工夫を併用すると運用が安定するでしょう。
ホテル自動チェックイン機のまとめ

ホテル自動チェックイン機の導入は、単なる人件費削減ではなく、運営体制をアップデートする取り組みです。混雑の解消による満足度向上、ミス抑制によるコンプライアンス強化、情報分断の解消による業務効率化、そして将来の人手不足への備えといった価値につながります。
成功のポイントは、「どの機種が一番良いか」ではなく「自社の現場で一番力を発揮するのはどれか」という視点で比較の軸を揃えることです。まずは自社の課題(ピークの行列、本人確認、外国語対応、連携の弱さ、人員体制)を整理し、資料請求やデモを通じて運用イメージを具体化してみてください。
- 免責事項
- 本記事は、2023年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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