病院・医療関連業界のポジショニングマップ事例。軸の決め方の参考に!

病院・医療関連業界のポジショニングマップ事例。軸の決め方の参考に!

ここでは、行院・医療関連業界のポジショニングマップ事例を紹介しています。貴社のマーケティング戦略の策定にお役立ていただければ幸いです。

なお、自社が市場において取るべきをポジションを見つけるには、自社の強みと顧客のニーズに加え、競合との違いの洗い出しが必須です。この記事では自社と競合の分析を通じてマーケティングを成果に繋げるためのワークシートも提供しています。ポジショニングマップに加えてぜひ活用してみてください。

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なぜ今、医療機関にポジショニングマップが必要なのか

「良い医療を提供していれば患者は来る」という時代は終わりつつある。2024年、医療機関の廃業・解散件数は過去最多の722件を記録した。少子高齢化による患者構造の変化、物価高による運営コスト上昇、そして患者の「比較・選択行動」の高度化が、医療経営に前例のないプレッシャーをかけている。

患者行動の変化は数字が物語っている。GMOリサーチ&AI(n=15,715)の調査によると、患者の73.2%が「複数のクリニックを比較検討してから受診する」と回答し、クリニック探しにGoogle検索を使うと答えた患者は51.3%に上る。さらに、患者が受診先を選ぶ際に最も重視するのは「医師の診察・スタッフ対応」で88.1%が重要視している。

この状況は、医療機関においても「選ばれる理由」を明確に打ち出すことが経営上の必須要件になったことを意味する。ポジショニングマップはその「選ばれる理由」を可視化し、戦略的に磨くためのツールとして活用できる。

ポジショニングマップの軸の決め方には、いろいろな考え方がある。

ポジショニングマップとは、市場での自社ブランドの立ち位置を確認できるツールです。他社に代替不可能な自社のポジション探しだし、そこを掘り下げて&増強していくことで持続的な競争優位を確立していくために使用します。

ポジショニングマップを作成する際、患者さんのKBF(購買決定要因)を抽出し、KBFを競合のサービスと比較。そして、最後に軸を決めます。

実は、最後のポジショニングマップの軸の選定法には以下のとおり、さまざまな考え方があります。

  • 患者さんのKBFをポジショニング軸に使う
  • 自院が提供するサービスの価値をポジショニング軸に使う
  • 自院の強みを活かせるポジショニング軸を使う
  • 経営のビジョンに基づくポジショニング

では、それぞれについて詳しく解説していきます。
ポジショニングマップの作成方法と軸の決め方について解説

患者さんのKBFをポジショニング軸に使う

患者さんのKBFとは異なる軸を使用し、ポジショニングマップを制作してしまうことがあります。しかし、これは間違いです。ポジショニング軸は、KBFでなければなりません。

例えば、パソコンを購入する際、消費電力低下を重視する人が増加傾向にあります。以前はCPU速度を気にするユーザーも多く存在していましたが、現在ではCPU高速化が進み、KBFではなくなっています。

それにも関わらず、CPU速度をポジショニング軸に使用すれば、上手くいきません。誤った軸を使用しないためにも、しっかりとKBFについて考えていく必要があります。

自院が提供するサービスの価値をポジショニング軸に使う

自院で提供しているサービスに付随する価値をポジショニング軸に使用し、ポジショニングマップを制作すると良いでしょう。患者さんに提供することができる価値には、さまざまなものがあります。その中から、競合にはない自院の強みとなる価値を軸として設定します。

例えば、「専門知識が豊富な医師が在籍している、病院の立地が駅近」といった価値を提供している病院や、「オンライン診療を行っている、美容医療などのカウンセリング料が無料」といった価値を提供している病院もあるでしょう

自院で提供しているサービスの価値を軸に取る場合、まずは提供している価値をリストアップし、魅力的な価値を絞り込みます。そして最後に、競合より魅力的だと思ってもらえる価値を軸に設定してください。

自院の強みを活かせるポジショニング軸を使う

自院の強みをポジショニング軸に使用する必要があります。なぜなら、非常に有効なポジショニング軸を探せたとしても、自院がそこでナンバーワンになれないのなら、ポジションを獲得することはできないからです。

また、例え時間がかかってしまっても、ナンバーワンを獲得できそうなポジショニング軸も有効です。逆に近い将来、すぐにナンバーワンを勝ち取れるポジショニング軸は、競合もすぐナンバーワンの立ち位置にたどり着けてしまう恐れがあるため、あまりおすすめではありません。
ポジショニングマップの作成方法と軸の決め方

経営のビジョンに基づくポジショニング

病院やクリニックの経営ビジョンに基づくポジショニングを決め、さらに競合との差別化を図りながら、患者さんたちの求めるものが何であるかを的確に捉えたポジショニング軸を選定してください。

また、明確なポジショニングを行うために、何をやるべきか、そして何をやらないかを考えることも大切です。例えば、療養病床にするのか、または一般病床にするのかを検討する必要があります。

予防医学に力を入れることもできますし、ニッチ市場で勝負することもできるでしょう。今だけでなく、今後の患者さんたちのニーズについてもしっかり考えて、ポジショニングやポジショニング軸の選定を行ってください。

医療DX・オンライン診療時代の新しいポジショニング軸

2024年以降、医療業界のポジショニングを考える上で無視できないトレンドがある。それが医療DXの急速な進展だ。2024年7月のオンライン診療件数は14万4,966回に達し、前年同月比で約2倍に急増している。マイナ保険証の本格運用開始、電子処方箋の普及(2024年時点で病院導入率1.9%)なども加速しており、患者との「接点の設計」そのものが変わりつつある。

こうした変化を踏まえ、医療機関のポジショニングマップには以下のような「新時代の軸」の採用が有効だ。

軸の種類 軸1 軸2 特に有効な診療科
デジタル対応軸 対面診療中心 ⇔ オンライン診療対応 予約のしやすさ(低 ⇔ 高) 内科・精神科・皮膚科
予防医療軸 治療中心 ⇔ 予防・健診中心 地域密着度(低 ⇔ 高) 内科・婦人科・総合クリニック
専門深度軸 総合診療 ⇔ 専門特化 対応可能エリア(狭域 ⇔ 広域) 眼科・歯科・整形外科
患者体験軸 機能重視 ⇔ 患者体験重視 待ち時間(長 ⇔ 短) 美容系・レディースクリニック
コスト透明性軸 価格不明瞭 ⇔ 価格透明 自由診療割合(低 ⇔ 高) 歯科・美容外科・不妊治療

重要なのは、こうした新軸も「患者のKBF(購買決定要因)に根ざしているか」を必ず確認することだ。いくら「オンライン診療に対応」していても、その診療科の患者が対面を強く望む場合は、ポジショニング軸として機能しない。自院の患者インタビューやアンケートを通じて、現代のKBFを常に更新し続けることが、競合優位な軸選定の鍵となる。

医療業界のポジショニングマップ作成事例

(下記ポジションマップについての内容は、あくまでポジショニングマップを作る際の例を示しているだけのもので、取り上げている企業・団体・商品・サービスなどについて、事実や厳密な調査に即して作られているわけではなく、またその価値、意味について何らかの当社の主張や意図があるわけでもございません。閲覧の際にはその点にご留意いただければ幸いです。)

ポジショニングマップを作ることで、競合と自院のサービスとを比較したり、自院のサービスを客観的に見たりすることが可能です。

それでは以下に、

  • 歯科医のポジショニングマップ
  • 回復病棟の有無と病床規模のポジショニングマップ
  • 自院の立ち位置が分かるポジショニングマップ

の作成事例をご紹介します。ポジショニングマップ作成時の軸の決定に、ぜひ役立ててください。

歯科医のポジショニングマップ作成事例

ではまず、歯科医のポジショニングマップの作成事例を紹介します。

(参考サイト:医療法人社団 浩昭会 PCP丸の内デンタルクリニック公式サイト http://www.implant-smiline.jp/promise/)

このポジショニングマップは、ポジショニング軸1を「美容」と「医療」、軸2を「専門家」と「一般人」に設定しています。

さまざまな分野で行われている治療や、自院が提供しているすべての治療をポジショニングマップに記入し、
自院が提供している治療に印をつけたり、丸で囲んだりしましょう。そうすることで、自院ではどんな分野のどのような治療を行っているのかを、患者さんたちに伝えることができます。

特に力を入れている治療が目立つようにポジショニングマップを作成し、自院のホームページに掲載してみましょう。

回復病棟の有無と病床規模のポジショニングマップ作成事例

次に回復病棟の有無と病床規模のポジショニングマップ作成事例を紹介します。

(参考サイト:バイエル ファーマ ナビ公式サイト https://pharma-navi.bayer.jp/support/community_care/medical_news_vol2.php)

このポジショニングマップは、ポジショニング軸1を「回復期機能の病棟無し」と「回復期機能の病棟無し」、軸2を「200床以上」と「200床以下」に設定。病院がとるべきポジショニングが整理されたマップに仕上がっています。

このポジショニングマップから、200床以上の病院は左上の高度急性期病院、また右上の在宅療養後方支援病院で行うべきことを担っている必要があることを把握することが可能です。また、200床未満の病院は左下の診療科を専門特化したり、右下の在宅医療に力を入れたりすることが求められています。

このようなポジショニングマップを制作することで、文章だけの説明より理解しやすく、また他者にも分かりやすく伝えることが可能です。

自院の立ち位置が分かるポジショニングマップ作成事例

では最後に、自院がどんな病院であるかを伝えることができるポジショニングマップの作成事例を紹介します。

(参考サイト:SlidePlayer https://slidesplayer.net/slide/17481861/)

このポジショニングマップは、ポジショニング軸1を「総合化」と「専門化」、軸2を「都市部」と「地域」に設定しています。このように、自院をポジショニングマップに加えることで、自院の立ち位置を伝えることが可能です。

また上記のポジショニングマップの「民間病院」や「在宅診療」の部分に競合を当てはめていくことで、自院が最も意識すべき競合はどの病院なのかを把握することができます。その際、空白の領域が現れたらそれは潜在市場です。ポジショニングマップを作成することで、潜在市場を見つけ出すこともできます。

さまざまなポジショニング軸を用いて、納得がいくまで何度もポジショニングマップを作ってみましょう。

ポジショニング戦略をベースとしたキャククル(Zenken)のWeb戦略

ここまで、医療業界に関するポジショニングマップついて紹介しました。当社では、ポジショニング戦略をベースとしたWeb戦略をクライアント様にご提案しています。

上記では説明しきれませんでしたが、実際に病院やクリニックなどの戦略では、地域性が非常に重要な要素となります。ですので実際には、地域によるセグメンテーションを行ったうえで、ポジショニングについて検討するという順番になります。

それぞれの病院には多種多様な特徴があり、その病院に合ったプロモーション戦略をする必要があるのです。

ポジショニングメディアとは

一方で、現在多くのWeb会社が行っている広告モデルは、ポータルサイトを作って「広告掲載しませんか?」というものが目立ちます。ポータルサイトの掲載も有効な手段だと思いますが、それだけでは、各々の病院が持つ独自の強みや魅力を、ユーザーに伝えきるのは難しいのが実情です。

また、そもそも自院の強みが何で、競合との差異はどこにあるのか、こういった自院の分析や競合分析を充分にしないまま、プロモーション活動している病院も多いと思います。

そこで我々は、クライアントが市場でどのような立ち位置にいるのか明確にするために、ポジショニングメディア(仮名)の作成を推奨しております。ポジショニングメディアとは、

  • 各病院の特徴を詳細にまとめ、
  • 業界全体を見渡せる
  • まとめサイトのようなものです。

このメディアは、ランキングサイトのように、優劣をつけるものではないため、サイト自体の集客力はあまりありませんが、市場を俯瞰的に捉えるためのツールとして重宝いただいています。

まずは、医療業界全体を俯瞰的に捉えられる状況を作り、その上で、自院がどうやって戦っていくか具体的な戦略を練る。この手順が重要です。

ポジショニングメディアの紹介資料


ポジショニングメディアの紹介資料

Webマーケティング戦略のひとつである、当社のWebサービス「ポジショニングメディア」について、資料にしました。すでに導入されたお客様の声や、一般的なWeb集客手法の課題もまとめています。

ポジショニングメディア資料

バリュープロポジションを生かした集客戦略

病院独自の特徴を示す、「USP(Unique Selling Proposition)」というマーケティング用語がありますが、それだけだといわゆる自己満足に終わるので、その先にある、自院独自の特徴と顧客のニーズを合致させる「バリュ―プロポジション」という考え方を基軸に、ターゲット顧客の選定を行っております。

バリュープロポジションとは、

  • 患者さんたちからニーズがあり
  • 競合他院は提供していない
  • 自院が提供することができる

価値のことです。

この情報過多の時代、闇雲に広告を打ってもユーザーの耳には届きません。市場での立ち位置を明確にし、戦うべきポジションを確立した上で、自院のブランディングを行う。この当たり前だが、とても重要なマーケティング戦略を実現しているのが、弊社の戦略的コンテンツマーケティングです。
バリュープロポジション漫画

病院・医療業界のポジショニングマップに関するよくある質問

Q. 病院とクリニックではポジショニングマップの軸が違いますか?

はい、規模・機能によって有効な軸が変わります。病院(一般的に20床以上)では「病床規模」「診療科の幅」「急性期対応の有無」などが重要な軸になりやすい一方、クリニックでは「予約のしやすさ」「待ち時間の短さ」「専門性」「オンライン診療対応」といった患者体験に近い軸が有効です。いずれの場合も、まず「自院を受診する患者のKBF(購買決定要因)」を調査・抽出することが先決です。

Q. ポジショニングマップを医院のホームページに活用できますか?

有効な活用方法のひとつです。特に歯科・美容医療・不妊治療など複数クリニックを比較検討する患者が多い診療科では、ホームページ内に「他院との違いを示すポジショニングマップ」を掲載することで、自院の立ち位置を視覚的に伝えられます。ただし、比較対象の他院について事実と異なる表現をすることは避けてください。あくまで「自院の特徴を可視化するツール」として使用するのが適切です。

Q. ポジショニング軸に「価格」を使うのは医療業界では難しいですか?

保険診療では価格がほぼ固定されているため、価格軸は差別化要素になりにくい場合があります。ただし、自由診療(歯科・美容外科・不妊治療など)が中心の医院や、初診料・診察料の透明性を打ち出したい場合は「価格の明瞭さ」軸は有効です。保険診療が主体の場合は「対応速度」「専門性」「患者体験の質」などの非価格軸で差別化を検討しましょう。

Q. 競合医院の情報はどうやって収集すればよいですか?

主な方法として①Googleマップ・口コミサイト(エムスリー、病院なびなど)での評判調査、②競合医院のホームページ・特徴ページの精査、③患者アンケートで「他にどこを検討しましたか?」と聞く、④地域の医師会・学会資料での情報収集、などがあります。患者視点での「比較軸」を抽出するには、実際に患者インタビューを行うことが最も信頼性の高い方法です。

Q. 医療機関がポジショニングを変えること(リポジショニング)はできますか?

可能ですが、慎重な計画が必要です。医療機関のポジショニング変更(例:一般内科→生活習慣病専門クリニックへの転換)は、設備・人材・患者説明・地域連携体制の見直しを伴います。また、既存患者への影響も大きいため、段階的な移行が現実的です。リポジショニングを検討する際は、「新ポジションで自院はナンバーワンになれるか」「そのポジションに十分な患者ニーズがあるか」を事前に検証してください。

Q. オンライン診療を導入するとポジショニングはどう変わりますか?

オンライン診療の導入は、「対応エリア(地域密着 ⇔ 広域)」軸と「受診の利便性」軸に直接影響します。特に都市部では既に多くのクリニックがオンライン診療を導入しているため、単に「オンライン診療あり」だけでは差別化になりにくい状況です。「当日対応が可能か」「専門外来との連動性があるか」「処方・電子処方箋との連携が整っているか」など、質的な差別化の観点で軸設定を行うことをおすすめします。

Q. ポジショニングマップは何種類作るのが適切ですか?

一般的には3〜5種類の異なる軸の組み合わせでポジショニングマップを作成することが推奨されています。異なる軸でマップを作ると、「空白地帯(未開拓ポジション)」が複数の軸で重複して見えてきます。その重複エリアこそが、自院が狙うべき最有力ポジションの候補です。一種類だけのマップでは視野が狭くなるため、多角的な視点で繰り返し作ることが重要です。

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