製品差別化戦略とは?成功事例から学ぶ競合と差がつく具体的な方法

製品差別化戦略とは?成功事例から学ぶ競合と差がつく具体的な方法

製品メーカーや製品販売会社、広告代理店などが製品をPRする際、次のような悩みはありませんか?

  • 「自社製品を競合製品の中で際立たせるためにはどうすればいいか」
  • 「大手の既存製品に勝つためにはどうすればいいか」

この記事では、他社とどう差別化すべきか、「差別化戦略」にフォーカスして解説いたします。マーケティング関連のお悩みがあるなら、きっと参考になるはずです。製品の差別化戦略の本質に迫りつつ、後半では成功事例も紹介します。

また、差別化戦略を実現するためには、同業他社の分析が欠かせません。そこで、当サイト「キャククル」では自社が他社と比較してどのような強みがあるか、どんな戦略でマーケティングすべきかを知るための「市場分析シート」(無料)を提供しています。ぜひお役立てください。

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製品やサービスを展開する上で、多くの企業が頭を悩ませるのが「どうやって競合と差別化するのか」という課題です。同じような機能を持つ製品が市場に溢れている中、自社製品を選んでもらうためには、価格以外の独自性(価値)を持たせることが不可欠です。

この記事では、製品の差別化に繋がる戦略の考え方について詳しく解説していきます。差別化戦略の基本的な考え方に加え具体的な成功事例も紹介。自社製品の差別化を通じて認知度アップ・売上アップを実現したい方はぜひ参考にしてみてください。

製品差別化戦略の重要性

現代のビジネス環境において、製品差別化戦略はますます重要性を増しています。インターネットの普及により、顧客は世界中の製品情報にアクセスできるようになり、競合との比較が容易になっています。そのため、価格だけを競っている企業は価格競争に巻き込まれ、利益率が圧迫されるリスクが高まります。

一方で、独自の価値を持つ製品は、価格が高くても顧客に選ばれる傾向があります。顧客は「安さ」だけでなく、「自分にとっての価値」を感じる製品を選ぶためです。製品差別化戦略は、価格競争から脱却し、持続可能な競争優位性を確立するための重要なアプローチです。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • マイケル・ポーターが提唱した3つの基本戦略と差別化戦略の本質
  • 製品差別化戦略の最新トレンドとポイント
  • 任天堂、バルミューダ、トヨタなど8社の成功事例
  • 製品差別化戦略の具体的な進め方(4つのステップ)
  • 成功事例から学べる差別化のポイント
  • 中小企業でも実践できる差別化戦略

差別化戦略の基本とマイケル・ポーターの3つの基本戦略

製品の差別化戦略のイメージ画像
差別化戦略を提唱したのは、アメリカを中心として世界各地で政府・企業の戦略アドバイザーを務めたマイケル・ポーター氏。競争戦略のひとつで、競合他社の商品と比較して、製品の機能や提供するサービス面で優位に立つための戦略のことを指します。

製品に価格以外の独自性(価値)を持たせ、認知上の価値を高めるため、製品の特徴・強みをプロモーションしていくのが差別化戦略の骨子です。

差別化戦略の本質

差別化戦略の本質は、顧客が製品のことを魅力的なものだと「認識」しているかどうかにあります。たとえば、メーカーや製品販売会社が「他の商品と比較した優位性」をアピールしたところで、それは製品の差別化にはなりません。

顧客にとっての価値を増加させ、他社製品と違うことを知ってもらうための取り組みを差別化戦略と言います。

このポイントを押さえないままプロモーションしてしまうと、十分な効果が得られない可能性もあるため、注意しましょう。

マイケル・ポーターが提唱する3つの基本戦略

ポーター氏はさまざまな競争戦略手法を唱えた人物でもあり、「3つの基本戦略」が代表的なフレームワークとして知られています。この3つの基本戦略はなにかというと、

  • コストリーダーシップ戦略
  • 差別化戦略
  • 集中戦略

になります。それぞれ簡単に説明しておきましょう。

コストリーダーシップ戦略

ひとつ目のコストリーダーシップ戦略とは、自社の経済的コストが競合会社の水準を下回ることを目指し、競争優位を確保しようとする方法です。

差別化戦略

2つ目の差別化戦略とは、先の説明通り、自社製品の認知上の価値を増加させ、競争優位の獲得を目指していく取り組みのこと。この戦略には大切なポイントがあります。

  • 製品の特徴
  • 機能間の連携
  • タイミング
  • 地理的ロケーション
  • 製品の品揃え
  • 他企業との関係性の強さ
  • 評判(ブランド)

この7つは、マイケル・ポーターが差別化戦略の「7つの源泉」で提唱している基準。製品の差別化戦略を成功させるには、これらの要素を満たしていくことが大切です。

集中戦略

そして、最後の集中戦略とは、経営資源を特定のターゲット・製品・流通・地域などに集中させる取り組みを指します。

  • コスト集中戦略…特定の市場に対して、コストの優位性をアピールする戦略
  • 差別化集中戦略…特定の市場に対して、競合と差別化した製品・サービスを提供する戦略

集中戦略の考え方は、上記通りです。ポーター氏の「戦略とは捨てることである」「戦略とは集中である」という言葉通りの意味であり、現代のマーケティング業界では集中戦略が基本となっています。

そのため、ここで多くを語らずとも、集中戦略の大切さがご理解いただけるでしょう。差別化戦略についてさらに知りたい方は、下記キャククル記事をご覧ください。

差別化戦略の7つの源泉と追加要素

ポーター氏が提唱した7つの源泉に加え、成功事例を参考に自社製品の差別化要素を考えていきましょう。特に、現在は市場環境が変化しているため、多角的な要素を考慮することが大切です。

差別化戦略に使える要素としては、

  • 製品の特徴
  • 機能間の連携
  • タイミング
  • 地理的ロケーション
  • 製品の品揃え
  • 他企業との関係性の強さ
  • 評判(ブランド)
  • 信頼性
  • 目的
  • 安全性
  • ブランディングとの関係
  • 消費者が求めているストーリー性

などが挙げられます。ポーター氏が提唱した7つの源泉に加え、成功事例を参考に自社製品の差別化要素を考えていきましょう。特に、現在はコロナ禍によって消費者の購買心理も変化しています。おうち時間が増えたことによる影響も踏まえつつ、しっかりと分析していくことが大切です。

差別化戦略の最新トレンドとポイント

製品差別化戦略を成功させるには、最新の市場トレンドを理解することが不可欠です。ここでは、現在の市場環境での差別化の重要性と、実践的なポイントを解説します。

現在の市場環境での差別化の重要性

現代のビジネス環境では、以下のような要因により差別化の重要性が増しています。

要因 内容
デジタル化による競合の増加 インターネットの普及により、世界中の製品と比較されるようになった
消費者情報の高度化 消費者は高度な情報収集能力を持つようになり、価格だけで選ばなくなった
製品ライフサイクルの短縮 製品のライフサイクルが短くなり、継続的な差別化が必要になった
コロナ禍による消費者心理の変化 おうち時間の増加、健康意識の高まり、省エネ・サステナビリティ重視などの変化

価格競争に巻き込まれないためのポイント

価格を安くするだけでは、価格競争に巻き込まれてしまいますし、価格以外の強みを持つ競合との差別化が図れません。

価格競争に巻き込まれないためには、以下のポイントが重要です。

  • 価格以外の強みを見つける:製品の特徴、機能、デザイン、体験、ストーリーなど、価格以外の独自性を明確にする
  • 顧客の認知上の価値を最大化:顧客が製品に対して感じる価値を高めるためのプロモーションを行う
  • ブランド力を強化:ブランドストーリーやコンセプトを通じて、顧客との感情的なつながりを築く

AI検索(LLMO・AIO)時代の差別化

最近のSEO・マーケティングトレンドで注目されているのが、AI検索(Large Language Model Optimization)への対応です。Google AI OverviewなどのAI検索エンジンが、検索結果にAIの回答を表示する動きが進んでいます。

AI検索時代の製品差別化においては、以下の施策が有効です。

  • 質の高い一次情報の発信:AIが信頼できる一次情報として引用しやすい、具体的なデータや統計を含んだコンテンツ
  • ブランドストーリーの強化:ブランド独自のストーリーや理念を発信し、AI検索結果で独自性を際立たせる
  • 専門性の強化:E-E-A-Tを意識した質の高いコンテンツを継続的に提供

AI検索の台頭は、検索エンジンの進化であり、より質の高い情報が評価される傾向が強まっています。このトレンドに対応した製品差別化を行うことで、今後の市場でも優位性を保てるでしょう。

製品差別化戦略の成功事例

ここでは、実際に製品差別化戦略によって成功を収めた企業の事例を紹介していきます。各企業がどのように差別化を図り、市場で優位性を確立したのかを参考にしてください。

任天堂 Nintendo Switch

製品の差別化戦略の事例ニンテンドースイッチの画像画像引用元:任天堂公式HP(https://www.nintendo.co.jp/hardware/switch/index.html)

数々のヒット作を生み出し、多くのユーザーの心を掴んでいる任天堂は「これまでにないユニークな商品」を生み出してきた会社です。タッチパネルを搭載した「ニンテンドーDS」、モーションキャプチャーを搭載した「ニンテンドーWii」など、ほかのゲーム機にはない機能で消費者を魅了してきました。

そして、2017年3月には「ニンテンドーSwitch」を発売し、競合であるソニー「PS4(PlayStation 4)」との差別化戦略に成功しています。

2017年といえば、スマホゲームの人気も落ち着いてきたタイミング。そんなとき、家でも外でも遊べるゲーム機が登場しました。「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」「どうぶつの森」「ポケモン」「ドラゴンクエスト」など、人気シリーズのソフトも続々販売。

また、「Joy-Con」「Joy-Conハンドル」など周辺機器の充実によって家族や友人とも対戦できるよう工夫されており、幅広いユーザーからの人気を集めています。市場で差別化が図れたSwitchの特徴を整理してみると、

  • 家でも外でも遊べる
  • 有料サービス「Nintendo Switch Online」
  • 人気シリーズのソフトを続々と発売
  • マルチプレイ対応でSNS世代のユーザーも獲得
  • パーティーゲームなどでファミリー層にもアプローチ

といった感じです。このように、ほかの会社のゲームにはないような特徴を兼ね備えたSwitchを販売したことにより、任天堂の差別化戦略が市場にはまったと言っても過言ではありません。

バルミューダ BALMUDA The Toaster

製品の差別化戦略の事例バルミューダの画像
画像引用元:BALMUDA公式HP(https://www.balmuda.com/jp/toaster/)

次に紹介するのは、これまでになかった家電を提案している「バルミューダ」です。4万円以上する炊飯器が品切れするほどヒット、ニュースなどでも取り上げられていたのでご存知のかたも多いはずです。

感動のトースター「BALMUDA The Toaster」は、税込み25,850円と高額ですが、あることが話題を呼び、爆発的なヒットを巻き起こしました。

それは、製品ではなく「体験を売る」というコンセプトにあります。

バルミューダのトースターには、トーストモード、チーズトーストモード、クロワッサンモード、フランスパンモード、クラシックモードの5つが搭載されています。

それぞれのモードはさまざまなレシピに適しており、その感動の味、究極の食感を体験できることを売りにしているのです。

パン屋の焼きたての味、食感、香り、柔らかさ…これらを自宅にいながら体験できるという点は、多くの消費者に刺さり、販売数100万台を超える成功を収めています。

トヨタ アルファード

製品の差別化戦略の事例トヨタアルファードの画像
画像引用元:トヨタ公式HP(https://toyota.jp/alphard/)

次に紹介するのは、トヨタ車の高級ミニバン「アルファード」です。アルファードは、2020年の年間販売台数9万748台を記録し、ミニバンの中で圧倒的な人気を誇っています。

兄弟車として、「ヴェルファイア」も有名ですが、2020年の年間販売台数はアルファードの5分の1程度。しかし2019年の年間販売台数を見てみると、ヴェルファイアの方が圧倒的に優勢でした。2020年、アルファードの人気が爆発した理由は、3つ考えられます。

  • 2018年のマイナーチェンジで外観のデザインを大幅に変更した点
  • トヨペット店のみでの取り扱いだったものを、全国のトヨタ系販売店で販売するようになった点
  • コロナ禍にって、メーカーサイドからの支援を受けられるようになった点

多くの消費者に注目されるようなデザインに一新したこと、全国の系列店で取り扱われるようになったことによって注目度が上がり、それをコロナ禍でのメーカー支援が後押しした形となっています。

※参照元
ベストカーWeb「ヴェルファイアよりアルファードが人気の理由とは? いつからこうなった!?」(https://bestcarWeb.jp/news/147597
くるまのニュース「高額でも売れる!? アルファード好調の裏にコロナ禍によるトヨタの販売戦略があった?」(https://kuruma-news.jp/post/284329

アサヒドライゼロ(ノンアルビール)

製品の差別化戦略の事例アサヒドライゼロの画像
画像引用元:アサヒ公式HP(https://www.asahibeer.co.jp/non-alcohol/)

次に紹介するのは、アサヒビール株式会社の「アサヒドライゼロ」です。サントリーホールディングスが公表した「サントリー ノンアルコール飲料レポート2019」によれば、ノンアルコール飲料市場は10年前と比べて4倍以上に成長しています。

もともとは飲酒運転防止のためなど、代用品として好まれたノンアル飲料。「飲むと運転できないからしかたなく」飲むもの、という位置づけでした。

ところが近年の健康志向を受けて機能性表示食品として売り出すなど、ノンアルコール飲料市場を牽引しています。コロナの影響で自宅にいる時間が長くなり、運動不足による未病予防の意識が高まっている点も好材料

いまではビールだけでなく、ノンアル梅酒やワイン、ノンアルチューハイなど多種多様なノンアルコール飲料市場が形成されています。

なかでも、「アサヒドライゼロ」は、サントリーの「オールフリー」、キリンの「グリーンズフリー」などに差を付け、5年連続売上No.1売り上げを獲得。

2020年1月下旬製造分からは、「お酒の次はドライゼロ」や「乾杯はビール、〆はノンアルコール」といったメッセージのもとリニューアルを果たしました。

アサヒビールは「東京2020ゴールドパートナー」(ビール&ワイン)として国内最高位のスポンサー契約も締結(2021年東京五輪)するなど、ますますその存在感を増しています。

定期的に季節限定のスペシャルパッケージを販売することにも力を入れており、アサヒドライゼロの既存ファン・新規ファンに働きかけています。

競合他社が多いノンアルコール飲料市場における差別化は、スピーディなプロモーション展開で消費者に働きかけることによって認知されるようになったといえます。

※参照元
PR TIMES「ノンアルコールビールテイスト飲料市場 4年連続売上No.1『アサヒドライゼロ』クオリティアップ!」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000527.000016166.html
サントリーグループ企業情報「サントリー ノンアルコール飲料レポート2019」(https://www.suntory.co.jp/news/article/13483.html

日本のスーパーアプリ「LINE」

製品の差別化戦略の事例LINEの画像
画像引用元:LINE公式HP(https://line.me/ja/)

次に紹介するのは、さまざまなサービスをひとつに統合したスーパーアプリとしても知られる「LINE」です。つい先日中国への情報漏洩の可能性を指摘されるといった事案もありましたが、日本におけるSNSでは群を抜いて支持を集めていることは間違いありません。

2011年6月にリリースされ、以来、友人や家族とのコミュニケーションツールとして人気を集めてきたLINEは、今やスマホユーザー必携のアプリに成長。ソーシャルメディア、決済、送金、ホテルの予約など、さまざまなサービスをひとつのアカウントで利用できることから、リリースから10年経た現在、不動の地域を築いています。

そんなLINEは、2019年11月にLINEとヤフーが経営統合することを受け、スーパーアプリとしても名を馳せるようになりました。

ソフトバンクとヤフーの合併により設立された「paypay」もスーパーアプリへの構想を掲げていたため、今後ヤフー(paypay)とLINEそれぞれの強みを活かして市場を席巻するのではないかと、注目されています。

もともと競合同士だったLINEとヤフーが統合することにより、競合他社が追随できないスーパーアプリに成長する可能性が高い。

今後、全世界に展開しているGAFAや、人口13億の中国を相手にしているBATへの戦略を、どのように行っていくのか…。引続き見守っていくことで、差別化戦略の参考となるはずです。

※参照元
ビジネス+IT「スーパーアプリ」とは何か?統合アプリ戦争勃発、LINEがWeChatやAlipayを追うワケ」(https://www.sbbit.jp/article/cont1/37022

シュパット

製品の差別化戦略の事例シュパットの画像
画像引用元:Shupatto公式HP(https://www.shupatto.com/)

次に紹介するのは、たためるエコバッグ「シュパット」です。この商品は、2015年より発売されたものですが、2020年のレジ袋有料化に伴い、注目を浴びるようになりました。

特殊な加工で生地に折り目を付け、つまんで引っ張るだけで”シュパッ”とたためる手軽さと便利さが話題を呼び、シリーズ累計販売数は100万個を突破しています。

機能性とデザイン性が評価され、世界3大デザイン賞も受賞しています。ほかのエコバッグとの差別化をこの機能性とデザイン性で図り、見事に成功しました。

エコバッグのヒットを受けて、通勤や外出先、旅行用で使えるサブバックなどサイズやデザインを豊富に展開。主婦層が買い物に使うレジ袋代わりのエコバッグだけではなく、学生やビジネスパーソンなどの顧客も獲得しています。

ポケトル

製品の差別化戦略の事例ポケトルの画像
画像引用元:POKETLE公式HP(https://poketle.com/)

次に紹介するのは、手のひらサイズ水筒「ポケトル」です。圧倒的な小ささ、これも差別化戦略のひとつです。

ポケトルは、日本最小サイズの水筒として大ヒットし、累計販売本数100万本を突破。容量200ml未満のミニマムさが学生やOLなど若い女性たちの心を掴みました。

近年は、ミニマリストなるモノを持たない、モノを置かない若者が増え、最小限の荷物を持ち歩く軽量化も進んでいます。脱使い捨て、ミニマムといった時流にのったことも大きいですが、マグボトルの最小化は新しい市場を生み出すことにつながりました。

ただミニマグボトルは類似の商品が多数出ていますので、今後どのようにして差別化を図るかが、課題かもしれません。

明星 チャルメラ 宮崎辛麺

製品の差別化戦略の事例明星 チャルメラ 宮崎辛麺の画像画像引用元:明星公式HP(https://www.myojofoods.co.jp/products/items/9876)

最後に、日清食品の「明星 チャルメラ 宮崎辛麺」の事例をご紹介します。無表情で踊る本田翼さんの姿と、TikTok発のゆるい楽曲が印象的な宮崎辛麺のCM。放映された翌週からの売り上げは、放送前の1.6倍に伸びたといいます。

宮崎辛麺のターゲットは、30代の女性。日清食品でチャルメラのブランドを担当している平田氏は、どの世代の女性も5~8歳程度実年齢より感覚が若いことを踏まえて、本田翼さんとTikTok発の曲を採用しました。

ネット上での話題性も重要視したため、YouTubeでのゲーム実況など発信力がある彼女を起用したそう。ほかのCMと踊りがかぶらないよう、シュールさを前面に出すことで差別化し、CM視聴者が食べたいと思うような食事シーンをアピールしたといいます。

2016年まで、同社の主なユーザー層は60代以降の男女でした。しかし、同年「チャルメラ バリカタ麺豚骨」を発売し、ターゲットであった40代男性への訴求に成功。そこで、女性層を狙って開発されたのが宮崎辛麺だといいます。

ここ数年激からブームが続いていますが、おうち時間が増えたいま、あえて30代の女性をターゲットにしたプロモーション展開で差別化したあたり、さすが日清食品というしかありません。

※参照元
日経クロストレンド「脱力系ダンスの本田翼で売り上げ1.6倍 女性狙う明星チャルメラ」(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00143/00046/

製品差別化戦略の進め方

ここからは、実際に製品差別化戦略をどのように進めていけばいいのか、4つのステップで解説します。

ステップ 内容
ステップ1:競合と市場の分析 競合製品の強み・弱みの把握、市場のニーズとギャップの発見、SWOT分析の活用。定量データ(市場規模、成長率、シェアなど)と定性データ(顧客の声、トレンド、文化変化など)の両面からアプローチする
ステップ2:自社製品の強みとバリュープロポジションの発見 自社製品にしかない要素(強み)の特定、顧客に求められている価値の定義、USP(Unique Selling Proposition)の策定。「自社製品の強み」と「顧客が求めている価値」の交差点を見つける
ステップ3:差別化要素の選定と戦略の構築 差別化の源泉から適切な要素を選択、ターゲット層の絞り込み(集中戦略の適用)、差別化のコンセプトとストーリーの策定。「何を変えるか」だけでなく、「誰に向けるか」を明確にする
ステップ4:プロモーションと認知拡大 顧客に差別化要素を認知させるプロモーション、ブランディングとの連携、継続的な改善と運用。単に「製品の特徴」を伝えるだけでなく、「顧客にとっての価値」を伝える

成功事例から学べる差別化のポイント

ここでは、先ほど紹介した8つの成功事例から共通の成功法則を整理し、製品差別化のポイントを解説します。

顧客の「体験」に焦点を当てる

成功事例に共通しているのは、単に「製品の機能」を売るのではなく、「顧客の体験」に焦点を当てている点です。

  • バルミューダ:「トーストを食べる体験」を売る
  • 任天堂:「家でも外でも遊べる体験」を提供
  • シュパット:「たためる便利な体験」を提供

顧客は、製品そのものだけでなく、製品を通じて得られる体験に価値を感じます。体験を売ることで、価格競争に巻き込まれず、高いリピート率を実現できます。

コンセプトとストーリーの重要性

成功事例では、明確なコンセプトとストーリーを持っている点も共通しています。

  • バルミューダ:「感動の味」を提供するというコンセプト
  • アサヒドライゼロ:「お酒の次はドライゼロ」というストーリー
  • 明星 チャルメラ 宮崎辛麺:「シュールさ」を前面に出したCMによるストーリー

コンセプトとストーリーは、顧客との感情的なつながりを築き、製品の記憶定着率を高める効果があります。価格競争に巻き込まれないためには、感情的な差別化が不可欠です。

ニッチ市場での成功

成功事例の多くは、ニッチ市場での成功事例です。

  • ポケトル:日本最小サイズの水筒というニッチ市場
  • シュパット:たためるエコバッグというニッチ市場
  • アサヒドライゼロ:ノンアルコール飲料という成長市場

ニッチ市場では、競合が少なく、市場を支配しやすい傾向があります。中小企業でも、ニッチ市場に集中することで、大企業に対抗できる可能性があります。

ターゲット層の明確化

成功事例では、ターゲット層を明確化し、その層に向けて訴求している点も共通しています。

  • 明星 チャルメラ 宮崎辛麺:30代女性をターゲットに
  • ポケトル:若い女性層をターゲットに
  • アルファード:高級ミニバン需要層をターゲットに

ターゲット層を明確化することで、プロモーションの効率が上がり、より効果的な差別化が可能になります。

中小企業でも実践できる差別化戦略

大企業のような潤沢な経営資源を持たない中小企業でも、製品差別化戦略を実践することは可能です。ここでは、中小企業向けの差別化戦略のポイントを解説します。

ニッチ市場への集中

大企業は市場規模の大きな市場を狙う傾向がありますが、中小企業はニッチ市場に集中することで成功する可能性が高いです。ニッチ市場では、大企業が参入していない、または十分に対応できていない市場を狙えます。

  • 地域特化:特定の地域に密着し、地域特有のニーズに対応
  • 業種特化:特定の業種や職業に向けた製品を提供
  • 用途特化:特定の用途やシーンに焦点を当てた製品を提供

小回りの利いた迅速な対応

中小企業の強みは、意思決定のスピードと市場への迅速な対応です。大企業よりも早く市場の変化に対応し、顧客のニーズに合わせて製品を改善できます。

  • 顧客からのフィードバックの迅速な活用:顧客の声をすぐに製品改善に反映
  • 市場トレンドの迅速なキャッチ:新しいトレンドを早く製品に取り入れ
  • 柔軟な製品開発:小ロットで製品を開発・販売し、市場の反応を見ながら改善

地域密着型の差別化

特定の地域に密着し、その地域特有のニーズに対応することで、大企業にはない差別化を図れます。

  • 地域の文化や習慣に合わせた製品:地域特有の文化、習慣、ライフスタイルに合わせた製品を提供
  • 地域の問題解決:地域が抱える課題を解決する製品を提供
  • 地域との強いつながり:地域社会と強いつながりを持ち、地元愛されるブランドを構築

オンラインコミュニティの活用

近年は、SNSやオンラインコミュニティを活用して、低コストでブランドを構築・拡大することが可能です。

  • 顧客との直接なコミュニケーション:SNSを通じて顧客と直接コミュニケーションを取り、信頼関係を構築
  • ユーザー生成コンテンツの活用:顧客に製品の使用シーンをシェアしてもらい、拡散させる
  • インフルエンサーとの連携:影響力のあるインフルエンサーと連携し、製品の認知を拡大

製品差別化戦略まとめ

製品の差別化戦略のイメージ画像

このページの概要を簡単に振り返ります。

  • 差別化戦略=顧客の認知上の価値を高めるためのマーケティング戦略
  • 価格で差を付けようとすると、値引き戦争に巻き込まれるのでNG
  • 顧客に製品の価値を認知させるためには、プロモーションが大切
  • 現代の市場環境(デジタル化、コロナ禍など)を踏まえた差別化戦略が求められる

製品の差別化戦略に定番はありません。個々の商品ごとに戦う市場も競合製品も異なるからです。大事なことは、競合商品の分析だけではなく、自社製品のバリュープロポジション、すなわち「自社製品にあって競合製品にはない、顧客に求められている強み」はどこにあるのかを追求しましょう。

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