半導体後工程装置メーカー12社を比較 組立・封止・検査装置の選び方

公開日:2026年07月13日

半導体後工程には、ウェーハの薄化・ダイシング、チップの搭載・接続、樹脂封止、個片化、電気検査・選別など複数の工程があります。

メーカーによって対応する工程と装置範囲が異なるため、対象パッケージ、ワークサイズ、量産条件、前後装置との接続から候補を絞る必要があります。国内外12社の装置領域と選び方を整理します。

目次

半導体後工程装置メーカー12社の比較表

対応工程、主な装置・技術、向いている導入目的をもとに比較しています。後工程装置は工程ごとに役割が異なるため、必要な設備を扱うメーカーから候補を絞ってください。

会社名 サービスの特徴 対応工程 主な装置・技術 向いている導入目的

DISCO

ウェーハ薄化・ダイシング・レーザ加工を展開

裏面研削、研磨、ダイシング、レーザ加工
ダイシングソー、グラインダ、ポリッシャ、レーザソー、加工ツール
ウェーハ薄化から個片化まで加工品質を作り込みたい企業

ACCRETECH

ダイシング・研削とウェーハテスト装置を展開

切断、研削・研磨、ウェーハプロービング
ダイシングマシン、ポリッシュ・グラインダ、プロービングマシン
加工とウェーハレベル検査を同じメーカーへ相談したい企業

キヤノンマシナリー

ダイピックアップ・搭載・整列・検査を自動化

ダイピックアップ、ダイボンディング、ダイソート、外観検査
BESTEMダイボンダー・ダイソーター・クリップボンダー、三次元検査
薄型・小型ダイの搬送と搭載を量産自動化したい企業

ヤマハロボティクス

ボンディングからモールド・リード加工まで幅広く対応

ダイ・ワイヤー・フリップチップ接合、樹脂封止、リード加工
SHINKAWAボンダー、APIC YAMADAモールド・リード加工装置
複数の組立・封止工程を同じグループへ相談したい企業

TOWA

樹脂封止とシンギュレーション装置・金型を展開

トランスファー・コンプレッション封止、個片化
モールディング装置、精密金型、FMSシンギュレーション装置
封止から製品切断・収納まで一体で構築したい企業

東レエンジニアリング

先端パッケージ向けボンディング・塗布・検査を展開

フリップチップ・TCB、PLP塗布、ウェーハ・パネル検査
フリップチップボンダー、TRENG-PLPコータ、PLP異物検査装置
FOWLP・FOPLP・TSVなど先端実装を開発・量産したい企業

テイコクテーピングシステム

ウェーハ保護・ダイシング用テープ工程を自動化

テープ貼付・剥離、ウェーハマウント、UV照射
テープラミネーター、リムーバー、ウェーハテープマウンター
薄化・ダイシング前後のテープ工程を自動化したい企業

アドバンテスト

SoC・メモリ・パワー半導体の量産テストを自動化

電気特性試験、システムレベルテスト、搬送・温度印加・選別
SoC・メモリ・パワー用テストシステム、テストハンドラ
デバイス別の量産テストと選別を構築したい企業

ASMPT

ダイシングから組立・封止・検査まで工程横断で展開

レーザ加工、各種ボンディング、封止、個片化、検査・梱包
ダイ・ワイヤー・TCB・クリップボンダー、モールド、Trim & Form
後工程ラインを複数装置とソフトウェアで統合したい企業

Besi

ダイアタッチと封止・個片化・めっきを展開

ダイアタッチ、TCB・フリップチップ、封止、Trim & Form、個片化
Datacon・Esecボンダー、Ficoパッケージ装置、Mecoめっき装置
従来・先端パッケージの組立工程を横断して比較したい企業

Kulicke & Soffa

ワイヤーボンディングと先端パッケージ接合を展開

ボール・ウェッジ・垂直ワイヤー接合、TCB、スタッドバンプ、クリップ接合
RAPID・POWERCOMMワイヤーボンダー、APAMA・APTURA TCB装置
従来ワイヤー接合と高密度先端接合を比較したい企業

Cohu

テストハンドラ・外観検査・選別を統合

デバイス搬送、温度試験、電気検査、外観検査、選別・梱包
MATRiX・Eclipseハンドラ、NY20・NY32、Neon・Krypton検査
車載・パワー・MEMS・WLCSPの最終検査を自動化したい企業

半導体後工程装置メーカー12社の詳細

DISCO

ウェーハ薄化・ダイシング・レーザ加工を展開

DISCOは、半導体ウェーハの「切る・削る・磨く」工程に使う精密加工装置と加工ツールを提供しています。ウェーハ裏面を薄くする工程から、チップやパッケージを個片化する工程まで候補になります。

主な装置・製品

  • ダイシングソー: 回路形成済みウェーハや半導体パッケージをブレードで切断し、個々のチップへ分割します。
  • レーザソー: アブレーションやステルス加工を用い、ブレード加工が難しい材料や狭い加工幅を検討する場合に使います。
  • グラインダ・ポリッシャ: ウェーハ裏面を研削・研磨し、チップの薄化、平坦化、加工ダメージの低減を行います。
  • 加工ツール: ダイシングブレード、グラインディングホイール、ポリッシングホイールを装置・材料に合わせて選定します。

装置だけでなく加工ツールとプロセス条件を同じメーカーへ相談し、チッピング、クラック、抗折強度、加工速度を作り込みたい場合に向いています。

DISCOの会社概要

会社名株式会社ディスコ
主な対応領域ダイシング、レーザ加工、裏面研削、研磨、加工ツール
公式URLDISCO公式サイト

ACCRETECH

ダイシング・研削とウェーハテスト装置を展開

ACCRETECHは、ウェーハの研削・切断に加え、ウェーハ上の各チップへ電気的に接触して検査するプロービングマシンを展開しています。加工工程とウェーハテスト工程を同じメーカーへ相談できます。

主な装置・製品

  • ダイシングマシン: ブレードによるフルオート・セミオート切断装置を展開し、ウェーハ、電子部品、硬脆材料などを加工します。
  • ポリッシュ・グラインダ: ウェーハの薄化、研削、研磨を行い、後工程で扱う厚みと表面状態へ仕上げます。
  • プロービングマシン: プローブカードをウェーハ上の電極へ接触させ、テスターと組み合わせて各チップの電気特性を測定します。

ダイシング前後のウェーハテスト、薄ウェーハ、難削材、既存加工条件との互換性をまとめて比較したい企業に向いています。

ACCRETECHの会社概要

会社名株式会社東京精密
ブランドACCRETECH
主な対応領域ダイシング、研削・研磨、ウェーハプロービング
公式URLACCRETECH公式サイト

キヤノンマシナリー

ダイピックアップ・搭載・整列・検査を自動化

キヤノンマシナリーは、ダイピックアップ技術と画像認識技術をもとに、ダイボンダー、ダイソーター、クリップボンダー、検査装置を提供しています。

主な装置・製品

  • BESTEMダイボンダー: ダイシング済みウェーハからチップを取り出し、リードフレームや基板へ接着・接合します。
  • BESTEMダイソーター: ウェーハ上の良品ダイを選別してピックアップし、トレイへ整列・収納します。
  • クリップボンダー: パワー半導体などで、ワイヤーに代わる金属クリップをダイやリードへ接合します。
  • 三次元外観検査装置: パッケージや部品の微小形状・外観を画像処理で検査します。

薄型・小型ダイのピックアップ、ダイ選別、パワーデバイスのクリップ接合を量産自動化したい場合に候補になります。

キヤノンマシナリーの会社概要

会社名キヤノンマシナリー株式会社
主な対応領域ダイボンディング、ダイソート、クリップ接合、外観検査
公式URLキヤノンマシナリー公式サイト

ヤマハロボティクス

ボンディングからモールド・リード加工まで幅広く対応

ヤマハロボティクスは、SHINKAWA Seriesで各種ボンディング装置、APIC YAMADA Seriesでモールディング・リード加工装置と金型、PFA Seriesで組立・検査装置を展開しています。

主な装置・製品

  • STC-800などのダイボンダー: 個片化されたチップをピックアップし、基板やリードフレームへ高速・高精度に搭載します。
  • UTCシリーズのワイヤーボンダー: 金・銅などの細線で、チップ上の電極とパッケージ端子を接続します。
  • FPBシリーズのTCBボンダー: チップと基板・ウェーハを熱と圧力で接合し、高密度なフリップチップ実装を行います。
  • MS-R・WCMシリーズ: トランスファーまたはコンプレッション方式で半導体を樹脂封止します。
  • リード加工装置: 封止後のタイバー切断とリード成形を行います。

ダイ搭載、電気接続、樹脂封止、リード加工を横断し、装置・金型・自動化の責任範囲をまとめたい企業に向いています。

ヤマハロボティクスの会社概要

会社名ヤマハロボティクス株式会社
主なブランドSHINKAWA Series、APIC YAMADA Series、PFA Series
主な対応領域各種ボンディング、モールディング、リード加工、検査・組立
公式URLヤマハロボティクス公式サイト

TOWA

樹脂封止とシンギュレーション装置・金型を展開

TOWAは、半導体後工程向けのモールディング装置、精密金型、シンギュレーション装置を提供しています。封止条件と金型を一体で設計し、封止後の基板を個片へ切断・収納する工程まで扱います。

主な装置・製品

  • トランスファーモールディング装置: 加熱した樹脂を金型キャビティへ流し込み、リードフレームや基板上のチップを封止します。
  • コンプレッションモールディング装置: ウェーハ、パネル、大型・薄型パッケージなどを圧縮成形で封止します。
  • 精密金型: マルチプランジャー金型やコンプレッション金型を装置・パッケージに合わせて設計します。
  • FMSシンギュレーション装置: 樹脂封止された基板をダイサーで切断し、個片化した製品をトレイなどへ収納します。

封止工程と個片化工程の間で、基板反り、切断精度、搬送、トレーサビリティを連携させたい場合に候補になります。

TOWAの会社概要

会社名TOWA株式会社
主な対応領域樹脂封止、精密金型、シンギュレーション
公式URLTOWA公式サイト

東レエンジニアリング

先端パッケージ向けボンディング・塗布・検査を展開

東レエンジニアリングは、半導体先端パッケージ向けのボンディング、塗布、外観・異物検査装置を展開しています。研究開発から量産までの装置系列を比較できます。

主な装置・製品

  • フリップチップボンダー: チップのバンプ面を基板やウェーハへ向け、高精度に位置合わせして接合します。TCB、TSV、FOWLP、FOPLP、光素子などが対象です。
  • TRENG-PLPコータ: 大型パネルへ材料を均一に塗布し、パネルレベルパッケージ工程を構築します。
  • PLP用異物検査装置: 大型パネル上の異物・欠陥を光学的に検出します。
  • ウェーハ外観検査装置: 前工程から後工程まで、ウェーハやチップの外観を自動検査します。

従来のリードフレームパッケージではなく、チップレット、2.5D・3D実装、FOWLP・FOPLPなどを開発・量産したい場合に向いています。

東レエンジニアリングの会社概要

会社名東レエンジニアリング株式会社
主な対応領域フリップチップ・TCB、先端パッケージ塗布、外観・異物検査
公式URL東レエンジニアリング公式サイト

テイコクテーピングシステム

ウェーハ保護・ダイシング用テープ工程を自動化

テイコクテーピングシステムは、半導体後工程で使うテープの「貼る・剥がす・運ぶ」装置を開発しています。ウェーハ薄化やダイシングの前後で、製品を保護・保持するテープ工程が対象です。

主な装置・製品

  • テープラミネーター: ウェーハ表面などへ保護テープを貼り、裏面研削や後続工程で回路面を保護します。
  • テープリムーバー: 加工後のウェーハから保護テープを剥離し、次工程へ搬送します。
  • ウェーハテープマウンター: ダイシング前のウェーハをリングフレームとダイシングテープへ貼り付けます。
  • UV照射機: UV硬化型テープの粘着力を低下させ、ダイのピックアップやテープ剥離を行いやすくします。

薄ウェーハでの気泡・しわ・位置ずれ・割れを抑え、手作業のテープ貼付や剥離を自動化したい場合に候補になります。

テイコクテーピングシステムの会社概要

会社名テイコクテーピングシステム株式会社
主な対応領域テープラミネート・剥離、ウェーハマウント、UV照射
公式URLテイコクテーピングシステム公式サイト

アドバンテスト

SoC・メモリ・パワー半導体の量産テストを自動化

アドバンテストは、半導体が設計どおりに動作するかを測定するテストシステムと、デバイスの搬送・温度印加・選別を行うテストハンドラを提供しています。

主な装置・製品

  • SoCテストシステム: ロジック、アナログ、RF、DC、イメージャーなど複数機能を持つICを電気的に試験します。
  • メモリテストシステム: DRAMやNANDなどを多数個同時に試験し、量産テストの処理能力を確保します。
  • パワー半導体テストシステム: 高電圧・大電流を扱うデバイスやパワーモジュールを試験します。
  • テストハンドラ: パッケージをテスト位置へ搬送し、温度を加え、判定結果に応じて選別します。
  • システムレベル・バーンイン試験: 実使用環境に近い動作試験や、温度・時間による初期故障の選別を行います。

テスター本体だけでなく、ハンドラ、デバイスインターフェース、テストプログラム、量産データまで含めて試験工程を構築したい企業に向いています。

アドバンテストの会社概要

会社名株式会社アドバンテスト
主な対応領域半導体テスト、テストハンドリング、システムレベル・バーンイン試験
公式URLアドバンテスト公式サイト

ASMPT

ダイシングから組立・封止・検査まで工程横断で展開

ASMPTは、従来型IC・ディスクリートから先端パッケージ、CMOSイメージセンサー、LED・フォトニクスまで、後工程の複数装置とインライン統合を展開しています。

主な装置・製品

  • レーザダイシング・グルービング: ウェーハやパッケージをレーザで溝加工・個片化します。
  • ダイ・ワイヤー・TCB・クリップボンダー: チップの搭載、ワイヤー接続、高密度フリップチップ接合、パワー半導体のクリップ接合に対応します。
  • 封止装置: IC、ディスクリート、MUF、パネルモールドなどの樹脂封止を行います。
  • シンギュレーション・Trim & Form: 封止後の個片化、不要部切断、リード成形を行います。
  • 検査・テスト・梱包: 外観検査や機能試験をラインへ組み込み、良品を梱包工程へ送ります。

複数メーカーの単体装置をつなぐのではなく、後工程全体を装置・搬送・ソフトウェアで統合したい場合に候補になります。

ASMPTの会社概要

会社名ASMPT Limited
主な対応領域ダイシング、ボンディング、封止、個片化、検査・テスト・梱包
公式URLASMPT公式サイト

Besi

ダイアタッチと封止・個片化・めっきを展開

Besiは、Datacon・Esecブランドのダイアタッチ装置、Ficoブランドのパッケージング装置、Mecoブランドのめっき装置を展開しています。

主な装置・製品

  • ダイアタッチ装置: エポキシ、はんだ、フリップチップ、TCB、マルチチップ、ファンアウトなどのチップ搭載・接合を行います。
  • モールディング装置: リードフレーム、基板、ウェーハレベルの従来・薄型パッケージを樹脂封止します。
  • Trim & Form・シンギュレーション装置: 封止後のリード切断・成形とパッケージ個片化を行います。
  • めっき装置: リードフレームなどへ錫、銅、貴金属のめっき処理を行います。

ダイアタッチから封止、個片化、めっきまでの装置を比較し、リードフレーム・基板・ウェーハレベルの各方式へ対応したい企業に向いています。

Besiの会社概要

会社名BE Semiconductor Industries N.V.
主なブランドDatacon、Esec、Fico、Meco
主な対応領域ダイアタッチ、パッケージング、個片化、めっき
公式URLBesi公式サイト

Kulicke & Soffa

ワイヤーボンディングと先端パッケージ接合を展開

Kulicke & Soffaは、ワイヤーボンダー、ウェーハレベルボンダー、TCB装置、接合ツールを提供しています。

Kulicke & Soffaの会社概要

会社名Kulicke and Soffa Industries, Inc.
主な対応領域ワイヤー・リボン接合、TCB、スタッドバンプ、先端パッケージ
公式URLKulicke & Soffa公式サイト

Cohu

テストハンドラ・外観検査・選別を統合

Cohuは、半導体テストハンドラ、外観検査・計測、半導体テスター、テストインターフェース、装置データ分析を提供しています。IC、LED、ディスクリート、車載、パワー、MEMS、WLCSPなどを対象とします。

主な装置・製品

  • MATRiX・Eclipseテストハンドラ: パッケージをピック&プレースで搬送し、複数温度条件で電気試験へ供給します。
  • NY20・NY32: タレット上でテスト、外観検査、マーキング、選別、梱包など複数工程を連続処理します。
  • Neon・Krypton検査システム: 小型パッケージ、WLCSP、ベアダイなどの全面外観、寸法、側面クラック、内部欠陥を検査します。
  • MEMSテストセル: センサーへ物理刺激を与え、機能試験、校正、検査を自動化します。
  • PAICe: 装置稼働と生産データを収集し、監視・分析へつなげるデジタル基盤です。

テストだけでなく、搬送、温度制御、外観検査、選別、梱包を連続化し、最終検査工程の処理能力を高めたい場合に候補になります。

Cohuの会社概要

会社名Cohu, Inc.
主な対応領域テストハンドリング、検査・計測、半導体テスト、インターフェース
公式URLCohu公式サイト

半導体後工程装置メーカーの選び方

必要な工程と装置の境界を決める

最初に、ウェーハ薄化から最終テストまでのどこを新設・更新するのかを明確にします。同じ「後工程装置メーカー」でも、ダイシング専業、ボンディング中心、封止・個片化中心、テスト中心、工程横断型では対応範囲が異なります。

装置本体だけを購入するのか、プロセス開発、金型・治具、消耗品、搬送、検査、MES接続、量産立ち上げまで依頼するのかも決めます。複数メーカーを採用する場合は、前後装置間の受け渡し仕様と不具合発生時の責任分界を明記します。

デバイスとパッケージ構造から候補を絞る

ロジック、メモリ、パワー半導体、センサー、LEDでは、ダイ寸法、厚み、接合材、発熱、電流、試験内容が異なります。QFP・SOP・QFNなどのリードフレーム系、BGA・FC-BGAなどの基板系、WLP・PLP、パワーモジュールのどれを扱うかを候補メーカーへ提示します。

実サンプルでプロセス能力を評価する

カタログの位置精度、処理能力、検査感度は、ワーク、材料、レシピ、測定条件によって変わります。実際のウェーハ、チップ、基板、樹脂、ワイヤー、パッケージを使い、良品だけでなく想定不良を含めて評価します。

量産拠点の保守と部品供給を確認する

24時間稼働する後工程ラインでは、装置停止時間が生産量へ直結します。国内外の保守拠点、初動時間、リモート支援、予防保全、ソフトウェア更新、長納期部品、消耗品、旧機種のサポート期限を確認します。

半導体後工程とは

半導体後工程は、回路が形成されたウェーハからチップを切り出し、パッケージへ組み立て、外部端子を形成し、検査・選別して出荷可能な製品へ仕上げる工程です。企業や製品によっては、ウェーハテスト、裏面研削、再配線、バンプ形成を「中工程」や先端パッケージ工程として区分する場合もあります。

呼び方だけで発注範囲を決めず、装置へ入るワークと装置から出るワークを工程フロー上で定義することが重要です。

半導体後工程の流れと装置

工程主な装置装置の役割
ウェーハテストプローバ、テスターウェーハ上の各チップへ接触し、電気特性から良否を判定する
保護・薄化テープラミネーター、グラインダ、ポリッシャ、テープリムーバー回路面を保護しながらウェーハ裏面を削り、必要な厚みへ仕上げる
ダイシングテープマウンター、ブレードダイサー、レーザソーウェーハを保持し、個々のチップへ切り分ける
ダイ搭載ダイソーター、ダイボンダー、フリップチップ・TCBボンダー良品ダイを取り出し、リードフレーム、基板、ウェーハへ搭載・接合する
電気接続ワイヤーボンダー、クリップボンダー、フリップチップボンダーチップの電極と外部端子を電気的に接続する
樹脂封止トランスファー・コンプレッションモールディング装置チップと接続部を樹脂で保護し、パッケージ外形を形成する
後処理・個片化トリム&フォーム、シンギュレーション、マーキング装置不要部を切断し、端子を成形して製品を個片化・識別する
最終検査・選別外観検査、テスター、テストハンドラ、バーンイン装置外観と機能を検査し、温度条件を加えて良否選別・梱包する

後工程装置の種類

ウェーハ薄化・ダイシング装置

スマートフォンや先端パッケージではチップ薄化が進み、パワー半導体では厚みや材料特性が加工条件へ影響します。グラインダの研削量とダメージ、ポリッシャの表面仕上げ、テープ工程、ブレード・レーザの加工方法を一続きで評価します。

シリコン、SiC、GaN、ガラス、セラミックス、樹脂基板では加工特性が異なります。チッピング、クラック、カーフ幅、加工速度、洗浄、乾燥、フレームへの保持、次工程でのピックアップ性を確認します。

ダイボンダー・ダイソーター

ダイソーターは良品チップを選別・収納し、ダイボンダーはチップをリードフレームや基板へ固定します。ピックアップ方法、ダイ厚み、反り、接着剤・はんだ・焼結材、搭載精度、加圧・加熱、硬化工程を比較します。

パワーデバイスではダイアタッチ層のボイドと熱抵抗、先端パッケージでは大きなダイや薄いダイの反り・割れが課題になります。外観上の位置精度だけでなく、接合後の熱・電気・機械特性を評価します。

ワイヤーボンダー・フリップチップボンダー

ワイヤーボンディングは、金、銅、銀、アルミなどの線材でチップと端子を接続します。ボールボンディング、ウェッジボンディング、太線・リボン接合では、対象デバイスと接合ツールが異なります。

フリップチップ・TCBは、チップのバンプ面を基板やウェーハへ向けて直接接合します。位置精度だけでなく、加熱、加圧、平行度、反り、フラックス、アンダーフィル、接合界面のボイドと信頼性を確認します。

モールディング・樹脂封止装置

トランスファーモールドは、加熱した樹脂を金型へ流し込み、リードフレームや基板上のチップを封止します。コンプレッションモールドは、ウェーハや大型パネル、薄型・先端パッケージの封止で候補になります。

樹脂、金型、装置条件は分離できません。充填、ボイド、ワイヤー流れ、樹脂バリ、厚み、反り、離型、清掃、成形サイクルを実ワークで確認します。

シンギュレーション・トリム&フォーム装置

シンギュレーションは、封止された基板やパネルを個々のパッケージへ切り分け、検査・収納します。トリム&フォームは、リードフレーム上の不要な連結部を切断し、外部リードを実装可能な形状へ曲げます。

切断精度、バリ、欠け、端子変形、コプラナリティ、切粉、洗浄、外観検査、収納形態を確認します。製品の反りや大型化が搬送・位置決めへ与える影響も評価します。

外観検査・電気検査・テストハンドラ

外観検査は、パッケージ表面、側面、端子、マーキング、寸法、クラックなどを光学・3D・赤外線・X線などで確認します。電気検査はテスター、プローバまたはハンドラ、デバイスインターフェース、テストプログラムを組み合わせます。

テストハンドラはデバイスを搬送し、常温・低温・高温などの条件を与えてテスターへ接続し、結果に応じて選別・梱包します。検査精度だけでなく、誤判定、再試験、接触部品の寿命、温度安定時間、並列数、品種交換時間がテストコストへ影響します。

従来パッケージと先端パッケージで装置構成は変わる

パッケージ・デバイス主な装置構成重視する項目
QFP・SOP・ディスクリートダイボンダー、ワイヤーボンダー、トランスファーモールド、Trim & Form、テスター処理速度、ワイヤー・リード品質、多品種対応、既存設備との互換性
QFN・BGAダイ・ワイヤーボンダー、モールド、シンギュレーション、外観・電気検査薄型化、露出パッド、基板反り、切断、端子外観
パワー半導体・モジュールダイアタッチ、焼結・はんだ、太線・リボン・クリップ接合、封止、電気・熱試験ボイド、熱抵抗、大電流、高電圧、信頼性、トレーサビリティ
WLP・FOWLP・FOPLPウェーハ・パネル搬送、コンプレッションモールド、再配線、TCB、個片化、検査大判対応、面内均一性、反り、薄化、位置精度、パネル搬送
2.5D・3D・チップレット高精度ダイ搭載、TCB・ハイブリッド接合、アンダーフィル、検査・メトロロジー微細ピッチ、大型ダイ、接合界面、積層精度、Known Good Die
MEMS・センサーダイ・ワイヤーボンド、キャップ接合、封止、物理刺激・校正・機能試験センサー保護、刺激精度、校正、温度、気密性

後工程ラインの自動化で確認する項目

装置単体の自動運転だけでは、ライン全体の省人化にはなりません。カセット、フレーム、トレイ、マガジン、リールなどの搬送単位を揃え、装置間の受け渡しと異常時の排出方法を決めます。

  • SECS/GEM、GEM300、OPC UAなどの通信対応
  • MES・ホストからのレシピ配信と照合
  • ウェーハID、フレームID、基板ID、個体IDの追跡
  • Mapデータ、良否情報、加工・検査結果の引き継ぎ
  • 装置間搬送、AGV・AMR、ストッカー、バッファ
  • アラーム、停止理由、稼働率、消耗品寿命の収集
  • 手動復旧時の誤投入・誤レシピ防止

既存ラインへ装置を追加する場合は、通信規格の対応可否だけでなく、実際に交換するデータ項目、タイミング、エラー処理、サイバーセキュリティ、ソフトウェア保守範囲を確認します。

サンプル評価と受入検査

装置選定時は、メーカーの標準サンプルではなく、自社の材料・設計・不良モードを反映したサンプルで評価します。研究開発条件で成立しても、量産タクト、連続運転、品種交換、作業者交代、消耗品摩耗によって結果が変わるためです。

  • 処理前後の寸法、外観、電気・熱・機械特性
  • ウェーハ内・基板内・キャビティ間・ロット間のばらつき
  • 連続運転時の処理能力、停止、復旧、清掃、品種交換
  • 欠陥サンプルに対する検出率、誤判定率、再現性
  • 装置間・ヘッド間・サイト間のマッチング
  • レシピ、ログ、Map、トレーサビリティデータの出力

受入仕様書には、測定方法、サンプル数、合否基準、立会場所、再試験、改造、量産立ち上げ期間を明記します。

後工程装置の費用と総所有コスト

後工程装置は、装置本体の価格だけで比較できません。対象工程、ワークサイズ、自動化、ヘッド・ステーション数、検査機能、付帯設備、プロセス開発によって個別見積もりになります。

費用項目主な内容
装置本体・オプション処理方式、精度、処理能力、ヘッド数、温度・真空、検査、自動搬送
金型・治具・インターフェースモールド金型、ピックアップコレット、ボンディングツール、プローブカード、ソケット
付帯設備電源、冷却水、圧縮空気、真空、排気、除害、温調、集塵、洗浄
立ち上げ搬入、据付、ユーティリティ接続、レシピ開発、サンプル評価、教育
システム連携MES・ホスト通信、Map連携、トレーサビリティ、データ基盤
維持管理保守契約、消耗品、予備部品、校正、ソフトウェア、停止損失

1時間当たりの処理数が高くても、品種交換、清掃、校正、予防保全が長ければ実効生産量は下がります。良品1個当たりの加工・検査コスト、床面積、電力、消耗品、作業工数、停止時間まで含めて比較します。

見積もり依頼前に整理する仕様

  • 対象工程と前後工程、装置へ入るワーク、装置から出るワーク
  • デバイス種類、パッケージ構造、ウェーハ・パネル・基板・ダイ寸法
  • 材料、厚み、反り、表面状態、接着・接合・封止材料
  • 重要品質特性、公差、欠陥種類、検査・測定方法
  • 時間・日・月当たりの生産量、ロット構成、品種数、切替頻度
  • 手動・半自動・全自動、搬送媒体、ロボット・ストッカー接続
  • 既存装置、MES、Map、通信、データ保存、セキュリティ
  • クリーンルーム、設置面積、搬入経路、ユーティリティ、安全設備
  • サンプル評価、検収条件、教育、量産立ち上げ、保証
  • 保守拠点、部品供給、消耗品、予備品、装置更新計画

半導体後工程装置に関するよくある質問

後工程装置を一社へまとめるべきですか

複数工程を一社へまとめると、装置間接続、データ連携、責任分界を整理しやすくなります。一方、ダイシング、ボンディング、テストなどで専門メーカーのプロセス能力が必要な場合は、複数社を組み合わせます。重要なのはメーカー数ではなく、インターフェースと量産品質の責任者を明確にすることです。

研究開発用装置から量産装置へ移行できますか

処理原理が同じでも、量産装置では自動搬送、処理能力、装置間マッチング、連続運転、保守、データ連携が追加されます。試作時のレシピ、治具、評価データを量産機へ移管できるか、メーカーの装置系列と支援範囲を確認します。

中古の後工程装置を導入するときの注意点は何ですか

稼働履歴、加工材料、汚染区分、精度、校正、制御部品、ソフトウェア、メーカー保守、消耗品、治具、移設後の立ち上げを確認します。旧式通信やOSが工場ネットワークへ接続できない場合もあるため、購入価格だけで判断しないことが重要です。

先端パッケージではどの装置が重要ですか

パッケージ構造によって異なりますが、薄ウェーハ・大判パネル搬送、高精度ダイ搭載、TCB・ハイブリッド接合、コンプレッションモールド、反り・接合界面の検査、Known Good Dieの選別が重要になります。個別装置ではなく工程フロー全体で評価します。

関連する半導体装置の記事

検査工程をさらに詳しく比較する場合は、半導体検査装置メーカーの比較記事をご覧ください。

装置メーカーとして市場での認知と商談獲得を進める場合は、半導体業界のマーケティング戦略も参考にしてください。

半導体後工程装置メーカーのまとめ

半導体後工程装置メーカーを比較するときは、会社規模ではなく、必要な工程、デバイス、パッケージ構造、ワークサイズ、量産条件を先に整理します。ダイシング、ボンディング、封止、個片化、テストでは、装置の役割と評価方法が異なります。

候補メーカーへ同じ仕様を提示し、実サンプルによるプロセス能力、前後装置との接続、自動化・データ連携、量産拠点の保守、総所有コストを比較しましょう。

免責事項

掲載内容は公式サイト確認範囲です。対応範囲、対応国・言語、サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各社公式サイトで確認してください。