半導体モールディング装置は、半導体チップや電子部品を樹脂で封止し、湿気、衝撃、熱などから保護するための後工程装置です。
メーカーを比較するときは、成形方式だけでなく、対象ワーク、パッケージ、生産量、金型、品質課題、前後工程との接続まで確認する必要があります。国内外8社の装置領域と選び方を整理します。
半導体モールディング装置メーカー8社の比較表
成形方式・装置タイプ、対応ワーク・パッケージ、生産段階・主な特徴をもとに比較しています。対応可否や装置仕様は、対象ワーク、樹脂、金型、生産条件によって変わるため、サンプル評価と個別仕様の確認が必要です。
| 会社名 | サービスの特徴 | 成形方式・装置タイプ | 対応ワーク・パッケージ | 生産段階・主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
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TOWA |
トランスファーとコンプレッションの両方式を展開 |
トランスファーモールド、コンプレッションモールド、液状樹脂封止
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リードフレーム、基板、ウェーハ、パネル、パワーデバイス、LED
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研究開発から量産まで。装置・精密金型・シンギュレーションを展開
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I-PEX |
量産・多品種少量・試作に対応する樹脂封止装置を展開 |
フルオート、セミオート、マニュアル、卓上小型成形機
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民生用IC、車載用IC、受動部品、パワーモジュール、センサー
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大量生産、多品種少量、開発・特殊用途まで装置系列を用意
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ヤマハロボティクス |
APIC YAMADAブランドのマルチプロセス対応モールディング装置 |
トランスファーモールド、1~4プレス構成、金型・連続硬化炉
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汎用パッケージから先端パッケージ、大判・高密度基板
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量産向け。高剛性プレスと工程拡張性を重視した装置構成
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アサヒエンジニアリング |
リードフレームからBGA・QFN、パワーデバイスまで装置系列を展開 |
オートモールド、セミオート、トップゲート、リールtoリール、フィルムアシスト
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リードフレーム、BGA、QFN、パワーデバイス、高密度基板、リール製品
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開発・少量生産から量産まで。受注仕様とアフターサポートに対応
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エムテックスマツムラ |
量産・多品種少量・試作向け装置とモールド金型を自社展開 |
自動モールディング装置、マニュアル装置、モールド金型、工程解析
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リードフレーム、少量多品種、量産、開発・試作ワーク
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40t・100t・150t級など用途別。金型と工程解析も相談可能
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多加良製作所 |
黒色樹脂・透明樹脂・液状シリコーン向け装置を個別設計 |
オートモールド、透明樹脂、液状シリコーン、R&D用卓上装置、複合モールド
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半導体、LED、センサー、電子部品、大判フレーム・基板
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R&Dから量産まで。金型・周辺装置を含むカスタム対応
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Besi |
Ficoブランドで自動・手動モールディング装置を展開 |
トランスファーモールド、自動・手動装置、トップフォイル、ウェーハ・パネル対応
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BGA、QFN、BOC、Flip Chip、Exposed Die、SiP、ウェーハ・大型パネル
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開発・工程最適化から量産まで。金型・プロセス支援を提供
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ASMPT |
IC・ディスクリートから先端パッケージまで封止工程をライン連携 |
トランスファーモールド、MUF、パネルモールド、封止・インライン統合
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IC、ディスクリート、GPU、メモリ、センサー、パワー、先端パッケージ
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量産・スマートファクトリー向け。前後工程とソフトウェア連携に対応
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半導体モールディング装置メーカー8社の詳細
半導体モールディング装置メーカーの選び方
半導体モールディング装置は、メーカーの知名度や装置価格だけでは選べません。同じ樹脂封止工程でも、リードフレーム、基板、ウェーハ、パネル、パワーモジュール、LEDでは、適した成形方式、金型、搬送機構、真空条件が異なります。
最初に対象ワークと生産段階を整理し、その後に品質課題、自動化範囲、前後工程、保守体制を比較すると候補を絞りやすくなります。
トランスファー方式とコンプレッション方式の違い
| 成形方式 | 仕組み | 比較時に見る点 |
|---|---|---|
| トランスファーモールド | 加熱・軟化した樹脂をポットから金型キャビティへ押し込み、チップや部品を封止する | 樹脂流動、ワイヤ流れ、ランナー・カルの樹脂使用量、金型構造、成形サイクル |
| コンプレッションモールド | 金型内へ供給した樹脂へワークを押し込み、圧縮しながら封止する | ウェーハ・パネル対応、樹脂供給の均一性、反り、厚み精度、フェイスアップ・ダウン |
| 液状樹脂・シリコーン成形 | 液状材料を供給し、LED・センサー・光学部品などを封止する | 樹脂交換、気泡、フィラー、レンズ形状、透明性、離型性 |
一般的なリードフレームや基板の量産ではトランスファー方式が広く使われます。一方、ウェーハ・大型パネル、薄型パッケージ、先端パッケージではコンプレッション方式も候補になります。方式名だけで決めず、対象ワークを用いた評価で充填性、反り、外観、歩留まりを確認しましょう。
対象ワーク・パッケージから候補を絞る
| 対象 | 想定される装置・方式 | 主な確認項目 |
|---|---|---|
| リードフレーム・ディスクリート | トランスファー式オートモールド | フレーム寸法、プレス数、搬送、成形サイクル、品種切り替え |
| BGA・QFN・高密度基板 | 真空成形、フィルムアシスト、MAP対応装置 | 基板サイズ、反り、モールド厚み、フラッシュ、片面・両面封止 |
| ウェーハ・大型パネル | コンプレッションまたは大面積トランスファー | ウェーハ径、パネル寸法、厚み均一性、反り、樹脂供給方法 |
| パワーデバイス・モジュール | 高型締力、厚肉・インサート対応装置 | 放熱部材、ヒートシンク露出、樹脂厚、温度サイクル、ボイド |
| LED・センサー・光学部品 | 透明樹脂・液状シリコーン対応装置 | レンズ形状、透明性、気泡、蛍光体・フィラー、樹脂交換 |
| 開発・試作 | マニュアル、セミオート、卓上型 | 少量材料での評価、金型交換、条件設定、量産装置への移管 |
試作・多品種少量・量産で装置を分ける
研究開発では、少量の樹脂と小型金型を使い、成形圧力、温度、硬化時間、真空条件を細かく変更できることが重要です。将来の量産装置と同じ金型や条件を使えるかも確認します。
多品種少量では、金型交換、レシピ切り替え、清掃、段取り時間が稼働率を左右します。量産では、成形サイクル、プレス数、自動搬送、樹脂供給、稼働率、予防保全、トレーサビリティが比較軸になります。
ボイド・ワイヤ流れ・反りなどの品質課題を整理する
| 品質課題 | 装置・金型で確認する内容 |
|---|---|
| ボイド・未充填 | 真空性能、樹脂供給、キャビティ・ゲート設計、温度・圧力制御、未充填検出 |
| ワイヤ流れ | 樹脂流動距離、注入速度、ゲート位置、コンプレッション方式の適合性 |
| フラッシュ・ブリード | クランプ精度、金型平行度、フィルム・テープ対応、基板厚み補正 |
| 反り・厚みばらつき | 型締めバランス、圧力分布、冷却、ウェーハ・パネル搬送、樹脂量の均一性 |
| 離型不良・金型汚れ | 表面処理、離型フィルム、離型剤塗布、金型清掃、メンテナンス周期 |
| デラミネーション | 材料の組み合わせ、予熱、成形条件、吸湿管理、ポストモールドキュア |
メーカーへの問い合わせ時は、良品と不良品のサンプル、断面・X線・SATなどの解析結果、発生率、現行条件を共有します。装置単体ではなく、金型、樹脂、前処理、後硬化を含めて原因を切り分けることが重要です。
装置・金型・前後工程を分けずに確認する
モールディング工程では、ワーク供給、予熱、樹脂供給、成形、離型、ゲートブレーク、ディゲート、ポストモールドキュア、外観検査、シンギュレーションが連続します。装置本体の能力が高くても、前後工程との搬送や処理能力が合わなければライン全体の生産性は上がりません。
- 既存金型を流用できるか、新規金型が必要か
- 樹脂タブレット、顆粒、液状材料の供給方法
- フレーム、基板、ウェーハ、パネルの供給・収納形態
- 予熱、離型、清掃、後硬化、検査、個片化との接続
- バーコード・2次元コード、レシピ、ロット履歴の管理
- SECS/GEM、MES、上位システムへの接続可否
保守拠点・部品供給・プロセス支援を確認する
半導体後工程では、設備停止が生産計画へ直接影響します。国内工場だけでなく海外工場へ導入する場合は、現地サービス拠点、対応言語、保守部品の在庫、緊急対応、リモート支援、技術者派遣の範囲を確認します。
装置の修理だけでなく、金型調整、成形条件、樹脂変更、品種追加、歩留まり改善まで支援できるかによって、導入後の立ち上げ速度が変わります。
半導体モールディング装置の価格と見積項目
半導体モールディング装置は、対象ワーク、プレス数、自動化レベル、金型、真空機構、搬送、検査、工場仕様によって構成が変わるため、公式サイトで価格を公開していないメーカーが一般的です。根拠のない価格相場ではなく、同じ仕様書を各社へ提示して見積範囲をそろえる必要があります。
| 見積項目 | 含める内容 |
|---|---|
| 装置本体 | プレス数、型締力、自動・半自動・手動、真空、樹脂供給、搬送機構 |
| 金型・チェイス | 新規金型、既存金型の改造、テスト金型、交換部品、表面処理 |
| 周辺設備 | 予熱、樹脂供給、離型剤、金型清掃、後硬化、検査、トリム・個片化 |
| 設置・立ち上げ | 輸送、搬入、据付、ユーティリティ接続、初期調整、受入検査 |
| プロセス評価 | サンプル成形、条件出し、品質評価、レシピ作成、量産確認 |
| 教育・保守 | 操作教育、保全教育、保証、定期点検、予備品、緊急対応 |
| システム連携 | SECS/GEM、MES、トレーサビリティ、データ収集、既存ライン改造 |
設備費だけでなく、材料ロス、金型交換時間、清掃時間、稼働率、保守部品、電力・空圧、オペレーター人数を含めた総保有コストで比較しましょう。
メーカーへ相談する前に整理したい仕様
メーカーごとに異なる条件で見積やサンプル評価を依頼すると、比較が難しくなります。最低限、次の情報を共通仕様として整理します。
- 製品・パッケージ名称、用途、要求信頼性
- リードフレーム、基板、ウェーハ、パネルの寸法・厚み・材質
- チップ数、ワイヤ・バンプ、ヒートシンク、インサート部材の有無
- 使用予定の樹脂、形状、保管条件、硬化条件
- モールド厚み、成形面積、片面・両面、露出部の有無
- 時間・日・月当たりの必要生産数、稼働時間、品種数
- 許容するボイド、反り、フラッシュ、厚みばらつきの基準
- 現行工程の不良内容と解析データ
- 前後工程、供給・収納形態、工場内の搬入・ユーティリティ条件
- 導入国、保守言語、量産開始時期、検収条件
半導体モールディング装置メーカーに関するFAQ
半導体モールド装置とモールディング装置は同じですか?
一般には、半導体チップや電子部品を樹脂で封止する装置を指す言葉として、モールド装置、モールディング装置、樹脂封止装置、オートモールド装置などが使われます。メーカーによって製品名称が異なるため、検索時は複数の呼び方を使うと候補を探しやすくなります。
トランスファー方式とコンプレッション方式はどちらがよいですか?
一律に優劣は決められません。対象ワーク、樹脂、ワイヤ構造、成形面積、厚み、反り、生産量によって適した方式が異なります。候補メーカーへ製品仕様とサンプルを共有し、成形品質と量産性を評価して判断します。
既存の金型を別メーカーの装置で使えますか?
金型寸法、チェイス、プレス仕様、ヒーター、センサー、プランジャ、搬送・位置決めなどの条件が合えば検討できる場合があります。ただし、装置との適合確認や改造が必要になることもあるため、既存金型の図面と仕様をメーカーへ提示してください。
研究開発用の小型モールディング装置はありますか?
I-PEXのS・PotやGP-PRO LAB、多加良製作所のTMM-3000、エムテックスマツムラのEXP-100など、開発・試作を想定した製品があります。量産移管を予定している場合は、量産装置との金型・成形条件の互換性も確認しましょう。
メーカー比較で価格以外に重視すべき点は何ですか?
対象ワークでの成形実績、サンプル評価、金型設計、工程条件の支援、品種切り替え、稼働率、保守拠点、部品供給、前後工程との連携を確認します。設備停止や歩留まり低下まで含めると、導入価格だけでは総コストを判断できません。
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半導体モールディング装置メーカーのまとめ
半導体モールディング装置メーカーを比較するときは、メーカー名や価格から選ぶのではなく、対象ワーク、パッケージ、樹脂、成形方式、生産量、品質課題を先に整理することが重要です。
リードフレーム量産、BGA・QFN、ウェーハ・パネル、パワーデバイス、LED・センサー、研究開発では、候補となる装置系列が異なります。同じ仕様書とサンプルで各社の成形結果、サイクル、段取り、保守範囲を比較し、金型と前後工程まで含めて導入判断を行いましょう。
- 免責事項
掲載内容は2026年7月12日時点で確認した各社公式サイト、製品ページ、会社情報をもとにしています。装置仕様、対応ワーク、製品系列、サポート範囲は変更される場合があります。導入を検討する際は、対象製品の仕様とサンプルを提示し、各メーカーへ対応可否を確認してください。

