LINE公式アカウントでグループは作れる?作り方と代替方法を解説
最終更新日:2025年06月10日

LINE公式アカウントを導入してみたけれど、「お客様をグループで分けて情報配信したい」「LINEのグループトークのように使えないの?」と戸惑っていませんか?
本記事では、LINE公式アカウントの仕組みを理解しつつ、グループ運用に近い方法や、顧客との効率的なやり取り方法を具体的に解説します。
LINE公式アカウントにおける「グループ」の2つの意味
LINE公式アカウントを運用していると、「グループ」という言葉を耳にすることがあります。ただし、この「グループ」には2つの異なる意味があるため、意味を正しく理解して使い分けないと混乱してしまうことも。それぞれの「グループ」の機能と特徴、活用シーンについてわかりやすく解説します。
①アカウント管理のための「グループ機能」
1つ目は、複数のLINE公式アカウントをまとめて管理するための「グループ機能」です。
これは、複数の店舗を運営していたり、ブランドごとにアカウントを分けていたりする企業にとって便利な機能です。管理者がグループを作成することで、アカウントごとの設定や配信を一括で操作できるようになります。
たとえば、「関東エリア店舗」や「新商品ブランド」など、目的に応じてアカウントをグループ化することで、業務の効率化が期待できます。
②LINEユーザーによる「グループチャット」への参加
2つ目は、一般ユーザーが作成したグループチャットに、LINE公式アカウントが招待されて参加するケースです。
このタイプの「グループ」は、通常のLINEユーザー同士で利用されるグループチャットに企業アカウントが加わり、複数のユーザーと同時にやり取りができるのが特徴です。ただし、公式アカウント側からグループチャットを作成することはできません。
たとえば、商品の愛用者によるコミュニティや、イベント参加者のグループに招待されることで、ユーザーとより密なコミュニケーションを図ることが可能になります。
①アカウント管理の「グループ」 | ②グループチャット | |
---|---|---|
誰が作成? | 管理者 | 一般ユーザー |
主な目的 | 複数アカウントの一元管理 | 複数ユーザーとのコミュニケーション |
作成元 | LINE Official Account Manager | LINEアプリ上のチャット画面 |
公式アカウントの権限 | 作成・編集可能 | 参加のみ(招待が必要) |
複数のLINE公式アカウントを管理する「グループ機能」
LINE公式アカウントの「グループ機能」は、単なるフォルダ分けの機能ではなく、複数アカウントの運用効率を大幅に高める管理手法です。
特に、複数拠点やブランドを展開する企業にとっては、顧客とのコミュニケーションを強化しつつ、ブランドイメージを統一するためのツールとなります。
「グループ機能」の基本概要
「グループ機能」とは、複数のLINE公式アカウントを一つのグループにまとめて管理できる機能です。
たとえば、全国展開しているチェーン店や、複数ブランドを展開する企業では、店舗ごと・ブランドごとにアカウントを分けて運用するケースも多いでしょう。こうした複数アカウントを効率的に扱えるのが、このグループ機能の魅力です。
この機能はあくまで「アカウント管理のための仕組み」であり、顧客とのチャットややり取りができるものではない点には注意が必要です。
グループの作成方法と運用ポイント
作成前の前提条件
- 管理者権限のあるユーザーのみ作成可能
- 操作はPC版LINE Official Account Managerから実施
グループ作成のステップ
- LINE Official Account Manager にログイン
- メニューから 「グループ」 タブを選択
- 「作成」 をクリック
- グループ名を入力
- 登録したいアカウントを選択してグループに追加
- 「作成」 ボタンを押して完了
※アカウントは同じ国・地域のものに限りグループ化できます。最大5,000件まで登録可能です。
グループにメンバーを追加するには?
複数人でグループを運用したい場合は、メンバーを追加して権限を割り当てることができます。
- グループ画面から 「グループ権限管理」 を開く
- 「追加」 ボタンをクリック
- 権限を選んで URLを発行
- メールなどで対象メンバーに URLを共有
※誰も管理権限を持たない状態になるとグループにアクセスできなくなる恐れがあるため、最低1名の管理者は常に設定しておくようにしましょう。
「グループ機能」でできること
アカウント設定の一括適用
- プロフィール画像・背景画像などを一括アップロード
- 設定情報をExcel形式で管理・更新
コンテンツの一括配信
以下のようなコンテンツをグループ単位で一斉に設定・配信できます。
- メッセージ(ブロードキャスト)
- 応答メッセージ(自動返信)
- リッチメニュー
- あいさつメッセージ(友だち追加時)
こうした一括操作は、情報配信のスピード感を高めるだけでなく、各店舗やブランドでの運用負荷を減らすことにもつながります。
社内での運用に不安がある場合は、LINE公式アカウントの運用代行会社に相談するのも一つの選択肢です。
LINE公式アカウントで「グループチャット」に参加するには?
LINE公式アカウントには、一般ユーザーが作った「グループチャット」に参加するという形での活用方法もあります。
ただし、参加には特有の設定やルールがあるため、導入前にしっかり把握しておきましょう。
「グループチャット」とは?
LINE上の「グループチャット」は、ユーザー同士が作成できる複数人のチャットルームのことです。LINE公式アカウントもこれに招待されるかたちでのみ参加することが可能です。
ポイントは下記の通りです。
- LINE公式アカウント側から新しくグループを作成することはできない
- ユーザーを招待することも不可
- 必ず、ユーザー側が招待を行う必要がある
企業として活用するには、まずこの基本ルールを理解しておくことが前提となります。
グループチャット参加のための設定方法
LINE公式アカウントをグループチャットに招待してもらうには、アカウント側の設定を変更しておく必要があります。
設定手順
- LINE Official Account Manager にログイン
- 画面右上の 「設定」 をクリック
- 左メニューから 「アカウント設定」 を選択
- 「機能の利用」 セクションまでスクロール
- 「グループ・複数人チャットへの参加を許可する」 をオンにする
多くのアカウントでは、初期状態ではグループチャットへの参加が「許可されていない」設定になっています。
そのままでは、招待してもらってもすぐに退出処理が行われてしまい、なぜ参加できないのか原因が分からず混乱するケースも。
必ず設定を確認・変更してから運用に入るようにしましょう。
ユーザー側での招待手順
- 自分のグループチャットを開く
- 画面右上のメニューをタップ
- 「招待」 または 「メンバー追加」 メニューを選択
- 友だちリストから公式アカウントを選ぶ
- 「招待」 ボタンをタップ
グループチャットの運用を行いたい場合は、必要に応じてこの方法を顧客に案内する工夫が求められます。
企業側ができるサポート
1対1チャット内での案内
顧客との個別チャット中に、「複数名での情報共有が必要な場合は、グループチャットに当アカウントをご招待いただけますと、よりスムーズに対応できます」と伝えるだけでも、認知が広がります。
ウェブサイトなどでの周知
FAQや問い合わせページなどに、グループチャットへの招待が可能であることを明記しておくのも有効です。
特に「複数の関係者が関わる相談」や「プロジェクト単位のやりとり」を想定する際に役立ちます。
グループチャット利用時の注意点
参加者の識別と操作の表示
グループ内では、ユーザー同士のメッセージは吹き出しの色などで判別可能です。
また、公式アカウント側が複数人で運用している場合、誰が入力中かは担当者間でのみ表示され、エンドユーザーには見えません。
ファイルの保存期間に注意!
もっとも注意が必要なのが、ファイル保存期間の短さです。
グループチャットでは、共有されたファイルの閲覧・保存期限が以下のようになっています。
- 画像・動画:2週間
- PDFやWordなどのファイル:1週間
1対1のチャットとは異なり、非常に短い期間しか保存されません。
設計資料や契約関連ファイルなど重要なドキュメントはLINE以外の方法でも共有・保存するように心がけましょう。
グループ配信の代替策!タグ×絞り込み配信ガイド
LINE公式アカウントでは、タグ機能とセグメント配信(絞り込み配信)を組み合わせることで、対象を絞った一斉配信が可能です。
ここでは、タグの基本的な仕組みから配信手順、店舗運用での具体的な活用例までを解説します。

タグとは?友だちをラベルで分類する仕組み
タグとは、LINE公式アカウント上で各ユーザーに任意で付けられるラベルのことを指します。
「新規」「常連」「VIP」といった形で自由に設定でき、最大で300個まで作成可能です。
ただし、無料プランではタグの作成は5個まで、1ユーザーに対して付与できるタグは1個のみとなっています。
このタグは、セグメント配信を行う際のキーとして機能します。たとえば、特定のキャンペーンに関心を示したユーザーに「◯◯キャンペーン興味あり」といったタグを付与すれば、その対象者だけにキャンペーン情報を届けることができます。情報の絞り込みが可能になるため、反応率の向上や配信コストの最適化につながります。
タグを付ける方法
タグ付与タイミング | 操作場所 | 使いどころ |
---|---|---|
手動付与 |
① 「チャット」 > 該当ユーザーの メニュー → タグを追加 ② 「友だちリスト」 > 一括選択 → タグ付与 |
個別に細かく分類したいとき |
一括付与 | CSVで友だちIDをインポートし、まとめてタグ付与 | 実店舗会員データなど既存リストを活用するとき |
自動付与(外部ツール) | LステップやLIFF×Webhookで「ボタンを押したら自動タグ」 | アンケート回答・来店予約など行動ベースで分類 |
ワンポイント
外部ツールを使わずに運用したい場合も、あらかじめ「友だち追加時のあいさつメッセージ」で分岐質問を作り、回答別の キーワード応答 で自動タグ付与すると半自動化できます。
セグメント配信の手順
- LINE Official Account Manager にログイン
- 左側メニューから メッセージ配信 → 作成 をクリック
- 画面右側のパネルにある 友だちを絞り込む をクリックし、タグ を選択
- 配信対象にしたいタグ(複数選択可)にチェックを入れ、適用 をクリック
- メッセージ本文と配信日時を通常どおり設定
- 確認 を押して内容をチェックし、送信 または 予約 を実行
店舗での活用例
タグ | 代表シナリオ | 配信内容例 |
---|---|---|
常連 |
リピート購入促進 | 「◎◎様限定!来店ごとに得するスタンプ5倍デーのお知らせ」 |
新規 |
初回来店誘導 | 「初めての方へ★ドリンク無料クーポンはこちら」 |
ネイルキャンペーン希望 |
興味関心別 | 「夏のトレンドデザイン先行予約、写真付きでご紹介♪」 |
誕生月:○月 |
記念日フォロー | 「お誕生日おめでとうございます!バースデー特典ご案内」 |
「設定や運用を効率化したい」「LINEをもっと活用したい」と感じた方は、プロによる運用代行もぜひ検討してみてください。
まとめ

LINE公式アカウントの「グループ機能」や「グループチャット」、タグによるセグメント配信は、それぞれ異なる強みを持つ便利な機能です。運用目的に合わせて使い分けることで、業務の効率化や顧客との関係構築にもつながります。
まだ活用できていない機能があれば、できるところから少しずつ取り入れてみるのもおすすめです。LINE運用の可能性が、きっと広がっていくはずです。
本記事は、2025年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。