半導体部品や製造装置の組立・検査・試作で異物対策が必要になっても、工場全体を改修するのは難しい場合があります。必要な工程を囲うクリーンブースは、そのような現場で検討できる設備です。ただし、清浄度だけで選ぶと、装置の搬入や温湿度管理に支障が出ることもあります。工程と設置条件を整理し、構造や施工範囲まで比較して相談先を選びましょう。
半導体向けクリーンブースメーカー8社の比較表
半導体用途のクリーンブースを扱うメーカー・設計施工会社と、簡易型の候補を紹介します。掲載順は性能や実績の順位ではありません。各社の対応用途と構造を基に、工程に合う仕様を絞り込んでください。
| 会社名 | サービスの特徴 | 対応用途 | 構造・特注対応 | 環境制御・施工範囲 |
|---|---|---|---|---|
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日本エアーテック株式会社 |
普及型から温湿度調整型まで目的に合わせて選べる |
半導体・液晶工場、電子・精密機械の局所清浄化
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シリーズ品、外形寸法の変更、大型仕様
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温湿度調整機能付きも選択可能。設置・移設条件に応じて相談
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蒲田工業株式会社 |
工程ごとの区画と付帯工事をまとめて設計・施工 |
半導体製造向け製品の試験・実験・開発環境
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アルミ製ブース、工程別の部屋割りと動線設計
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ブースに加え、エアシャワー・床などの付帯設備工事
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伸榮産業株式会社 |
材質と構造を選び、現場に合わせて特注製作 |
半導体の組立・検査など、工程ごとの清浄環境
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ビニール、パネル、断熱パネル。アルミ・ステンレス等
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温湿度・圧力制御の提案、設計・製造・施工、点検・測定
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松定プレシジョン株式会社 |
フィルム式・パネル式など装置を囲う仕様を選択 |
半導体関連機器・電子部品・材料の製造工程
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フィルム式、パネル式、大型、イエロー、特注
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設置環境に応じた設計・施工。エアシャワー付きも展開
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有限会社環境エンジニアリング |
温湿度や作業フローを含めて特殊空調を設計 |
半導体の組立・検査、大型装置向け清浄空間
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オーダーメイド、大型ブース、鉄骨構造の施工例
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特殊空調の設計・製造・施工。環境管理や保守も相談
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シーズシー株式会社 |
装置の高さや出入口、既設設備に合わせて構成 |
半導体製造装置の組立、関連部品製造
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装置組立用、天井吊り、パネル式など
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前室・エアシャワーの組み合わせ、既設壁・空調の活用
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ホソカワミクロン株式会社 |
保管・部品組立など必要な部分を個別設計で清浄化 |
ウェハー・ガラス基板の保管、部品組立
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工程に応じた個別設計、間仕切り・骨組材質の選択
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清浄度の設定、空調機能の追加による温度調整
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ホーザン株式会社 |
自社で組み立てる簡易型を小規模な清浄空間の候補に |
汎用の簡易清浄空間。半導体工程への適合は個別確認
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CL-901は移動・伸縮型、CL-903は据置型
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FFUで清浄空気を供給。自社で組み立て・設置する方式
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半導体向けクリーンブースメーカー各社の特徴
半導体クリーンブースの選び方
工程と要求清浄度を先に決める
同じ半導体関連の現場でも、部品の保管、装置の組立、試験・検査では、管理したい対象や作業内容が異なります。まず、どの製品のどの工程を清浄化するかを決め、顧客仕様や社内の品質基準に合わせて要求条件を整理しましょう。
カタログのクラス表記だけで決めず、対象粒径、測定場所、作業者や装置が動いているときの条件もメーカーとすり合わせます。設置場所の周囲環境によって性能が変わる場合もあるため、納入時に何を測定し、どの条件を満たせば受け入れるかまで決めておくと判断がぶれません。
温湿度・静電気・使用材料の条件を分けて整理する
微粒子を取り除く設備を設けても、必要な温湿度や静電気対策が自動的にそろうわけではありません。温度・湿度の管理が必要な工程では、装置の発熱と既存空調の能力を伝え、ブース内で必要な条件を保てる構成を相談します。
帯電防止材、除電機器、遮光、使用材料から放出されるガスへの対策なども、工程に必要なものを切り分けます。標準仕様と追加仕様を明確にすることで、必要な対策を落とさず、不要な機能も見分けやすくなります。
装置の寸法だけでなく、搬入と作業の動線を見る
ブース内に装置が収まっても、扉が狭く搬入できない、天井が低く組立作業ができない、といった状態では運用できません。装置の寸法に加えて、作業者の通路、工具を使う範囲、扉やカバーを開く空間、保守時に部品を引き出す空間を確保します。
設置場所とは別に必要となる組立作業スペースや、部材を運ぶ経路も確認しましょう。天井の配管・照明、柱、エレベーターなどの制約は、図面と現地調査を組み合わせて確認すると整理しやすくなります。
設置工事と保守の担当範囲をそろえて比較する
ブースを購入して自社で組み立てる方式と、現地調査・設計・付帯工事まで依頼する方式では、社内に必要な作業が変わります。電源、空調、床、前室、エアシャワーなどが見積もりに含まれるか確認してください。
導入後は、フィルター、風量、シートやパネルの状態などを管理します。フィルター交換の目安は周囲環境や使い方で異なるため、点検方法と交換判断、測定や修理の依頼先を決めておきましょう。
参考:松定プレシジョン「クリーンブースのメンテナンス項目や頻度」
クリーンブースとクリーンルーム・クリーンベンチの違い
設備を選ぶときは、清浄化する範囲と、その中で人や装置がどう動くかを基準にします。名称だけで性能の上下を決めず、必要な作業領域を確保できるかで検討しましょう。
| 設備 | 主に清浄化する範囲 | 検討する場面 |
|---|---|---|
| クリーンブース | 工場の一角や装置・ラインの周囲 | 既存空間の一部を囲い、必要な工程の清浄環境を設ける |
| クリーンルーム | 部屋や複数工程を含む区域 | 区域全体の空調や人・物の動線を含めて環境を計画する |
| クリーンベンチ | 作業台などの限られた作業領域 | 対象物を局所的に取り扱い、周辺の空間全体を囲う必要がない |
クリーンルームの中にブースやベンチを置き、必要な場所の清浄度を高める構成もあります。工場や部屋全体の設計・施工から検討する場合は、半導体クリーンルームメーカーの比較と選び方も参考にしてください。
半導体クリーンブースの導入費用と見積もり前の準備
本体・空調・付帯工事・測定・保守に分けて見る
簡易型の製品購入と、現場に合わせた特注施工では含まれる範囲が違うため、本体価格だけで比較すると費用を見誤りやすくなります。各社への見積もり依頼では、次の内訳を分けて提示してもらいましょう。
| 費用項目 | 内容の例 | 比較する条件 |
|---|---|---|
| ブース本体 | フレーム、シート・パネル、扉、FFU | 内寸・外寸、材質、機器構成、開口部 |
| 空調・環境制御 | 温湿度調整、給排気、追加フィルターなど | 制御する範囲、装置発熱、既設空調の流用条件 |
| 搬入・付帯工事 | 搬入、組立、電源、床、前室、エアシャワー | 現場作業の範囲、作業時間帯、既設設備との接続 |
| 性能確認 | 清浄度・風量などの測定、報告書 | 測定対象、測定時の稼働条件、受入基準 |
| 維持管理 | 電力、フィルター交換、点検・修理 | 運転時間、交換作業の担当、保守契約の範囲 |
標準品を比較する場合も、価格が適用される型式・構成と、送料や組立費の扱いをそろえます。特注品は寸法や環境条件によって構成が変わるため、設置図面を共有した上で個別見積もりを依頼してください。
見積もり依頼時に渡す条件をまとめる
要求仕様が固まっていない場合も、現状と困っていることを伝えれば相談を始められます。下記のうち、分かる項目から整理しておきましょう。
- 対象製品と工程:保管、組立、検査、試作など
- 必要な環境:要求清浄度、対象粒径、温湿度、静電気・遮光などの条件
- 設置場所:平面図、天井高、周囲の粉塵、既設空調、電源・排気設備
- 使用設備:装置寸法、発熱、排気、配管、クレーンや搬送設備
- 運用条件:作業人数、稼働時間、搬入出する物、清掃や保守の方法
- 工事条件:希望時期、停止できる時間、将来の移設・増設予定
クリーンブース導入までの流れ
- 要件を整理する:対象工程、困っている異物・環境問題、必要な作業範囲をまとめます。
- 現地調査と設計を行う:搬入経路や既設設備を調べ、寸法・構造・機器構成・動線を決めます。
- 見積もりと仕様を確認する:本体と付帯工事の内訳、納期、性能確認方法、保守範囲をそろえます。
- 製作・搬入・施工を行う:工場の稼働予定と調整し、機器接続を含めて設置します。簡易型は製品の組立手順に従います。
- 性能を確認し運用を始める:合意した条件で測定し、入退室・清掃・点検のルールを共有します。
現地での組立時間と、設計・製作・機器調達を含む導入期間は別です。使用開始日から逆算して相談し、社内の設備工事や装置搬入の予定も合わせて伝えましょう。
半導体クリーンブースのよくある質問
半導体用途ではどの清浄度が必要ですか?
半導体用途というだけでは決まりません。扱う製品、対象粒子、工程、顧客の要求仕様によって異なります。まず品質基準を整理し、実際の作業条件で必要な清浄度を満たせるかメーカーと確認してください。
既存の工場やクリーンルーム内にも設置できますか?
既設建物の局所清浄化や、クリーンルーム内の一部をさらに清浄化する用途に対応する製品があります。設置寸法だけでなく、天井や搬入経路、組立スペース、空調・排気との取り合いを現地調査で確認します。
移設や増設はできますか?
移動・伸縮を想定した製品や、組立式の構造があります。ただし、移設・増設できる範囲は製品や設計条件によって異なります。将来のレイアウト変更が決まっている場合は、初回設計時に伝え、変更後の空調能力や清浄度の再確認まで相談しましょう。
エアシャワーは必要ですか?
作業者が入室する頻度、持ち込む物、要求清浄度に応じて検討します。ブースを囲う装置として使う場合と、人が出入りする作業室として使う場合を分け、前室やパスボックスを含む入退室・搬入方法を設計してください。
フィルターはどのくらいで交換しますか?
設置場所の粉塵量や稼働時間などで変わります。メーカーの目安に加え、風量やフィルターの状態、清浄度の測定結果から判断するため、納入時に点検項目と交換方法を確認しましょう。
工程と設置条件に合うメーカーへ相談する
半導体向けクリーンブースは、必要な清浄度に加え、装置の出し入れ、作業スペース、温湿度、施工範囲が合っていることが重要です。標準品で対応できる部分と、特注が必要な部分を分けると、各社の提案を比較しやすくなります。
まずは対象工程と設置場所の図面をまとめ、比較表から条件に合う会社を選んで相談してください。仕様が未確定なら、現場の困りごとと希望する運用を伝え、現地調査・設計から依頼できるか確認しましょう。
- 免責事項
掲載情報は2026年9月10日時点に確認した各社公式情報に基づきます。対応仕様や提供条件は変更される場合があります。清浄度や各種環境条件の達成可否、費用、施工範囲は、設置環境と使用条件を伝えた上で各社へご確認ください。

