半導体用金型メーカー10社を比較!樹脂封止・プレス・トリム金型の選び方

公開日:2026年07月13日

半導体用金型は、樹脂封止、リードフレームの打ち抜き、封止後の切断・リード成形など、後工程の品質と生産性を左右します。

発注時は対象工程、パッケージ、成形装置との適合、試作から量産への移行、保守体制まで比較することが重要です。国内外10社の金型・工具と選定基準を紹介します。

目次

半導体用金型メーカー10社の比較表

各社が扱う金型の工程、主な金型・技術、向いている導入目的を比較しています。樹脂封止金型、プレス金型、トリム&フォーム金型は用途が異なるため、自社が外注したい工程に対応するメーカーから絞り込んでください。

会社名 サービスの特徴 金型の種類・対応工程 主な金型・技術 向いている導入目的

TOWA

樹脂封止装置と精密金型を一体で開発

樹脂封止用トランスファー・コンプレッション金型
マルチプランジャー金型、コンプレッション金型、モジュラー構造
装置・金型・成形条件を同じメーカーへ相談したい企業

I-PEX

車載・パワー・センサーまで樹脂封止金型を提案

樹脂封止用モールド金型
GP金型、CCFC、装置・自動化設備との組み合わせ
多品種少量から量産まで金型と設備を段階導入したい企業

ヤマハロボティクス

封止金型とリード成形金型を装置とともに展開

樹脂封止、リードフレーム加工、トリム&フォーム
トランスファー・コンプレッション金型、高精度リード成形金型
前後工程と量産装置の適合を重視する企業

ローム・メカテック

樹脂封止金型とリードフレーム用プレス金型を製作

樹脂封止、リードフレームのプレス加工
半導体樹脂封止金型、LSI・トランジスタ・ダイオード用プレス金型
金型からリードフレーム加工まで相談したい企業

姫路東芝電子部品

試作・開発から量産まで半導体後工程金型を製作

リードフレーム、樹脂封止、トリム&フォーム
リードフレーム金型、モールド金型、トリム&フォーム金型
ディスクリート・ICの複数工程をまとめて検討する企業

日立産機システム

熱硬化性樹脂の封止金型を3D設計から製作

半導体・電子部品の樹脂封止、インサート・アウトサート成形
熱硬化性樹脂成形金型、精密成形金型、3Dデータ設計
複雑形状の精密部品と成形を一体開発したい企業

CAPABLE

設計と品質保証を担う半導体封止金型のファブレス企業

半導体・LED・電子部品の樹脂封止
封止金型の設計、国内パートナーによる製造、CAPABLEブランド保証
設計窓口と製造ネットワークを活用したい企業

メイホー

モールド・順送・TF金型を試作から量産まで製作

樹脂封止、リードフレームプレス、トリム&フォーム
半導体モールド金型、リードフレーム用順送金型、TF金型
複数種類の金型と修理・オーバーホールを依頼したい企業

パワージェクト

リードフレームから製品を切り離す金型・治具を製作

封止後のシンギュレーション・個片化
生産ライン用切り離し金型、補修・不良品切断用ハンドプレス治具
個片化工程の内製化・補修作業を改善したい企業

Guangdong Taijin Semiconductor Technology

MGP・トリム&フォーム・リードフレーム金型を展開

樹脂封止、リードフレーム打ち抜き、トリム&フォーム
MGP Mold、Trim & Form Tools、Leadframe Stamping Tools
金型と後工程装置を海外メーカーから調達したい企業

半導体用金型メーカー10社の詳細

TOWA

樹脂封止装置と精密金型を一体で開発

TOWAは、半導体後工程向けのモールディング装置と高精度金型を展開しています。マルチプランジャー方式のトランスファー金型は、複数のポットから樹脂を各キャビティへ供給し、リードフレームや基板上のチップを封止します。

コンプレッション金型は、ウェーハやパネル、大型・薄型パッケージの封止で候補になります。装置、金型、成形条件、シンギュレーションまで同じメーカーへ相談したい場合に比較しやすいメーカーです。

TOWAの会社概要

会社名TOWA株式会社
主な対応領域半導体樹脂封止金型、モールディング装置、シンギュレーション
公式URLTOWA公式サイト

I-PEX

車載・パワー・センサーまで樹脂封止金型を提案

I-PEXは、半導体や電子部品を熱硬化性樹脂で封止するGP金型と、フルオートから開発用までのモールディング装置を扱っています。民生用IC、車載用IC、パワーモジュール、ECU、センサーなど、対象製品に合わせたカスタム設計が中心です。

試作・特殊用途から多品種少量、量産まで装置系列があるため、開発段階と量産段階で金型・設備の整合を取りたい企業に向いています。

I-PEXの会社概要

会社名I-PEX株式会社
主な対応領域半導体樹脂封止金型、モールディング装置、自動化設備
公式URLI-PEX公式サイト

ヤマハロボティクス

封止金型とリード成形金型を装置とともに展開

ヤマハロボティクスは、APIC YAMADAブランドでトランスファー金型、コンプレッション金型、高精度リード成形金型を展開しています。樹脂封止だけでなく、封止後のリード切断・成形まで対応工程を広げられます。

キャビティインサート、プランジャー、ポット、ゲート部品などの金型部品も扱い、モールディング装置やトリム&フォーム装置との適合を重視する量産ラインで候補になります。

ヤマハロボティクスの会社概要

会社名ヤマハロボティクス株式会社
ブランドAPIC YAMADA
主な対応領域樹脂封止金型、リードフレーム・トリム&フォーム金型、後工程装置
公式URLヤマハロボティクス公式サイト

ローム・メカテック

樹脂封止金型とリードフレーム用プレス金型を製作

ローム・メカテックは、半導体樹脂封止用金型とリードフレーム用プレス金型を製造しています。樹脂封止金型はチップとワイヤーを保護するパッケージを成形し、プレス金型は薄い金属条材からリードフレームを連続加工します。

LSI、トランジスタ、ダイオード向けのリードフレーム金型を検討し、金型製作からプレス加工までつなげたい場合に候補になります。

ローム・メカテックの会社概要

会社名ローム・メカテック株式会社
主な対応領域半導体樹脂封止金型、リードフレーム用プレス金型・加工
公式URLローム・メカテック公式サイト

姫路東芝電子部品

試作・開発から量産まで半導体後工程金型を製作

姫路東芝電子部品は、ディスクリート半導体やIC向けに、リードフレーム金型、モールド金型、トリム&フォーム金型を製作しています。半導体後工程の主要な金型を複数扱い、開発・試作から量産向けまで相談できます。

部品形状の開発段階で、封止だけでなく、リードフレームの加工と封止後の端子成形まで一連の金型仕様を整理したい場合に向いています。

姫路東芝電子部品の会社概要

会社名姫路東芝電子部品株式会社
主な対応領域半導体用リードフレーム、モールド、トリム&フォーム金型
公式URL姫路東芝電子部品公式サイト

日立産機システム

熱硬化性樹脂の封止金型を3D設計から製作

日立産機システムは、半導体封止などに用いる熱硬化性樹脂成形金型を扱っています。3Dデータを用いた設計、金型製作、成形を一貫して行う体制があり、インサート・アウトサート部品を含む精密成形で候補になります。

半導体パッケージだけでなく、金属端子や基材と樹脂を一体化する電子部品の複雑形状を開発したい場合に比較できます。

日立産機システムの会社概要

会社名株式会社日立産機システム
主な対応領域半導体封止・熱硬化性樹脂・インサート成形用精密金型
公式URL日立産機システム公式サイト

CAPABLE

設計と品質保証を担う半導体封止金型のファブレス企業

CAPABLEは、半導体、LED、電子部品用の封止金型を扱うファブレス企業です。自社で受注・設計を行い、国内の協力金型メーカーへ製造を委託し、CAPABLEブランドで供給・保証します。

特定の製造工場へ直接発注する形ではなく、設計・品質保証の窓口と国内製造ネットワークを組み合わせて金型を調達したい企業に向いています。

CAPABLEの会社概要

会社名株式会社CAPABLE
主な対応領域半導体・LED・電子部品用封止金型の設計、製造委託、品質保証
参照URL三菱商事テクノス 半導体業界ページ

メイホー

モールド・順送・TF金型を試作から量産まで製作

メイホーは、半導体モールド金型、リードフレーム用順送金型、TF金型を設計・製作しています。少数個取りの試作型から多数個取りの量産型に対応し、合理化改造、修理、オーバーホールも相談できます。

樹脂封止、リードフレーム加工、トリム&フォームの複数工程を比較したい場合や、量産後の保守まで一社へ相談したい場合に候補になります。

メイホーの会社概要

会社名株式会社メイホー
主な対応領域半導体モールド、リードフレーム順送、TF金型、改造・修理
公式URLメイホー公式サイト

パワージェクト

リードフレームから製品を切り離す金型・治具を製作

パワージェクトは、リードフレーム内の半導体素子を個々の製品へ切り離す生産ライン用金型を製作しています。樹脂封止用金型ではなく、封止後のシンギュレーション・個片化工程が対象です。

量産ライン用の切り離し金型に加え、補修品や不良箇所を手動で切断するハンドプレス治具も扱うため、個片化工程の内製化や補修作業を改善したい場合に向いています。

パワージェクトの会社概要

会社名株式会社パワージェクト
主な対応領域半導体の個片化・切り離し用金型、ハンドプレス治具
公式URLパワージェクト公式サイト

Guangdong Taijin Semiconductor Technology

MGP・トリム&フォーム・リードフレーム金型を展開

Guangdong Taijin Semiconductor Technologyは、中国でMGP金型、トリム&フォーム金型、リードフレーム用プレス金型と後工程装置を展開しています。TO、SOP、TSSOP、DIP、SOT、QFN、QFP、BGAなど複数のパッケージ領域を案内しています。

海外メーカーから金型と設備を調達する場合は、金型仕様だけでなく、日本語窓口、検収場所、予備部品、据付、保守時の輸送と納期を契約前に明確にする必要があります。

半導体用金型とは

半導体用金型は、半導体パッケージの製造工程で、金属材料や封止樹脂を決められた形状へ加工する精密工具です。加工対象と工程によって必要な金型が変わります。

前工程で作られたチップは、後工程でリードフレームや基板へ搭載され、ワイヤーやバンプで接続されます。その後、樹脂封止、端子の切断・成形、個片化を経て製品になります。金型は各工程の寸法精度、外観、歩留まり、生産サイクルへ直接影響します。

半導体用金型の種類と使われる工程

金型・工具使われる工程主な役割
トランスファーモールド金型樹脂封止加熱した樹脂をポットからキャビティへ押し込み、チップとワイヤーを封止する
コンプレッションモールド金型樹脂封止金型内の樹脂を圧縮し、ウェーハ、パネル、基板上のデバイスを封止する
リードフレーム用プレス金型リードフレーム製造金属条材を打ち抜き・曲げ加工し、チップ搭載部と外部端子を形成する
トリム金型封止後加工タイバー、ダムバー、不要な連結部を切断する
フォーム金型封止後加工外部リードをガルウイングなどの実装可能な端子形状へ曲げる
個片化・切り離し金型シンギュレーションフレームやパネルにつながった製品を一個ずつに分離する

Guangdong Taijin Semiconductor Technologyの会社概要

会社名Guangdong Taijin Semiconductor Technology Co., Ltd.
主な対応領域MGP、トリム&フォーム、リードフレーム金型、後工程装置
公式URLTaijin Semiconductor公式サイト

半導体用金型メーカーの選び方

外注する工程と納入物を明確にする

最初に、必要なのが金型本体だけか、金型設計、試作成形、量産トライ、装置、スペア部品、保守まで含むのかを決めます。金型専業、装置・金型一体型、ファブレス設計型では、責任範囲が異なります。

対象パッケージと生産量への実績を確認する

QFNの薄型封止とパワーモジュールの厚肉封止では、必要な金型構造が異なります。対象に近いパッケージ、ワーク寸法、樹脂、キャビティ数、成形サイクルの経験を確認します。試作型をそのまま量産型へ拡張できるとは限らないため、量産時の多数個取り、交換時間、保守頻度も比較します。

樹脂流動解析と成形評価の範囲を見る

封止金型では、3D設計だけでなく、樹脂の充填順序、圧力、温度、硬化、エア抜き、ワイヤーへの荷重を検討する必要があります。解析の前提条件、実機トライで測る項目、不具合が出た場合の修正回数と費用を見積もり段階で確認します。

金型材料・表面処理・交換部品を比較する

封止樹脂に含まれるフィラーや、プレス加工時の摩耗により、キャビティ、ゲート、パンチ、ダイ、プランジャーなどは消耗します。金型鋼、タングステンカーバイドなどの硬質材料、表面処理、コーティング、部品の分割構造、再研磨の可否、スペア部品の納期を比較します。

量産拠点での保守体制を確認する

金型トラブルは生産停止へ直結するため、保守拠点、現地対応地域、図面・加工データの管理、故障解析、修理、オーバーホール、予備品の供給体制を確認します。海外工場で使う場合は、現地で調整できる範囲と日本へ返送する範囲を分けておきます。

見積もり依頼時にまとめる金型仕様書

メーカーへ同じ条件で見積もりを依頼するには、少なくとも次の情報を仕様書へまとめます。

  • 対象工程と金型種類
  • パッケージ名、製品図面、3Dデータ、リードフレーム・基板図面
  • ワーク寸法、材料、板厚、めっき、樹脂名・形態
  • キャビティ数、取り数、想定月産数、目標サイクル
  • 使用する装置メーカー・型式と金型取付条件
  • 重要寸法、公差、外観、反り、バリ、ボイドなどの合否基準
  • 金型寿命、保守周期、スペア部品、予備型の考え方
  • 試作数、トライ場所、測定方法、検収条件、希望納期

秘密保持が必要な図面を渡す前に、NDA、データの保管場所、再委託先への共有範囲、契約終了後の削除方法も決めます。

試作トライと受入検査で確認すること

金型完成時のトライでは、寸法測定だけでなく、実際の材料・装置・成形条件で連続加工を行います。初回品が合格しても、連続運転で温度が安定した後にバリ、充填、反り、リード変形が変わる場合があります。

  • 初品・中間・最終ショットの寸法と外観
  • 未充填、ボイド、クラック、ワイヤー流れ、樹脂バリ
  • リード幅、ピッチ、切断面、曲げ角度、コプラナリティ
  • キャビティ間・ショット間のばらつき
  • 成形サイクル、離型、清掃時間、品種交換時間
  • 金型温度、荷重、圧力など再現に必要な条件

検収条件には、測定器、測定箇所、サンプル数、能力指数の扱い、不合格時の改修と再トライ、輸送後の再確認を明記します。

金型寿命を延ばす保守と予備品管理

量産開始後は、ショット数だけで一律交換するのではなく、樹脂・材料、加工荷重、摩耗箇所、清掃方法を踏まえて保全周期を設定します。キャビティ、ゲート、エアベント、プランジャー、パンチ、ダイ、ばね、ガイド部品など、部位ごとに点検基準を持つことが重要です。

金型台帳には、ショット数、清掃、部品交換、再研磨、寸法変化、不具合、成形条件を記録します。重要製品では、長納期部品のスペア、予備型、図面・加工データの保管、メーカー廃業や設備更新時の移管条件も検討します。

半導体用金型の費用を左右する要素

金型費用は、外形の大きさだけでは決まりません。キャビティ数、微細寸法、公差、金型材料、表面処理、スライド・エジェクト・真空などの機構、解析、試作、測定、装置改造、予備部品によって変わります。

初期価格を下げても、成形サイクルが長い、清掃頻度が高い、消耗部品の納期が長い、品種交換に時間がかかる場合は総コストが増えます。見積もりでは、金型本体、設計、解析、トライ、修正、輸送、据付、保守、スペアを分けて比較します。

半導体用金型に関するよくある質問

金型メーカーと装置メーカーは同じ会社へ依頼すべきですか

必須ではありません。ただし、樹脂封止金型は装置との適合項目が多いため、別会社へ依頼する場合は金型外形、クランプ、ポット・プランジャー、加熱、真空、搬送、制御条件の責任分界を明確にします。新規ラインや新パッケージでは一体提案、既存装置への型追加では独立した金型メーカーも候補になります。

試作金型から量産金型へそのまま移行できますか

試作型で成形性を確認できても、量産では取り数、サイクル、耐久性、自動搬送、清掃、品種交換が変わります。試作結果を量産型へ反映する前提で、設計データ、成形条件、評価結果を引き継げる契約と体制を選びます。

海外の金型メーカーを選ぶ際の注意点は何ですか

価格だけでなく、図面言語、材料証明、検査成績書、トライ装置、検収場所、輸送、関税、据付、現地保守、予備部品、知的財産、再委託先を確認します。書面上の仕様に加え、量産拠点で不具合が起きた際の連絡・復旧手順を決めておくことが重要です。

半導体用金型は工程と量産条件から比較する

半導体用金型メーカーを選ぶときは、まず樹脂封止、リードフレーム加工、トリム&フォーム、個片化のどの工程を依頼するのかを明確にします。そのうえで、対象パッケージ、材料、装置、生産量、品質基準、保守拠点を揃えて比較します。

金型は図面どおりに製作するだけの部品ではなく、成形条件や設備と組み合わせて量産品質を作る生産技術です。試作トライから受入検査、量産後の修理・予備品まで含めて発注先を選びましょう。

半導体業界の課題と今後の動向も、製品開発や市場開拓の整理にご活用ください。

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