オウンドメディアとは?8,000サイト制作実績から見えた成果の出る作り方
最終更新日:2023年10月14日

オウンドメディアで成果を上げたいご担当の方へ
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社が保有するメディアのことをいいます。自社の認知拡大、リード獲得、ブランディングの確立、採用力の強化、マネタイズといった目的で導入する企業が増えていますが、「競合がやっているから」と安易に作ってしまい、集客に失敗するケースも少なくありません。
そこでこの記事では、オウンドメディアで成果を出すための作り方や運営方法を紹介します。オウンドメディアを作って本格的に集客したい方向けに、8,000サイト以上を制作して得たノウハウをまとめた「オウンドメディアの教科書」も用意しております。ご興味がございましたら今後のオウンドメディア作りにお役立てください。
企画から制作・運用まで全部わかる「オウンドメディアの教科書」

オウンドメディアの運用メリットや、企画から制作・運用までのステップについて紹介します。集客だけでない「売上」まで繋げるオウンドメディアもご案内します。
オウンドメディアとは?
オウンドメディアの定義
オウンドメディア(Owned Media)とは、ユーザーとの接点作りやブランディングを目的とした「自社で所有するメディア」のことを指します。
本来は、企業のパンフレットやカタログなどの「物理的なメディア」もオウンドメディアに含まれるのですが、Webを活用したマーケティング活動においては、自社で運営するWebサイトやブログ、SNSなどを指します。
近年、読ませるタイプのSNSであるFacebookやX(Twitter)、動画や画像で見せるInstagram、TikTokといった新しいSNSの登場によって、ユーザー同士で情報発信が活発化し、これをビジネスにも応用しようと、SNSマーケティングが盛んになりました。
しかし、SNSだけではビジネスの成果につながりにくいため、自社でWebサイトを開設し、対策キーワードを土台としたSEO対策でコンテンツ(ブログなど)を制作・配信。
検索上位を目指してサイトへ集客させ、さらにSNSも絡めながらコンテンツを拡散させる方法が登場しました。これがオウンドメディアのはじまりと言われており、今日に至っています。
オウンドメディアとコンテンツマーケティングとの違い
オウンドメディアについて詳しく調べていると「コンテンツマーケティング」という単語を目にすることが多いことかと思いますが、何が違うのでしょうか。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが知りたい価値ある情報(コンテンツ)を配信することで関心を集め、見込み顧客化し最終的に自社のファンに定着させるマーケティング施策のことをいいます。
対して、オウンドメディアは、その施策のうちの一つの「自社で所有する媒体」の位置づけですので、コンテンツマーケティングの中にオウンドメディアが存在する関係になります。
オウンドメディアと公式サイトとの違い
オウンドメディアは、自社で所有する媒体のことですが、「公式サイトとは何が違うの?」と思う方もいらっしゃることでしょう。しかし、オウンドメディアと公式サイトでは、それぞれ役割と内容が異なりますので、ここではその3つの違いについて解説します。
目的の違い
公式サイトと、オウンドメディアの持つ目的は企業によって様々ですが、一般的に公式サイトは、自社の商品を売り込むための「営業」が目的であるのに対し、オウンドメディアは、見込み顧客を獲得するのための「マーケティング」として制作されるのが一般的です。
対象ユーザーの違い
公式サイトを閲覧するユーザーは主に、自社について既に知っている顧客や取引先など、ビジネス上で関係のあるユーザーです。
対して、オウンドメディアは、不特定多数に向けたコンテンツを発信するため、まだ自社の存在を知らない潜在顧客が対象となります。このように公式サイトとオウンドメディアには、目的の違いがあり、それによってコンテンツ内容も違います。
発信内容の違い
コーポレートサイトは、自社商品やサービスの紹介、企業コンセプト、代表者メッセージ、企業概要や沿革など、いわば「名刺代わり」となる情報を発信します。
一度、情報の内容が決まれば、情報の更新がない限り、同じ情報を発信し続けますが、オウンドメディアはそうではありません。
そもそも対象ユーザーが異なり、自社商品・サービスの存在を知らない潜在顧客を相手にしていますので、現在抱えている悩み・問題を解決するお役立ち情報を定期的に発信し、自社への興味・関心の醸成を図ります。
オウンドメディアと公式サイトの違いについて、さらに詳しく知りたい方は「オウンドメディアと自社サイトの違いとは?役割や使い分けを解説」もご覧ください。
オウンドメディアの種類
オウンドメディアは、主に「公式サイト型」と「独立型」の2種類があります。それぞれどんな違いがあるのか紹介いたします。
公式サイト型
公式サイトのドメイン配下、あるいはサブドメインで運営し、公式サイトと同じデザインで作成されます。主に「ブログ」や「ニュースページ」の形式をとり、自社商品に関する情報や、業界トピックを発信しながら、ユーザーとコミュニケーションを図ります。
公式サイト型オウンドメディアの事例
画像引用元:花王の顔(https://www.kao.com/jp/kaonokao/)
公式サイト型オウンドメディアの事例には、大手消費財メーカーの「花王」が運営する、商品特性や企業ブランドを啓蒙する「花王の顔」があります。花王の顔では、商品開発者や研究者をクローズアップし、どんな想いで商品を世に送り出しているのか、インタビュー形式で情報を発信しています。
独立型
独立型は、公式サイトから完全に独立したメディアのことで、デザインも公式サイトと揃えていない傾向にあります。商品やサービスに関連する情報発信のみならず、潜在的なユーザーが知りたいお役立ち情報も提供。メディア訪問を促進させながら、商品に興味を持ってもらえる情報設計を行います。
独立型オウンドメディアの事例
画像引用元:レッドブル(https://www.redbull.com/jp-ja/)
独立型オウンドメディアの事例として、エナジードリンクのレッドブルが運営するオウンドメディアがあります。商品に関する情報は発信せず、若者が興味を抱くスポーツやゲーム、音楽情報を提供しながら、レッドブルの認知度を高めることを目的にしています。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアへの注目度が急速に高まっていますが、オウンドメディアを立ち上げたからといって、成功が約束されているわけではありません。そもそも「なぜ導入するのか」目的を明らかにし優先順位を立てた上で、メディアの設計やコンテンツ制作を進めることが重要です。
オウンドメディアを導入する目的として次の5つが挙げられますが、貴社においては何を目的としていますか?導入前に一度検討してみましょう。
認知拡大
企業や商品の存在を「まだ知らない」方に向けて認知拡大を図ります。住宅会社がオウンドメディアを作る場合で例えましょう。自社の認知度が低い場合、会社名や商品名で検索するユーザー(社名や商品名をすでに知っているユーザー)は、ほとんどいないに等しいでしょう。
そこで、「土地の探し方」「資金計画の立て方」「住宅会社の選び方」など、住宅を建てたいユーザーが興味を持つコンテンツを配信することで会社名や商品を知ってもらう「接点」を作ります。
リード獲得
認知拡大を図りユーザーとの接点作りに成功しても、商品を購入する可能性がゼロでは意味がありません。購入確度をより高めるため、「資料請求」「メルマガ登録」「問い合わせ」といった「リードを獲得する」こともオウンドメディアの重要な目的です。
ちなみにリードとは、商品(サービス)に関心があり、将来的に顧客になる可能性のある「見込み客」のことを意味します。
ユーザーの氏名、電話番号、メールアドレスといった相手とコンタクトがとれる情報を獲得することで効率的な営業活動が展開できます。
ブランディングの確立
オウンドメディアは、「ブランディング」も目的としています。ブランディングとは、企業や商品のイメージを印象づけることですが、単に商品やサービス名を知ってもらうだけではありません。住宅に例えるなら、
- 「デザイン性を重視」するならA社
- 「セキュリティーを重視」するならB社
- 「アフターサービス」で決めるならC社
といったように、自社の強みを認知させ、他社と差別化させることもブランディングの重要な目的です。
オウンドメディアで自社ならではのノウハウを知ってもらったり、ターゲットユーザーが求めているであろう情報を発信し自社の目指すブランディング方針に合わせた切り口で解説、ターゲットから信頼を得ることもできるため、ブランディング活動に寄与することができます。
企画から制作・運用まで全部わかる「オウンドメディアの教科書」

オウンドメディアの企画から制作・運用までのステップを紹介。その他、自社サービスをブランド化し「売上」まで繋げるオウンドメディアの作り方もご案内します。
採用力の強化
オウンドメディア導入には、採用力を強化する目的もあります。自社に興味を持ってもらえるコンテンツを配信し、優れた人材を獲得したい狙いがあります。採用を目的としたオウンドメディアで用意すべきコンテンツには、以下のものがあります。
企業が抱えるビジョン
経営者の思いや今後のビジョンを示し、求職者から「ここで働きたい」と共感してもらえるようなメッセージを発信します。公式の「経営者のあいさつ」とは違い、求職者に対して直接伝えたいことを言葉にします。
社員インタビュー
現在働いている社員にインタビューをし、「入社を決めた理由は?」「仕事のやりがいは何か?」「将来、何を目指すのか?」などを語ってもらいます。「この職場と自分はフィットできるのか?」動画や画像を駆使しながらリアル感を持たせて伝えます。
働き方の紹介
「ある社員の一日のスケジュール」を紹介し、入社後の自分が働くイメージを伝えます。また、福利厚生や社内制度など、求職者にとって気になるポイントも紹介します。ほかの企業にはない、ユニークな社内制度があれば、その企業らしさを伝える手がかりにもなります。
そのほかにも、商品に共感を持ってもらえる「商品誕生ストーリー」のコンテンツや、仕事以外での親近感を伝えるための「社内イベントの紹介」などもあります。
マネタイズ
自社の認知拡大やリード獲得も重要ですが、リードからマネタイズ(収益化)することがオウンドメディアの最終ゴールです。オウンドメディアのマネタイズには、主に次のような種類があります。
広告収益
オウンドメディア内に広告枠を提供。他社から広告掲載料もらう「純広告」や、記事内に商品(サービス)を紹介して販売につなげる「記事広告」などがあります。
有料コンテンツ収益
ユーザーが興味を持つコンテンツを作成し、より詳しい情報が得られる「有料セミナー」の開催や「有料記事」の販売も収益につなげる方法の1つです。月額性にして有料会員にしか閲覧できないコンテンツやメルマガを配信するのもよいでしょう。
商品(サービス)の購入
オウンドメディアでマネタイズさせる最もシンプルな方法。興味を持ったユーザーに直接商品を購入、あるいは商談につなげます。この場合、ユーザーが抱える課題と、商品が提供できる価値(強み)が合致させ、「この企業に依頼したい」と思える環境をメディアで作れるかが重要です。
なぜ今オウンドメディアが注目されるのか?
オウンドメディアがにわかに注目を集めるきっかけになったのは、「コロナ禍」による社会・経済への影響です。BtoCやBtoBを問わず、自分が購入したい商材をインターネット上で探す行動がより活発化しました。コロナ禍が沈静化しつつあるとはいえ、インターネットを駆使したビジネスプロセスの変化(DX化)が急速に進んでいます。
デジタルマーケティング会社の株式会社ニュートラルワークスが行った「オウンドメディア作成に関する意識調査」によると、「コロナの影響でオンラインでの問い合わせが増えたため、オウンドメディアに注目した」と答えた企業が60%以上も占めました。
しかし、一方で「参考にすべきオウンドメディアの事例が見つからない」と答えた企業も50%以上。導入への関心度は高いものの、自社にとってどんなオウンドメディアが最適なのかがわからず、足踏み状態の企業も多いようです。
出典元:PRTIMES「オウンドメディア作成に関する意識調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000041566.html)
オウンドメディア導入企業の担当者300人へアンケート調査を実施
キャククル運営元のZenkenでも、既にオウンドメディアを導入し運用をはじめた企業の担当者300人を対象に「オウンドメディアに関する調査」を実施しました。調査の結果、85.3%の人がコロナ禍の3年以内にメディアを立ち上げ、運営をスタートしたことが明らかに。
また、「オウンドメディア運営の目的を教えてください」という質問に対し、56%の人が「商品・サービスの理解促進」と回答。運営の課題と感じていることのトップが「リード(問い合わせ)があっても、成約につながらない」で44.3%でした。
・調査概要:オウンドメディアに関する調査
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:オウンドメディアを運用している・したことがある全国の会社員300人
・調査実施日:2022年12月6日~2022年12月7日
オウンドメディアの運営状況
Q.あなたの会社ではオウンドメディアを運営していますか?
自社のオウンドメディアについて、「運営している」と答えた企業が73.0%と答えたのに対し、「持ってはいるが、運営(更新)されていない」が19.3%。「過去に運営していたが、現在は運営していない」が7.7%でオウンドメディアの約3割が「運営停止中」で放置されていることも浮き彫りになりました。
オウンドメディアを運営している期間
Q.オウンドメディアを運営している期間をお答えください
オウンドメディアの運営期間を聞いたところ、「2年以内」が28.0%で最多。コロナ禍にあった3年以内で運営をはじめた企業が85.3%にものぼることから、マーケティング活動のデジタル化が伺えます。理由としては、コロナによる影響で従来の対面営業や、販売が困難になり、Webで自社を見つけてもらい営業を展開する「インバウンドマーケティング」の強化が考えられます。
オウンドメディア運営の目的
Q.あなたの会社でオウンドメディアを運営する目的を教えてください
オウンドメディア運営の目的は、1位が「商品・サービス理解の促進」で56.0%、2位「商品・サービスの認知向上」55.7%、3位「リード(問い合わせ)の獲得」45.3%、「自社の認知向上」も43.7%、「商品・サービスのブランディング」が42.7%と高い割合となっています。この結果からも、オウンドメディアは自社あるいは商品・サービスの「認知・理解」「リード獲得」「ブランディング」が主な理由のようです。
オウンドメディア運営で抱える課題
Q.オウンドメディアを運営している中で課題と感じることをお答えください
オウンドメディア運営の課題についても聞いてみました。課題の1位が「リード(問い合わせ)があっても成約につながらない」が44.3%、2位「リード(問い合わせ)数が少ない」で37.5%、3位が「リード(問い合わせ)に対応する営業コストがかかる」の34.0%でした。他にも、「マネタイズ」「運用コスト」「SEO対策」など、さまざまな課題が挙がっています。
出典元:PRTIMES「オウンドメディアに関する調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000388.000006978.html)
企業がオウンドメディアを導入する理由
前述でもお伝えしたように、コロナ禍の影響によって、現在オウンドメディアが注目を集めており、多くの企業が導入または導入を検討しています。検討する理由として、コロナの影響以外にも次のような理由があります。
Web広告効果の低下
現在、知りたい情報はネットで検索するのは当たり前で、ユーザーが気軽にアクセスできる情報量も爆発的に増えました。ネット検索を爆発的に広めたのがスマートフォンの登場。その代表格でもあるiPhoneが発売されたのが2007年。2022年現在で15年が経ちました。
当初はWebマーケティングの中心はWeb広告でした。広告を出稿すれば、一定の集客が見込めていましたが、ユーザーの検索リテラシーも向上し、知りたい情報はWeb広告のみならず、自ら調べて検証し情報を取りに行くユーザーが急増。今では増えすぎたWeb広告を目障りにすら感じるようになりました。
Web広告効果が低下していく中、新たなWebマーケティング施策として、ユーザー側からアクセスしてくれるオウンドメディアの存在がますます重要視されています。
自社にとっての「集客資産」になる
オウンドメディアは、SEO対策を行い上位に表示されれば、Web広告費をかけなくても低コストで流入数が増やせます。公開後、すぐに流入数が増えるわけではありませんが、ユーザーに役立つコンテンツを着実に作り続けることで自社にとっての「集客資産」になります。
コンテンツを作り続けることは、削除しない限り半永久的に蓄積されるため、オウンドメディアへの流入数増加も期待でき、将来的に自社の商品(サービス)の顧客になっていただくマーケティング活動でもあるのです。
Web広告のような即効性はありませんが、長期的に見れば「有益性をもたらす集客資産になる」ということが導入を検討する企業が増えている理由のひとつです。
SNSの普及
3つ目の理由として、「SNSの普及」があります。スマートフォンの登場でX(Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokといったSNSの利用者は急増。その情報拡散性は広告やマーケティングにも積極的に活用されるようになりました。
SNSはユーザー自身が気軽に情報発信者となることができます。つまりユーザーが「拡散したい・みんなに教えたい」と思うような有益なコンテンツやおもしろいコンテンツをつくることが、情報拡散を産み、爆発的な認知拡大や集客効果を生むことにつながるのです。
Webサイト単体のオウンドメディアの場合は、検索からのユーザー流入が主となりますが、検索結果に表示されるには時間がかかります。さらにコンテンツを更新したことがユーザーに伝わりにくいです。
しかしSNSと連動し、オウンドメディアのコンテンツ更新をSNSを駆使して発信 → 拡散してもらうことで、この弱点もカバーしやすくなりました。SNSが現れたことで、オウンドメディアのメリットや効果を発揮しやすい環境が整ったのです。
オウンドメディア導入3つのメリット
さまざまな目的に合わせたオウンドメディア事例を紹介してきました。Webマーケティングの中でもオウンドメディアの重要性が増していますが、オウンドメディアをつくるメリットや効果として、下記のようなことが挙げられます。
広告費の削減
広告の場合、費用をかけて運用している間は流入が見込めますが、広告運用を止めてしまうとそこからの流入も完全に止まってしまいます。
広告運用には、どの媒体を選んでもそれなりのコストがかかってしまいます。オウンドメディアの場合は、質の高いコンテンツで検索順位を上げることに成功すれば、広告費用をかけずに自然検索からの流入が見込めます。
オウンドメディアで自然検索からの流入を増やすことで、広告費をかけることなく継続的な顧客の流入経路をつくることができるのです。
認知度の向上
広告で自社について情報を発信することはできますが、スペースが限られていたり、広告の掲載期間が決まっていたり、何かと制限があります。
また、自社サイトでも商品やサービスの魅力を発信することはできますが、これらは企業が一方的に伝えたい情報なので、消費者は積極的に見ようとはしません。
オウンドメディアであれば、コンテンツとして自社のブランドについてや理念を丁寧に発信することができます。自社のターゲットにとって有益なコンテンツを発信することで、情報を求める潜在層に自社の存在を知ってもらうきっかけとなります。
自社ファンの獲得
オウンドメディアで情報を発信し続けることで、定期的にメディアに訪問するユーザーが増えていきます。何度も訪問するうち、「自分に役立つ情報を提供してくれるメディア」と認知され、運営企業に対する信頼感も増します。
やがて商品やサービスに興味を抱き、企業理念や商品の魅力に共感することで、自社のファンへと成長し顧客化する可能性も高まります。このように長期的にユーザーとの接点を作る上でも、オウンドメディアは重要な役割を果たします。
顧客となったユーザーは、リピーターになってくれたり、自社の情報を積極的に拡散してくれたりなど、自社のマーケティング活動にも良い影響を与えてくれる存在になってくれるのです。
オウンドメディア導入3つのデメリット
すぐに効果は期待できない
「紙媒体のように発行して配布すれば見てくれる人も多いので、すぐに集客できるだろう…」とお考えの方にとっては残念かもしれません。オウンドメディアは制作する以上に、「公開後の運営」が成否のカギを握ります。
コンテンツを作り続けるための上位を狙う「キーワード選定」などのSEO知識も必要ですし、「Googleアナリティクス」「サーチコンソール」などの分析ツールを使った調査も行わなければなりません。
流入が芳しくない場合は、リライト(書き直し)をするための「Webライティング」の技術も求められます。Web広告のような短期決戦というよりは「長期戦」になり得ることを心得てください。
運営コストがかかる
公開後も運営し続ける必要がある以上、前述したような「SEO対策」「調査分析」「Webライティング」「編集」をするスタッフが必要になりますので、当然のことながら人件費がかかります。そのほかにも、メディアを維持するサーバー費、ドメイン費、追加デザイン(広告バナーなど)の外注費もかかります。
マネタイズできないと継続が難しい
オウンドメディア運営当初は、たくさんのユーザーに見てもらえるように「流入数」や「PV数」を増やすことが目的になるでしょう。しかし、だからといってすぐに売上が増えるわけではありません。
最終的なゴールは「収益化」ですが、ここにたどり着くことなく、集客は増えてもマネタイズできず、維持するのが困難になり閉鎖…。というケースも少なくありません。
企画から制作・運用まで全部わかる「オウンドメディアの教科書」

オウンドメディアの企画から制作・運用までのステップを紹介。その他、自社サービスをブランド化し「売上」まで繋げるオウンドメディアの作り方もご案内します。
オウンドメディアを作る9つの手順
オウンドメディアを作るメリットや事例などをお伝えしてきましたが、オウンドメディアを作りたいものの、何から着手すれば良いのかわからない…、という方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、オウンドメディアを作るために必要な9つの手順について紹介します。単に作るだけでは意味がなく、期待しているような効果は現れません。
成果が出るまで、ある程度の時間がかかる施策であることを理解した上で、正しい手順で構築・運営することが大切です。
1.目的・KPIを設定する
オウンドメディアの構築手順の中で、一番重要なことは、運営目的を明確にすることです。どのような目的を設定するか、によってオウンドメディアの方針が大きく変わります。
ブランディングや新規顧客の獲得など、何のためにオウンドメディアを立ち上げ、運営していくのか目的を決定しましょう。
目的が明確になったら、目的達成のためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。KPIとは、目標達成の度合いを評価する指標のことです。
- ○月までに売上○%を達成する
- 月間〇〇PV数を目指す
など、いつまでにどのような目標を達成したいのか、具体的な数値を決定します。ここで、目標数値を設定しておくことで、オウンドメディアを運営しながら、定量的に目的の達成状況を確認できます。
2.サイトコンセプトを設計する
オウンドメディア全体のコンセプトを設計します。つまり、メディアの「方向性」を決めることですが、コンセプトを設計するには、次の3つのステップでコンセプトを作ります。
- ペルソナを設定する
- ペルソナが抱える課題を整理する
- 自社にしかない強みを明確にする
これら3つのステップを踏まえ、「だれにとっての」「どんな課題が解決できる」「自社ならではの」オウンドメディアをコンセプト化します。
オウンドメディアのコンセプト設計に関して、より詳しく知りたい方は「オウンドメディアのコンセプト設計のポイントや方法を解説」もあわせてご覧ください。
3.ペルソナを設定する
ペルソナとはオウンドメディアの「読み手」
ペルソナとは、元々は「登場人物」という意味ですが、マーケティングの世界では、「自社の商品(サービス)を利用する架空のユーザー像」を意味します。つまりは、オウンドメディアの「読み手」のことです。
ユーザーにとって有益なオウンドメディアを制作するには、このペルソナ(読み手)の設定が非常に重要です。ペルソナが曖昧ではコンテンツの方向性も定まりません。
仮に制作できたとしても、結果的に読み手にとってニーズが合わないコンテンツの集合体になり、「一体、誰のためのオウンドメディアなのか?」社内でも迷走し失敗する可能性があります。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナと似た言葉に「ターゲット」があります。ターゲットと同じ意味なのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その違いについても解説します。
ターゲット | 顧客になってほしい特定の「集団」(例:20代/女性/都内勤務 など) |
ペルソナ | 顧客になってほしい特定の「個人」(例:28歳/女性/独身/システムエンジニア/IT企業勤務 など) |
ライフスタイルが多様化する現代において、集団よりも個性を持った「個人」に向けて商品メッセージを届けることが重要です。ペルソナ(個人)をできるだけ具体化することで、届けるべき商品メッセージ、ひいてはコンテンツの方向性も明確になります。
ペルソナの設定方法
では、ペルソナを設定するには具体的に何をすれば良いのでしょうか?ペルソナ設定する上で最も重要なのは、「人物像を決めるための情報」です。思い込みや空想ではなく、可能な限り情報を集めて「現実に近いリアルなペルソナ」を設定しましょう。その情報を集めるための3つのステップを紹介します。
1.実際のお客様にアンケートを実施する
自社のユーザーにアンケートやヒアリングを実施し、ユーザー像の大枠をつかみます。アンケートは店頭やメール、SNSで行うのが一般的です。店頭ではアンケートと同時にヒアリングもすることで、よりリアルな情報がつかめます。
2.結果をグルーピングする
アンケート結果をもとに、「デモグラフィック」(年齢・性別・家族構成などの人口統計学的な属性)と、「サイコグラフィック」(人格・価値観・ライフスタイルなどの心理学的な属性)に整理していきます。
具体的な人物像を設定する
グルーピングした情報を統合しペルソナを設定します。より具体的な人物像が設定できるよう、人物化するための「項目」を集めたペルソナシートを活用すると良いでしょう。その項目をいくつか紹介します。
- 年齢・性別・住んでいる場所
- 仕事(仕事内容・役職)
- 最終学歴
- 価値観・物の考え方
- 現在課題に感じていること など
ペルソナを具体的に設定することで、ユーザーの悩みや課題も特定しやすくなり、ブレないテーマに基づいたオウンドメディアの制作や運営が可能になります。
ペルソナの設定方法について、もっと知りたい方は「5分で理解!オウンドメディアにペルソナ設定が重要な理由」も合わせてご一読ください。
4.カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、直訳すると「顧客の旅」という意味です。上記で設定したペルソナ(商品を利用するユーザー像)が、商品を「認知」してから「購入」にいたるまでのプロセスを可視化したものになります。
ユーザーの行動・思考・感情を全体的に「見える化」することで、各プロセスにおける用意すべきコンテンツの方向性を定め、ユーザー目線にそった精度の高いコンテンツ制作に役立てます。
テレビ、ラジオ、新聞などのマスメディア媒体が中心だった数十年前は、いかに多く露出させるかが購入の分かれ道でした。しかし、Web媒体が発達した現代では、ユーザーは複数のチャネル(商品を伝える手段)を横断しながら購買活動を行っています。
また、マーケティングツールなどIT技術の進化によって、購買プロセスが見える化できるようになり、購買までの各プロセスにおけるマーケティング施策が重要視されるようになりました。
こうした背景から、ここ数年、カスタマージャーニーへの注目も高まっています。カスタマージャーニーについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご一読ください。
5.キーワードを選定する
オウンドメディアには、ペルソナが抱える悩みや問題を解決するコンテンツが重要ですが、そのコンテンツを制作する際に重要なのがキーワードです。
キーワードとは、Googleなどの検索エンジンに入力する「検索語句」のことですが、ペルソナが検索する可能性が高いキーワードを選び、その検索意図に寄り添ったコンテンツを制作することで上位表示を狙い、オウンドメディアへの流入を図ります。
まさにコンテンツ制作の「生命線」ともいえるのがキーワードですが、選ぶ際に無料で使えるツールがいくつかありますのでご紹介します。
Googleキーワードプランナー | Googleが提供する無料のキーワード選定ツール |
Googleトレンド | 検索数の推移が確認できるツール |
aramakijake | 検索ボリュームが調べられるツール |
ラッコキーワード | メインの検索語句以外の検索されやすい関連ワードが調査できるツール など |
一見似たようなキーワードでも、検索意図が全く異なる場合もあるため、ニーズを見極めてキーワードを選定するようにしましょう。
6.コンテンツの内容を決める
キーワードが選定できたら、コンテンツを制作します。オウンドメディアを成功させるために、質の高いコンテンツ制作は必要不可欠です。
実際に選定したキーワードで検索した時に上位表示されている競合コンテンツを調査することで、ユーザーがどのような情報を求めてキーワード検索を行っているのかを把握することができます。
ユーザーのニーズを理解して、その答えとなる情報や有益な情報をコンテンツとして、オウンドメディアに落とし込むことが重要です。
コンテンツ制作のネタに困ったらエディトリアルカレンダーを活用
オウンドメディアは、長期的な取り組みが必要であることはすでに申し上げましたが、コンテンツを制作し続けていると、ネタが枯渇し更新が止まってしまうケースも少なくありません。
そのような時に役立つのが「エディトリアルカレンダー」です。エディトリアルカレンダーとは、コンテンツの公開時期を記したスケジュール表のようなもので、出版社でよく利用されています。
最近ではメディア、ブログ、SNSなどのWeb媒体でも応用され、
- いつ
- 誰向けに
- どんなテーマ
で作るのかを、事前に計画を立てることで、戦略的なコンテンツ制作と配信を可能にします。
コンテンツ制作におけるエディトリアルカレンダーの活用法について、より詳しく知りたい方は、「コンテンツマーケティングの運用に役立つエディトリアルカレンダーとは?」をご覧ください。
7.サイトを構築する
コンテンツを発信する場となる、Webサイト(オウンドメディア)を構築します。オウンドメディアを構築する方法としては、
- CMSを使用する
- 専用のサイト制作サービスを使用する
という2種類の方法があります。CMSとは、テキストや画像などのWebコンテンツを管理するシステムです。WordPress(ワードプレス)などが代表的なCMSで、サーバーとドメイン代の費用のみで運用が可能です。
だれでも簡単に記事の更新はできますが、デザインの変更にはHTMLやCSSの知識が必要となります。専用のサイト制作サービスは、CMSよりも簡単にサイトを構築できて、サイトの構築以外に解析レポートや顧客とのコミュニケーションツールといった機能も使用が可能です。
一方で、デザインは決められたテンプレートから選ぶ必要があるため、自由に変更はできません。無料のCMSと違って、サービス利用料も発生します。
8.コンテンツを制作する
あらかじめ決めておいた方針に沿って実際にコンテンツを制作し、公開をしていきます。オウンドメディアは検索からの流入がメインになってくるため、Googleに評価してもらうためのSEO対策も考えながらコンテンツを制作する必要があります。
たとえば、ブログのような記事タイプのコンテンツであれば、見出しにキーワードを入れる、関連度の強いキーワードも記事の中に含めるといった対策が必要です。また関連するコンテンツはリンクさせておくなどサイト構造によるSEO対策などもあります。
コンテンツの内容が良いものであることはもちろんですが、こういったテクニックも効果的なオウンドメディアにするためには必要です。
9.サイトを分析・改善する
オウンドメディア運営開始後は、記事などのコンテンツを更新するだけでなく、定期的にサイトの分析を行います。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといった解析ツールを活用して、サイトのアクセス数やコンテンツごとのPV数などの情報を計測します。
分析の結果、なかなか検索順位が上がらないコンテンツについては、記事のリライトが必要です。新しい記事の作成だけでなく、分析結果に基づいた過去記事のリライトも随時行うようにしましょう。
また、ユーザーに見られているのに、購入や成約などの想定していたコンバージョンがない場合は、導線設計やコンバージョンボタンの文言や見やすさなどに問題がある場合もあります。
当初設定した目的と数値目標と照らし合わせて、分析・改善のPDCAを回し続けることで、ユーザーにとっても自社にとっても、価値のあるメディアとなります。
効果的なオウンドメディアを作るための3つのチェックポイント
多くの企業がマーケティングとして取り入れ始めているオウンドメディアですが、全ての企業がオウンドメディアによって成果を出せているわけではありません。
オウンドメディアは、その性質上、売上につながるまでに時間がかかるマーケティング手法です。長期間オウンドメディアを運営しても、最終的に目的を達成できなければ、リソースや費用が無駄になってしまいます。ここでは、オウンドメディアを成功させるためのポイントについて解説します。
オウンドメディアの方針にブレはないか?
オウンドメディアを失敗してしまうパターンで一番多いのが、方針が固まっていない状態であらゆるコンテンツを発信してしまい、成果につながらないというパターンです。
コンテンツの内容がバラバラだと、オウンドメディア全体の統一感や専門性がなくなって>しまい、ファンがつきづらくなります。
オウンドメディアは、設定したペルソナのニーズを理解したうえで、発信するコンテンツに一貫性をもたせることが非常に重要です。「だれにどのような情報を発信するのか」をあらかじめ設計して、戦略の軸がブレないようにしましょう。
ユーザーが求める情報が提供できているか?
オウンドメディアを成功させるために、重要なことは「質の高いコンテンツを制作し提供する」ことです。ここでの「質の高いコンテンツ」とは、ユーザーにとって有益な情報を指します。
コンテンツの内容を検討する際に、つい企業は自社の得意分野に関する情報を発信したいと考えがちです。しかし、企業が伝えたいことが必ずしもユーザーの求めている情報であるとは限りません。
コンテンツの内容は企業側(発信者)の視点で判断するのではなく、ユーザーの目線になって、ユーザーの抱える悩みや課題を解決できるようなコンテンツになっているかが重要です。
そしてユーザーの悩みの解決手段こそが、自社の商品やサービスであると自然に伝えられるようにしましょう。また、作成したコンテンツを必要としているユーザーへ届けるためには、SEO対策が欠かせません。
タグの最適化やコンテンツのボリュームなど、ユーザーがキーワード検索したときに、上位表示される工夫も必要となります。
分析に基づいてサイト改善ができているか?
オウンドメディアを運営する上で、定期的に新しいコンテンツを制作し配信することは重要ですが、コンテンツの更新と同時並行でサイトの分析・改善を行うことも必要不可欠です。
KPIの指標となる、PV数やセッション数、直帰率などを分析ツールを活用して計測し、必要に応じて改善を行いましょう。
「コンテンツごとにPV数に偏りがある場合は、これから更新するコンテンツの内容を再検討する」「そもそもサイト自体のアクセス数が少ない場合は、サイトデザインの修正を行う」といったように、分析に基づいた改善を適宜行うことも重要です。
そのためこういった継続的な運営ができる体制をつくることも、オウンドメディアづくりには欠かせないポイントとなります。
オウンドメディアも含むトリプルメディアとは?
オウンドメディアは、「トリプルメディア」の1つと言われています。トリプルメディアとは、マーケティング活動における企業とユーザーとの接点を作る3つのメディアのことで、それぞれの特性を活かしながら複合的なマーケティング活動が展開できます。
トリプルメディアには、オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つがありますが、相互に作用し合うことで、ユーザーに効果的なアプローチが可能となります。
次項でそれぞれのメディアの特性を詳しく解説します。
オウンドメディア
繰り返しになりますが、オウンドメディアは「企業が運営するメディア」を指します。自社で情報を発信して内容をコントロールできるものが、オウンドメディアです。
オウンドメディアのメリットは、ターゲットの求める情報を発信することで、企業とターゲットの継続的な関係構築が可能な点。
オウンドメディアを閲覧するする消費者は、自社の商品・サービスに何らかの興味や親和性のある人なので、その潜在顧客に向けて自社について知ってもらうきっかけを作ることができます。
一方で、オウンドメディアはすぐに効果が出づらく、継続的にオウンドメディアを運営するリソースが必要というデメリットもあります。
代表的なメディア | ブランディングメディア 自社メディア(オウンドメディア) 企業のウェブサイト ブログ 社内誌 ニュースレター SNSの公式アカウント(Facebookページ、X(Twitter)アカウントなど) など |
ペイドメディア
ペイドメディアとは、お金を支払って出稿する広告を指します。リスティング広告やディスプレイ広告といったインターネット広告、雑誌やテレビといったマス広告などがペイドメディアに含まれます。
ペイドメディアのメリットは、不特定多数のユーザーに向けて訴求することが可能で、比較的短期間で売上につなげられる点です。
対して、発信できる情報量が限られている点や広告を長期的に出稿する場合はコストがかかる点がデメリットとなります。
代表的なメディア | テレビCM 新聞・雑誌広告 屋外広告(ビルボードなど) オンライン広告(Google AdWords、Facebook Ads、バナー広告など) スポンサードコンテンツ(広告主が資金提供して作られる記事やビデオなど)など |
アーンドメディア
アーンドとは「評価を得る」という意味で、ユーザー間でコミュニケーションを行い、評判・信頼を受けるためのメディアのことです。SNSや口コミサイトなどに掲載する自社に関する記事がアーンドメディアに該当します。
アーンドメディアのメリットは、拡散力があり、ユーザー視点(第三者の視点)で自社の評価が伝えられる点。
いくら自社のことを自分自身で良く伝えても、「本当に?」と疑われてしまうことがあります。一方で同じユーザー視点での口コミやレビューなどは信ぴょう性を感じやすく、購入の強い後押しになります。
もちろん良い評価がたくさん蓄積されればよいのですが、自社では情報の内容をコントロールできないため炎上のリスクがあったり、売上につながるまでに時間がかかったりする懸念点もあります。
代表的なメディア | ポジショニングメディア 口コミサイト ソーシャルメディアでのシェアやリツイート 記事やブログでの言及・レビュー 掲示板やフォーラムでの議論 顧客からの評価・レビューなど |
オウンドメディアに必要なコンテンツ
オウンドメディアへユーザーを集めるカギとなるのがコンテンツ制作ですが、オウンドメディアに必要なコンテンツには、主に以下のものがあります。
コラム記事
商品に直接的な関心はなくても、商品に関連しそうな話題、ユーザーが抱いている悩みの解決を解決する方法を「読みもの記事」として用意します。たとえば、注文住宅業界でいえば、「予算の決め方」「業者の選びのポイント」「良い土地の見つけ方」などです。
潜在的ニーズを持つユーザーを集客することが主な目的です。オウンドメディアの記事作成について、もっと詳しく知りたい方は、「オウンドメディアにおける記事管理体制のポイントと役立つツールについて解説」をご覧ください。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、商品(サービス)のセールス資料や導入事例、使い方などの技術資料のこと。10~20ページ程度でまとめたものをPDFファイル化して提供します。ホワイトペーパーを用意することで、商品に興味のある方に顧客情報を入力してもらいリード獲得につなげます。
導入事例
商品に興味のある方にとっての最大の関心事は「導入事例」です。導入前の課題は何か?導入したことで何が変わったのか、といった体験談はユーザーにとって有益なコンテンツになります。顧客の社名や担当者の顔写真などを入れるとより現実味のある内容になります。
FAQコンテンツ
FAQとは「Frequently Asked Questions」、つまり「よくある質問」です。商品に興味・関心があるなら、だれしもが閲覧してみたいコンテンツです。FAQなら自社商品にまつわるお客様からの質問ですので、外部ライターに依頼しなくても社内で作ることができます。
サービス紹介コンテンツ
オウンドメディア内でも自社サービスの紹介コンテンツは問い合わせや資料請求を獲得する上では欠かせません。自分の課題を解決したいが、まだ手法にたどり着いていないユーザーの場合には課題解決方法として自社サービスの紹介、そして導入後にどのような未来を描けるのか?と具体的に伝えられるコンテンツまで用意できれば潜在層だとしても、資料請求などにたどり着くでしょう。
オウンドメディア制作で重要なコンテンツSEOとは?
オウンドメディアをより多くのユーザーに見てもらうには、選定したキーワードで制作したコンテンツを「上位表示させるSEO対策」が必要不可欠。そこで重要なのが、「コンテンツSEO」という施策です。
コンテンツSEOとは、「ユーザーの検索意図に沿った質の高いコンテンツを制作し続けることで、検索上位表示させて流入増加を目指す方法」のことをいいます。
検索ユーザーは、何らかの知的欲求や課題を解決したいニーズを持っており、検索エンジンにワードを入力します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、ユーザーが知りたい欲求に的確に応えるコンテンツを上位表示させるため、コンテンツをやみくもに制作すれば良いわけではなく、
- ユーザーに役立つもの
- ユーザーが求めているもの
を追求したコンテンツ制作が求められます。そのためには、自社が提供する商品(サービス)の分析、ユーザーが求めるニーズの把握、ペルソナ設定、キーワード選定が非常に重要です。
SEOで評価されるコンテンツ制作について詳しく知りたい方は、「コンテンツSEOとは?実施するメリットや進め方・事例を詳しく解説」もご一読ください。
オウンドメディア制作・運営のメンバー
オウンドメディアはコンテンツ制作も大切ですが、その前にメディア制作や公開後も運営を続けるための「チーム作り」はもっと重要です。以下では、どんなメンバーが必要なのかについて解説します。これらの人材を社内で育成するか、または外注する際に確保できるか検討してみてください。
プロデューサー | オウンドメディア全体のテーマや方向性を決める「まとめ役」 |
ディレクター | コンテンツの企画や制作に関わる「現場のまとめ役」 |
編集者 | コンテンツの全体構成を考え、ライターへの指示。自ら取材・撮影・ライティングも行う |
マーケター | メディアの状況を数値化して分析し、改善プランを提案 |
SNS運用者 | オウンドメディアで制作したコンテンツをSNSで拡散 |
Webデザイナー | ユーザーにとって見やすく分かりやすいデザイン設計 |
エンジニア | 最終的にメディアとして実装 |
プロデューサー(全体統括)
オウンドメディア全体のテーマや方向性を決める「まとめ役」です。プロデューサーは、メディアの最終目標を決める「KGI(重要目標達成指標)」や、目標を達成するための中間目標となる「KPI(重要業績評価指標)」の設定などが、主たる業務となります。
そのほか、制作あるいは運営の進捗を確認し、メディア全体の修正や改善にも携わります。基本的には「まとめ役」ですので、直接コンテンツ制作には関わりません。仮にメディア制作を外部委託するとしても、プロデューサーは社内の人材を配置するのが望ましいでしょう。
ディレクター(現場監督)
ディレクターは、コンテンツの企画や制作に関わる「現場のまとめ役」です。主にコンテンツの品質チェック、現場担当者へのフィードバッグなどがあります。
現場を統括しますので、SEOの知識が豊富でWebライティングの経験も持つ人材が担います。
編集者(編集・ライティング)
コンテンツの全体構成を考え、ライターへライティングの指示を出します。場合によっては自ら取材や撮影、さらにライティングも行います。
メディアの流入を稼ぐには単に「文章を書くのが好きだから…」では通用しません。流入させるキーワード調査や上位表示させるためのSEO分析とコンテンツ構成ができる人材が求められます。
マーケター(メディア分析・改善)
メディアにどの位の流入があるのか、Googleアナリティクスなどの「分析ツール」を使って調査します。マーケターは、メディアの状況を数値化して分析し、改善プランを提案する役目を果たします。
オウンドメディアを運営する多くの企業が、メディアを作ることはできても、分析や改善まで手が回っていない状況下にあり、マーケターの存在は欠かすことのできない重要な存在です。
SNS運用者(流入経路拡大)
オウンドメディアの流入を稼ぐには、検索以外からも「流入経路」を増やすことが非常に重要です。
例えば、若い年齢層においては、InstagramやTikTokなどの動画や画像によるコミュニケーションを重視したSNSを使って情報を集める傾向にあります。一方、中年層以上ではFacebookを使う文化が根強く残っています。
但しSNSによって利用者層の傾向はあるものの、例えばFacebookでコミュニケーションする若年層がいないわけではありません。あくまでも自社商材の良さが伝わりやすさでSNSを選定、力を入れて運用する方が良いでしょう。
オウンドメディアと連携をさせるのであれば、オウンドメディアの拡充のために制作したコンテンツをSNSで拡散させるなど、SNSを活用し流入を増やす対策も必要で、このような業務を担う人材も確保しなければなりません。場合によっては、編集者やライターが担うケースもあります。
Webデザイナー・エンジニア(デザイン・保守管理)
Webデザイナーは、主にメディア立ち上げ時に活躍します。コンテンツ(テキスト)を作成しても、見た目が魅力的でなければ見る気も半減するでしょう。
ユーザーにとって見やすく分かりやすいデザイン設計が求められます。エンジニアは、最終的にメディアとして実装する際に重要な役目を果たします。
オウンドメディア事例を目的別で紹介
オウンドメディア事例①:認知拡大
サイボウズ式
画像引用元:サイボウズ式(https://cybozushiki.cybozu.co.jp/)
サイボウズ運営の「会社とライフスタイル」に関するオウンドメディア
サイボウズ式は、サイボウズ株式会社が運営する、「新しい価値を生み出す」をコンセプトとしたオウンドメディア。会社・組織についてから生き方・ライフスタイルについてまで、幅広いテーマをコラムやインタビュー形式で配信しています。
売上につなげるためのメディアではなく、多くの人が共感できるようなテーマを取り扱うことで、企業とユーザーの関係構築を目的としたオウンドメディアです。
大人の自由な一人旅
画像引用元:大人の自由な一人旅(https://www.hoshinoresorts.com/sp/hitoritabi/)
「大人の一人旅」がコンセプトの星野リゾートのオウンドメディア
長野県に本社を置く総合リゾート運営会社の株式会社星野リゾートが運営するオウンドメディアです。メディア名からもわかるように「大人の一人旅」をコンセプトに構成されています。
豊かな自然の中で過ごす「脱デジタル旅」、旅の中で美術鑑賞が楽しめる「芸術・アートの旅」、ワインリゾートを満喫できる「ひとり絶景ワイン旅」など、自分に合った一人旅のテーマが閲覧でき、それぞれの一人旅プランを自由に選ぶことができます。
ニチイの介護サイト
画像引用元:ニチイの介護サイト(https://www.nichii-kaigo.jp/)
ニチイ学館の「介護」に関するオウンドメディア
ニチイの介護サイトは、医療・介護・教育を中心に高齢化社会をサポートする事業を展開する株式会社ニチイ学館のオウンドメディアです。
「介護の知りたいことが見つかる」をテーマに、介護を必要とする家族向けの「準備の仕方」や「介助方法」がわかる基礎知識から、高齢者向けの「元気に暮らす健康法」まで幅広い情報が網羅されています。
文字情報だけでなく写真や動画を使って分かりやすく伝えているのも特徴の1つです。他にも、介護業界で働きたい方向けの「仕事紹介」コンテンツも充実しており、ニチイで募集している職種の中から選ぶことができます。
キナリノ
画像引用元:キナリノ(https://kinarino.jp/)
カカクコム運営の「暮らし」がテーマのオウンドメディア
キナリノは、株式会社カカクコムが運営する「暮らしを素敵に丁寧に」をコンセプトとしたオウンドメディアです。ファッションや生活雑貨、美容、グルメなど、幅広いテーマを取り扱っていますが、コンセプトは一貫してシンプルかつナチュラルで、コンセプトにマッチした女性の支持を受けています。
LIGブログ
画像引用元:LIG(https://liginc.co.jp/)
Web制作の技術に関するLIGのオウンドメディア
株式会社LIGは東京にあるWeb制作会社です。Web制作は他社との差別化が難しい業種ですが、株式会社LIGはオウンドメディアを運営することで自社のファンを増やして、競合との差別化に成功しています。
コンテンツの内容は、Web制作の技術的なものから、働き方についてまで幅広く、自社サービスのターゲットが興味関心のあるコンテンツを発信しています。
MONEY PLUS
画像引用元:MONEY PLUS(https://media.moneyforward.com/)
マネーフォワードのお金の管理にまつわるオウンドメディア
企業向け会計ソフトや家計簿アプリなどを提供している株式会社マネーフォワードが運営するオウンドメディア。以前は「マネトク!」というメディア名でしたが、一般生活者にターゲットを変更するにあたりサイト名が変更されました。
「MONEY PLUS」では、投資や保険、家計、貯蓄などのお金にまつわるニュースや記事を網羅的に配信しているほか、結婚や妊娠・出産など、人生のライフイベントにまつわる話題も取り扱っています。
オウンドメディア事例②:リード獲得
スキャダマガジン
画像引用元:SCADA MAGAZINE(スキャダマガジン)(https://www.scada-magazine.com/)
専門性が高いBtoB向けオウンドメディア
スキャダマガジンは、監視制御(SCADA)システムに特化したオウンドメディアで、市場に出ているソフトのそれぞれの機能やコスパをはじめに、SCADAシステムの今後の動向やそのほかの情報を網羅。
新システムを導入する際に重要視されがちな料金以外にも、商品選定の役に立つ情報が豊富で、SCADAシステムを検討する企業ならワンストップで導入判断が下せる設計になっているのが最大の特徴です。
有孔鋼板
画像引用元:現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう(https://www.perforated-steelplate.net/)
どの製品を購入すべきか一目瞭然で分かるオウンドメディア
「現場も発注者もよろこぶ設計に。有孔鋼板を知ろう」は、工場や倉庫の床、天井の目隠し材に使われる「有孔鋼板」をBtoB向けに紹介したオウンドメディアです。
「有孔鋼板」のキーワードでSEO対策を行い、現在1位を獲得。(2022年1月現在)全14種類ある有孔鋼板を「歩きやすく安全性の高い床」「通気性・採光性のある床」「デザイン性のある外壁」など、発注者の用途に合わせて紹介。
有孔鋼板を探している顧客がどの製品を購入すべきか、一目瞭然で分かりやすいサイト内容とコンテンツで構成されています。
えねいわ
画像引用元:えねいわ(https://www.eneiwa.com/)
ユーザーにとって最適な住宅メーカーが見つかるオウンドメディア
岩手の省エネ住宅事情まるわかりカタログ「えねいわ」では、寒さが厳しい岩手の冬も光熱費を気にせず快適に暮らせるうえ、プラスの収入も得られる「ZEH住宅」の建築実績が豊富にあるハウスメーカーを紹介しています。
岩手で省エネ住宅を建てたいユーザーにとって、「自分たちに合った省エネ住宅を建ててくれるメーカーが見つかるメディア」をコンセプトに制作。メディア導入後、反響数が前月対比で150%アップした成果も上げています。詳しくは、こちらの導入インタビューでご確認ください。
オウンドメディア事例③:ブランディングの確立
北欧、暮らしの道具店
画像引用元:北欧、暮らしの道具店公式サイト(https://hokuohkurashi.com/)
北欧雑貨の販売を手がけるクラシコムのオウンドメディア
北欧の生活雑貨を通販サイトで販売するクラシコム。通販ブランドを確立させるため「日常の暮らしのなかに、ひとさじの非日常を」をコンセプトに制作されたのが「北欧、暮らしの道具店」です。
オウンドメディア内でのマネタイズ(通販)を目的としておらず、商品が生まれたエピソードなど、ユーザー(生活者)が読みたいと思えるコンテンツ制作を重視しているのが特徴です。
音と暮らす~防音室のある家~
画像引用元:音と暮らす~防音室のある家~(https://www.living-withsound.net/)
音楽好きな人向けの「防音室のある家づくり」を提案
「音と暮らす~防音室のある家~」は、住宅を新築・増改築したい方でかつ、気兼ねなく楽器を奏で愛する音楽を大音量で傾聴したい“音楽好き”な方向けに「防音室のある家づくり」を提案する株式会社KOTOBUKI(総合建築事業会社)のオウンドメディアです。
ハウジング事業に加えてオーディオルーム、シアタールーム、演奏室などの「音響事業」に高い実績を持つ同社の強みを活かし、「音楽が楽しめる防音室をつくるならここに依頼したい」と第一想起されるブランディングを実現しています。
ピアノ・ドラム・ギター・バイオリンなど、好きな楽器が演奏できる自宅の防音室の施工事例が写真や施主の体験談とともに分かりやすく閲覧できます。
子どもが伸びる・賢くなるハウスツアー
画像引用元:子どもが伸びる・賢くなるハウスツアー(https://www.growup-housetour.com/)
子どもの能力を伸ばす家づくりをブランド化したメディア
「子どもが伸びる・賢くなるハウスツアー」は、脳科学に基づいた子どもの自立心、集中力、学習力、言語力を引き出す家づくりを得意とする株式会社リブランド(工務店)のオウンドメディアです。
家づくりに関するアドバイスはもちろん、子どもの能力を引き出す研修を修了した「子どもの専門家」による子どもの成長を考えた住環境づくりも提案しています。このオウンドメディアでは、
- 地頭の良い子どもが育つ家
- 子どものやる気を引き出す家
- 勉強好きな子どもになる家
など、目的に合わせた家づくりの間取りや収納のポイントを解説しており、実際の施工事例もチェックできる内容になっています。
「子どもの能力を伸ばす家づくりのプロ」という同社のコンセプトを打ち出し、競合他社との差別化にも成功しています。
オウンドメディア事例④:採用力の強化
mercan(メルカン)
画像引用元:mercan(https://mercan.mercari.com/)
メルカリ全体の社風が伝わるオウンドメディア
mercanは、メルカリで働く人を伝えるオウンドメディアです。社員に対してインタビューしたものをコンテンツ化して配信しています。
また、コンテンツは特定の部署に限定しておらず、メルカリ全体の社風が伝わる構成になっています。各業務における課題解決への取り組みなどが紹介されており、チームワークの良さが伝わる内容です。
キャリアハック
画像引用元:キャリアハック(https://careerhack.en-japan.com/report)
テック業界に特化したエン・ジャパンのオウンドメディア
キャリアハックは、エン・ジャパン株式会社が運営する「テック業界で働く人に向けて情報発信を行う」オウンドメディアです。テック業界のエンジニアやデザイナー、ディレクターなどをターゲットとして、次のキャリアにつなげられるようなコンテンツを配信しています。
働き方やこれまでのキャリアをインタビュー形式で紹介するコンテンツを中心に掲載。移り変わりの激しいテック業界の最新サービスを紹介するトレンド記事も取り扱っています。
ディレタマ
画像引用元:ディレタマ(https://www.dire-tama.com/)
Webディレクターを目指す方を集めるオウンドメディア
ディレタマは、Webディレクターへの求人応募を目的とした、Zenkenのオウンドメディアです。同じ業内からの転職や未経験からの応募ではなく、「Webディレクターに近い職種からのジョブチェンジ」をテーマにしています。
社員インタビューでは、現役ディレクターによる過去の職業から転職した経緯と入社後の心境などを伝えています。また、Wenディレクターに近いさまざまな職種を網羅し気になる年収やWebディレクターに必要な情報をまとめて紹介しています。
そのほか、Webディレクターを目指す方向けに、サイト制作のプロセスや必要なスキルを解説するページも用意。「ZenkenでWebディレクターになりたい」という方を集めています。
栄養士のお仕事大百科
画像引用元:栄養士のお仕事大百科(https://www.dietitian-jobposts.net/)
新卒応募を目的としたオウンドメディア
栄養士の資格を持つ新卒者や資格取得予定の学生に向けた、新卒応募を目的とした委託給食会社グリーンハウスの採用オウンドメディアです。
グリーンハウスに栄養士として働くスタッフに栄養士を志したきっかけや、仕事のやりがいなどをインタビュー形式で紹介しています。
そのほか、学生時代に経験しておくべきアルバイト情報など、栄養士として勤務する人にだけが持っている情報も質問し、新卒者に役立つ情報を盛り込んでいます。
読み物として栄養士の基本知識から求人情報まで幅広い情報を掲載しており、栄養士を目指す方が情報を検索した際に読みたいコンテンツも豊富な点が特徴です。
タクビー
画像引用元:タクビー(https://www.taku-be.com/)
エリア限定のタクシードライバー求人オウンドメディア
大阪でタクシー会社を運営する未来都への応募流入を目的とした求人オウンドメディす。新卒にこだわらず、異業種からの転職も重視しており、一般的な企業と比較した際の年収や、勤務体系の違いなどをコンテンツとして掲載しています。
全国からの流入ではなく、大阪でタクシー運転手を検討している方向けに設計しているのが最大の特徴。選べる大阪府内の各営業所の掲載や具体的な募集要項など、エリアを限定しているからこそ伝えられる地域性が高い情報をしっかりと掲載しています。
未経験者が不安になりやすい点を払拭するため、定着率や未経験者割合が高い点もアピール。実際に勤務する社員のインタビューもコンテンツとして盛り込んでいます。
オウンドメディアの運営方法
オウンドメディアは作ることに躍起になりがちですが公開がゴールではありません。その真価が問われるのは「公開後の運営」。オウンドメディアの運営は、コンテンツ制作が中心になりますが、主な運営の流れとしては、次の通りになります。
- コンテンツ制作・投稿…ペルソナが興味を抱くキーワードを設定しキーワードに基づいた記事を作成し投稿する
- 効果を測定する…検索順位チェックツールやアクセス解析ツールなどを活用し、「検索順位」「訪問者数」「閲覧数」「滞在時間」などを測定する
- 改善を図る…検索順位を上げるため、現状のコンテンツに不足する情報をリライトする等
上記のプロセスを繰り返しながら、メディア運営を行います。自社で制作・運営する企業もおりますが、よほど専門的なノウハウを持つ人材でない限り、メディアを成長させるのは難しいでしょう。
社内が無理なら外注を検討するのも一つの手です。
また、オウンドメディア運営には、リードを獲得し売上に繋げる目的がありますので、オウンドメディアを活用したマーケティング活動を展開していくには、MA(マーケティングオートメーション)・CRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援システム)といったツールとの連携も必要になります。
オウンドメディア運営におけるマーケティングツールについて、詳しく知りたい方は、「マーケティングツールとはなにか?比較ポイントや導入費用を解説」も合わせてご一読下さい、
オウンドメディアが失敗する5つの理由
オウンドメディアの事例を紹介してきましたが、メディアをつくったからといって100%成功する確約はどこにもありません。むしろ失敗に終わってしまうケースが多いのですが、なぜ失敗するのか、その理由についても解説します。
ペルソナが不明確
ペルソナを設定していないと「だれのためのメディアなのか」がわからず迷走していまいます。見る人は「だれ」なのかをベースに、戦略やキーワードの選定、コンテンツ制作の方向性を決めます。
しかし、これが不明確なまま、「つくることありき」で進んでしてしまうと、どんなにデザインなど見た目が素敵でも、ペルソナ(ユーザー)目線が欠如した企業目線のコンテンツに偏ってしまい、ユーザーがメディアに訪問しても「自分が欲しい情報ではない…」と判断され離脱される可能性があります。
もしも、PV数が少なく滞在時間も短いなら、もう一度「メディアを見る人はだれなのか」を見直す必要があります。
SEO対策の不足
どんなにデザインが優れていても、SEO対策がしっかりできていないとだれの目にも触れずにネット上の情報に埋もれてしまいます。
先ほどのペルソナ設定とも密接に関係しますが、どんなキーワードで流入させたいのか、検索する「意図」も組み入れたキーワードの選定、コンテンツ制作が必要不可欠です。
メディアを運営する側の「伝えたいこと」ばかりでは、SEOでの上位表示は難しく、メディアを開設してもPV数が上がる見込みは薄いでしょう。
レッドオーシャンSEOの依存
上記のSEO対策と矛盾するかもしれませんが、すでにライバル企業が力を入れている、競合性の高いキーワードで上位表示を狙いすぎるのも失敗の原因になります。
競争が激化する中で戦いを挑む「レッドオーシャンSEO」とも呼ばれていますが、並み居るライバルを押しのけて上位表示させるには、相当な時間とコストをかけなければなりません。
一例として「ダイエット」のキーワードがあります。健康食品業界やジム、美容業界など、多くの企業が莫大なコストを投下しSEO対策を行っていますので、さらにその上を狙うとなると、難易度はかなり高いでしょう。
多くの時間と労力をかけても順位が上がらず、結果、オウンドメディア閉鎖にもなり兼ねません。
人的リソースの不足
オウンドメディアは、公開後すぐにPV数が上がるわけではありません。公開後の運営が非常に重要で、コンテンツを定期的に追加しつつ、内容をより充実させるためのリライトも必要です。
しかし、社内に人的リソースがない場合、それらの業務ができず、コンテンツ制作や配信が止まってしまいます。また公開後、メディアがどのように成長しているのか専門ツールを使った効果測定も重要です。
- ページ訪問者数
- PV数
- ユーザー数
- 平均ページ滞在時間
- 直帰率
といった数値を把握しコンテンツを改善しますが、これらの業務を担うスタッフも必要です。リソースが足りないと、「公開して終わり」になってしまい、せっかく時間と労力をかけてつくったメディアが「宝の持ち腐れ」になる可能性があります。
流入数を増やすことばかりを追ってしまう
公開してもメディアの継続を断念する最も大きな要因が「成果が出ない」、つまり「売上が上がらない」ことです。成果が出ないまま、コンテンツの制作費や維持管理費が捻出できず、閉鎖に追い込まれるケースが少なくありません。
メディア公開後、まずは「流入数」を増やすことが当面の目標となりますが、いつの間にか流入数ばかりを追い、コンテンツの制作と公開が「目的」になってしまいがちです。
繰り返しになりますが、オウンドメディアは、公開が目的ではなく、リードを獲得し自社をブランディングしてファンをつくり「成果(売上)」につなげることが最終ゴールです。
しかし、その多くは、流入数を増やしたいがために、あえて競合性の高いレッドオーシャンSEOに突入してしまい、時間とコストをかけても成果が上がらないまま、運営停止や閉鎖という結果に終わっています。
では、オウンドメディアを成功に導くには、何が必要なのでしょうか?その秘訣を次項でくわしく紹介します。
オウンドメディアを成功に導く秘訣
キャククル運営元のZenkenでは、これまで8000サイト以上のオウンドメディアの制作と運営を行い、成功と失敗を経験してきました。
たとえば、美容における「脂肪吸引」といった競合性が高いレッドオーシャン市場では失敗しがちなのですが、競合が少ない「ブルーオーシャン市場」では成功する可能性があります。
では、ブルーオーシャン市場を探すにはどうすれば良いのでしょうか。それが、オウンドメディアを成功に導く秘訣、「スイートスポットを狙う」ことです。
スイートスポットとは、自社にできて、競合ができなくて、顧客が望んでいることが重なる領域のこと。つまり、自社にしか提供できない価値を購入する市場を狙うことが成功の鍵を握ります。
住宅業界でたとえるなら、「注文住宅」というレッドオーシャンではなく、自社が「プール付きの家の施工が得意」なら「プールのある家」など、プール付きの家を購入したいユーザーを獲得するスイートスポット市場を狙います。
Zenkenでは、このスイートスポット市場で成果が出すオウンドメディアを提案しています。
スイートスポット市場で成果を上げる「オウンドメディアの教科書」

オウンドメディアの企画から制作・運用までのステップを紹介。その他、自社サービスをブランド化し「売上」まで繋げるオウンドメディアの作り方もご案内します。
オウンドメディアで成果を出したい方へ
これらは、これまで120業種・8,000サイトの制作実績で実現した成果のほんの一部です。Zenkenでは、市場分析、戦略立案、メディア制作、公開後の運営改善までワンストップで対応しています。
- 「自社商材を購入してくれるお客様にブランディングがしたい」
- 「競合他社と差別化しスイートスポット市場を見つけたい」
- 「売上がつながるオウンドメディアを運営したい」
といったご要望がありましたらお気軽にご相談ください。狙った市場で自社のブランディングにつなげるオウンドメディアをご提案いたします。
集客とブランディングを両立する
オウンドメディアを
詳しく知る
また、「実際にどんなメディアなのか、事例を見てみたい」という方は、こちらのメディア制作実績もあわせてご覧ください。
オウンドメディアを制作する会社の選び方
オウンドメディアの定義や作り方、運営の仕方を紹介してきました。しかし、実際に制作するにあたって、どんな会社に依頼すべきかも悩みどころです。
制作が得意な会社に依頼し無事に公開できたとしても、運営ノウハウがなかったため、運営会社をまた新たに探さなければならない…、といった面倒な状況にもなり兼ねません。
オウンドメディアは、「作ったら終わり」ではなく、その後の運営が最も肝心ですので、以下の選定ポイントを意識しながら検討することをおすすめします。
- 戦略をしっかり提案してくれるか?
- 運営体制は任せても安心できるスタッフは揃っているか?
- 制作や運営実績は豊富か?
- 効果検証や改善まで対応できるか?
オウンドメディアに関するよくある質問

Q1.オウンドメディアを運営したいのですが何から準備すれば良いですか?
まず、「何のために運営するのか」、メディアのコンセプト、ターゲットを決めましょう。また、メディアで何をしたいのか(資料請求を増やす・ブランドイメージを浸透させる・売上を上げる)等の実現したいゴール設定も重要です。
内部で行うなら専門チーム編成、運営責任者、専属担当者を決めます。外部へ委託するなら社内担当者を決めつつ、一緒に伴走してくれる企業を選びます。詳しくは「オウンドメディアを作る手順」をご覧ください。
Q2.流入は増えてもオウンドメディアで売上は上がりますか?
「流入は増えても売上が上がらない」と困っているメディア担当者は少なくありません。その最大の理由として「売上につながらないコンテンツ」ばかりをアップしていることです。
そもそも流入(集客)を目的としているケースが多く、売上(成約)につながるキーワード選定、メディア設計、コンテンツ制作になっていないのが原因です。大切なのは見込み顧客に直接的に刺さるコンテンツ(メディア)を作ることです。
Q3.コンテンツはどんな内容にすれば良いですか?
オウンドメディアのコンテンツには、主に読ませるための「コラム記事」、商品利用者の「体験談」や「事例集」、文字で伝わりにくいなら「動画」も必要です。全てに共通するのはユーザーにとって役立つ情報であること。
情報の正確性がユーザーの命や生活に大きく関わるため、Googleは他ジャンルよりも厳しい品質評価基準を設けています。
メディアに訪問した当初は見込み客だったとしても、将来的には顧客につながる可能性があります。まずは見込み顧客との信頼関係を作るために、有益になるコンテンツを作りましょう。自社の売込みだけでは返って逆効果になります。
Q4.コンテンツ制作は内部で作るのと外部に委託するのとどちらが良いですか?
オウンドメディアは自社で運営するケースも多く、コストが抑えられるメリットもありますが、本業との両立が難しく専門チームを設けるしかありません。
しかし、キーワード選定、コンテンツ構成、ライティング、配信、分析調査、改修といった一連の業務をスピーディーに実行するのは容易ではありません。途中で挫折するメディアが多い中、確実に成果を出したいなら外部委託は賢明な選択です。
Q5.オウンドメディアを継続して運営するためのコツを教えてください。
内部運営で失敗してしまう原因は、「通常業務と両立ができない」ことです。片手間での運営になるため、コンテンツの公開が目的化してしまい、肝心な効果検証や改善にまで手が回らず途中で挫折してしまいます。
確実に継続したいなら専任のチームを編成しましょう。人選も必要ですので、文章力があり外部に情報発信するのが得意な方が望ましいです。
Q6.オウンドメディアの運営体制を作るにあたって社内でどんな人が適任ですか?
(1)作成するコンテンツに関する十分な知識がある(2)文章を書くのが好きで文章力もある(3)SNSなど自分で外部に情報を発信することを好む(4)ビジネスに対する熱量があるといった方がふさわしいでしょう。
本記事のまとめ
オウンドメディアは、企業のWebマーケティング施策の1つとして注目を集めています。
広告を使わずに「検索者が知りたいこと」に応えるコンテンツを提供することで見込み顧客を集め、優良顧客へと育成することが目的です。結果的に広告費も削減しながら売上の増加も期待できます。
Zenkenでは、狙うべき市場選定を含めたメディア戦略立案から、競合調査、企業独自の強みの分析、強みを活かしたメディア設計・制作、公開後の運営と改善策の実行までを一気通貫で対応いたします。
「オウンドメディアを導入したいが、どこに依頼すべきか迷っている」という方は、8,000サイトの制作・運営実績があるZenkenへお気軽にご相談ください。
集客とブランディングを両立する
オウンドメディアの
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この記事を書いた人:
キャククル編集チーム
キャククルは幅広い分野の「集客」に役立つ情報を発信するWebメディアとして、Zenken株式会社が立ち上げたWebメディア。「ひとりでも多くのお客さんが来るように」との願いを込めて、情報を発信しております。